パンストおじさん、異世界でどっぴゅん☆

丸井まー(旧:まー)

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7:魔王城四天王・淫魔

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ついに魔王城にまで辿り着いた。
王都を旅立ち、およそ1ヶ月。最短距離を最速で移動してきたことと、パンストおじさんの浄化が予想よりも強力で早かったことにより、予定よりも早くに到着することができた。人も物資も想定していたよりも消耗していない。万全の状態で魔王に挑める。勇者一行は魔王城の城門を騎竜で飛び越え、中庭と思われる場所に降りた。

地面に降り立つと、すぐに骸骨兵が城内からわらわらと現れた。パンストおじさん以外、全員すぐさま戦闘体勢をとる。襲いかかってくる骸骨兵達を、精鋭揃いの軍人達が中心となり迎え撃つ。
骸骨兵を見たパンストおじさんが首を傾げた。


「あれ?ちんぽないよね?ないよね?イマジナリーちんぽをずこずこすればいいの?あ、おじさんの聖液かける?精液なだけに。どゅふっ!今おじさん上手いこと言ったね!どゅふふふふっ!褒めてー」

「煩い変態!こっちは戦闘中だっ!!」

「いちいちアレをかけていたのでは切りがありません!おそらく骸骨兵には特定の首魁はいない筈。魔王を倒さねば消えません!とりあえず粉々に破壊してくださいっ!元に戻るまでに時間を稼げます!その間に突破するのがよろしいかと!」

「だそうだ!パンストおじさん!とりあえず大人しくしてろっ!全員死ぬ気で骸骨兵をぶち壊せ!!」

「「「御意!!」」」


将軍を筆頭とする軍人達が激しく剣を振るい、魔術師達が次から次へと攻撃魔術を骸骨兵にぶち当てる。負傷してもすぐさま神官が治癒魔術をかけてくれるので、勢いにのった第一王子達は中庭に集まった大量の骸骨兵を軒並み粉砕し、城内へと足を踏み入れた。
城内の廊下に現れる骸骨兵達を粉砕しながら、互いに守りあうような陣形を保ったまま、全員で1階の広間へと入った。

豪奢な広間の中空に、女が浮かんでいた。怖気が走る程美しい女だ。豊満な肢体を扇情的な下着だけで包み、蠱惑的な笑みを浮かべている。問答無用で雄の本能に強く訴えかけてくるような、いっそ息苦しくなる程の色香を纏っている。
真っ赤な唇をにぃっと釣り上げ、女が口を開いた。


「いらっしゃ~い♡勇者御一行様~。ふふっ。勇者はどーなた?あたしが美味しく食べてあ・げ・る♡」


女が美しく、そして残虐に微笑んだ。
値踏みするような目でねっちょりとこちらを見てくる女の視線が、パンストおじさんでピタリと止まった。


「うわ。変態じゃん。気持ち悪っ」

「うわ。痴女じゃん。気持ち悪っ」

「…………」

「…………」

「……誰が痴女だごらぁぁぁぁぁぁ!!」

「お前じゃボケぇぇぇぇぇぇ!舐めてんのっ!?舐めてんのっ!?ちんぽつけて出直してこいやぁぁぁぁぁ!!」

「はぁぁぁぁっ!?きっも!!きっも!!この完璧な美しさが理解できないわけ!?はぁん!変態かーわいそー!ばーか!ばーか!」

「はーい。全員正直に手を上げてー。あの無駄にデカい牛みたいな乳が魅力的だと思う人ー。……ほぉら!!見たか!!2人しか手を挙げてないぞぉ?どゅふふふ!!自意識過剰な痴女うっけるー」

「はぁぁぁぁぁ!?クソ人間どもぉ!ふざけんなよぉ!?どこに目ぇつけてんだっ!!」


パンストおじさんに言われて手を挙げた者は2人だけだった。第一王子は手を挙げていない。第一王子は微乳派だ。女は確かに蠱惑的に美しいが、必要以上の露出とデカ過ぎる乳房が第一王子の好みとは大きくかけ離れている。第一王子は妃のような少し控えめで穏やかな笑みが似合う女が好みだ。
近くにいた将軍がボソッと呟いた。


「巨乳派だが、デカいにしても限度がある。何だあの乳袋。こわっ」

「私は微乳派だ。妃が理想そのものだ」

「流石殿下。愛妻家でいらっしゃる。私も妻の乳がこの世で1番ですな」

「私も」

「俺も」

「俺は普通の大きさがいいです。掌すっぽりサイズ。まぁ、嫁さんのが1番ですね」

「僕もです」

「自分、そもそも女に興味がないんで」

「ちっぱいこそが至高!!」


ボソボソと皆好き勝手に言い出した。わなわなと女が震えだし、怒りに顔を歪めた。パンストおじさんが勝ち誇ったかのように高笑いをした。


「どゅふふふふふ!!やーい!やーい!ハズしてやーんの!男は皆巨乳好きだと思うなよー?ていうか巨乳超えてマジで牛じゃーん?やり過ぎエロ漫画かよ。リアルじゃキッツいわー。おえっ!おえっ!」

「クソゴミ虫どもがぁぁぁぁ!!」

「ちんぽつけて出直せ痴女ー!!ちーんぽっ!あ、そ~れ!ちーんぽっ!!」

「気持ち悪いんだよっ!変っ態がぁぁ!!」

「将軍。魔物に全力で変態と罵られているのが我々の勇者だ」

「存じ上げております。私はいい加減慣れました」

「奇遇だな。私も慣れてきた」


女とパンストおじさんが幼稚な罵りあいをしている。女が激昂して空中で地団駄を踏む度に、大きすぎる感がある乳房がぶるんぶるんと揺れる。第一王子は将軍と一緒に、呑気に『ないわー』と呟いた。
女が怒りで顔を赤く染めたまま、ビシッとパンストおじさんを指さした。


「そんなにちんぽが良けりゃつけてやんよ!魔王城四天王が1人!誇り高き淫魔の長を舐めるなよ!変態っ!!」

「お!ちんぽタイム?ちんぽタイム?淫魔ちゃんのちんぽはどんなかなー?期待外れじゃないといいなー?」

「くっそがっ!!」


どこまでも煽っていくスタイルのパンストおじさん。妙に生き生きとしている。淫魔の長だという女の身体が白い煙に包まれ、今度は美丈夫が現れた。艷やかな黒髪、惹き込まれるような赤い瞳、雄々しいのに美しく整った顔立ち、彫像のようにバランスよく筋肉がついた身体、ピッタリとした色気のある黒いパンツは見事にもっこりとしている。パンストおじさんが手を叩いて喜んだ。


「わーい!ちーんぽ!ちーんぽ!淫魔ちんぽはどんな味ー?どゅふ!どゅふ!」

「「気持ちが悪い」」


なんとも不本意ながら、淫魔と第一王子の発言が被った。ぴょんぴょんと飛び跳ねて喜ぶ変態が気持ちが悪いのが悪い。

パンストおじさんがいつものように両足を肩幅より少し大きめに広げて立ち、仰け反るようにしてピンク色の可愛らしいデザインのパンツに包まれた股間を突き出した。両手を上げ、頭の後ろで組み、腰をカクカク振りながら、パンストおじさんが楽しそうに叫ぶ。


「勃ち上がれーい!おちんち~ん!ゔをっきん☆」

「は?何、きもちわる……な、なにっ!?」


明らかにドン引きしている淫魔が、驚愕に顔を歪めた。気持ちが悪い呪文を唱えると同時に、パンストおじさんの股間が光りだす。パンストおじさんの魔法の効果は覿面で、淫魔の股間が勃起して露骨にもっこりしている。淫魔が屈辱に顔を顰めて、自分の股間を両手で押さえた。



「あ、そ~れ!ゔをっきん☆ゔをっきん☆がんばれがんばれ~☆」

「ば、馬鹿なっ!?淫魔の長たる俺が人間風情に発情させられるだとっ!?」


パンストおじさんの股間の光はどんどん強くなっていく。慣れてはきたが、素直に気持ちが悪い。
広間に入ると同時に、魔術師達が骸骨兵が侵入できないように結界を張っている。敵である淫魔は完全にパンストおじさんの魔法で発情して、ふらふらした後、どさっと床に落ちた。すかさずパンストおじさんが淫魔の身体に馬乗りになる。こうなってしまえば、パンストおじさんの独壇場である。第一王子は、まるで暴漢に襲われる生娘みたいな悲鳴を上げる淫魔を同情の眼差しで眺めた。魔物とはいえ、変態の餌食になる淫魔が少々気の毒である。パンストおじさんはそれはそれは楽しそうな笑い声を上げながら、淫魔のパンツを剥ぎ取り、勃起した巨根を自分のアナルに咥えこんだ。


「あひぃぃぃぃっ!!いやぁっ!きもちわるいっ!!きもちわるいっ!!」

「どゅふふふっ!!淫魔ちんぽ!おーいしーい!!」

「いやぁぁぁぁ!」

「ほれほれほれー!」

「あぅっ!やぁ!やぁ!な、なんなんだ!この穴ぁぁ!!」

「どゅふ!!説明しよーう!おじさんのケツマンは神様のお陰で超名器なんだよーん!」

「ひぃっ!ひぃっ!うご、うごくなぁっ!!」

「あんっ!どゅふっ!いいっ!いいっ!淫魔ちんぽ!いいよぉ!!」


パンストおじさんが騎乗位で激しく尻を上下に振っている。とても楽しそうである。気持ちが悪い。
第一王子はボソッと思ったことを口に出した。


「どっちが悪役なのか分からん光景だな」

「淫魔だというのに、予想外に生娘みたいな反応をしておりますしね」

「あの……淫魔であるが故に、自分が一方的には、は、発情させられて責められるのに弱いのかと……」

「あぁ。なるほど。流石、魔術師長」


万が一に備えて油断をせぬよう気をつけながらも、第一王子が将軍や魔術師長と小声で話していると、パンストおじさんが益々楽しそうな笑い声を上げた。


「あっは!中でイッてる!イッちゃったねぇ!ビクビクしてるよぉ?淫魔ちんぽは早漏ちんぽ~!!」

「ひぎっ!やぁぁぁ!い、イッて、イッてりゅっ」

「淫魔のくせに~早漏ちんぽ~」

「くそくそくそくそぉぉぉぉ!!あぁぁぁぁっ!!うごっ、うごくなぁぁ!!」

「あぁんっ!イッてても固いよぉん!ほらっ!ほらっ!もっと!もっと!がんばれ!がんばれ!」

「あひっ!ひぃっ!ひぃっ!」

「あぁ~ん!射精ちんぽいい~っ!お腹!熱いっ!気持ちいい~!!」


パンストおじさんがとても楽しそうである。ショタ以外に敵はいないのか。
露骨に人外だったこれまでの魔物とは違い、淫魔はまんま人の形をしている。確かに巨根ではあるが、魔物の異形ペニスを受け入れまくってきたパンストおじさんの敵ではない。淫魔特有の催淫効果もパンストおじさんには効かない。通常運転のパンストおじさんが淫魔相手に無双している。哀れ、淫魔。少し気の毒だが、そのまま浄化されてしまえ。
半ば遊んでいるようだったパンストおじさんが、更に激しく尻を振り出した。多分だが、大して面白みもない淫魔のペニスに飽きてきたのだと思う。今までの魔物のペニスに比べたら、淫魔のペニスは普通に大きいだけで、特に特色がない。魔物を食いまくってきた筋金入りの変態であるパンストおじさんには、少々物足りないのだろう。


「あんっ!あっ!あっ!もうっ!イッちゃう!出すよっ!出すよっ!」

「ひんっ!やめっ、やめっ、やぁぁぁぁ!」

「あぁぁぁ~っ!出る出る出る出るっ!!」

「ひ、ぎぃやぁぁぁぁ!!こんな!こんな最後なんてっ……」


パンストおじさんの精液がかかった淫魔が悔しそうな断末魔を上げながら、泡のように消えていった。荒い息を吐くパンストおじさんが、くるっと顔だけで振り返った。何やら不満げな雰囲気である。


「淫魔ちんぽ微妙だった。なんかもう普通。おじさん、つまんない。面白くないちんぽだった~!!淫魔の癖に~!!」

「ナニに面白さを求めるな変態」

「妖精さんのデカちんの方が全然よかった!!なんなの淫魔の癖に!淫魔の癖に!」

「うえっ!?」


パンストおじさんの発言で、魔術師長がビクッと身体を震わせた。第一王子がチラッと魔術師長を見れば、顔がこれ以上ない程真っ赤に染まっている。
普段なら中出しされた精液をアナルから排出するところを見せつけてくるパンストおじさんが、さっさと立ち上がった。


「次のちんぽに行くよっ!!おじさん不完全燃焼っ!!」


余程淫魔との性行為がつまらなかったらしい。珍しくパンストおじさんがぷりぷりしている。


「淫魔の癖にマグロって時点でないわー。ちんぽも普通だったし本当ないわー。エロ漫画展開期待してたのにないわー。本っ当!期待外れっ!!」

「じゃあ次に行くか」

「早く行こう!今すぐ行こう!」


急かすパンストおじさんと共に広間の奥にあった扉から廊下に出る。ちょこちょこ現れる骸骨兵を粉砕しながら、一行は廊下の奥にあった階段を駆け上がった。


(つづく)

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