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第51話 キンキンに
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「伊吹ちゃん、手が空いてるならその桶に水汲んできてくれない?」
「沢の水でいいの? 飲めんけど」
「うん、それでいいよ」
「了解した。……あと『伊吹ちゃん』は勘弁してくれ」
オークの珍味で性別が切り替わったことを確認し、今はその効果時間を確認している最中だ。
ただ、ぼんやりと待っているのも退屈なので、チカチカさんたち服飾組の様子を見に来たのだが、どうも暇そうに見られたようで、水汲みを手伝わされてしまった。
昨日、クラスメイトたちは『戦いはもう見たくない』と意気消沈していた。しかし、バイト代の魅力には抗えなかったらしく、チカチカさんと一緒に、ダンジョン用の服を作って売る商売をしたいと言ってきた。
ダンジョン用品店で売っている服は、どれも生成りの色しかなく、デザインも単調すぎる。また、そのどれもが『防具』として作られているものなので、着飾るための服というものは、現時点では滅多に見かけない。
可愛い、カッコいい、などという概念は二の次というわけだ。
……尤も、下着だけは妙に先鋭的ではあったが。
そこで彼女たちは、戦いを念頭に置いていない『見た目重視』のダンジョン服にも需要があるのではないかと当たりをつけた。
「私たちのように、魔物と戦わずにしてダンジョンと関わりたい冒険者に向けた、新しいブランドを立ち上げるから、支援してくれない?」
と、提案されたので、それをすぐに了承した。戦わずにダンジョンと関わりたい人間は、きっと少なくないし、防具を揃えるにも金がかかりすぎる現状では、服ひとつ用意できずに足踏みしている者だっている。
ダンジョン産の素材だけで作られる、手工芸の一点物──そんな高額な装備しか選択肢がないこの世界で、見た目だけを整えた、手の届きやすい服を提案できるのなら、それはもう立派な商売になるだろう。
どんな服が仕上がるのか、いまから少し楽しみだ。
水を汲んで戻る途中、シマシマさんが何かを眺めていた。
「何を見てるの?」
「ん? あぁ伊吹先輩。あれですよ」
彼女が指を差した先には、ゴーレムがタライの前でしゃがみ込んでいるのが見えた。
「……洗濯をさせてるの?」
「洗濯……と言えば、洗濯なんですが」
染み抜きでもさせているのだろうか?
もう少し近くで見ようと、ゴーレムの方へ歩いて行こうとすると、すぐにシマシマさんがそれを制した。
「あっ、危ないから近づいちゃダメですよ」
「え? 洗濯じゃないの?」
「いま彼には、強いアルカリ性の薬剤を使って、糸の材料を作ってもらってるんですよ。……人が触ると爛れちゃうような強いアルカリ性なんですが、ゴーレムくんは平気なので」
「おぉ…………」
なるほど。岩の身体だから薬品もへっちゃらというわけか。
「多分、ダンジョン用の装備が生成りばかりなのって、強い漂白が出来ないせいだと思うんですよね」
「ほー、だからそれをゴーレムにお願いしたのか。すごい発想だな」
「彼があと10体ほど居れば、ここに紡績工場が作れますよ!」
「ならもう何日かしたら、ゴーレムの集落が復活していないか見てくるよ」
「ぜひお願いします! もちろん彼一人でも相当助かってますけどね」
危険な薬品をゴーレムに扱わせるのは斬新だ。荷運びをお願いするくらいしか思いつかなかったな……。
こうして衣料品ブランドの準備が進む一方で、我々はもう一つの事業にも着手していた。
◻︎◻︎◻︎
「はい。では今から採取場所へ向かうので、絶対に逸れないでくださいねー」
「「はーい」」
レンタルローブに紙パンツ、そして荷籠を背負った新人冒険者たちが、クラスメイトの男子に案内されて森へ向かった。
彼らの多くは、この夏休みにダンジョン体験をしようとやってきた、学生冒険者たちだ。
ダンジョンで活躍するための初期装備を揃えるのは、非常に難易度が高い。
なにしろ、トランクス1枚を買うだけで20万円もの出費が必要になるのだ。
たまたま自分たちは強力な爆発魔法を得たことで、換金率の高い素材を入手でき、比較的早く装備を整えられたが、多くの冒険者にはそれができない。
レンタル棍棒で必死にウサギやネズミを倒して数千円。
それを十日ほど繰り返して、ようやくパンツ1枚というのが現実だった。
そんな地味で気の遠くなるような下積みに心が折れ、ダンジョンを去っていく者は数えきれない。
今回の新事業は、そうした者たちに向けたものである。
我々の求める労働を手伝ってもらうことで、レンタル装備を卒業できる程度の身なりを、より簡単かつ早く整えられるようにする──それが狙いだった。
チカチカ衣料品の服を作るには、大量の素材が必要になる。
布を織るには、ダンジョン地下一階に自生する『亜麻に似た草』を集めねばならないのだが、クラスの男子たちの手だけでは、量がまったく足りていなかった。
そこで目をつけたのが、新人冒険者たちである。
彼らはこのあと、レンタル棍棒でネズミを殴り、両手に伝わる嫌な感触と、魔石を取り出すための解体作業に耐えかねて、二度とダンジョンには来なくなる。
その前に、『草を集めるだけで装備が整う』という道を示すことで、こちらの事業に協力してもらおうという計画だ。
荷籠いっぱいに草を詰めて戻ってくるまで、だいたい30分。
その一回の仕事で渡される報酬は、木札1枚。
木札自体は中村さんが彫ってくれた、端に渦模様が彫り込まれた楕円形の札で、触れるとわずかに凹凸がわかる。
これを10枚集めると、パンツ1枚と交換できる。
つまり、5時間働けばパンツが手に入るということだ。
時給換算すれば、4万円。破格の条件と言える。
しかも一切の戦闘なし。比較的安全に装備が整うとなれば、戦闘に向かないスキルしか得られなかった冒険者たちにとって、間違いなく魅力的な選択肢になるだろう。
「……コレって疑似通貨発行にならないんです?」
そう尋ねてきたのはマキマキさんだ。
「一応冒険者ギルドにも話をしてきたけど、お店のポイントカードと同じだから大丈夫だってさ」
「この彫刻を真似して、偽造木札を作られたりは?」
「偽造できる技術があるなら、その本人を雇おうかな。ちゃんと木工業をした方が稼げるだろうしね」
ちなみに、冒険者ギルドからは『もし偽造の対策が出来るなら、俺たちも一枚噛ませろ』的なことを提案された。そうなってくると、今度こそ本格的に“疑似通貨発行”と見なされるかもしれない……。
「あら、いつの間にか男性の姿に戻っていますね」
「え、うそ、全然気づかなかった。……歩いてると結構わかんないもんだな」
股間に変化があればすぐに分かるかと思っていたが、ついつい見逃してしまった。
「それでも大体、10分程度ですか?」
「んー、水を汲みに行って戻ってきたから……。うん、そうだね。10分くらいかな」
「なら次は2つ同時に食べてみてもらえますか? 蓄積型かどうかを確認したいので」
「了解した。……ところで長良さんは食べてみないの?」
「わ、わたしはその……、医者の家系ですので……何が生えてきても……見慣れていますので……全然……」
見るのと生えてくるのでは話が変わってくるということか……。
流石にこんな実験を女性にお願いするのは躊躇われるな。
一時的に男になっても構わないって女性はいないのだろうか?
そんなことを考えていると、隣にいたマキマキさんが名乗りをあげた。
「長良先輩が、食べるのに抵抗があるなら、私が代わりに試しましょうか?」
「えっ? 大丈夫? 生えてきちゃうかもよ?」
「それって結構、私のスキルと相性良さそうじゃありませんか? 何かと……」
「あー………………そうだね」
男性への転換と拷問スキル。
……その相性とは一体何なのか。あまり深くは考えないことにした。
◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎
「沢の水でいいの? 飲めんけど」
「うん、それでいいよ」
「了解した。……あと『伊吹ちゃん』は勘弁してくれ」
オークの珍味で性別が切り替わったことを確認し、今はその効果時間を確認している最中だ。
ただ、ぼんやりと待っているのも退屈なので、チカチカさんたち服飾組の様子を見に来たのだが、どうも暇そうに見られたようで、水汲みを手伝わされてしまった。
昨日、クラスメイトたちは『戦いはもう見たくない』と意気消沈していた。しかし、バイト代の魅力には抗えなかったらしく、チカチカさんと一緒に、ダンジョン用の服を作って売る商売をしたいと言ってきた。
ダンジョン用品店で売っている服は、どれも生成りの色しかなく、デザインも単調すぎる。また、そのどれもが『防具』として作られているものなので、着飾るための服というものは、現時点では滅多に見かけない。
可愛い、カッコいい、などという概念は二の次というわけだ。
……尤も、下着だけは妙に先鋭的ではあったが。
そこで彼女たちは、戦いを念頭に置いていない『見た目重視』のダンジョン服にも需要があるのではないかと当たりをつけた。
「私たちのように、魔物と戦わずにしてダンジョンと関わりたい冒険者に向けた、新しいブランドを立ち上げるから、支援してくれない?」
と、提案されたので、それをすぐに了承した。戦わずにダンジョンと関わりたい人間は、きっと少なくないし、防具を揃えるにも金がかかりすぎる現状では、服ひとつ用意できずに足踏みしている者だっている。
ダンジョン産の素材だけで作られる、手工芸の一点物──そんな高額な装備しか選択肢がないこの世界で、見た目だけを整えた、手の届きやすい服を提案できるのなら、それはもう立派な商売になるだろう。
どんな服が仕上がるのか、いまから少し楽しみだ。
水を汲んで戻る途中、シマシマさんが何かを眺めていた。
「何を見てるの?」
「ん? あぁ伊吹先輩。あれですよ」
彼女が指を差した先には、ゴーレムがタライの前でしゃがみ込んでいるのが見えた。
「……洗濯をさせてるの?」
「洗濯……と言えば、洗濯なんですが」
染み抜きでもさせているのだろうか?
もう少し近くで見ようと、ゴーレムの方へ歩いて行こうとすると、すぐにシマシマさんがそれを制した。
「あっ、危ないから近づいちゃダメですよ」
「え? 洗濯じゃないの?」
「いま彼には、強いアルカリ性の薬剤を使って、糸の材料を作ってもらってるんですよ。……人が触ると爛れちゃうような強いアルカリ性なんですが、ゴーレムくんは平気なので」
「おぉ…………」
なるほど。岩の身体だから薬品もへっちゃらというわけか。
「多分、ダンジョン用の装備が生成りばかりなのって、強い漂白が出来ないせいだと思うんですよね」
「ほー、だからそれをゴーレムにお願いしたのか。すごい発想だな」
「彼があと10体ほど居れば、ここに紡績工場が作れますよ!」
「ならもう何日かしたら、ゴーレムの集落が復活していないか見てくるよ」
「ぜひお願いします! もちろん彼一人でも相当助かってますけどね」
危険な薬品をゴーレムに扱わせるのは斬新だ。荷運びをお願いするくらいしか思いつかなかったな……。
こうして衣料品ブランドの準備が進む一方で、我々はもう一つの事業にも着手していた。
◻︎◻︎◻︎
「はい。では今から採取場所へ向かうので、絶対に逸れないでくださいねー」
「「はーい」」
レンタルローブに紙パンツ、そして荷籠を背負った新人冒険者たちが、クラスメイトの男子に案内されて森へ向かった。
彼らの多くは、この夏休みにダンジョン体験をしようとやってきた、学生冒険者たちだ。
ダンジョンで活躍するための初期装備を揃えるのは、非常に難易度が高い。
なにしろ、トランクス1枚を買うだけで20万円もの出費が必要になるのだ。
たまたま自分たちは強力な爆発魔法を得たことで、換金率の高い素材を入手でき、比較的早く装備を整えられたが、多くの冒険者にはそれができない。
レンタル棍棒で必死にウサギやネズミを倒して数千円。
それを十日ほど繰り返して、ようやくパンツ1枚というのが現実だった。
そんな地味で気の遠くなるような下積みに心が折れ、ダンジョンを去っていく者は数えきれない。
今回の新事業は、そうした者たちに向けたものである。
我々の求める労働を手伝ってもらうことで、レンタル装備を卒業できる程度の身なりを、より簡単かつ早く整えられるようにする──それが狙いだった。
チカチカ衣料品の服を作るには、大量の素材が必要になる。
布を織るには、ダンジョン地下一階に自生する『亜麻に似た草』を集めねばならないのだが、クラスの男子たちの手だけでは、量がまったく足りていなかった。
そこで目をつけたのが、新人冒険者たちである。
彼らはこのあと、レンタル棍棒でネズミを殴り、両手に伝わる嫌な感触と、魔石を取り出すための解体作業に耐えかねて、二度とダンジョンには来なくなる。
その前に、『草を集めるだけで装備が整う』という道を示すことで、こちらの事業に協力してもらおうという計画だ。
荷籠いっぱいに草を詰めて戻ってくるまで、だいたい30分。
その一回の仕事で渡される報酬は、木札1枚。
木札自体は中村さんが彫ってくれた、端に渦模様が彫り込まれた楕円形の札で、触れるとわずかに凹凸がわかる。
これを10枚集めると、パンツ1枚と交換できる。
つまり、5時間働けばパンツが手に入るということだ。
時給換算すれば、4万円。破格の条件と言える。
しかも一切の戦闘なし。比較的安全に装備が整うとなれば、戦闘に向かないスキルしか得られなかった冒険者たちにとって、間違いなく魅力的な選択肢になるだろう。
「……コレって疑似通貨発行にならないんです?」
そう尋ねてきたのはマキマキさんだ。
「一応冒険者ギルドにも話をしてきたけど、お店のポイントカードと同じだから大丈夫だってさ」
「この彫刻を真似して、偽造木札を作られたりは?」
「偽造できる技術があるなら、その本人を雇おうかな。ちゃんと木工業をした方が稼げるだろうしね」
ちなみに、冒険者ギルドからは『もし偽造の対策が出来るなら、俺たちも一枚噛ませろ』的なことを提案された。そうなってくると、今度こそ本格的に“疑似通貨発行”と見なされるかもしれない……。
「あら、いつの間にか男性の姿に戻っていますね」
「え、うそ、全然気づかなかった。……歩いてると結構わかんないもんだな」
股間に変化があればすぐに分かるかと思っていたが、ついつい見逃してしまった。
「それでも大体、10分程度ですか?」
「んー、水を汲みに行って戻ってきたから……。うん、そうだね。10分くらいかな」
「なら次は2つ同時に食べてみてもらえますか? 蓄積型かどうかを確認したいので」
「了解した。……ところで長良さんは食べてみないの?」
「わ、わたしはその……、医者の家系ですので……何が生えてきても……見慣れていますので……全然……」
見るのと生えてくるのでは話が変わってくるということか……。
流石にこんな実験を女性にお願いするのは躊躇われるな。
一時的に男になっても構わないって女性はいないのだろうか?
そんなことを考えていると、隣にいたマキマキさんが名乗りをあげた。
「長良先輩が、食べるのに抵抗があるなら、私が代わりに試しましょうか?」
「えっ? 大丈夫? 生えてきちゃうかもよ?」
「それって結構、私のスキルと相性良さそうじゃありませんか? 何かと……」
「あー………………そうだね」
男性への転換と拷問スキル。
……その相性とは一体何なのか。あまり深くは考えないことにした。
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