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ルピナス様は私の言葉に驚いたような顔をしています。
もしかして私が断ること前提で話をしていたのでしょうか。
だとしたら嬉々として受けた私はいったい……
ルピナス様は固まっているので、私は不安になってきました。
「あの、ルピナス様?」
「ああ、申し訳ない。私はてっきり……いや、君のためにこの場を設けたなんて言ったけど、僕も面子があるからってのもあってね。これなら皆がいる前で言えば良かったよ。あはは」
ルピナス様は何か言いかけたものの、照れ臭そうにそう言いました。
「良かったです。なんだか随分驚かれていたから、お受けしてはいけなかったのかと思いました」
「そんなわけないじゃないか。凄く嬉しいよ。じゃあフリージア、改めて、私の妃になってくれるかな」
「はい、喜んで」
笑顔でそう返すと本当に嬉しそうにしてくれました。どうやら私が気を回しすぎだったようです。
それから、陛下とマリーゴールド様も合流して昼食を取りました。
ルピナス様の話を聞いたマリーゴールド様の喜びようは大変なものでした。娘ができたと言ってくれていて、話をお受けして本当に良かったと思えました。
「マリーゴールド、まだ気が早い。これから婚約を発表してのちに婚姻となるのだぞ。其方もそうであったろう」
「え?あんなに時間がかかりますの?では婚約だけでも直ぐにしましょうよ」
陛下とマリーゴールド様はとても仲良しでした。この夫婦を見てルピナス様は真っ直ぐに育ったのですね。
私の両親も幸か不幸か私の前では仲良く見えました。世の中には知らなければ良かったこともあるものです。
結局、マリーゴールド様の一存で婚約式は1ヶ月後に決まりました。
ルピナス様は恐らくライラックさんのことを気にしていて、私の調合技術の習得がひと段落してからで良いと言っていましたが、いつまでかかるかわからなかったのです。
ルピナス様を不快にさせないようにライラックさんとの距離には気をつけないといけませんね。
その日はハイペリカムの屋敷に帰りましたが、翌日からはマトリカリアの屋敷に移りました。結婚までの短い間をここで過ごすことになります。
ライラックさんは流石に観念して自分の家に寝泊まりするようになりました。私はそこに毎日通うことになりましたが、ルピナス様と結婚前の私が一人で男性と会うのは聞こえが悪いということで、必ず側仕えが同行することになりました。
薬品の匂いが充満する中で一日中待っているのは気の毒でしたけど。
今までライラックさんのことが気になっていましたが、その想いには蓋をしました。これで良かったのだと思います。
もしルピナス様との求婚を断っていればライラックさんの肩身も狭いだけですし、アイリスさんを想い続けるライラックさんからすれば、私の存在は迷惑だったかもしれません。
カラードさんからの最初の依頼はすぐに片付き、思ったより早かったからかカラードさんはそれからも頻繁に依頼を持って来てくれました。
マトリカリアの屋敷の維持などは到底無理ですが、本当にこのくらいの依頼を日々こなしていければ、生活には困らなそうなくらいの報酬が入って来ています。
たまにルピナス様や公爵様に頼まれて貴族の治療で魔法も使っています。そちらの報酬がまたとんでもない金額をいただけたり。
そんな生活をしていると、あっという間に婚約式の日になりました。
私は発表が決まった直後から婚約式の為に採寸して準備したドレスや装飾品という、初めて自分の持ち物で式典に臨みます。費用は全て王家持ちですけど。
もしかして私が断ること前提で話をしていたのでしょうか。
だとしたら嬉々として受けた私はいったい……
ルピナス様は固まっているので、私は不安になってきました。
「あの、ルピナス様?」
「ああ、申し訳ない。私はてっきり……いや、君のためにこの場を設けたなんて言ったけど、僕も面子があるからってのもあってね。これなら皆がいる前で言えば良かったよ。あはは」
ルピナス様は何か言いかけたものの、照れ臭そうにそう言いました。
「良かったです。なんだか随分驚かれていたから、お受けしてはいけなかったのかと思いました」
「そんなわけないじゃないか。凄く嬉しいよ。じゃあフリージア、改めて、私の妃になってくれるかな」
「はい、喜んで」
笑顔でそう返すと本当に嬉しそうにしてくれました。どうやら私が気を回しすぎだったようです。
それから、陛下とマリーゴールド様も合流して昼食を取りました。
ルピナス様の話を聞いたマリーゴールド様の喜びようは大変なものでした。娘ができたと言ってくれていて、話をお受けして本当に良かったと思えました。
「マリーゴールド、まだ気が早い。これから婚約を発表してのちに婚姻となるのだぞ。其方もそうであったろう」
「え?あんなに時間がかかりますの?では婚約だけでも直ぐにしましょうよ」
陛下とマリーゴールド様はとても仲良しでした。この夫婦を見てルピナス様は真っ直ぐに育ったのですね。
私の両親も幸か不幸か私の前では仲良く見えました。世の中には知らなければ良かったこともあるものです。
結局、マリーゴールド様の一存で婚約式は1ヶ月後に決まりました。
ルピナス様は恐らくライラックさんのことを気にしていて、私の調合技術の習得がひと段落してからで良いと言っていましたが、いつまでかかるかわからなかったのです。
ルピナス様を不快にさせないようにライラックさんとの距離には気をつけないといけませんね。
その日はハイペリカムの屋敷に帰りましたが、翌日からはマトリカリアの屋敷に移りました。結婚までの短い間をここで過ごすことになります。
ライラックさんは流石に観念して自分の家に寝泊まりするようになりました。私はそこに毎日通うことになりましたが、ルピナス様と結婚前の私が一人で男性と会うのは聞こえが悪いということで、必ず側仕えが同行することになりました。
薬品の匂いが充満する中で一日中待っているのは気の毒でしたけど。
今までライラックさんのことが気になっていましたが、その想いには蓋をしました。これで良かったのだと思います。
もしルピナス様との求婚を断っていればライラックさんの肩身も狭いだけですし、アイリスさんを想い続けるライラックさんからすれば、私の存在は迷惑だったかもしれません。
カラードさんからの最初の依頼はすぐに片付き、思ったより早かったからかカラードさんはそれからも頻繁に依頼を持って来てくれました。
マトリカリアの屋敷の維持などは到底無理ですが、本当にこのくらいの依頼を日々こなしていければ、生活には困らなそうなくらいの報酬が入って来ています。
たまにルピナス様や公爵様に頼まれて貴族の治療で魔法も使っています。そちらの報酬がまたとんでもない金額をいただけたり。
そんな生活をしていると、あっという間に婚約式の日になりました。
私は発表が決まった直後から婚約式の為に採寸して準備したドレスや装飾品という、初めて自分の持ち物で式典に臨みます。費用は全て王家持ちですけど。
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