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第二章 カウンセリングの始まり
第6話 疑念 doute
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「――あの、さ。……場所変えて、話せないかな? ほら、こんなところで立ち話するのも、なんだし」
ノエルさんは僕へそう言った。少しだけ胸がつかえて、なんて返していいかわからなかった。話したいことなんてなかった。むしろ話したくなかった。だって、ノエルさんと僕をつなぐものはひとつで、それはブリアック兄さんだ。
彼は兄さんのずっと昔からの親友だった。悪友って言ってもいいかもしれない。家族だけの密かな葬儀が終わった次の週、哀悼のために他の友人たちと連れ立って来てくれた。言葉だけじゃなくて、兄さんがいなくなって本当に悲しんでくれた人。知ってる。
ブリアック兄さんは、病気で死んだことになっているんだ。だから誰にも棺を見せられず、すぐに埋葬してしまったのだと。
誰も彼もそれを信じる中、ノエルさんは違った。僕にはわかった。ずっと、物問いた気な瞳で僕を、そしてオリヴィエ兄さんを見ていたから。
オリヴィエ兄さんは煙に巻いていた。僕は気づかないふりをしていた。そして二カ月が経った今こうして相まみえて、ノエルさんの瞳には、あの時と同じ物問う色が宿っている。
僕は答える言葉を持たない。――なにもないんだ。どうしてなんて僕にもわからない。……だから、なにも聞かないでほしい。
頭の中がぐるぐると渦を巻き、ブリアック兄さんの顔や声が、鮮明に浮かび上がったり、ぼやけて消えたりした。胸が詰まるような感覚で、息苦しさが僕を支配する。それでも、僕は平静を装おい背を正した。
――ここで僕が動揺してしまったら、ノエルさんはきっと、気づいてしまう。そう思ったんだ。いやだ。そんなの嫌だ。知ってほしくないんだ。悲しんでくれた人だから。
ずっと、ブリアック兄さんのこと、好きでいてよ。なかったことにしないでよ。ねえ。覚えてるでしょ? 僕にとっては本当にいい兄だった。いい兄だったんだ。ノエルさんにとってもそうだったんでしょ? ねえ。
そのままで覚えていてよ。お願いだから。――お願いだから。
内心の葛藤が僕を責め苛む。それでもそれはきっと一瞬のことで、ノエルさんの目に僕は涼しい顔でもして立っていたのかもしれない。ノエルさんは少し焦ったような口調で「そんな、時間を取ったりしないよ。ちょっと話したいだけなんだ。それだけなんだ」と言った。
「二階に喫茶室があるから、よかったら、そこで――」
二階の喫茶室への案内板が視界に入った。でもすべてがぼやけて見えて、まるで遠くにあるように感じた。店内の音や、ささやくような他の客の声も、まるで水の中から聞いているようだ。
「うちの生徒になにか?」
ノエルさんから差し伸べられた手に、僕の心臓が一瞬止まったように感じた。その瞬間、レヴィ氏の静かな声が背中を押してくれた。僕はそれに触発されたみたいに詰めていた息を吐き出して、肺に空気を送る。
レヴィ氏は僕をかばうようにすっと半身を前に出して立った。ノエルさんが姿勢を正して「これは失礼いたしました」と言った。
「テオフィルくんとは昔からの顔見知りでして。思わぬところで出会ったもので、声をかけたのですよ。初めまして、エル・デ・リバティ美術専修学校の事務職員、ノエル・ビュファンです」
「そうでしたか。ごていねいにありがとうございます。エコール・デ・ラベニューの校医をしております、ジョズエ・レヴィと申します」
二人は慣れた口上を述べながらすっと懐から名刺を出して交換した。ものの数秒のやり取りで、大人って大変だなって、安心して一瞬のんきなことを考えた。
そこで話は終わりで、僕はすぐにでもあの物問う瞳から解放されるのだと思ったのだけれど、ノエルさんはそうするつもりがないようだった。レヴィ氏へ「少し、テオフィルくんと話してもいいですか」と伺いを立てたんだ。
「今、お話をされていたように思うのですが」
「少しだけ、込み入った話がしたいのです。そんな、何十分も拘束しません。カフェが冷めない時間くらいです」
「私がいては問題が?」
ノエルさんがなにかを言いかけて、口を閉じた。そして言葉を選ぶように「……とても、個人的なことを尋ねたいのです」と言う。僕は震える手を抑えるために、ぎゅっと拳を握ってうつむいた。
「――よろしければ、私宛てに質問を送ってください。テオフィルくんは今病み上がりなのです。無理をさせたくないため、今日はこちらで失礼いたします」
レヴィ氏が僕の背に手を当てて階段の方向へと歩みを促した。僕は軽くうなずいてそれに従おうとしたけれど、ノエルさんが僕の右手を取った。そして早口で言う。
「――待ってくれ。まって。オリヴィエに手紙を書いても、ナシのつぶてなんだ。どうか教えて、テオ。頼むよ、頼むから、教えてくれ」
ノエルさんの声は、かすかに震えていて、切実だった。まさか、オリヴィエ兄さんに問い合わせの手紙を送っていたなんて、知らなかった。オリヴィエ兄さんは、ブリアック兄さんと悪さばかりするノエルさんを良く思っていなかったから、ノエルさんも程よい距離を保っていたはずだ。それなのに、わざわざ嫌われるような内容の手紙を何回も送っていたなんて。
……僕たち家族の他に、ブリアック兄さんを悼んでくれた人がいるとするなら、彼だ。
僕の腕をつかむノエルさんの力が、彼の焦りを物語っていた。あの、いつもブリアック兄さんとおちゃらけていた人が、今はまるで別人のように切羽詰まっている。
「――ブリアックは、本当に病死だったのか? あいつが? 風邪を引いていることだって見たことなかった」
「ビュファンさん、やめてください!」
僕をノエルさんの視線から隠すように、レヴィ氏は動いた。そんなに身長は変わらないし、隠れていたかどうかは疑問だけれど。店員さんがこちらを注視しているのがわかった。僕は、喉元が熱くて、熱くて、そして。
「――故人を悼むのは美しい心根ですが、今は少しお話を控えていただけますか。テオフィルくんは病み上がりなのです。時ではない」
――息を吸って、吐いて。吸って、吐いて。
口元に手を当てて、僕はそれを繰り返した。喉元が熱い。すごく熱い。――苦しい。
視界がぼやけ、身体が重くなり、足元がふらつく。病み上がりって言われたけど、本当にそんな気がするくらいだった。
レヴィ氏の彼の声は、静かでありながらどこか冷たくその場に響いた。放たれた「時ではない」という言葉が店内の空気を凍りつかせたかのようで、誰もが固唾を呑んでいる。
「――あちらへ。行こう、お手洗いがあるから」
僕はうなずくこともできないで、ただ出されたその手を握る。もう片方の手が僕の背に軽く触れたその瞬間、胸の中の混乱が少しだけ和らぐ。
「……少し落ち着いたら、なんか、甘いもの食べよう? そこで、ちょっと話そう?」
数日前、宝物に触れるみたいにオルガンを弾いていたその指は冷たくて、少しだけ僕の熱を逃がしてくれた気がする。それで僕は息を吸いながらうなずいたんだ。それでも。
去っていく間中ずっと、ノエルさんの視線が、背中に痛かった。
ノエルさんは僕へそう言った。少しだけ胸がつかえて、なんて返していいかわからなかった。話したいことなんてなかった。むしろ話したくなかった。だって、ノエルさんと僕をつなぐものはひとつで、それはブリアック兄さんだ。
彼は兄さんのずっと昔からの親友だった。悪友って言ってもいいかもしれない。家族だけの密かな葬儀が終わった次の週、哀悼のために他の友人たちと連れ立って来てくれた。言葉だけじゃなくて、兄さんがいなくなって本当に悲しんでくれた人。知ってる。
ブリアック兄さんは、病気で死んだことになっているんだ。だから誰にも棺を見せられず、すぐに埋葬してしまったのだと。
誰も彼もそれを信じる中、ノエルさんは違った。僕にはわかった。ずっと、物問いた気な瞳で僕を、そしてオリヴィエ兄さんを見ていたから。
オリヴィエ兄さんは煙に巻いていた。僕は気づかないふりをしていた。そして二カ月が経った今こうして相まみえて、ノエルさんの瞳には、あの時と同じ物問う色が宿っている。
僕は答える言葉を持たない。――なにもないんだ。どうしてなんて僕にもわからない。……だから、なにも聞かないでほしい。
頭の中がぐるぐると渦を巻き、ブリアック兄さんの顔や声が、鮮明に浮かび上がったり、ぼやけて消えたりした。胸が詰まるような感覚で、息苦しさが僕を支配する。それでも、僕は平静を装おい背を正した。
――ここで僕が動揺してしまったら、ノエルさんはきっと、気づいてしまう。そう思ったんだ。いやだ。そんなの嫌だ。知ってほしくないんだ。悲しんでくれた人だから。
ずっと、ブリアック兄さんのこと、好きでいてよ。なかったことにしないでよ。ねえ。覚えてるでしょ? 僕にとっては本当にいい兄だった。いい兄だったんだ。ノエルさんにとってもそうだったんでしょ? ねえ。
そのままで覚えていてよ。お願いだから。――お願いだから。
内心の葛藤が僕を責め苛む。それでもそれはきっと一瞬のことで、ノエルさんの目に僕は涼しい顔でもして立っていたのかもしれない。ノエルさんは少し焦ったような口調で「そんな、時間を取ったりしないよ。ちょっと話したいだけなんだ。それだけなんだ」と言った。
「二階に喫茶室があるから、よかったら、そこで――」
二階の喫茶室への案内板が視界に入った。でもすべてがぼやけて見えて、まるで遠くにあるように感じた。店内の音や、ささやくような他の客の声も、まるで水の中から聞いているようだ。
「うちの生徒になにか?」
ノエルさんから差し伸べられた手に、僕の心臓が一瞬止まったように感じた。その瞬間、レヴィ氏の静かな声が背中を押してくれた。僕はそれに触発されたみたいに詰めていた息を吐き出して、肺に空気を送る。
レヴィ氏は僕をかばうようにすっと半身を前に出して立った。ノエルさんが姿勢を正して「これは失礼いたしました」と言った。
「テオフィルくんとは昔からの顔見知りでして。思わぬところで出会ったもので、声をかけたのですよ。初めまして、エル・デ・リバティ美術専修学校の事務職員、ノエル・ビュファンです」
「そうでしたか。ごていねいにありがとうございます。エコール・デ・ラベニューの校医をしております、ジョズエ・レヴィと申します」
二人は慣れた口上を述べながらすっと懐から名刺を出して交換した。ものの数秒のやり取りで、大人って大変だなって、安心して一瞬のんきなことを考えた。
そこで話は終わりで、僕はすぐにでもあの物問う瞳から解放されるのだと思ったのだけれど、ノエルさんはそうするつもりがないようだった。レヴィ氏へ「少し、テオフィルくんと話してもいいですか」と伺いを立てたんだ。
「今、お話をされていたように思うのですが」
「少しだけ、込み入った話がしたいのです。そんな、何十分も拘束しません。カフェが冷めない時間くらいです」
「私がいては問題が?」
ノエルさんがなにかを言いかけて、口を閉じた。そして言葉を選ぶように「……とても、個人的なことを尋ねたいのです」と言う。僕は震える手を抑えるために、ぎゅっと拳を握ってうつむいた。
「――よろしければ、私宛てに質問を送ってください。テオフィルくんは今病み上がりなのです。無理をさせたくないため、今日はこちらで失礼いたします」
レヴィ氏が僕の背に手を当てて階段の方向へと歩みを促した。僕は軽くうなずいてそれに従おうとしたけれど、ノエルさんが僕の右手を取った。そして早口で言う。
「――待ってくれ。まって。オリヴィエに手紙を書いても、ナシのつぶてなんだ。どうか教えて、テオ。頼むよ、頼むから、教えてくれ」
ノエルさんの声は、かすかに震えていて、切実だった。まさか、オリヴィエ兄さんに問い合わせの手紙を送っていたなんて、知らなかった。オリヴィエ兄さんは、ブリアック兄さんと悪さばかりするノエルさんを良く思っていなかったから、ノエルさんも程よい距離を保っていたはずだ。それなのに、わざわざ嫌われるような内容の手紙を何回も送っていたなんて。
……僕たち家族の他に、ブリアック兄さんを悼んでくれた人がいるとするなら、彼だ。
僕の腕をつかむノエルさんの力が、彼の焦りを物語っていた。あの、いつもブリアック兄さんとおちゃらけていた人が、今はまるで別人のように切羽詰まっている。
「――ブリアックは、本当に病死だったのか? あいつが? 風邪を引いていることだって見たことなかった」
「ビュファンさん、やめてください!」
僕をノエルさんの視線から隠すように、レヴィ氏は動いた。そんなに身長は変わらないし、隠れていたかどうかは疑問だけれど。店員さんがこちらを注視しているのがわかった。僕は、喉元が熱くて、熱くて、そして。
「――故人を悼むのは美しい心根ですが、今は少しお話を控えていただけますか。テオフィルくんは病み上がりなのです。時ではない」
――息を吸って、吐いて。吸って、吐いて。
口元に手を当てて、僕はそれを繰り返した。喉元が熱い。すごく熱い。――苦しい。
視界がぼやけ、身体が重くなり、足元がふらつく。病み上がりって言われたけど、本当にそんな気がするくらいだった。
レヴィ氏の彼の声は、静かでありながらどこか冷たくその場に響いた。放たれた「時ではない」という言葉が店内の空気を凍りつかせたかのようで、誰もが固唾を呑んでいる。
「――あちらへ。行こう、お手洗いがあるから」
僕はうなずくこともできないで、ただ出されたその手を握る。もう片方の手が僕の背に軽く触れたその瞬間、胸の中の混乱が少しだけ和らぐ。
「……少し落ち着いたら、なんか、甘いもの食べよう? そこで、ちょっと話そう?」
数日前、宝物に触れるみたいにオルガンを弾いていたその指は冷たくて、少しだけ僕の熱を逃がしてくれた気がする。それで僕は息を吸いながらうなずいたんだ。それでも。
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