応募してない抽選に当たったら勇者が嫁に来たんだけどぉぉ!!

丸井まー(旧:まー)

文字の大きさ
26 / 51

26:冬の夜のビックリ

しおりを挟む
 本格的な冬になった。ガルバーンは、農作業等の傍ら、ロルフと一緒に馬に乗る練習をしている。ロルフは、運動神経は悪くないし、1ヶ月もすれば、ちょっと馬を走らせられるようになった。毎日、馬に乗って散歩をするのが日課になり、その間は、ロルフとのんびりお喋りができるので、馬を買ってよかったなと思っている。春がきたら、故郷に帰る。故郷に帰るのは、もう10年ぶりになる。勇者に選ばれてから、一度も帰っていない。久しぶりの里帰りが楽しみで、家族にロルフのことを自慢したくて、ガルバーンは、ワクワクしながら、毎日、暦に印をつけて、春を待っている。

 一際冷え込むある日の夜。
 2人とも風呂から上がり、身体が冷めないうちに湯たんぽを片手にガルバーンの部屋に行き、布団に潜り込んだ。布団の中で俯せに寝転がったまま、少しだけ読み書きの練習をする。薄い木の板の上に、細長い炭でロルフが字を書く練習をしているのを眺める。時折、アドバイスをしてやるが、ロルフは随分と読み書きが上達してきた。読むのは、音読をしなくても読めるようになったし、書く方も、ちゃんと読める字が書けるようになっている。
 分厚い物語の本の一頁を書き写すと、今日はそれでお終いである。用意しておいた濡れ布巾で手を拭いたロルフが、いきなりとんでもない事を言い出した。


「ガル。僕、ちょっと考えたんですけど」

「なんだ」

「一緒にアレやりましょう。えーと、なんだったっけ? ……あっ! じい! じいってやつです!」

「はぁっ!? なっ、なっ、はぁっ!?」

「いや、僕達、春から旅に出るじゃないですか。今はトイレでしてるけど、旅の最中にトイレでできるか分からないし。でも、溜まるものは溜まるでしょう? だったら、いっそのこと、一緒にやっちゃえばいいかなって」

「な、なんで、そういう発想になる……!?」

「1人でするのは多分無理だし、だったら、一緒にやっちゃえば恥ずかしくもないかなって」

「いやぁ!? それはどうだろう!?」

「ということで、ガル! 慣れる為に練習です!」

「はいっ!?」


 ガルバーンは、突然のロルフの言葉に、混乱し過ぎて、頭の中が真っ白になった。旅の最中は、自慰をするのが難しいのは確かだ。だからといって、何故、一緒にやるという発想になる。
 ピシッと固まっているガルバーンの隣で、ロルフが起き上がり、ばさっと布団を捲った。


「出したものを拭く用の手拭いも持ってきてますから大丈夫ですよ!」


 何が大丈夫なのかが分からない。固まったままのガルバーンの目の前で、ロルフが寝間着のズボンと下着を脱ぎ捨てた。反射的に、ロルフの股間を見てしまう。ロルフのペニスは、いたって普通の大きさで、今は寒いからか、微妙に縮こまっている感じがした。ペニスの先っぽは、半分皮を被っている。少年のように薄い陰毛が、妙に目についた。

 ロルフが胡座をかいて、ガルの肩をぺちぺちと軽く叩いた。


「ガル。ガルも脱いでください。僕だけだと恥ずかしいじゃないですか」

「あ、あぁ……」


 ガルバーンは思考が停止した状態で、のろのろと起き上がり、寝間着のズボンと下着を脱いで、胡座をかいた。何がどうしてこうなった。
 ガルバーンの股間を見たロルフが、何故かパチパチと拍手をした。


「わー。すっごー。でっかー。ガル、すごいですね」

「……ありがとう?」

「じゃあ、寒いし、早くやっちゃいましょう!」

「あ、あぁ」

「んー。どうせ一緒にやるなら、触りっこの方がいいのかな……あ、でも、『だんしょくしなんしょ』には舐め合ったりするとか書いてたし……舐める……舐める?」

「なっ、舐めるのは無しで! さ、流石にそれはやり過ぎだろう!?」

「じゃあ、触りっこで」

「お、おぅ?」


 ロルフがずりずりと近寄ってきて、いきなり、むんずっとガルバーンのペニスを掴んだ。ガルバーンは軽く飛び上がって驚いた。


「に゛ゃっ!?」

「にゃ?」

「な、な、な、ど、どこを触って……」

「ガルのちんちん? あ、僕のも触ってください」

「嘘だろおい」

「……嫌なら別にいいですけど……」

「いっ、嫌という訳ではないが……」

「じゃあ、触ってください」

「あ、あぁ……」


 ガルバーンは、恐る恐る、ロルフのペニスをやんわりと掴んだ。本当に何がどうしてこうなった。顔が熱くて堪らない。心臓が、ドッドッドッドッと激しく脈打っている。

 ゴツゴツした温かいロルフの手が、ゆっくりとガルバーンのペニスの形を確かめるように動き始めた。初めて他人にペニスを触られる感覚に、腰のあたりがぞわぞわする。本当にこんなことしていいのか。確かに夫婦ではあるが、子供みたいな触れるだけのキスを一度しただけだ。頬には頻繁にキスされているけれども。

 ガルバーンのペニスは、混乱しまくっているガルバーンの意志とは裏腹に、ロルフの手で、むくむくと大きく硬く勃起してしまった。ロルフが、ゆっくりとガルバーンのペニスを根元から先っぽまで擦りながら、ほあーと気の抜けた声を上げた。


「でっか! ガル。ガルも手を動かしたください」

「あ、あぁ……」


 ガルバーンは、いつも通りののほほんとした顔をしているロルフに促されて、もう自棄糞になって、ロルフのペニスを握った手を動かし始めた。いつも自分がしているように、ペニスをやんわりとふにふに揉んで、ゆっくりと優しく扱き始める。手に触れているロルフのペニスが、どんどん熱く硬く大きくなっていく。なんとなく、ロルフのペニスをガン見していたガルバーンは何気なく、ロルフの顔をチラッと見た。ロルフの日焼けした頬が微かに赤く染まり、ロルフが、小さく開いた口から、はぁっと溜め息のような熱い息を吐いた。ぶわっと、何がなんだか分からない衝動のようなものが湧き上がってきて、顔が更に熱くなる。

 ロルフの手も再び動き始めた。お互いのペニスを、どこか辿々しい動きで、扱きあう。初めて他人からもたらされる快感で、どっと先走りが溢れ出てしまう。ロルフの手が、先走りを塗り広げるように、勃起して剥き出しになった亀頭を撫で回した。思わず、変な声が出そうなくらい、気持ちがいい。

 ガルバーンは、ごくっと唾を飲み込み、ロルフの先走りで濡れたペニスの亀頭を親指の腹で優しくすりすりと擦った。ぬるぬるの先走りが、更に溢れてくる。


「は、ぁ……ガル、それ、きもちいい」

「あ、あぁ……」

「もうちょっと強く……ふっ、ふっ、ん~~~~っ」

「ふっ、ふっ、はっ、う、ぁ……」


 ロルフの手が、先程までよりも速く激しくガルバーンのペニスを扱き始めた。ガルバーンもロルフのペニスを掴む手に僅かに力を入れ、ぬこぬことペニスの根元から先っぽまで、少しだけ強めに扱いた。
 ロルフの顔が、赤く染まって、気持ちよさそうに、僅かに眉間に皺を寄せている。いっそ、心臓が胸から飛び出してしまいそうな気がする程、心臓が忙しなく動いている。

 射精感がどんどん高まってきて、もう我慢の限界が近い。ロルフが荒い息を吐きながら、上擦った声を上げた。


「も、も、出るっ、う、あぁっ……」


 扱いているロルフのペニスをじっと見ていると、亀頭の尿道口からびゅるるるっと白い精液が飛び出した。精液を搾り取るように、ゆるくペニスを扱いてやると、こぽぉっと白い精液が尿道口から溢れ出て、ガルバーンの手に、熱い精液が垂れてきた。ガルバーンは、何故か酷く興奮して、ぶるっと身体を震わせて、びゅるるっと精液を吐き出した。精液を吐き出しているガルバーンのペニスをロルフが更に優しく扱いてくる。初めて他人の手で射精した快感に、思わず低く唸ってしまう。自分でするより、ずっと気持ちがいい。

 ガルバーンは荒い息を吐きながら、ロルフを見た。ロルフはとろんとした目で、ガルバーンを見ていた。ガルバーンは、ごくっと唾を飲み込んでから、衝動的に、ロルフの頬を両手で包み、自分の唇をロルフの唇に押しつけた。


しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。

【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします

  *  ゆるゆ
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!? しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが、びっくりして憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です! めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので! ノィユとヴィルの動画を作ってみました!(笑)  インスタ @yuruyu0   Youtube @BL小説動画 です!  プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったらお話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです! ヴィル×ノィユのお話です。 本編完結しました! 『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく舞踏会編、完結しました! 時々おまけのお話を更新するかもです。 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている

キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。 今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。 魔法と剣が支配するリオセルト大陸。 平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。 過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。 すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。 ――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。 切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。 全8話 お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /c

【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】

古森きり
BL
【書籍化決定しました!】 詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります! たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました! アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。 政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。 男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。 自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。 行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。 冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。 カクヨムに書き溜め。 小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。

【完結済】「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。

キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ! あらすじ 「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」 貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。 冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。 彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。 「旦那様は俺に無関心」 そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。 バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!? 「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」 怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。 えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの? 実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった! 「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」 「過保護すぎて冒険になりません!!」 Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。 すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。

そばかす糸目はのんびりしたい

楢山幕府
BL
由緒ある名家の末っ子として生まれたユージン。 母親が後妻で、眉目秀麗な直系の遺伝を受け継がなかったことから、一族からは空気として扱われていた。 ただ一人、溺愛してくる老いた父親を除いて。 ユージンは、のんびりするのが好きだった。 いつでも、のんびりしたいと思っている。 でも何故か忙しい。 ひとたび出張へ出れば、冒険者に囲まれる始末。 いつになったら、のんびりできるのか。もう開き直って、のんびりしていいのか。 果たして、そばかす糸目はのんびりできるのか。 懐かれ体質が好きな方向けです。

偽物勇者は愛を乞う

きっせつ
BL
ある日。異世界から本物の勇者が召喚された。 六年間、左目を失いながらも勇者として戦い続けたニルは偽物の烙印を押され、勇者パーティから追い出されてしまう。 偽物勇者として逃げるように人里離れた森の奥の小屋で隠遁生活をし始めたニル。悲嘆に暮れる…事はなく、勇者の重圧から解放された彼は没落人生を楽しもうとして居た矢先、何故か勇者パーティとして今も戦っている筈の騎士が彼の前に現れて……。

処理中です...