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3章 3つ巴ベース編
44話 小橋信政
しおりを挟む僕の名前は小橋 信政
現在18歳の高校3年生だ。
世界を襲った異変から必死で生き続けて、今ではなぜか《夜明けの鐘》の和歌山支部の支部長(リーダー)という立ち位置についている。
夜明けの鐘は、近畿各地に拠点を置く学生による巨大拠点だ。団員の総数は数千人規模だという。
ちなみに和歌山支部も徐々に人員を増やし、現在では数百人に至る。活動としては県内の探索、救助、人材の確保からダンジョンの捜索まで行なっている。
僕の見解ではあるがダンジョンは地球側への救済処置ではないかと考えている。ダンジョンからは魔道具や魔書、加えてスキルが得られる宝玉をドロップする場合があるという。それは、まるで僕たち人間を強くする、いや、選別しているかのように感じる。
ダンジョンは各地に散在しているが、未だ踏破したという声は聞かない。
だが踏破している者はいると僕は考えている。
踏破した先には何があるのか僕は見たい。
それがどれだけ険しい道であろうとも
だから今日も僕は頼りになる仲間と共にダンジョンに挑む。
*****
そんな順調にダンジョン攻略を続けていたある日
6階層からの帰還中、僕のスキル【探知Ⅲ】がある反応を捉えた。
探知スキルは、僕を中心に半径500メートル内の"人"の反応を見ることができる。また色の濃さによって命の状態も分かる。
ダンジョン内ではパーティメンバーの"花"のスキル【マッピング】と共に活用し仲間の状態を管理している。
しかし、不思議な事にダンジョン内では同階層しか探知することはできない。
そのため4階層に戻った際は驚いた。
薄くなった色が4つ、濃い色が1つ。状態から見るに4つの方は気絶か行動不能にされていると。
原因はこの1つ、いや一人だろう。
誰だ?他の拠点の者か?
だが今3つの拠点のパワーバランスは拮抗している。
わざわざ僕たちのエリアのダンジョンに入るか?
それにこの1つのマークは僕たちに気づいてるように感じる。
気づいて尚、その場に留まっている。
僕らを誘っているのか?
僕は正直言って自分の力に自信はある。
光太郎や花という一騎当千の仲間もいる。
その誘い乗ってみるとしよう
**********
「光太郎が負けた……」
「な……」
負ける要素は無かった。
僕の固有スキル【鑑定】で男を見た時、あの男のスキルは【回復強化】【全力】【集中】というスキル。
かなりバランスのとれたスキルではあるが、この程度のスキル保持者は珍しくはない。
それに比べ、光太郎のスキルは極めて強力だ。
雷を纏い、肉体、感覚全てを高速化する【雷化】
加えて槍を達人級に扱う事が出来る【槍術】
更に気絶状態、又は肉体の危機を察知し自動で発動する【自動戦闘】
通常の戦闘能力は勿論、奥の手も備えている。
にも関わらず負けた。
一体何者なんだ
特別なスキルは無いにも関わらずあの強さ。
異常な程に闘い慣れている。
しかも、この闘いを経て"壁越え"をしたのだろう……威圧感が段違いに上がった。
"壁越え"
レベルアップ、昇華、言い方は色々あるが
それは極限状態を経ることで得られる進化の力と言われている。
僕自身もダンジョンでの探索中に2回程経験はした。
故にその恩恵の大きさは分かるが、あまりにリスクが高すぎるため、そう何度もできるものではない。
だが、この男から感じる存在力…何度壁越えを経験しているのだろう
男は今にも倒れそうな身体でこちらを静かに見ている。
しかし、かなり疲弊している。
男のスキルに【回復強化】はあるが、おそらく自然治癒を少し早める程度のもの。
未だ優位はこちらにある、あるはずだ……。
だが僕の本能が警報を鳴らしている。
"戦ってはならない"と
今戦えば8割は僕が勝つと思う。
だが残りの2割の可能性を男は確実に掴んでくる。そんな予感がある。
それは不確かで根拠のないものだが……
「ノブ君、どうする?」
花が闘うのなら準備はできているとばかりに話しかけてくる。
「いや、まずは僕が交渉する。それでも無理ならば闘う覚悟はしといて」
まずはなぜ男がここに来たのか?を知らないと
出来れば闘うことは避けたいけど…
ここから試されるのは僕の交渉力だ
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