最強への道 〜努力は俺を裏切らない

ペンギン

文字の大きさ
46 / 70
3章 3つ巴ベース編

45話 和解

しおりを挟む

「「申し訳ありませんでした!」」

今、俺の目の前で頭を下げる優等生君とリボンの少女

彼らはどうやら俺の事を誤解していたみたいだ。
誤解を解くのは時間がかかったが、なんとか解く事ができた。

「頭を上げてくれ。それほど気にはしていない。むしろ君達の拠点のメンバーをその…倒してしまってすまない」

今思えば俺も大人気なかった。
最近、戦闘欲求が高まり過ぎていかんな。反省だ。

それにしても聴くところによると彼らは《夜明けの鐘》のメンバー。そして、この優等生君は和歌山支部のリーダーとの事だ。
実は結構ヤバい状況なのではないだろうか

「いえいえ、光太郎はその…アホなんで。良いお灸になったと思います」

本当許してくれて良かった。

「そうか……それなら良かったんだが。」

確かにピアス少年がアホと言うのは納得だ。
この優等生君も苦労しているのだろう。まだ高校生くらいだろうにチラホラ白髪が混じっている。

「お兄さんって超強いね!」

リボンをつけた少女"花"が話に入ってくる。
先程までずっとパールの体で遊んでいたが、ようやく離れたみたいだ。というかパールが逃げたか

それにしても強いと言われるのは嬉しい。
ーーだが

「いいや、俺なんてまだまだだ。正直勝てたとも僅差だった…」

今回の戦いは反省点が多い。相手はまだ高校生。子供相手にこれではダメだ。修行の量を増やさなければな

「お兄さんってストリックって奴?」

「花、それを言うならストイックだよ。ですがシュウさんは十分強いと思いますよ。光太郎のスキルはどれも強力で正直戦闘においては、内の支部では右に出るものはいません。それを無傷で倒すなんて正直信じられません」

「うん、光太郎って負けた事なかったもんね!倒したのお兄さんが初だよ!」

「そ、そうか」

今の高校生は、本当に良くできているな。
むしろ大人より大人ではないかと思う。

「それにしても秋さんはどこの拠点にも属してないんですか?」

「あぁ一人だ…いや、一人と一匹だな」

一人と言おうとしたがパールが軽く足元に抗議して来たため修正した。確かにパールがいるから一人きりではないな。

「うちの拠点ベースにおいでよ!」

花が俺の手を握り、上目遣いで見てくる。
本人はその気はないのだろうが……天然とは怖いものだ。
まぁ、正直この世界で生き残るには拠点ベースに入るのが一番なんだろうが

「すまないが断らせてもらう。俺は一人気ままに生きるのが性に合っている。」

とても嬉しい誘いだが、今の自由な旅が最近はとても楽しいし、パールが加わり寂しさも無くなったし今回は断る。それが正しいのかはわからないが

「そうですか…残念です。ですが内の拠点ベースは近畿内でしたから各地に支部があるので入る気になればぜひ」

少しばかり残念そうに言う優等生君
それにしてもさすが拠点ベース

「うん?ちなみに少し質問良いか?」

「なんでしょうか?」

「いや、ふとした疑問なんだが今世界は車や電車、スマホに至るまでが使用不能で移動手段、伝達手段が無いのにどうやって拠点ベースを今の規模にまでしたのかと思ってな」

地元の人々が集まりできるならば分かるが、近畿一帯となると正直どのように作ったのか、管理するのか見当もつかない

「それは……あまり広めないで欲しいのですが、《夜明けの鐘》には会長を頂点とし、その直下に《5つ葉》と呼ばれる幹部達がいます。その中の1人"カナエ様のエキストラスキル"伝達"によって各支部に情報や物資を伝達しています。」

「うん?エキストラスキルって何だ?」

初めて聞く言葉だ。
おそらくだが固有スキルとは違うのだろう

「それは「それはねぇ!固有スキルの強い版って感じだよ!」

優等生の説明に乱入してくる花
どうやら話に入りたかったようだ。

「エキストラスキルは基本的にすごい能力を持っているの。例えば、触れるだけで鉄を溶かす能力とか、相手の思考を読むとか…….すごいらしいよ」

「カナエ様のエキストラスキル"伝達"は自身が定めた場所に言葉や物を送る。または移動させる事も可能なスキルで、月に1回に情報の共有と物資の交換がされています。」

「なるほど、確かに恐ろしいスキルだな。ちなみに定めた場所ってどこでもいいのか?」

「それは自身が直接定めた場所や物らしいです。ですので各支部にはカナエ様より与えられた携帯が与えられます。」

どこでもドアのような便利性は無いんだな。
まぁもしそうだったら最強すぎるか
なるほど、自身の決めたものを座標と設定できるのか。十分強すぎる能力だけどな

「その携帯とやらはどうやって各県にまで持っていくんだ」

少し質問のし過ぎかとは思ったが、聴ける時に聴いとくのが大切だからな
質問は1回にまとめろとよく言われたものだ。

「スカウト君達だよー!」

花が話に乱入してくる。
それにしてもスカウト君?
 
「えーと、うちのベースにはスカウト隊というのがありまして、主に移動系のスキル持ちで構成されているので近畿内各地に赴き、有望な人材や拠点ベースを見つけては、夜明けの鐘に勧誘しているんです。僕ら3人も実はスカウトによって夜明けの鐘に入りました。」

花の一言を優等生君が捕捉する。
なるほど、移動系スキルと伝達のスキル。この二つが揃っているのは拠点として強いな。

「なるほどな。いろいろ教えてもらって悪いな」

俺の中で優等生君の株がどんどん上がっている。

「いえいえ、ここであったのも何がの縁ですし、今は協力し合わないとですからね。なんでも聞いてください」

優等生君が爽やかに微笑む。
本当にいい奴だな優等生君は。いや小橋君だな

俺は様々な事を教えてくれた小橋君に深い感謝の念を抱きながら、他に聞く事を考えていた。

ほんとサラリーマン時代の仕事癖が抜けなくて困る。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神
ファンタジー
 ユーゴ・タカトー。  それは、女神の「推し」になった男。  見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。  彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。  彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。  その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!  女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!  さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?  英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───  なんでもありの異世界アベンジャーズ!  女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕! ※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。 ※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

処理中です...