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1:呪い再び
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ジョルジュは夕食を作り終えると、台所から居間に移動し、開けたままの窓から顔を出して、庭にいるラコタに声をかけた。外はもう薄暗くなっている。
「ラコタさーん。ご飯できたっすー」
「あぁ。今行く」
麦わら帽子を被って庭の草むしりをしていたラコタが立ち上がり、玄関へ向かって歩き始めた。
ジョルジュがラコタと結婚して、今年で5年目である。結婚と同時に小ぢんまりとした2階建ての一軒家を買い、2人で暮らし始めた。それまでも殆ど同棲しているようなものだったが、2人だけの家で暮らすのは、毎日が楽しくて、小さな幸せでいっぱいである。
狭い庭には、料理で使う香草やラコタが種をまいて育てている花が植えてあり、ラコタがいつも手入れをしている。ラコタは結婚してから園芸に目覚め、2人で買い物に行く時は、いつも園芸用品を取り扱っている店や草花の種を取り扱っている店を覗くようになった。
家の中に入ってきたラコタが手を洗いに行っている間に、食堂兼居間のテーブルに出来上がった料理を運ぶ。今日は少し久しぶりに2人の休日が重なったので、夕食はいつもより豪勢なものにした。昨夜はセックスをして、午前中はずっとベッドでゴロゴロしていた。朝食兼昼食は軽く済ませたので、かなり空腹である。今は夏の真っ只中だ。日が落ちてきて涼しくなり、腰の痛みがマシになったラコタが庭の草むしりを始めたので、ジョルジュは1人で買い物に行ってから、気合を入れて夕食を作った。デザートにケーキも焼いてある。ラコタが好きな酒も買ってある。
手を洗ってテーブルの所へやって来たラコタの腰に手を回して、ラコタの唇に触れるだけのキスをしてから、ジョルジュはニッと笑った。
ラコタと一緒の楽しい夕食の始まりである。
------
ジョルジュは全力で走っていた。ジョルジュは割と最近昇進して、班長という立場になり、数人ではあるが部下ができた。
ジョルジュと並んで走っている部下の男が、少し前を必死な様子で走っている小汚い格好をした男に向かって、大声を出した。
「おいっ!!今すぐ止まれっ!!」
「うるせぇっ!!捕まって堪るかっ!!」
前を走る小汚い男が濁声で叫び返した。男の意識が走ることから少し逸れたのだろう。男の足が一瞬遅くなった。ジョルジュはその隙を見逃さず、勢いよく地面を蹴り、男の腰に飛びついた。
「ぎゃっ!?」
男が体勢を崩し、飛びついたジョルジュごと勢いよく地に倒れた。ジョルジュはすかさず身体を起こして、男が起き上がらないように男の腰の上に座り込み、体重をかけながら男の両腕の肘を掴んで、思いっきり強く引っ張った。強制的に仰け反る形になった男が、大きく苦痛の声を上げた。
「いてぇっ!!くそっ!!離せっ!!」
「やーなこったー。おらおらー」
「いたいいたいいたいいたいっ!!」
「ナーゴ。縄よろしくー」
「はいっ!!ジョルジュ班長!」
部下の男ナーゴが腰につけていた捕縛用の縄を取り、手際よくジョルジュが押さえている男の腕を縛った。ジョルジュは捕えた男の腰に座ったまま、だらだらと流れる顔の汗を制服の袖で拭った。
「ふぃー。捕縛完了。ナーゴ。こいつを連れて戻るぞー」
「はい」
「くそっ!くそっ!」
「はいはーい。くそくそうるせぇよー。うんこ野郎。それでは警邏隊の詰所に1名様ご案内。素敵な取り調べが貴方をお待ちしておりまっす」
「巫山戯やがって!!くたばれっ!!くそ犬っ!!」
「誰が可愛いわんちゃんだ」
「可愛くねぇよ!!くそったれ!!」
「もぉー。やだー。こいつ、くそくそうるさーい」
ジョルジュは、よっこいしょっと腰を上げた。ジョルジュが話している間に、ナーゴが捕えた男の足もしっかりと縛ってくれていたので、ナードと一緒に男の両脇を掴み、ずるずると男の身体を引き摺るようにして、警邏隊の詰所を目指して歩き始める。
捕えた男は、ここ数週間巷を騒がせていた強姦魔だ。他にも余罪があると思われる。か弱い女性ばかりを狙った犯行は、本当に許し難い。ジョルジュ個人としては、この男の汚いペニスと陰嚢を切り落とすべきだと思っている。しかし、残念ながらジョルジュには、しっかりと男の罪状を明らかにして、後は司法の手に委ねることしかできない。不満に感じるが、単なる警邏隊の隊員にはできることとできないことがある。ジョルジュができるのは、犯人を捕まえて、きっちりと調べ、証拠を揃えることだけだ。
ジョルジュは喚く男を引き摺り、警邏隊の詰所へと続く道を歩いた。
詰所が見えてきた辺りで、背後から誰かが走ってくる足音と別の部下がジョルジュを呼ぶ声が聞こえた。
声がした方へ顔を向ければ、胡散臭い格好をした男がこちらに向かって走ってきていた。男はナーゴ側に走ってきている。何故だか、妙に嫌な胸騒ぎがした。ジョルジュは掴んでいた男の腕を離し、素早くナーゴの前に出た。
勢いよく走ってきた男を捕らえようと腕を伸ばしたジョルジュに、男がジョルジュより速く手を伸ばして、掌を強くジョルジュの腹に押しつけた。ちょうど胃の下の辺りを強く圧迫されて、一瞬息が詰まる。ぐっと低く呻いたジョルジュの目を真っ直ぐに見つめながら、男が早口で何かを呟いた。ぐらりとジョルジュの視界が揺れる。男の嫌な笑みを見ながら、ジョルジュは意識を飛ばした。
------
ジョルジュは自分の名前を呼ぶ大好きな声が聞こえた気がして、ふっと目覚めた。目を開けると、何故か顔色が悪い焦った顔をしたラコタが見えた。頭の中がぼんやりとする。あれー?と思いながら、ジョルジュはラコタの名前を呼んだ。
「らこたさん」
妙に舌っ足らずな高い声が出た。ジョルジュはパチパチと瞬きをした。普通にラコタの名前を呼んだ筈なのに、自分のものではない声が聞こえた。
「ジョルジュ!大丈夫か!?」
「ラコタさん?あれ?あれ?」
「先生っ!!」
「はいはーい」
妙に愛嬌がある蛙顔の医者がラコタの横から顔を覗かせ、ジョルジュを見下ろした。医者がにんまりと笑って、口を開いた。
「ジョルジュ君。君ね、また呪われたよ」
「は?」
「やー。2回も呪われちゃう間抜け君なんて、僕初めて見たー。逆にすごいねぇ」
「は?は?」
ジョルジュは医者の言葉に目を白黒させた。ジョルジュは怠い身体を起こして、自分の手を見た。まるで幼児のように小さな手が見えた。ぐーぱーぐーぱーと動かしてみれば、幼い小さな手がジョルジュの意志通りに動く。
ジョルジュはギギギッとぎこちない動きで、顔を強張らせているラコタを見上げた。
「……ラコタさん。俺、何歳に見えます?」
「……5歳か6歳」
「……マジで?」
「……あぁ」
「…………はぁぁぁぁぁぁ!?」
「……ぐぅっ……このっ、このっ……すかぽんたん!!」
ジョルジュは目を見開いて叫んだ。ラコタが眉間に深い皺を寄せ、固まるジョルジュの身体を軽々と抱き上げ、そのまま抱きしめた。ジョルジュは、だぼだぼの白いシャツしか着ていなかった。パンツを履いていないので、小さくなったペニスが抱き上げられた動きで、軽くぶらっと揺れるのを感じた。
酷く心配させたらしいラコタの頭を、だぼだぼのシャツの袖から出した手で無意識に撫でながら、ジョルジュは呆然と医者の方へと顔を向けた。
「先生。これ、とけるんすか?」
「僕には無理だね」
「マジのマジのマジ?」
「マジマジー」
「……えぇぇぇぇぇぇ!!」
ジョルジュは腹の奥底から叫んだ。
また呪われてしまった。まさかの事態に、ジョルジュは半泣きになって、ラコタの太い首にしっかりと両腕を巻きつけ、ぎゅうぎゅうとラコタに抱きついた。マジかよ神様。あんまりだ。
ジョルジュは、混乱しまくっている頭の中がある程度落ち着くまで、ずっと半泣きでラコタにしがみついていた。
「ラコタさーん。ご飯できたっすー」
「あぁ。今行く」
麦わら帽子を被って庭の草むしりをしていたラコタが立ち上がり、玄関へ向かって歩き始めた。
ジョルジュがラコタと結婚して、今年で5年目である。結婚と同時に小ぢんまりとした2階建ての一軒家を買い、2人で暮らし始めた。それまでも殆ど同棲しているようなものだったが、2人だけの家で暮らすのは、毎日が楽しくて、小さな幸せでいっぱいである。
狭い庭には、料理で使う香草やラコタが種をまいて育てている花が植えてあり、ラコタがいつも手入れをしている。ラコタは結婚してから園芸に目覚め、2人で買い物に行く時は、いつも園芸用品を取り扱っている店や草花の種を取り扱っている店を覗くようになった。
家の中に入ってきたラコタが手を洗いに行っている間に、食堂兼居間のテーブルに出来上がった料理を運ぶ。今日は少し久しぶりに2人の休日が重なったので、夕食はいつもより豪勢なものにした。昨夜はセックスをして、午前中はずっとベッドでゴロゴロしていた。朝食兼昼食は軽く済ませたので、かなり空腹である。今は夏の真っ只中だ。日が落ちてきて涼しくなり、腰の痛みがマシになったラコタが庭の草むしりを始めたので、ジョルジュは1人で買い物に行ってから、気合を入れて夕食を作った。デザートにケーキも焼いてある。ラコタが好きな酒も買ってある。
手を洗ってテーブルの所へやって来たラコタの腰に手を回して、ラコタの唇に触れるだけのキスをしてから、ジョルジュはニッと笑った。
ラコタと一緒の楽しい夕食の始まりである。
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ジョルジュは全力で走っていた。ジョルジュは割と最近昇進して、班長という立場になり、数人ではあるが部下ができた。
ジョルジュと並んで走っている部下の男が、少し前を必死な様子で走っている小汚い格好をした男に向かって、大声を出した。
「おいっ!!今すぐ止まれっ!!」
「うるせぇっ!!捕まって堪るかっ!!」
前を走る小汚い男が濁声で叫び返した。男の意識が走ることから少し逸れたのだろう。男の足が一瞬遅くなった。ジョルジュはその隙を見逃さず、勢いよく地面を蹴り、男の腰に飛びついた。
「ぎゃっ!?」
男が体勢を崩し、飛びついたジョルジュごと勢いよく地に倒れた。ジョルジュはすかさず身体を起こして、男が起き上がらないように男の腰の上に座り込み、体重をかけながら男の両腕の肘を掴んで、思いっきり強く引っ張った。強制的に仰け反る形になった男が、大きく苦痛の声を上げた。
「いてぇっ!!くそっ!!離せっ!!」
「やーなこったー。おらおらー」
「いたいいたいいたいいたいっ!!」
「ナーゴ。縄よろしくー」
「はいっ!!ジョルジュ班長!」
部下の男ナーゴが腰につけていた捕縛用の縄を取り、手際よくジョルジュが押さえている男の腕を縛った。ジョルジュは捕えた男の腰に座ったまま、だらだらと流れる顔の汗を制服の袖で拭った。
「ふぃー。捕縛完了。ナーゴ。こいつを連れて戻るぞー」
「はい」
「くそっ!くそっ!」
「はいはーい。くそくそうるせぇよー。うんこ野郎。それでは警邏隊の詰所に1名様ご案内。素敵な取り調べが貴方をお待ちしておりまっす」
「巫山戯やがって!!くたばれっ!!くそ犬っ!!」
「誰が可愛いわんちゃんだ」
「可愛くねぇよ!!くそったれ!!」
「もぉー。やだー。こいつ、くそくそうるさーい」
ジョルジュは、よっこいしょっと腰を上げた。ジョルジュが話している間に、ナーゴが捕えた男の足もしっかりと縛ってくれていたので、ナードと一緒に男の両脇を掴み、ずるずると男の身体を引き摺るようにして、警邏隊の詰所を目指して歩き始める。
捕えた男は、ここ数週間巷を騒がせていた強姦魔だ。他にも余罪があると思われる。か弱い女性ばかりを狙った犯行は、本当に許し難い。ジョルジュ個人としては、この男の汚いペニスと陰嚢を切り落とすべきだと思っている。しかし、残念ながらジョルジュには、しっかりと男の罪状を明らかにして、後は司法の手に委ねることしかできない。不満に感じるが、単なる警邏隊の隊員にはできることとできないことがある。ジョルジュができるのは、犯人を捕まえて、きっちりと調べ、証拠を揃えることだけだ。
ジョルジュは喚く男を引き摺り、警邏隊の詰所へと続く道を歩いた。
詰所が見えてきた辺りで、背後から誰かが走ってくる足音と別の部下がジョルジュを呼ぶ声が聞こえた。
声がした方へ顔を向ければ、胡散臭い格好をした男がこちらに向かって走ってきていた。男はナーゴ側に走ってきている。何故だか、妙に嫌な胸騒ぎがした。ジョルジュは掴んでいた男の腕を離し、素早くナーゴの前に出た。
勢いよく走ってきた男を捕らえようと腕を伸ばしたジョルジュに、男がジョルジュより速く手を伸ばして、掌を強くジョルジュの腹に押しつけた。ちょうど胃の下の辺りを強く圧迫されて、一瞬息が詰まる。ぐっと低く呻いたジョルジュの目を真っ直ぐに見つめながら、男が早口で何かを呟いた。ぐらりとジョルジュの視界が揺れる。男の嫌な笑みを見ながら、ジョルジュは意識を飛ばした。
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ジョルジュは自分の名前を呼ぶ大好きな声が聞こえた気がして、ふっと目覚めた。目を開けると、何故か顔色が悪い焦った顔をしたラコタが見えた。頭の中がぼんやりとする。あれー?と思いながら、ジョルジュはラコタの名前を呼んだ。
「らこたさん」
妙に舌っ足らずな高い声が出た。ジョルジュはパチパチと瞬きをした。普通にラコタの名前を呼んだ筈なのに、自分のものではない声が聞こえた。
「ジョルジュ!大丈夫か!?」
「ラコタさん?あれ?あれ?」
「先生っ!!」
「はいはーい」
妙に愛嬌がある蛙顔の医者がラコタの横から顔を覗かせ、ジョルジュを見下ろした。医者がにんまりと笑って、口を開いた。
「ジョルジュ君。君ね、また呪われたよ」
「は?」
「やー。2回も呪われちゃう間抜け君なんて、僕初めて見たー。逆にすごいねぇ」
「は?は?」
ジョルジュは医者の言葉に目を白黒させた。ジョルジュは怠い身体を起こして、自分の手を見た。まるで幼児のように小さな手が見えた。ぐーぱーぐーぱーと動かしてみれば、幼い小さな手がジョルジュの意志通りに動く。
ジョルジュはギギギッとぎこちない動きで、顔を強張らせているラコタを見上げた。
「……ラコタさん。俺、何歳に見えます?」
「……5歳か6歳」
「……マジで?」
「……あぁ」
「…………はぁぁぁぁぁぁ!?」
「……ぐぅっ……このっ、このっ……すかぽんたん!!」
ジョルジュは目を見開いて叫んだ。ラコタが眉間に深い皺を寄せ、固まるジョルジュの身体を軽々と抱き上げ、そのまま抱きしめた。ジョルジュは、だぼだぼの白いシャツしか着ていなかった。パンツを履いていないので、小さくなったペニスが抱き上げられた動きで、軽くぶらっと揺れるのを感じた。
酷く心配させたらしいラコタの頭を、だぼだぼのシャツの袖から出した手で無意識に撫でながら、ジョルジュは呆然と医者の方へと顔を向けた。
「先生。これ、とけるんすか?」
「僕には無理だね」
「マジのマジのマジ?」
「マジマジー」
「……えぇぇぇぇぇぇ!!」
ジョルジュは腹の奥底から叫んだ。
また呪われてしまった。まさかの事態に、ジョルジュは半泣きになって、ラコタの太い首にしっかりと両腕を巻きつけ、ぎゅうぎゅうとラコタに抱きついた。マジかよ神様。あんまりだ。
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