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2:見合い相手はまさかの!

 定時になると、アルネは『黒山羊亭』へと向かって歩き始めた。
 団長がどんな相手を紹介してくれるのかは分からないが、輪姦されまくるという夢が潰されてご機嫌斜めである。
 ぶすっとしたまま『黒山羊亭』に入ると、店員がやって来て、二階の個室へと案内された。

 個室に入ると、団長と何故か副団長がいた。
 見合いだよな? なんで副団長もいるんだ? と不思議に思いつつ敬礼をすると、団長から椅子に座るよう言われた。

 大人しく椅子に座ると、厳つい顔立ちの団長が口を開いた。


「アルネ。ゲオルグと結婚しろ」

「……え?」

「ゲオルグからは了承を得ている。お前が性欲に負けて若いのを襲うくらいならと。ゲオルグと結婚しろ」

「え、え、えーーーー!! 嫌ですっ!! 副団長は五十手前のおっさんじゃないですかーー!! せめて! せめて若くてちんぽが元気いっぱいすぎる奴がいいですっ!!」

「安心しろ。ゲオルグは今でも一度に娼婦を三人買う猛者だ」

「は?」

「娼婦を一人だけ買うと抱き潰しちゃって娼館の者から苦情を言われるので」

「……もしかして、副団長って性欲つよつよですか?」

「かなり強めな方だな。それと、誰が五十手前だ。俺はまだ四十だ」

「えっ! てっきり五十手前かと……」

「老け顔で悪かったな」


 アルネはまじまじと副団長であるゲオルグを見た。
 白髪がちらほら見える濃い茶髪はきっちりオールバックに整えられており、深い青い瞳は知的な感じがして、きれいに整えられている口髭がダンディーな渋い男前である。

 小さな子どもには顔を見ただけで泣かれると噂の厳つい団長が、紅茶を飲みながら、アルネを見た。


「ゲオルグは先代国王陛下のご落胤だ。子どもをつくることは現国王陛下から禁じられている。『神様の愛し子』のお前ならばちょうどいい」

「……は? え? ご落胤? ……それは俺が知ったらマズいやつなのでは!?」

「そうだな。ゲオルグの秘密を知った以上、お前にはゲオルグと結婚する以外の選択肢はない」

「えぇーー!! そんなっ!! 屈強な男達に犯されまくってアヘ顔キメて肉便器になる俺の夢は!?」

「ドン引きするほど酷い夢だな」

「そんなに引かれるとちょっと恥ずかしいです」


 ドン引き顔のゲオルグに、てへっと可愛こぶって笑うと、ゲオルグが呆れた顔をした。


「ものすごく仕事はできるのに、ここまで馬鹿だとは思っていなかった」

「ちょっと性欲が強すぎるだけです」

「……まぁいい。団長公認だし、お前と結婚する。若い連中が襲われたら堪らない。お前に手を出したら団長直々にぶっ殺されるからな。若い者達を守るためにお前を満足させてやろう」

「あ、結婚するのって確定なんですね。では! セックスしたいです! 身体の相性は大事だと聞くので!」

「婚前交渉するのはどうかと思う」

「婚前交渉しても俺は子どもができませんよ。セックスしたいです! セックス!」

「ゲオルグ。そこの馬鹿に付き合ってやれ。『輪姦されたい』とか言い出さないくらいに抱き潰せ」

「はぁ……了解です。団長。アルネ。食事をしたら俺の家に行くぞ」

「はいっ! ちなみに毎朝毎晩オナニーしまくってますけど、自分の指しか挿れたことないです! ぴっかぴかの処女です!」

「その自己申告は今じゃない方がいいな。ド阿呆。脳みそ下半身か」

「ゲオルグ。しっかりとアルネの手綱を握っておけ。仕事はすこぶるできるんだ。馬鹿な真似をさせるなよ」

「了解であります。団長」


 団長とゲオルグが何故か疲れたような顔で溜め息を吐いた。
 四十歳になっても娼婦を一度に三人も買うなんて、ゲオルグはかなり性欲つよつよらしい。歳を重ねている分セックスが上手いだろうし、これは期待してもいいかもしれない。

 この後初めてのセックスをすると思うと、クリトリスがうずうずして、まんこの孔がきゅんきゅんして、とろぉっと愛液が溢れ出る感覚がした。
 今すぐにクリトリスを弄りまくってまんこの孔に指を突っ込みたいが、まだ我慢である。

 料理が運ばれてくると、次の遠征の話をしながら、こっそりもじもじ膝を擦り合わせつつ夕食を食べた。

 店の前で団長と別れると、ゲオルグの案内でゲオルグの家へと向かって歩き始めた。
 ムラムラしすぎて、パンツが愛液でびっちゃんこである。アルネはふと思い出した。
 今日のパンツは色気の欠片もないよれまくったものである。しかも、服屋の割引商品だったクソダサい変な柄のパンツ。見られたら萎えられる自信があるくらいクソダサい。


「……副団長」

「なんだ」

「パンツを買いに行ってもいいですか?」

「……まさかパンツを穿いてないのか?」

「穿いてます! クソだせぇだけです!」

「なら問題ない。どんだけクソダサくても中身にしか興味がないからな」

「えぇ……どうせなら色っぽいパンツで獣のようになった副団長に襲われてぇです」

「お前はどこまで残念なんだ」

「自分の欲に忠実なだけですね!」

「もうすぐで家に着く。着いたら風呂に入れ。ダサいパンツを見られたくないなら、全裸で出てこい」

「あ、はい。……ちなみに副団長。なんとお呼びすればいいですか? 結婚するなら、『副団長』って呼ぶのも変ですよね?」

「好きに呼べ」

「じゃあ、『ゲオたん』で」

「前言撤回。『ゲオルグさん』と呼べ」

「了解でありまーす」

「……こんな阿呆が伴侶か……」

「遠い目しないでくださいよ。自分で言うのもなんですが、仕事はできるし、タフないい男ですよ。俺」

「それは知っている。将来的には副団長に推薦する予定だ。仕事はできるからな。仕事は」

「なんか含みがありますね」

「脳みそ下半身の馬鹿野郎とは思ってなかったからな。結婚もする予定ではなかった。団長からお前の手綱を握れと言われたからには、きっちり満足させて阿呆なことを言わないように躾ける」

「俺、躾けられちゃうんですか!? やだー。なんかドキドキしちゃうー。ドスケベなお仕置きとか最高ですね!」

「なんかやらかした時のお仕置きはひたすらケツをぶっ叩く。本気で泣くまでな」

「お尻ペンペンで新たな性癖に目覚めるかも!!」

「前向きすぎてドン引きだ。馬鹿野郎。……ここだ」

「可愛い感じの家ですね。ここが俺達の熱き肉体のぶつかり合いの場になるんですね!」

「せめて『愛の巣』とか言え」

「俺達にはまだ愛なんてないですよ。あるのは有り余る性欲だけです!」

「……どうせ結婚するならもっとマシな相手がよかったな……」


 ゲオルグが疲れた顔で溜め息を吐きながら、玄関のドアの鍵を開けた。
 ゲオルグの家はこぢんまりとした二階建ての一軒家で、狭い庭には様々な花が植えてあった。
 家の中に入ると、とてもきれいに掃除がされているようで、埃臭さなんてない。温かみのある柔らかい雰囲気の内装で、ちょっと意外に思った。

 ゲオルグは渋いダンディーな男前だが、どちらかと言えば『これぞ漢!』みたいな雰囲気だ。
 てっきり殺風景な感じの家かと思っていたが、花瓶に花が飾られていたり、柔らかい色合いの壁紙だったりと、家の中はなんとなく可愛らしい雰囲気で、ゲオルグのイメージにあんまり合わない。

 風呂場に案内される前にちらっと見た居間には、ソファーのところに可愛いデッカいひよこのぬいぐるみもあった。
 風呂場の前で、アルネはゲオルグに問いかけた。


「ゲオルグさん。可愛いのが好きなんですか?」

「……どうせ俺には似合わない趣味だ」

「まぁ、確かに意外ではありますけど。結婚記念にデカいぬいぐるみでも買います? なんか可愛いの」

「引かないのか?」

「いえ。特には。俺の三番目の兄も可愛いものが好きでして。裁縫が趣味なので、姪っ子に可愛いスカートとかぬいぐるみを量産したりしてますし」

「そうか。とりあえず風呂に入って来い。一応、寝間着を出しておく」

「あ、はい。でもすぐに脱ぎますよ?」

「俺が風呂に入ってる間は着ておけ」

「了解であります」


 アルネは脱衣場に入ると、いそいそと服を脱ぎ始めた。

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