51 / 70
3章 3つ巴ベース編
50話 宝箱
しおりを挟む自然と目が醒めた。
どれくらい気を失っていたのだろうか?
しかし、身体の回復具合から数時間は気を失っていたのだろう。
まだ身体の節々が痛いが動けなくはない。
ーーパールは!?
気絶している場合ではなかった。
パールは相当重症だったはず
俺は身体の痛みも無視して飛び上がりパールのいる階段の方へ向かう。
パールが階段で横たわっていた。
良かった。気を失っているがまだ息もある。
だがかなり辛そうだ。
俺はパールを抱き上げる。
「絶対助けてやるからな。ほんとすまない!」
俺は傷ついたパールに謝り
急いで地上に戻ろうとしたが、頭の中で何かが引っかかり足が止まる。
そーいや、さっきのボス部屋に何かがあったような。
パールの元へ急いだからボス部屋の状況をしっかりと見てなかったが何かあったような。
「うーん、悩む時間がもったいない!」
俺は直感を信じ、ボス部屋へ戻る。
そこには、サイクロプスが消滅した後に残った"拳大の赤い魔石"と木製の宝箱が出現していた。
何か罠とかではないよな。
これが小橋君が言っていたボスのドロップアイテムなのか
俺はパールを抱いたまま、宝箱を慎重に開けた。
中には小さな巾着袋のようなものと緑色の液体が入った小瓶が入っていた。
確か異世界のアイテムには鑑定が使えるんだったな。
俺はその二つのアイテムに鑑定を試みる。
【中級回復薬】
傷を回復させる魔法薬。効果・中
【魔法袋・少】
50キロまで物を入れることが可能な魔法の袋
ーー回復薬!
効果から察するにこれをパールに飲ませれば
「パール、これを飲んでくれ」
俺はパールの口を手で開け、回復薬を流し込む。
すると変化はすぐ現れた。
パールの身体が淡く輝き、赤紫に変色した肌や傷が塞がっていく。
まさに奇跡の力だな
そして、光が収まった時、パールの傷はほとんどが治った。
「……ぷぅ?」
パチっとパールの目が開き、俺と目が合う。
「良かった。無事で!!」
俺はパールを強く抱きしめた。
「ーーぷっ…ぷぅっ!!」
「すまないっ!」
強く抱きしめすぎたようだ。
表面の傷は治ったようだが、まだ完全には治っていないみたいだ。
それにしても無事助かって良かった。
もしパールがと考えるだけで胸が痛くなる。
もはやパールは俺にとってかけがえのない存在になっているようだ。
「ぷぅ!」
パールが俺のすぐそばを見て短く鳴いた。
「どうした?」
パールの視線を追うと、そこにはサイクロプスの魔石が
「プゥ?」
「食べたいのか?」
「プゥ!!」
どうやら正解らしい。
おそらく、そこそこの価値はある魔石だろうが、今回の功労者はパールだしな。
「いいぞ!食べて」
「ぷぅーー!!!」
そういうとパールは魔石の方へとトコトコ歩いて行き、魔石にかじりついた。
ほんと美味しそうに食べるな。
魔物と魔石。もしかしたら何か関係があるのかもな
と思っていると、急にパールの身体がうっすらと発光した。
しかし、その発光はすぐに消えた。見た目には何も変化はない。
うーん、どういう事だ。
もしや……俺はパールを鑑定する。
********
名前 パール
種族 マルブー
スキル 食い溜め
転がるⅡ
弾力ボディII
重量変化
硬化
《ボールのように丸い豚の魔物。逃げ足が非常に遅いため魔物に狩られ尽くされ絶滅した種。》
********
あっ…増えている。
【硬化】のスキルが増えている。
おそらく名前からして身体の硬くするスキル
おそらくサイクロプスが使っていたスキルだろう
これはどういう事だ。
サイクロプスの魔石を食べたから獲れたのか?
でも他の魔物の魔石を食べても何も無かったが……うーん、考えても分からない。だが
「より強くなって良かったな!」
俺はパールの頭を撫でる。
「プゥ~!!」
どうやら新たなスキルをゲットできてパールも喜んでいるようだ。
ちなみにもう一つあった【魔法袋・小】は一言で言うと100キロの重量制限のある4次元ポケットだった。
生き物以外ならなんでも入るようだ。
これで物資の補給がずっと楽になる。
ボスドロップ万歳だな。
それにしても24時間は経っていないにしろ。
今日のところはここまでにして、そろそろダンジョンを戻るか。
初ダンジョンは波乱の連続だったが、成功と言っていいだろう。
こうして俺の初ダンジョン探索を終了した。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発
ハーフのクロエ
ファンタジー
アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。
「魔物の討伐で拾われた少年――アイト・グレイモント」
(イェイソン・マヌエル・ジーン)
ファンタジー
魔物の討伐中に見つかった黄金の瞳の少年、アイト・グレイモント。
王宮で育てられながらも、本当の冒険を求める彼は7歳で旅に出る。
風の魔法を操り、師匠と幼なじみの少女リリアと共に世界を巡る中、古代の遺跡で隠された力に触れ——。
異世界帰りの勇者、今度は現代世界でスキル、魔法を使って、無双するスローライフを送ります!?〜ついでに世界も救います!?〜
沢田美
ファンタジー
かつて“異世界”で魔王を討伐し、八年にわたる冒険を終えた青年・ユキヒロ。
数々の死線を乗り越え、勇者として讃えられた彼が帰ってきたのは、元の日本――高校卒業すらしていない、現実世界だった。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる