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14:年越しの準備
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アーリンは野太い男の喘ぎ声で目が覚めた。昨日寝落ちる前も聞こえていた気がする。もしかして、一晩中セックスをしていたのだろうか。
元気だな……と思いながら、アーリンは小さく欠伸をした。
目の前にはバーニーの穏やかな寝顔がある。規則正しい寝息を聞いていると、また眠くなってくる。
アーリンは温かいバーニーにぴったりくっついて、バーニーの寝息を聞きながらうとうとし始めた。
もう年越しの日まで五日になった。昨日の夜の営業で今年の仕事は終わりだ。新年を迎えて六日目から営業を再開する。十日間の休みなのだが、年越しや新年の祝いの準備があるので、年越しの日まではバタバタするらしい。
バーニーから『忙しくなる前にパーッと遊んじゃおう!』と誘われて、昨夜もいつものバーに来て、いっぱいカクテルを飲み、甘いものを食べた。また飲みすぎたので二階に泊まることになり、今に至る。
うとうとと微睡んでいると、隣の部屋から『あぁぁぁぁ! しぬぅ! しんじゃうぅぅぅぅ! いっくぅぅぅぅ!!』と叫び声が聞こえた。あまりにも煩くて、また目が覚めてしまった。
セックスは一度しかしたことがないのだが、そんなにいいものなのだろうか。娼婦のキツい香水の匂いしか記憶に残っていない。一応、一回は娼婦の中に挿れて出したと思うが、叫ぶ程気持ちいいなんて感じではなかった。男同士のセックスだと違うものなのか。というか、挿れる孔がない男同士でどうやってセックスをするのだろうか。未知の世界過ぎて、想像もできない。
隣の部屋が煩いが、バーニーはまだ寝ている。なんとなくバーニーの足に足を絡めて密着すると、股間に硬いものが当たった。朝勃ちしているのだろう。アーリンも朝勃ちしている。お互い様なので、あまり気にならない。
アーリンはバーニーが自然と目覚めるまで、バーニーで暖を取りつつ微睡んだ。
ちょっとゆっくりし過ぎたのでバタバタと急いで家に帰ると、オードリーから買い出しメモと財布を渡された。食料品や日用品を売る店が年越しの三日前から閉まり、次に店が開くのが新年を迎えて六日目からなので、今日のうちに必要なものを買い溜めしておかないといけないそうだ。
アーリンは荷車を押し、バーニーと一緒にまずは八百屋へと向かった。
八百屋でかなり大量の野菜を買い、肉屋でもたくさんの肉を買った。年越し休暇の為だけに、バーニーの家には大きな魔導冷蔵庫が二台あるらしい。普段は一台しか使っていないのだが、年越しの前の買い出しで、主に肉や乳製品等だけで二台の魔導冷蔵庫がみっちみちになるそうだ。どうしても入り切らない時は、店の魔導冷蔵庫も使うらしい。
一度家に帰って買ったものを家の中に運び入れてから、また肉屋に向かって大量の肉類を買い、家に置きに行く。
次は牛乳やチーズなどを買いに行く。途中で卵も大量に買い、小麦粉なども普段の何倍もの量を買って、家へと帰る。店は開けないのに、まるで店を開ける日みたいだ。いや、店を開ける日よりも多い気がする。ご馳走を作るからだろうか。
主な食料品を買ったら、次は日用品を買いに行く。ある程度はバーロ達が買ってくれていたので、荷車を置いて、何枚もの買い物袋を肩掛け鞄に入れて出かける。
買い出しメモを見ながら買い物をして、大荷物を抱えて家に帰る頃には、昼時を少し過ぎていた。
家に帰り着いたら、台所の方から美味しそうな匂いがしていた。
大量の日用品を所定の保管場所に置いてから台所を覗けば、ブレンダが鍋をかき混ぜていた。
「おや。おかえり。皆揃ったね。お昼ご飯にしようかねぇ」
「ただいまー。ばぁちゃん。昼飯なに?」
「鶏の肉団子のシチューだよ」
「やった! 俺それ大好きー」
「バーニーは皿を出しておくれ。アーリンは皆に声をかけてきておくれよ」
「はぁい」
「……あぁ」
バーロとバリーは物置の整理、オードリーは二階の掃除をしているらしい。毎年、この時期に大掃除をするそうだ。
先に物置へ行ってバーロ達に声をかけ、二階へ上がり、オードリーにも声をかけた。
途中で洗面台で手を洗ってから、台所へ向かう。バーニーと手分けして焼き立てのパンなども運び、ブレンダに見てもらいながら香草茶を淹れる。ブレンダに教えてもらったとおりに淹れている筈なのだが、何故かブレンダが淹れたものと同じ風味にならない。アーリンが下手くそ過ぎるのか。それをブレンダに言うと『単なる年季の差だよ』と笑っていた。
温かくて美味しい昼食を食べると、アーリンとバーニーは引き続き買い出しに行き、バーロ達は大掃除の続きをして、ブレンダは夕食の支度や洗濯物をしてくれる。『今年はアーリンがいてくれるから人手が増えて助かるわぁ』とオードリーが嬉しそうに笑っていた。力仕事くらいしかできないのだが、少しでも役に立てるのであれば、本当にすごく嬉しい。
アーリンは再び荷車を出してきて、バーニーと一緒にあちこちの店で必要なものを買いまくった。
夕方には、買い出しメモに書いてあったものを全て買い終えた。バーニーと一緒に買ったものを収納して、終わったら台所の手伝いである。明日も大掃除の続きをするので、明日はアーリン達も一緒に掃除をする予定だ。
大掃除が終わったら、新年を迎える準備もある。ディンダルの街では、玄関周りを飾り付けするらしい。具体的にどんなものなのかまだ分からないのだが、一日がかりでするものらしいので、手のかかるものみたいだ。
年越しの前日から年越しパーティーのご馳走を仕込み始めるそうだし、年越しの日までは本当に忙しい。だが、すごくワクワクしている。バーニーの家の年越しパーティーは、間違いなく楽しいものだ。
王都にいた頃は、連日貴族のパーティーに連れ出され、『どうして貴方は愛想笑いの一つもできないのです。わたくしに恥をかかせないでちょうだい』と、よく母から叱責されていた。
14歳くらいまでは、年越しが近くなると鏡の前で笑う練習をしていたが、どうしても思うように笑えなくて、そのうち諦めた。
ここでは無理に笑わなくてもいい。アーリンが笑わなくても、不思議と楽しんでいることが、バーニーを筆頭に伝わっている。本当に不思議である。バーニーとバーニーの家族は、絵本に出てくるような、なんでもできる魔法使いみたいだ。実際の魔法使いは、なんでもはできない。
賑やかに夕食を食べると、順番に風呂に入り、早めに寝ることになった。
アーリンは風呂から出ると、ブレンダ特製の卵入りの甘い牛乳を飲み、マグカップを洗ってから部屋に引き上げた。
一人でベッドに寝転がっていると、何故だかちょっと寂しい気がする。昨日はバーニーと一緒に寝たからだろうか。娼婦とは一緒に寝なかったので、実は誰かと一緒に寝たのはバーニーが初めてだったりする。
バーニーの体温も匂いも不思議と気持ちが落ち着いて、すごくよく眠れた。
それなりに疲れているのに、何故か寝つけない。尿意を感じたので、アーリンは起き上がり、トイレに行こうと部屋を出た。
トイレで用を足してから脱衣場の洗面台で手を洗っていると、バーニーがやって来た。
「あり? アーリンもトイレ?」
「……あぁ」
「俺もー。寒いとおしっこが近くなるよねー。あ、そうだ。一緒に寝ない? 今日は底冷えするし」
「……あ、あぁ!」
「んじゃ、俺の部屋で寝よー。アーリンが使ってるベッド、ちょっと小さいし。来年になったら新しいベッド買おうよ。寝にくいでしょ」
「あぁ」
アーリンはうきうきと自室に寄って枕を取ってから、バーニーの部屋に行き、バーニーのベッドに上がって布団に潜り込んだ。
バーニーにくっつけば、バーニーの体温と匂いが伝わってきて、なんだかすごく落ち着く。
すぐに寝息を立て始めたバーニーにぴったりくっついて、アーリンも夢も見ないくらい深い眠りに落ちた。
元気だな……と思いながら、アーリンは小さく欠伸をした。
目の前にはバーニーの穏やかな寝顔がある。規則正しい寝息を聞いていると、また眠くなってくる。
アーリンは温かいバーニーにぴったりくっついて、バーニーの寝息を聞きながらうとうとし始めた。
もう年越しの日まで五日になった。昨日の夜の営業で今年の仕事は終わりだ。新年を迎えて六日目から営業を再開する。十日間の休みなのだが、年越しや新年の祝いの準備があるので、年越しの日まではバタバタするらしい。
バーニーから『忙しくなる前にパーッと遊んじゃおう!』と誘われて、昨夜もいつものバーに来て、いっぱいカクテルを飲み、甘いものを食べた。また飲みすぎたので二階に泊まることになり、今に至る。
うとうとと微睡んでいると、隣の部屋から『あぁぁぁぁ! しぬぅ! しんじゃうぅぅぅぅ! いっくぅぅぅぅ!!』と叫び声が聞こえた。あまりにも煩くて、また目が覚めてしまった。
セックスは一度しかしたことがないのだが、そんなにいいものなのだろうか。娼婦のキツい香水の匂いしか記憶に残っていない。一応、一回は娼婦の中に挿れて出したと思うが、叫ぶ程気持ちいいなんて感じではなかった。男同士のセックスだと違うものなのか。というか、挿れる孔がない男同士でどうやってセックスをするのだろうか。未知の世界過ぎて、想像もできない。
隣の部屋が煩いが、バーニーはまだ寝ている。なんとなくバーニーの足に足を絡めて密着すると、股間に硬いものが当たった。朝勃ちしているのだろう。アーリンも朝勃ちしている。お互い様なので、あまり気にならない。
アーリンはバーニーが自然と目覚めるまで、バーニーで暖を取りつつ微睡んだ。
ちょっとゆっくりし過ぎたのでバタバタと急いで家に帰ると、オードリーから買い出しメモと財布を渡された。食料品や日用品を売る店が年越しの三日前から閉まり、次に店が開くのが新年を迎えて六日目からなので、今日のうちに必要なものを買い溜めしておかないといけないそうだ。
アーリンは荷車を押し、バーニーと一緒にまずは八百屋へと向かった。
八百屋でかなり大量の野菜を買い、肉屋でもたくさんの肉を買った。年越し休暇の為だけに、バーニーの家には大きな魔導冷蔵庫が二台あるらしい。普段は一台しか使っていないのだが、年越しの前の買い出しで、主に肉や乳製品等だけで二台の魔導冷蔵庫がみっちみちになるそうだ。どうしても入り切らない時は、店の魔導冷蔵庫も使うらしい。
一度家に帰って買ったものを家の中に運び入れてから、また肉屋に向かって大量の肉類を買い、家に置きに行く。
次は牛乳やチーズなどを買いに行く。途中で卵も大量に買い、小麦粉なども普段の何倍もの量を買って、家へと帰る。店は開けないのに、まるで店を開ける日みたいだ。いや、店を開ける日よりも多い気がする。ご馳走を作るからだろうか。
主な食料品を買ったら、次は日用品を買いに行く。ある程度はバーロ達が買ってくれていたので、荷車を置いて、何枚もの買い物袋を肩掛け鞄に入れて出かける。
買い出しメモを見ながら買い物をして、大荷物を抱えて家に帰る頃には、昼時を少し過ぎていた。
家に帰り着いたら、台所の方から美味しそうな匂いがしていた。
大量の日用品を所定の保管場所に置いてから台所を覗けば、ブレンダが鍋をかき混ぜていた。
「おや。おかえり。皆揃ったね。お昼ご飯にしようかねぇ」
「ただいまー。ばぁちゃん。昼飯なに?」
「鶏の肉団子のシチューだよ」
「やった! 俺それ大好きー」
「バーニーは皿を出しておくれ。アーリンは皆に声をかけてきておくれよ」
「はぁい」
「……あぁ」
バーロとバリーは物置の整理、オードリーは二階の掃除をしているらしい。毎年、この時期に大掃除をするそうだ。
先に物置へ行ってバーロ達に声をかけ、二階へ上がり、オードリーにも声をかけた。
途中で洗面台で手を洗ってから、台所へ向かう。バーニーと手分けして焼き立てのパンなども運び、ブレンダに見てもらいながら香草茶を淹れる。ブレンダに教えてもらったとおりに淹れている筈なのだが、何故かブレンダが淹れたものと同じ風味にならない。アーリンが下手くそ過ぎるのか。それをブレンダに言うと『単なる年季の差だよ』と笑っていた。
温かくて美味しい昼食を食べると、アーリンとバーニーは引き続き買い出しに行き、バーロ達は大掃除の続きをして、ブレンダは夕食の支度や洗濯物をしてくれる。『今年はアーリンがいてくれるから人手が増えて助かるわぁ』とオードリーが嬉しそうに笑っていた。力仕事くらいしかできないのだが、少しでも役に立てるのであれば、本当にすごく嬉しい。
アーリンは再び荷車を出してきて、バーニーと一緒にあちこちの店で必要なものを買いまくった。
夕方には、買い出しメモに書いてあったものを全て買い終えた。バーニーと一緒に買ったものを収納して、終わったら台所の手伝いである。明日も大掃除の続きをするので、明日はアーリン達も一緒に掃除をする予定だ。
大掃除が終わったら、新年を迎える準備もある。ディンダルの街では、玄関周りを飾り付けするらしい。具体的にどんなものなのかまだ分からないのだが、一日がかりでするものらしいので、手のかかるものみたいだ。
年越しの前日から年越しパーティーのご馳走を仕込み始めるそうだし、年越しの日までは本当に忙しい。だが、すごくワクワクしている。バーニーの家の年越しパーティーは、間違いなく楽しいものだ。
王都にいた頃は、連日貴族のパーティーに連れ出され、『どうして貴方は愛想笑いの一つもできないのです。わたくしに恥をかかせないでちょうだい』と、よく母から叱責されていた。
14歳くらいまでは、年越しが近くなると鏡の前で笑う練習をしていたが、どうしても思うように笑えなくて、そのうち諦めた。
ここでは無理に笑わなくてもいい。アーリンが笑わなくても、不思議と楽しんでいることが、バーニーを筆頭に伝わっている。本当に不思議である。バーニーとバーニーの家族は、絵本に出てくるような、なんでもできる魔法使いみたいだ。実際の魔法使いは、なんでもはできない。
賑やかに夕食を食べると、順番に風呂に入り、早めに寝ることになった。
アーリンは風呂から出ると、ブレンダ特製の卵入りの甘い牛乳を飲み、マグカップを洗ってから部屋に引き上げた。
一人でベッドに寝転がっていると、何故だかちょっと寂しい気がする。昨日はバーニーと一緒に寝たからだろうか。娼婦とは一緒に寝なかったので、実は誰かと一緒に寝たのはバーニーが初めてだったりする。
バーニーの体温も匂いも不思議と気持ちが落ち着いて、すごくよく眠れた。
それなりに疲れているのに、何故か寝つけない。尿意を感じたので、アーリンは起き上がり、トイレに行こうと部屋を出た。
トイレで用を足してから脱衣場の洗面台で手を洗っていると、バーニーがやって来た。
「あり? アーリンもトイレ?」
「……あぁ」
「俺もー。寒いとおしっこが近くなるよねー。あ、そうだ。一緒に寝ない? 今日は底冷えするし」
「……あ、あぁ!」
「んじゃ、俺の部屋で寝よー。アーリンが使ってるベッド、ちょっと小さいし。来年になったら新しいベッド買おうよ。寝にくいでしょ」
「あぁ」
アーリンはうきうきと自室に寄って枕を取ってから、バーニーの部屋に行き、バーニーのベッドに上がって布団に潜り込んだ。
バーニーにくっつけば、バーニーの体温と匂いが伝わってきて、なんだかすごく落ち着く。
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