真冬の逃げ水 Mirage d'hiver

 近代国家として成長を続けるアウスリゼ。その輝かしい姿の裏側には、知られざる陰がある。
 国家に反逆した罪により、一人の男が処刑された。この事実は公にはされず、暗い歴史の一部として葬り去られた。
 その処刑は、男の家族にとって重く苦しい記憶となり、特に末弟のテオフィルに深い傷を残す。
 彼は何も為せなかった過去を思い出し、悔恨の中で立ち止まっていた。

「知っている? 真冬でも、逃げ水ってあるんだよ」

 逃げ水のように手の届かない、幸せだったころの記憶に心を閉ざしたテオフィル。
 そんな彼に手を差し伸べたのは、精神科医のレヴィだった。彼もまた、過去に囚われ続ける人間であり、テオフィルの痛みの中に、自分と同じ色を見た。
 そしてテオフィルを助けようとする過程で、レヴィ自身も、自分の過去と向き合うことになる。

※こちらは『 喪女は、不幸系推しの笑顔が見たい ~よって、幸せシナリオに改変します! ※ただし、所持金はゼロで身分証なしスタートとする。~』( https://www.alphapolis.co.jp/novel/365835295/594706079 )の続編ですが、この作品単体でも読めるようにしてあります
※イラストが挿入されることがあるため、苦手な方は自衛してください
※完結済み、一日数話投稿
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