俺と先生の愛ある託卵生活

丸井まー(旧:まー)

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40:目覚め

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(今何度目だろう……?)

クリスは腰を振りながら、ぼんやり思った。ニーファはクリスの下で気持ち良さそうに喘いでいる。持っていたニーファの片足を一度離し、今度は両足をぐっと折り曲げるように手で動かして支える。膝が胸につきそうなくらい体を曲げられて、ニーファが少し苦しそうに眉に皺を寄せるが、ゆるゆると腰を振れば、足を支えるクリスの腕を強く掴んでニーファが喘ぐ。

クリス達の家にあの女性が来てから、少なくとも1日半は経っている。今はもう2日目の夕方だ。昨日も今日も結局、寝て起きて食事をしてセックスをして、また寝るというサイクルを繰り返していた。ニーファが寝ている隙に精力剤と疲労回復薬を飲んでいる為、まだなんとかなっているが、正直そろそろツラくなってきている。薬なしで多分クリスより多く射精しているニーファは大丈夫なのだろうか。もしかして絶倫なのか。そうであるなら、今まで満足させられていなかった可能性がちらつく。ニーファが普段通りに戻ったら聞いてみよう。なんて事をつらつら考えながら、ゆるゆると腰を振る。ぶっちゃけ腰がだるくて激しく動けない。勃起はするし、射精もできるが、いくら疲労回復薬を飲んでいてセックスの合間に寝ていても、積み重なった局地的疲労はどうしようもない。クリスは諦めの境地で腰を振り続ける。

ニーファはあれから全然笑わなくなった。ぼんやりとして、クリスにくっつく以外、自発的な行動をしない。殆ど喋らない。食事もとろうとせず、毎回苦心して、なんとか食べさせている。風呂にもまだ入れていない。
何度もマーサに連絡しようかと悩むが、毎回もう少し様子見する事にして、まだ連絡はしていない。
明日の昼までこの調子だったら、連絡しよう。
そう決めて、クリスは目の前のニーファに集中した。






ーーーーーー
ニーファは玄関の方から聞こえてくる女の声と一度嗅いだことのある香水の匂いに、目の前が真っ赤になった。近づくものは殺さなくては。ただその念に動かされて玄関先へと向かう。
クリスがニーファにしがみついて、何か言っているが、まるで頭に入らない。
目の前の敵を排除しなくてはいけない。クリスがしがみついているから、腕は使えない。ならば足だ。女の顔面めがけて蹴りを繰り出そうとした時、ニーファの意識は暗転した。

気づいたらクリスに抱かれていた。クリスの温もりと匂いに包まれながら与えられる快感を享受する。頭の中がぼんやりする。敵を排除しなければ、という思いがあるが、それに反対するような小さな思いもある。ニーファは何も考えたくなくなった。ただ目の前のクリスにしがみついた。

それからどれだけの時間が流れたのだろうか。
気づけば、いつもクリスがニーファに触れている。落ち着くそれに身を委ねる。食事も何もしたくなかった。クリスがすぐ側にいればそれで良かった。





ーーーーーー
ニーファが目覚めると、室内が暗く肌寒かった。なんだか、長い夢でも視てた気がする。久しぶりに頭がぼんやりせずにハッキリしていた。
酷く喉が乾いている。お腹も空いた。
くっついていたクリスの腕の中で身動ぎして、クリスの顔を覗きこむと、珍しく無精髭を生やしていた。なんとなく目の前の髭を指でちょりちょりする。
体がベタつく感じがして少々不快である。風呂に入りたいが、このままもう少しクリスの腕の中にいたい気もする。
クリスの無精髭をちょりちょり触っていると、クリスが目を開けた。


「……おはようございます?」


ニーファが小さく声をかけると、クリスが驚いたように目を見開いた。


「ニーファ君?」

「はい?」

「気分は!?」

「……お腹空きました」


クリスがほっとしたような顔をして、ニーファを強く抱き締めた。


「クリス先生?」

「……よかった……」


無精髭の生えた顔で頬擦りされる。ちょっと擽ったい。そのまま優しく頭を撫でられる。この反応は何だろうか。いまいちよく分からない。
クリスが頭を優しく撫でながら、顔中にキスしてくれる。単純に嬉しいが不思議でもある。
最後に唇にキスしてくれた。


「先にお風呂入ろうか」

「はい」

「準備してくるから待ってて」

「俺がしますよ」

「いいから。少し待ってて」


ニーファの頭を優しく撫でて額にキスすると、クリスが全裸のまま寝室から出ていった。それを見送って寝返りをうつ。腰と尻が地味に痛い。サイドテーブルの方を見ると、何故かヤカンとマグカップがお盆にのせて置かれていたので、ずるずるベッドの上を這って移動して、起き上がる。中身が減っているからか、だいぶ軽いヤカンからマグカップに中身を注ぐ。一口飲むと冷たい水だ。マグカップいっぱいに注いだ水を飲み干して、ほっと息をつく。ちょっと生き返ったような気がする。
2杯目をちびちび飲んでいると、クリスが戻ってきた。やや緩慢な動きで床に落ちていた服を拾っている。全裸で水を飲むニーファにシャツを羽織らせてくれた。


「もうすぐお湯も溜まるだろうから、お風呂行こうか」

「はい」


クリスがニーファの手をとって、そのまま手を繋いで寝室から出て風呂場に向かう。体のあちこちに精液と思われる乾いてカピカピしたものがついている。肌も髪もベタついているし、早く洗いたい。風呂場は浴槽のお湯の湯気が充満して、温かい。クリスが全身を優しく洗ってくれた。寝室では暗くて気づかなかったが、体の至るところに痕があった。なんとなく気恥ずかしくなって顔が赤くなる。クリスが頭も洗ってくれる。優しい手つきに身を委せる。
クリスに促されて先に浴槽に浸かった。ちょっと熱めのお湯が、なんとなく疲れている感じがする体に心地よい。クリスも手早く体と髪を洗うと、いつもの体勢で一緒にお湯に浸かる。密着した状態で後ろからぎゅっ、と抱き締められ、首筋にキスをされた。
なんだか普段と少し違って、どぎまぎしてしまう。

充分温まってから風呂から出ると、クリスが体を拭いてくれて、髪を乾かしてくれた。着替えまで用意してくれていた。なんだかクリスの機嫌がいつもより良さそうな雰囲気である。
不思議に思いながらも、甲斐甲斐しく世話をしてくれるクリスに嬉しくなって、はにかんで笑った。
ニーファが笑うと、クリスの方が嬉しそうな顔をして唇にキスしてくれた。

手を繋いで風呂場から食卓に移動すると、皿に盛られた料理がいくつもあった。途端にくぅーっと腹が鳴る。


「温めてくるから座ってて」

「一緒にやります」

「大丈夫だから」


そう言ってクリスがニーファの髪を撫でながら唇にキスして、皿を持って台所へと行った。
そうしないうちにお盆にのせて、湯気のたつ料理を持ってきてくれた。美味しそうな匂いにまた腹が鳴る。


「食べようか」

「いただきます!」


ニーファは久しぶりな気がする料理の数々に嬉々として舌鼓をうった。クリスも美味しそうに料理を頬張っている。デザートに果物まで食べて、温かいお茶を飲んで、やっと人心地ついた。
さっき起きたばかりだというのに、また眠くなる。ニーファは大きく欠伸した。


「食器を洗っておくから、寝ておいで」


クリスが優しく頭を撫でながら、そう言ってくれたのでありがたく甘えさせてもらう。クリスが手を繋いで一緒に寝室まで行ってくれて、ベッドに潜り込んだニーファの額にキスをしてくれた。


「おやすみ」

「……おやすみなさい」


ニーファはすぐに眠りに落ち、次に目覚めるまで夢もみなかった。
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