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肉体言語コミュニケーション!
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ごっごっと勢いよくジョッキのエールを飲み干すと、プラシドはジョッキをテーブルに叩きつけながら叫んだ。
「俺のラミロはどこにいるんだよぉぉぉぉぉぉ!!」
わっと泣き始めたプラシドを、同じ冒険者で友人でもあるピオが冷めた目で眺めながら、ちびちびと蒸留酒を飲んでいる。
テーブルに頬をつけて、めそめそ泣いているプラシドに、ピオが話しかけた。
「お前のラミロってあれだろ?触手モンスターの事だろ。もう討伐されてんじゃねぇの?」
「不吉なことを言うな!俺のラミロは強いもん!多分!」
「強い触手なんているかよ」
「はぁぁん。ラミロ……会いたいよぉ」
「はいはい。明日もダンジョンに潜るんだ。とっとと糞してシコって寝ろ」
「うぇーい」
プラシドは流れる涙を適当に服の袖で拭くと、ピオと同じタイミングで立ち上がった。
プラシドは冒険者をしている。まだ22歳と若いが、中堅程の腕前であり、『まるで王子様みたい』と女達にキャーキャー言われる程度には整った顔をしている。
長く伸ばした赤毛はいつも一つの三つ編みにしており、プラシドの美しさを損なう髭は、ダンジョンに潜っている時でもキレイに剃る。深みのある青色の瞳は、プラシドに穏やかで知的な印象を与えている。実際は、ピオから『触手狂いのアホ』と言われるような、少々残念な思考回路の持ち主である。
プラシドは定宿のベッドに寝転がって、今でも大好きな友達との出会いを思い出した。
あれはプラシドが8歳の時の事である。プラシドの実家は街外れにあり、森がすぐ側にあった。森はたまにモンスターが出るが、どれも木の棒で子供でも倒せる程度のものしか出てこない。森はプラシドの遊び場だった。
ある日、プラシドは森の中の小川の近くで、小さな淡いピンク色の触手モンスターを見つけた。ピンク色の触手モンスターは、明らかに弱っており、水を求めているようである。プラシドは弱々しく這いずる触手モンスターが気の毒になり、近くに生えていた大きな葉っぱを千切って、それを器の形に変えると、小川の水を汲んで、弱っている触手モンスターに水をかけてやった。水をかけると、しおしおに弱っていた触手モンスターが少しだけ元気になった。
プラシドは少しだけ考えて、触手モンスターを両手で持ち上げ、小川に触手モンスターを浸けてやった。こんなに小さくて、しかも弱っているのなら、鳥の餌まっしぐらである。前に鳥型モンスターが触手モンスターを食べているところを見たことがある。
萎れていた触手モンスターが、水を吸ってぷるんぷるんと元気になると、プラシドは触手モンスターを持ち上げ、誰にも教えていないプラシドの秘密基地に連れて行った。
プラシドの秘密基地は、小川から程近い洞窟である。洞窟の中には、小川で見つけたきれいな丸い石とか、森の中で拾った美味しい木の実とか、色々置いてある。
プラシドは触手モンスターをとりあえず洞窟内の地面に置くと、家で使わなくなったボロい鍋を片手に小川へ戻った。小川で鍋いっぱいに水を汲み、零さないように注意しながら、洞窟に戻る。
プラシドは洞窟内の触手モンスターの側に鍋を起き、触手モンスターを鍋の水の中に入れてやった。
なんとなく満足したプラシドの手に、まるでお礼を言うかのように、1本の触手がやんわりと触れた。プラシドはなんだか嬉しくなって、触手モンスターと友達になると決めた。
プラシドは街の子供達からハブられている。女の子には人気があるのだが、その分男の子からの評判が悪い。また、両親が変わり者と有名で、それもあって、街の子供達とは疎遠である。プラシドはいつも1人で遊んでいて、ずっと友達が欲しかった。
プラシドは触手モンスターに話しかけた。
「ねぇ。君の名前はラミロはどうだい?すっごく強い冒険者の名前なんだ。格好いいよね。ラミロでよかったら、こうしてよ」
プラシドは両腕を頭上に上げて、腕で大きな丸をつくった。
「嫌ならバツね」
プラシドは今度は両腕を交差させた。触手モンスターは暫くぷるぷるとしていたが、2本の触手が伸びてきて、大きく丸をつくった。プラシドは嬉しくて、触手モンスター改めラミロに片手を差し出した。
「よろしく。ラミロ。俺はプラシドだよ。プーラーシード!覚えた?」
プラシドがラミロに問いかけると、ラミロが触手で大きな丸をつくった。言葉は交わせないが、ラミロとちゃんと意思疎通ができることが嬉しくて、プラシドは伸びてきた触手をやんわり握って握手をした。プラシドに初めての友達ができた。
プラシドは毎日森の秘密基地に行くようになった。ラミロと石を積んで遊んだり、ラミロが萎れないように水を上げたり、一緒に本を読んだりして、楽しい日々を続けた。
プラシドが16になり、成人した年。
ラミロはその頃には、プラシドの身体よりもかなり大きくなっていた。ぷよんぷよんの触手の塊の上に寝転がって、ラミロにも分かるように本を音読するのが、この頃の楽しみであった。
ある日、プラシドがラミロに会いに秘密基地に行くと、ラミロはいなかった。小川を中心に周囲を探し回っても、ラミロはどこにもいなかった。
ラミロに捨てられた。プラシドはその時、そう思った。その日から毎日毎日秘密基地に行って、ラミロを探して周囲を歩き回るが、ラミロの姿は見つけられなかった。
プラシドはものすごく落ち込み、半年近く自宅の自分の部屋に引き篭もった。初めてで唯一だった友達に捨てられてしまった。プラシドは本当にものすごくラミロが大好きだったのに。
最初のうちは両親も酷く落ち込んでいるプラシドをそっとしておいてくれたが、半年が過ぎると、『そろそろ働け』と言って、自室から無理やり追い出された。
プラシドは仕方なく冒険者になることにした。冒険者ならば、もしかしたら、ラミロを見つけられるかもしれない。
プラシドはそう考え、冒険者の仕事をしながら、ラミロを探す日々を続けている。
------
ダンジョン内にトラップに引っかかったプラシドは、大きく溜め息を吐いた。こういう時に限ってソロでの仕事だった。
プラシドは強制転移させられた部屋を見回した。部屋の中は大きな触手モンスターがうじゃうじゃいる。触手モンスターからは敵意しか感じない。これは完全に死ぬまで犯されるやつである。脱出の仕方が分からない以上、プラシドができることは2つだけだ。1、大人しく触手モンスターの玩具になる。2、触手モンスターを皆殺しにして、なんとか脱出方法を探す。1は論外なので、プラシドは触手モンスターを討伐すべく、剣を構えた。
触手モンスター達が何故か急に動き始めた。なんと、触手モンスター同士で戦い始めたのだ。1匹の触手モンスターが、他の触手モンスターを物理的に千切っては投げ、千切っては投げ、どんどん触手モンスターの残骸を増やしていく。
不思議な光景に、プラシドがぽかんと間抜けに口を開けていると、ずるずると1匹だけ残ったひと際大きな触手モンスターがプラシドの前までやって来た。
プラシドは半信半疑で、目の前の触手モンスターに問いかけた。
「ラミロ?」
触手モンスターが太くなった触手を伸ばし、大きな丸をつくった。
プラシドは半泣きでラミロに勢いよく抱きついた。
「ラミローー!!うわーーん!!めちゃくちゃ探したんだからなぁ!!生きててよかったよぉーーーー!!」
プラシドが本気泣きしながら、ラミロの身体に抱きついていると、ラミロがプラシドの身体を抱き上げ、そのまま、ずるずると移動をし始めた。
触手モンスターの残骸の奥にあった隠し扉の所で、プラシドはラミロから下ろされた。
「ラミロ?」
ここから出ろと言いたいのか、ラミロが優しくプラシドの背中を押した。プラシドはかっとなって怒鳴った。
「ラミロと一緒じゃなきゃ此処から出ない!」
ラミロがすぐに触手を交互にして、✕をつくった。プラシドは悲しくなって、ぼたぼた涙を溢しながら、ラミロを見つめた。
ラミロの触手が、なにやらオロオロするかのようにうねうねしている。
ラミロの触手が1本伸びてきて、プラシドの涙を優しく拭った。
「ラミロ。ラミロは俺が嫌いだから出ていったの」
『✕』
「じゃあ、なんで……あっ!もしかして、俺と交尾がしたかったの?」
暫しの沈黙の後で、ラミロが気持ち小さめに触手で丸をつくった。プラシドは、ぱぁっと明るい笑顔を浮かべた。
プラシドと交尾がしたいということは、ラミロはプラシドのことをそこまで大好きだということである。プラシドはラミロとなら、何をやってもいい。この世で一番大切な友達だからだ。
プラシドはその場で装備を全て外し、服も脱いで全裸になった。バランスのとれた筋肉質な身体が露わになる。まるで彫像のように美しいプラシドは、そのまま勢いよく、なにやら挙動不審な動きをしているラミロに飛び込んだ。ぽよんぷよんな触手に優しく包まれる。
「ねぇ。ラミロ。君がいなくなってから、俺はずっと寂しいまんまだったよ。君は?寂しかった?」
身体の下の触手が動いて、俯せから仰向けにされ、にゅるりと伸びた長い触手が、大きく丸をつくった。
「俺のこと好き?」
『○』
「孕ませたい?」
『…………○』
「俺とずっと一緒にいてくれるならいいよ。秘密基地で一緒に暮らそうよ」
『……○』
少しだけ悩むようにうねうねしていたラミロだが、最終的には頷いてくれたので、よしとする。言質は取った。
今日からプラシドはラミロのお嫁さんである。
触手モンスターは、相手のアナルに種を植えつけ、そこに自分の精液を入れて相手を孕ませ、増えていく。
つまり、プラシドは今日からラミロに孕まされまくるのである。正直ちょっぴり興奮してしまう。大好きなラミロになら、何をされても構わない。
友愛か恋愛感情なのか、その境目は分からないが、ラミロと一緒にいられるのなら、どうでもいい。こんなに嬉しいことはない。
プラシドは今までとは違う、おずおずとした感じの触れ方をしてくるラミロの触手を1本優しく掴み、ちゅっとキスをして、ラミロの触手を口に含んだ。ペロペロと口に含んだ触手を舐めると、ぶるっとラミロの触手が震えた。
「ラミロ。好きにしていいよ」
ラミロの淡いピンク色の触手が微かに赤みを帯びた。興奮してるっぽい。プラシドの身体に、ラミロの触手が絡みついてくる。
にゅるっと顔の前に現れた濡れた触手に唇をつんつんされ、プラシドは素直にその触手を口に含んだ。触手からじわじわと甘い液体が滲み出てきて、プラシドはそれをこくりこくりと飲み込んだ。腹の奥底から身体が熱くなっていく。
何本もの触手が、熱くなったプラシドの身体を這う。プラシドの自己主張が控えめな小さい乳首に細長い触手が触れ、触手の尖端がかぱぁっと開いた。見れば、触手の中は太い毛のようなものがびっしりと生えていた。プラシドの両方の乳首を、ラミロの触手がぱくんと咥えた。ぬめる触手の中の柔らかい毛のようなものに、乳首を優しくさわさわと擽られる。男の乳首なんて単なる飾りだと思っていたが、これがものすっごく気持ちがいい。ここ暫く娼館に行っていなかったプラシドは、かなり溜まっている。プラシドのペニスは、乳首への刺激で、すぐにガチガチに勃起した。
勃起したペニスに、ぬるつく触手が絡みついてくる。ペニスの根元から竿全体をぬるつく触手で包まれ、亀頭は、かぱぁっと開いた触手に咥えられた。敏感な亀頭をさわさわと触手の中の柔らかい毛に優しく刺激される。乳首もペニスも堪らなく気持ちがいい。あまりにも気持ちよくて、プラシドは大きく喘いだ。
「あぁっ!いいっ、すげぇ、すげぇ!」
ラミロの動きは益々活発になっていき、陰嚢も触手で弄られ、アナルにまで触れてきた。ツンツンとアナルを突かれたかと思えば、ぬるついた細い触手が、ゆっくりとプラシドのアナルの中に入ってくる。痛みはない。ただ、背筋がゾクゾクして止まらない。アナルの中を探るような動きをしていたラミロの触手がある一点触れた瞬間、強烈な快感が脳天へと突き抜け、プラシドは大きく吠えながらラミロの触手の中に精液をぶち撒けた。
射精して敏感になっている身体に、更に触手が絡みついてくる。アナルの中の触手は2本に増え、1本はさっき見つけられた恐ろしく気持ちがいい所を刺激し、もう1本は、更にアナルの奥へと進んできた。なんだか痛い所を触手が通り抜け、腹の奥深くで触手が止まった。優しく腹の奥深くをツンツンと突かれる。その度に、今まで経験したことがない、とんでもない快感に襲われる。プラシドは割とガチで泣きながら、身体をくねらせ、大きく喘いだ。アナルの中の触手は気づけば3本に増えていた。ちなみに、乳首もペニスや陰嚢、脇や背中の肩甲骨など、アナル以外の性感帯もずっと優しく刺激され続けている。
脳みそがぱぁんって破裂しそうなくらい、気持ちよくて堪らない。
唐突に、アナルの中に入っていた触手が抜け出ていった。情けなく涙や鼻水、涎を垂れ流しているプラシドの目の前にかなり太めの赤みがより強い触手がやってきた。
プラシドはヘラっと笑った。
「それで種を入れるの?」
『○』
「いいよ?おいでよ。何個でも産んであげる」
『○』
嬉しいのか、全身に絡みついているラミロの触手が、なんだかうねうねし始めた。そうかそうか。嬉しいか。愛い奴め。
種付け用の触手が、嬉しそうにうねうねしながら、プラシドのアナルの方へと向かっていった。ぬるついた少し固めの太い触手が、プラシドのアナルをつんつん突き、ゆっくりとプラシドの中へと入ってきた。
「あ、あ、あ、あーーーーっ!」
狭いプラシドの直腸がみっちりとラミロの触手で埋まる。腸壁を擦りながら、種付け用の触手がどんどん深く入り込んでくる。腹のかなり奥の方で、触手の動きが止まった。少し固いものが腹の中に出されていく。1個、2個、3個……快感で蕩けた頭で数えただけでも8個は種を入れられた。
種を出し終えたのか、ラミロの触手がずるぅっとプラシドのアナルから抜けていった。
今度は、やや黒みがかった赤色の太いなんかゴツゴツしてる触手が目の前にきて、ゆらゆらと揺れた。これが精液を出す触手なのだろう。プラシドはヘラっと笑って、口を開いた。
「いっぱい孕ませてよ。ダーリン」
『✕』
「ん?あぁ。ラミロは『ダーリン』じゃなくてラミロだもんな」
『○』
「ごめんな、ラミロ。いっぱい孕ませて」
『○』
いそいそとした様子で、ゴツゴツ付きの触手がプラシドのアナルへと移動した。ひくつくプラシドのアナルに触手の尖端が触れたかと思えば、狭いアナルを抉じ開けるようにして、ゴツゴツした太い触手がアナルの中に入ってくる。恐ろしく気持ちがいい。プラシドは仰け反るようにしながら全身を震わせ、咥えられているペニスから精液を漏らした。
ゴツゴツの触手はどんどん深く入り込み、種がある所まで進むと、ずるぅと抜けていき、ずんっと勢いよくまた奥深くへと入り込んできた。ゴツゴツつきの触手でズコズコ激しく犯される。気持よ過ぎて最高である。
「おっ!ぁああぁっ!いいっ!いいっ!もっと!もっと!んあぁぁぁっ!!」
プラシドは遠慮なく大きく喘ぎながら、ラミロから与えられる快感に酔いしれた。
腹の中で、太い触手が更に太くなり、大量の液体が腹の奥深くに出された。多分、ラミロの精液である。ぺたんこだったプラシドの下腹部がじわじわ膨れていく。快感で頭が真っ白になって、何も考えられない。
プラシドのアナルから、ゆっくりとゴツゴツした太い触手が抜け出ていった。ぽっかりと口を開けたままのアナルから、涎のようにラミロの精液が垂れていくのが、なんとなく分かる。
腹の奥から何かが下りてくる感覚がする。プラシドはうんこをする時みたいに、下腹部に力を入れた。精液をかけられた種がどんどん下へと向かい、直腸内をじわじわと移動していく。これが不思議と気持ちがいい。はぁー、はぁー、と荒い息を吐き、蕩けた顔で、プラシドは力んだ。
ぶぼっという汚い音と共に、一つ目の種がアナルが出ていった。プラシドは若干の恥ずかしさを感じながらも、うんこをする要領で力んで、ぶぼっ、ぶりゅっと、中の精液ごと種をいくつもひり出した。
合わせて8個の種をひり出すと、プラシドはぐったりと脱力した。とんでもなく気持ちよかったが、ものすっごく疲れた。
ぐったりしているプラシドを労るように、ラミロが優しく汗で濡れているプラシドの頬を撫でてくれた。プラシドのダーリンは優しいのである。そのまま、ラミロがずるずると動き始めた。プラシドは急速に訪れる眠気に抗うことなく、ラミロの身体の上で眠りに落ちた。
-------
ラミロは安全な道をできる限り素早く移動して、プラシドが自然と目覚める前に、以前住んでいたプラシドの秘密基地に到着した。
小川に種を浸ける。数日もすれば、ラミロの子供が生まれてくるだろう。
ラミロには不思議な記憶があった。ラミロは触手モンスターとして生まれる前の記憶がある。多分、魂の記憶なのだと思う。触手モンスターとして生まれる前は、プラシドと同じ人間だった。プラシドと全く同じな訳では無い。ラミロは違う世界で生きていた人間だった。自分の顔や名前すら覚えていないが、そこはモンスターがいない世界だったのは覚えていた。
変な記憶があるからか、親や仲間がラミロの事を気持ち悪がり、触手モンスターの群れから追い出された。
触手モンスターは水が無いと生きていけない。水を求めて森を彷徨い、動けなくなって、『もう死ぬのかな』と思った時に、プラシドが現れた。
ラミロはプラシドに深く感謝をし、プラシドと友達になった。プラシドと過ごす日々は、とても穏やかで、幸せだった。
だが、子供だったプラシドがどんどん大きく成長していき、ラミロ自身も成長していくと、困ったことが起きるようになった。生殖したいという本能が目覚めてしまったのだ。プラシドと会う度に、プラシドを犯したくて堪らなくなる。プラシドはラミロの大事な大事な友達で、生命の恩人でもある。プラシドを傷つける訳にはいかない。
ラミロは泣く泣く2人の秘密基地から出ていった。
プラシドが求婚をしてくれたので、ラミロはずっとプラシドの側にいられる。ラミロは嬉しくて触手をうねうねさせながら、プラシドが目覚めるのを待った。
ラミロとプラシドは秘密基地で本格的に暮らし始めた。ラミロも狩りの手伝いくらいならできる。1人と1匹で、協力し合いながら穏やかな日々を過ごしている。
夜はプラシドから誘われることが多く、ラミロはその度に嬉しくて興奮して、少しやり過ぎなくらいプラシドを貪ってしまう。それでもプラシドは笑顔で『大好きだ』と言ってくれるので、ラミロのプラシドへの愛は、どんどん増えていくばかりだ。
ラミロはプラシドを見送るまで、ずっとプラシドの側にいた。プラシドは最後は幸せそうな笑みを浮かべていた。『ラミロと一緒で幸せだった』と笑って逝った。
ラミロは苦労しながら洞窟の地面に深い穴を掘り、プラシドを埋葬した。
ラミロは自身が乾いて息絶えるまで、ずっとプラシドの側から離れなかった。
(おしまい)
「俺のラミロはどこにいるんだよぉぉぉぉぉぉ!!」
わっと泣き始めたプラシドを、同じ冒険者で友人でもあるピオが冷めた目で眺めながら、ちびちびと蒸留酒を飲んでいる。
テーブルに頬をつけて、めそめそ泣いているプラシドに、ピオが話しかけた。
「お前のラミロってあれだろ?触手モンスターの事だろ。もう討伐されてんじゃねぇの?」
「不吉なことを言うな!俺のラミロは強いもん!多分!」
「強い触手なんているかよ」
「はぁぁん。ラミロ……会いたいよぉ」
「はいはい。明日もダンジョンに潜るんだ。とっとと糞してシコって寝ろ」
「うぇーい」
プラシドは流れる涙を適当に服の袖で拭くと、ピオと同じタイミングで立ち上がった。
プラシドは冒険者をしている。まだ22歳と若いが、中堅程の腕前であり、『まるで王子様みたい』と女達にキャーキャー言われる程度には整った顔をしている。
長く伸ばした赤毛はいつも一つの三つ編みにしており、プラシドの美しさを損なう髭は、ダンジョンに潜っている時でもキレイに剃る。深みのある青色の瞳は、プラシドに穏やかで知的な印象を与えている。実際は、ピオから『触手狂いのアホ』と言われるような、少々残念な思考回路の持ち主である。
プラシドは定宿のベッドに寝転がって、今でも大好きな友達との出会いを思い出した。
あれはプラシドが8歳の時の事である。プラシドの実家は街外れにあり、森がすぐ側にあった。森はたまにモンスターが出るが、どれも木の棒で子供でも倒せる程度のものしか出てこない。森はプラシドの遊び場だった。
ある日、プラシドは森の中の小川の近くで、小さな淡いピンク色の触手モンスターを見つけた。ピンク色の触手モンスターは、明らかに弱っており、水を求めているようである。プラシドは弱々しく這いずる触手モンスターが気の毒になり、近くに生えていた大きな葉っぱを千切って、それを器の形に変えると、小川の水を汲んで、弱っている触手モンスターに水をかけてやった。水をかけると、しおしおに弱っていた触手モンスターが少しだけ元気になった。
プラシドは少しだけ考えて、触手モンスターを両手で持ち上げ、小川に触手モンスターを浸けてやった。こんなに小さくて、しかも弱っているのなら、鳥の餌まっしぐらである。前に鳥型モンスターが触手モンスターを食べているところを見たことがある。
萎れていた触手モンスターが、水を吸ってぷるんぷるんと元気になると、プラシドは触手モンスターを持ち上げ、誰にも教えていないプラシドの秘密基地に連れて行った。
プラシドの秘密基地は、小川から程近い洞窟である。洞窟の中には、小川で見つけたきれいな丸い石とか、森の中で拾った美味しい木の実とか、色々置いてある。
プラシドは触手モンスターをとりあえず洞窟内の地面に置くと、家で使わなくなったボロい鍋を片手に小川へ戻った。小川で鍋いっぱいに水を汲み、零さないように注意しながら、洞窟に戻る。
プラシドは洞窟内の触手モンスターの側に鍋を起き、触手モンスターを鍋の水の中に入れてやった。
なんとなく満足したプラシドの手に、まるでお礼を言うかのように、1本の触手がやんわりと触れた。プラシドはなんだか嬉しくなって、触手モンスターと友達になると決めた。
プラシドは街の子供達からハブられている。女の子には人気があるのだが、その分男の子からの評判が悪い。また、両親が変わり者と有名で、それもあって、街の子供達とは疎遠である。プラシドはいつも1人で遊んでいて、ずっと友達が欲しかった。
プラシドは触手モンスターに話しかけた。
「ねぇ。君の名前はラミロはどうだい?すっごく強い冒険者の名前なんだ。格好いいよね。ラミロでよかったら、こうしてよ」
プラシドは両腕を頭上に上げて、腕で大きな丸をつくった。
「嫌ならバツね」
プラシドは今度は両腕を交差させた。触手モンスターは暫くぷるぷるとしていたが、2本の触手が伸びてきて、大きく丸をつくった。プラシドは嬉しくて、触手モンスター改めラミロに片手を差し出した。
「よろしく。ラミロ。俺はプラシドだよ。プーラーシード!覚えた?」
プラシドがラミロに問いかけると、ラミロが触手で大きな丸をつくった。言葉は交わせないが、ラミロとちゃんと意思疎通ができることが嬉しくて、プラシドは伸びてきた触手をやんわり握って握手をした。プラシドに初めての友達ができた。
プラシドは毎日森の秘密基地に行くようになった。ラミロと石を積んで遊んだり、ラミロが萎れないように水を上げたり、一緒に本を読んだりして、楽しい日々を続けた。
プラシドが16になり、成人した年。
ラミロはその頃には、プラシドの身体よりもかなり大きくなっていた。ぷよんぷよんの触手の塊の上に寝転がって、ラミロにも分かるように本を音読するのが、この頃の楽しみであった。
ある日、プラシドがラミロに会いに秘密基地に行くと、ラミロはいなかった。小川を中心に周囲を探し回っても、ラミロはどこにもいなかった。
ラミロに捨てられた。プラシドはその時、そう思った。その日から毎日毎日秘密基地に行って、ラミロを探して周囲を歩き回るが、ラミロの姿は見つけられなかった。
プラシドはものすごく落ち込み、半年近く自宅の自分の部屋に引き篭もった。初めてで唯一だった友達に捨てられてしまった。プラシドは本当にものすごくラミロが大好きだったのに。
最初のうちは両親も酷く落ち込んでいるプラシドをそっとしておいてくれたが、半年が過ぎると、『そろそろ働け』と言って、自室から無理やり追い出された。
プラシドは仕方なく冒険者になることにした。冒険者ならば、もしかしたら、ラミロを見つけられるかもしれない。
プラシドはそう考え、冒険者の仕事をしながら、ラミロを探す日々を続けている。
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ダンジョン内にトラップに引っかかったプラシドは、大きく溜め息を吐いた。こういう時に限ってソロでの仕事だった。
プラシドは強制転移させられた部屋を見回した。部屋の中は大きな触手モンスターがうじゃうじゃいる。触手モンスターからは敵意しか感じない。これは完全に死ぬまで犯されるやつである。脱出の仕方が分からない以上、プラシドができることは2つだけだ。1、大人しく触手モンスターの玩具になる。2、触手モンスターを皆殺しにして、なんとか脱出方法を探す。1は論外なので、プラシドは触手モンスターを討伐すべく、剣を構えた。
触手モンスター達が何故か急に動き始めた。なんと、触手モンスター同士で戦い始めたのだ。1匹の触手モンスターが、他の触手モンスターを物理的に千切っては投げ、千切っては投げ、どんどん触手モンスターの残骸を増やしていく。
不思議な光景に、プラシドがぽかんと間抜けに口を開けていると、ずるずると1匹だけ残ったひと際大きな触手モンスターがプラシドの前までやって来た。
プラシドは半信半疑で、目の前の触手モンスターに問いかけた。
「ラミロ?」
触手モンスターが太くなった触手を伸ばし、大きな丸をつくった。
プラシドは半泣きでラミロに勢いよく抱きついた。
「ラミローー!!うわーーん!!めちゃくちゃ探したんだからなぁ!!生きててよかったよぉーーーー!!」
プラシドが本気泣きしながら、ラミロの身体に抱きついていると、ラミロがプラシドの身体を抱き上げ、そのまま、ずるずると移動をし始めた。
触手モンスターの残骸の奥にあった隠し扉の所で、プラシドはラミロから下ろされた。
「ラミロ?」
ここから出ろと言いたいのか、ラミロが優しくプラシドの背中を押した。プラシドはかっとなって怒鳴った。
「ラミロと一緒じゃなきゃ此処から出ない!」
ラミロがすぐに触手を交互にして、✕をつくった。プラシドは悲しくなって、ぼたぼた涙を溢しながら、ラミロを見つめた。
ラミロの触手が、なにやらオロオロするかのようにうねうねしている。
ラミロの触手が1本伸びてきて、プラシドの涙を優しく拭った。
「ラミロ。ラミロは俺が嫌いだから出ていったの」
『✕』
「じゃあ、なんで……あっ!もしかして、俺と交尾がしたかったの?」
暫しの沈黙の後で、ラミロが気持ち小さめに触手で丸をつくった。プラシドは、ぱぁっと明るい笑顔を浮かべた。
プラシドと交尾がしたいということは、ラミロはプラシドのことをそこまで大好きだということである。プラシドはラミロとなら、何をやってもいい。この世で一番大切な友達だからだ。
プラシドはその場で装備を全て外し、服も脱いで全裸になった。バランスのとれた筋肉質な身体が露わになる。まるで彫像のように美しいプラシドは、そのまま勢いよく、なにやら挙動不審な動きをしているラミロに飛び込んだ。ぽよんぷよんな触手に優しく包まれる。
「ねぇ。ラミロ。君がいなくなってから、俺はずっと寂しいまんまだったよ。君は?寂しかった?」
身体の下の触手が動いて、俯せから仰向けにされ、にゅるりと伸びた長い触手が、大きく丸をつくった。
「俺のこと好き?」
『○』
「孕ませたい?」
『…………○』
「俺とずっと一緒にいてくれるならいいよ。秘密基地で一緒に暮らそうよ」
『……○』
少しだけ悩むようにうねうねしていたラミロだが、最終的には頷いてくれたので、よしとする。言質は取った。
今日からプラシドはラミロのお嫁さんである。
触手モンスターは、相手のアナルに種を植えつけ、そこに自分の精液を入れて相手を孕ませ、増えていく。
つまり、プラシドは今日からラミロに孕まされまくるのである。正直ちょっぴり興奮してしまう。大好きなラミロになら、何をされても構わない。
友愛か恋愛感情なのか、その境目は分からないが、ラミロと一緒にいられるのなら、どうでもいい。こんなに嬉しいことはない。
プラシドは今までとは違う、おずおずとした感じの触れ方をしてくるラミロの触手を1本優しく掴み、ちゅっとキスをして、ラミロの触手を口に含んだ。ペロペロと口に含んだ触手を舐めると、ぶるっとラミロの触手が震えた。
「ラミロ。好きにしていいよ」
ラミロの淡いピンク色の触手が微かに赤みを帯びた。興奮してるっぽい。プラシドの身体に、ラミロの触手が絡みついてくる。
にゅるっと顔の前に現れた濡れた触手に唇をつんつんされ、プラシドは素直にその触手を口に含んだ。触手からじわじわと甘い液体が滲み出てきて、プラシドはそれをこくりこくりと飲み込んだ。腹の奥底から身体が熱くなっていく。
何本もの触手が、熱くなったプラシドの身体を這う。プラシドの自己主張が控えめな小さい乳首に細長い触手が触れ、触手の尖端がかぱぁっと開いた。見れば、触手の中は太い毛のようなものがびっしりと生えていた。プラシドの両方の乳首を、ラミロの触手がぱくんと咥えた。ぬめる触手の中の柔らかい毛のようなものに、乳首を優しくさわさわと擽られる。男の乳首なんて単なる飾りだと思っていたが、これがものすっごく気持ちがいい。ここ暫く娼館に行っていなかったプラシドは、かなり溜まっている。プラシドのペニスは、乳首への刺激で、すぐにガチガチに勃起した。
勃起したペニスに、ぬるつく触手が絡みついてくる。ペニスの根元から竿全体をぬるつく触手で包まれ、亀頭は、かぱぁっと開いた触手に咥えられた。敏感な亀頭をさわさわと触手の中の柔らかい毛に優しく刺激される。乳首もペニスも堪らなく気持ちがいい。あまりにも気持ちよくて、プラシドは大きく喘いだ。
「あぁっ!いいっ、すげぇ、すげぇ!」
ラミロの動きは益々活発になっていき、陰嚢も触手で弄られ、アナルにまで触れてきた。ツンツンとアナルを突かれたかと思えば、ぬるついた細い触手が、ゆっくりとプラシドのアナルの中に入ってくる。痛みはない。ただ、背筋がゾクゾクして止まらない。アナルの中を探るような動きをしていたラミロの触手がある一点触れた瞬間、強烈な快感が脳天へと突き抜け、プラシドは大きく吠えながらラミロの触手の中に精液をぶち撒けた。
射精して敏感になっている身体に、更に触手が絡みついてくる。アナルの中の触手は2本に増え、1本はさっき見つけられた恐ろしく気持ちがいい所を刺激し、もう1本は、更にアナルの奥へと進んできた。なんだか痛い所を触手が通り抜け、腹の奥深くで触手が止まった。優しく腹の奥深くをツンツンと突かれる。その度に、今まで経験したことがない、とんでもない快感に襲われる。プラシドは割とガチで泣きながら、身体をくねらせ、大きく喘いだ。アナルの中の触手は気づけば3本に増えていた。ちなみに、乳首もペニスや陰嚢、脇や背中の肩甲骨など、アナル以外の性感帯もずっと優しく刺激され続けている。
脳みそがぱぁんって破裂しそうなくらい、気持ちよくて堪らない。
唐突に、アナルの中に入っていた触手が抜け出ていった。情けなく涙や鼻水、涎を垂れ流しているプラシドの目の前にかなり太めの赤みがより強い触手がやってきた。
プラシドはヘラっと笑った。
「それで種を入れるの?」
『○』
「いいよ?おいでよ。何個でも産んであげる」
『○』
嬉しいのか、全身に絡みついているラミロの触手が、なんだかうねうねし始めた。そうかそうか。嬉しいか。愛い奴め。
種付け用の触手が、嬉しそうにうねうねしながら、プラシドのアナルの方へと向かっていった。ぬるついた少し固めの太い触手が、プラシドのアナルをつんつん突き、ゆっくりとプラシドの中へと入ってきた。
「あ、あ、あ、あーーーーっ!」
狭いプラシドの直腸がみっちりとラミロの触手で埋まる。腸壁を擦りながら、種付け用の触手がどんどん深く入り込んでくる。腹のかなり奥の方で、触手の動きが止まった。少し固いものが腹の中に出されていく。1個、2個、3個……快感で蕩けた頭で数えただけでも8個は種を入れられた。
種を出し終えたのか、ラミロの触手がずるぅっとプラシドのアナルから抜けていった。
今度は、やや黒みがかった赤色の太いなんかゴツゴツしてる触手が目の前にきて、ゆらゆらと揺れた。これが精液を出す触手なのだろう。プラシドはヘラっと笑って、口を開いた。
「いっぱい孕ませてよ。ダーリン」
『✕』
「ん?あぁ。ラミロは『ダーリン』じゃなくてラミロだもんな」
『○』
「ごめんな、ラミロ。いっぱい孕ませて」
『○』
いそいそとした様子で、ゴツゴツ付きの触手がプラシドのアナルへと移動した。ひくつくプラシドのアナルに触手の尖端が触れたかと思えば、狭いアナルを抉じ開けるようにして、ゴツゴツした太い触手がアナルの中に入ってくる。恐ろしく気持ちがいい。プラシドは仰け反るようにしながら全身を震わせ、咥えられているペニスから精液を漏らした。
ゴツゴツの触手はどんどん深く入り込み、種がある所まで進むと、ずるぅと抜けていき、ずんっと勢いよくまた奥深くへと入り込んできた。ゴツゴツつきの触手でズコズコ激しく犯される。気持よ過ぎて最高である。
「おっ!ぁああぁっ!いいっ!いいっ!もっと!もっと!んあぁぁぁっ!!」
プラシドは遠慮なく大きく喘ぎながら、ラミロから与えられる快感に酔いしれた。
腹の中で、太い触手が更に太くなり、大量の液体が腹の奥深くに出された。多分、ラミロの精液である。ぺたんこだったプラシドの下腹部がじわじわ膨れていく。快感で頭が真っ白になって、何も考えられない。
プラシドのアナルから、ゆっくりとゴツゴツした太い触手が抜け出ていった。ぽっかりと口を開けたままのアナルから、涎のようにラミロの精液が垂れていくのが、なんとなく分かる。
腹の奥から何かが下りてくる感覚がする。プラシドはうんこをする時みたいに、下腹部に力を入れた。精液をかけられた種がどんどん下へと向かい、直腸内をじわじわと移動していく。これが不思議と気持ちがいい。はぁー、はぁー、と荒い息を吐き、蕩けた顔で、プラシドは力んだ。
ぶぼっという汚い音と共に、一つ目の種がアナルが出ていった。プラシドは若干の恥ずかしさを感じながらも、うんこをする要領で力んで、ぶぼっ、ぶりゅっと、中の精液ごと種をいくつもひり出した。
合わせて8個の種をひり出すと、プラシドはぐったりと脱力した。とんでもなく気持ちよかったが、ものすっごく疲れた。
ぐったりしているプラシドを労るように、ラミロが優しく汗で濡れているプラシドの頬を撫でてくれた。プラシドのダーリンは優しいのである。そのまま、ラミロがずるずると動き始めた。プラシドは急速に訪れる眠気に抗うことなく、ラミロの身体の上で眠りに落ちた。
-------
ラミロは安全な道をできる限り素早く移動して、プラシドが自然と目覚める前に、以前住んでいたプラシドの秘密基地に到着した。
小川に種を浸ける。数日もすれば、ラミロの子供が生まれてくるだろう。
ラミロには不思議な記憶があった。ラミロは触手モンスターとして生まれる前の記憶がある。多分、魂の記憶なのだと思う。触手モンスターとして生まれる前は、プラシドと同じ人間だった。プラシドと全く同じな訳では無い。ラミロは違う世界で生きていた人間だった。自分の顔や名前すら覚えていないが、そこはモンスターがいない世界だったのは覚えていた。
変な記憶があるからか、親や仲間がラミロの事を気持ち悪がり、触手モンスターの群れから追い出された。
触手モンスターは水が無いと生きていけない。水を求めて森を彷徨い、動けなくなって、『もう死ぬのかな』と思った時に、プラシドが現れた。
ラミロはプラシドに深く感謝をし、プラシドと友達になった。プラシドと過ごす日々は、とても穏やかで、幸せだった。
だが、子供だったプラシドがどんどん大きく成長していき、ラミロ自身も成長していくと、困ったことが起きるようになった。生殖したいという本能が目覚めてしまったのだ。プラシドと会う度に、プラシドを犯したくて堪らなくなる。プラシドはラミロの大事な大事な友達で、生命の恩人でもある。プラシドを傷つける訳にはいかない。
ラミロは泣く泣く2人の秘密基地から出ていった。
プラシドが求婚をしてくれたので、ラミロはずっとプラシドの側にいられる。ラミロは嬉しくて触手をうねうねさせながら、プラシドが目覚めるのを待った。
ラミロとプラシドは秘密基地で本格的に暮らし始めた。ラミロも狩りの手伝いくらいならできる。1人と1匹で、協力し合いながら穏やかな日々を過ごしている。
夜はプラシドから誘われることが多く、ラミロはその度に嬉しくて興奮して、少しやり過ぎなくらいプラシドを貪ってしまう。それでもプラシドは笑顔で『大好きだ』と言ってくれるので、ラミロのプラシドへの愛は、どんどん増えていくばかりだ。
ラミロはプラシドを見送るまで、ずっとプラシドの側にいた。プラシドは最後は幸せそうな笑みを浮かべていた。『ラミロと一緒で幸せだった』と笑って逝った。
ラミロは苦労しながら洞窟の地面に深い穴を掘り、プラシドを埋葬した。
ラミロは自身が乾いて息絶えるまで、ずっとプラシドの側から離れなかった。
(おしまい)
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