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13:フェリの『家』

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ロヴィーノ達の夏休みはあっという間に最終日になってしまった。フェルナンドは名残惜しむように夕食ギリギリまでサーシャ達と遊び、夕食後も眠ってしまうまで子供達だけで遊んでいた。玩具をベットに散らかしたまま寝てしまった子供達に布団をかけてやり、眠る彼らにキスをする。散らかった玩具を片付けると、フェリはクラウディオの家に向かって飛び立った。

軍官舎の屋根に降り立つ。
クラウディオの部屋は明かりがついていなかったので、まだ帰っていないか寝ているのだろう。さて、どうするか。フェリは屋根の上に寝転がり、星空を見上げた。今夜は雲ひとつなく、星が綺麗に見えた。そのまま暫しぼーっとしていると、足音が聞こえた。
下を覗き見ると、軍服姿のクラウディオが歩いていた。
フェリはふわりと浮いて、彼の目の前に降り立った。


「やぁ、クラウディオ。遅くまでお疲れ様」

「フェリ。こんばんは」

「こんばんは。少しだけいいかな?」

「勿論」


クラウディオは穏やかに笑って頷いた。クラウディオの後をついて彼の家に入る。玄関を閉めると直ぐにクラウディオがフェリの額にキスをした。


「会いに来てくれて嬉しいよ」


フェリはなんだか照れて笑った。お返しに少し浮き上がってクラウディオの頬にキスをした。


「明日の朝、ロヴィーノ達が帰るんだ。俺も一緒に風の宗主国に戻るから、顔が見たくてさ」

「そうか。今夜はゆっくりできるか?」

「クラウディオは明日も仕事じゃないのか?」

「明日は午後からだから問題ない」

「じゃあ、ゆっくりさせてもらおうかな」

「ワインを出そうか」

「うん」

「……と、その前にシャワーを浴びてくるよ。汗臭いからな」

「別に気にしないけど」

「俺が気になるんだよ。先に飲みながら、少し待っててくれ」

「分かった」


クラウディオは台所に行き、ワインを冷蔵庫から取り出して、ついでにワイングラスを持ってきた。ワインをグラスに注ぐと、もう一度フェリの額にキスをして風呂場へ向かった。フェリはなんだか照れくさいような、恥ずかしいような気持ちになって、少し赤らんだ顔を手で擦った。
フェリがワインを一杯飲み干す頃にクラウディオは風呂場から出てきた。
フェリの向かい側の椅子に座ったので、彼のグラスにワインを注いでやる。


「ありがとう」

「いや、旨いワインだな。前に飲んだのとは違うようだけど」

「マーサ様から頂いたんだよ。土の宗主国の西の方の領地で作られてるものらしい。試しに取り寄せてみたからと1本下さってな」

「へぇ。そうなのか」

「自分は甘いのは飲まないから、飲んで感想を教えてくれと言われてさ。フェリが気に入りそうなら、また取り寄せるんじゃないのか?」

「マジでか。確かに旨いけど、わざわざ取り寄せなくてもなぁ……」


そう言うと、クラウディオは可笑しそうに笑った。


「マーサ様はフェリの喜ぶ顔が見たいんだよ。あれで結構ブラコンだから」


フェリは照れて赤くなった。マーサがフェリを兄のように慕ってくれているのは分かっている。でも改めて他人に言われると、少し恥ずかしい。


「そうなのかな」

「うん。で、気に入った?」

「うん。結構好きな味だよ」

「それは良かった。次会った時にでもマーサ様に報告しとくよ」


クラウディオがニッと笑った。フェリは何故かその笑顔に胸がキュンとした。気づいたら考えるより先に言葉がででいた。


「俺、クラウディオが好きみたい」


クラウディオが目を大きく見開いた。その顔にハッとして、フェリは慌てた。


「あの、いや……今のはそのっ!」


真っ赤になって慌てるフェリの手をクラウディオが真剣な表情で握った。真っ直ぐにフェリを見つめてくる瞳から目が離せない。


「フェリ。今のは本当だろうか?」

「……うん」

「フェリ」

「うん」

「俺もフェリのことを愛してる。心から」


フェリは益々顔が赤くなった。見つめあいながら、なんと言葉を返したらいいのか、分からない。ただ、嬉しい!という思いしか、頭の中になかった。


「フェリ。お試しじゃなくて、本当に俺の恋人になってくれないか?」

「……いいのか?俺、見た目も普通だし、年中フラフラして、いないことの方が多いし」

「あぁ。俺も忙しくて中々ゆっくりした時間を取れないからお互い様だ。それにフェリは可愛いよ」

「……可愛くない。普通だ」

「いや、可愛いよ。俺にとってはね。いつも一生懸命で、誰かの為に奔走してる。フェリはいつだって可愛くて格好いいよ」

「……そんなことないよ」


フェリは恥ずかしさが頂点に達して、ついに俯いてしまった。そんなフェリの様子にクラウディオがクックッと笑った。


「少し恥ずかしがり屋なところも可愛い」

「……もう勘弁してくれ……」


フェリは握られていない方の手で顔を覆った。


「フェリ」

「……うん」

「俺をフェリの『家』にしてくれないか。フェリが休める場所になりたい」

「クラウディオ……」


フェリは顔をあげた。


「……なってくれるか?俺の『家』に」

「あぁ。フェリがそう望むなら」

「じゃあ、なってくれ。クラウディオのことが好きなんだ」

「フェリ」


クラウディオが立ち上がり、フェリを抱き締めた。涙が自然と溢れでて、クラウディオの肩を濡らした。ぎゅっとクラウディオにしがみつくと、力強い腕が強く抱き締めてくれた。フェリは、欠けていた何かが埋まった気がした。









ーーーーーー
クラウディオに抱えられ、熱いキスをしながら寝室に移動した。寝室のベットにつく頃には2人とも息が軽くあがっていた。
お互いに、じゃれあうようにキスをしながら服を脱がせあう。フェリは今まで以上に積極的になって、彼の体に触れた。胸毛の生えた逞しい胸元にキスをして、そのまま下に向けてキスをしていく。臍を舐め、クラウディオの大きくなったペニスにもキスをして唇を這わせる。
横から裏筋を中心に舐めあげると、ピクリと動いた。手も使って丹念に愛撫する。濡れてきた先っぽを舐め、そのまま口に入るだけ含む。じゅるりと水音をさせながら首を前後に動かすと、優しく掻き回すように頭を撫でられた。喉で締めるようにペニスを吸うと、クラウディオが低く呻いた。根元を手でしごき、ねっとりと舐めながら首を動かすと、クラウディオが腰を軽く動かした。フェリは大きく口を開きながら、歯を立てないように気をつけながらクラウディオのペニスを受け入れた。顎がだるくなる頃に、クラウディオがフェリの口内に射精した。生臭いような独特の匂いのする苦味があるクラウディオの精液を噎せないように何度かに分けて飲み込んだ。先っぽにうっすら残っているモノも優しく吸いとると、クラウディオが気持ち良さそうな溜め息を吐いた。
優しく頭や耳を撫でられ、汗や涎でベタベタになった顔中にキスされる。ころんっとベットに転がされて、クラウディオが覆い被さってきた。フェリは素直に脚を大きく広げた。体中キスされて、舐められる。それだけで、フェリは興奮しきって身体が震え、声がもれた。
汗だくになるほど焦らされながら、あちこちを優しく愛撫される。焦れったくなってクラウディオの名を呼んでも、中々欲しいものはくれなかった。フェリのペニスは固く勃ちあがり、女のソコも濡れきってひくついていた。


「……クラウディオっ!頼むから、もう欲しいっ!!」


そう小さく叫ぶと、やっと女のソコにクラウディオのペニスが押しつけられた。フェリの息は期待に震えた。


「フェリ。愛してる」

「……俺も」


クラウディオの熱っぽい瞳を見つめながら小さな声で言うと、ゆっくりとクラウディオのペニスがフェリの中に入ってきた。焦らしに焦らされた体はそれだけで堪らなくなり、全身をがくがく震わせながら、フェリはイッた。
その後も何度もイカされながら、朝方近くまで互いに何度も求めあった。










ーーーーーー
翌朝。
フェリはクラウディオに見送られ、マーサの家に戻った。キスをして、いってらっしゃい、と言われると、胸が温かくなった。
朝食をロヴィーノ達と一緒にとると、いよいよ転移陣を使って風の宗主国に帰ることになる。ロヴィーノ達はマーサの家族らとハグを交わして別れを惜しんだ。
皆と次に会う約束を交わして、転移陣へと移動する。
次に来るときにはフェリには新たな『家』がある。その事がすごく幸せに感じる。クラウディオの顔を思い浮かべながら、フェリは穏やかな顔で、息子達と共に風の宗主国へと旅だった。

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