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17:休みの終わりと暫しの別れ
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新年明けて6日目。
ゆっくりセオと2人で過ごせるのは今日までだ。明日は昼頃には帰らないと。ウーゴもセオも仕事の準備をしなくてはならない。
ウーゴは今日は目覚めた時に自分の腕の中にいたセオの頭に頬擦りをして、小さく溜め息を吐いた。昨夜も本当に最高だった。帰りたくないなぁ、とぼんやり思う。セオとのセックスが最高なのもあるが、何よりセオの側はなんだか居心地がいいのだ。セオと話しをするのも、一緒に家事をするのも、酒を飲むのも楽しくて仕方がない。あとセオの料理が本当に美味しい。毎食幸せ過ぎてヤバい。
……セオの恋人になったら、セオを独占できるのだろうか。そもそも自分はセオに恋をしているのだろうか。『恋』というものがなんだか抽象的過ぎてよく分からない。セオのことは好きだと思う。セオにキスをされて頭を撫でられるだけで嬉しくて堪らない。他の人間がセオに触れることを軽く想像するだけで不快なので、独占欲を抱いてしまっている自覚もある。セオと恋人になるにはどうしたらいいのだろうか。『好きです』と告白したらいいのか。でも断られたら、それでセオとは終わりだ。断られてしまう可能性がゼロではない以上、安易に告白するのはなんとも躊躇してしまう。むぅ……。どうしたものか。
そんなことを考えていると、腕の中のセオが身動ぎした。ウーゴはまたセオの頭に頬擦りをした。
「……んー……うーご……」
「ん?」
「なんじ?」
「えっとねぇ……9時過ぎ」
「……寝過ぎた」
「起きる?」
「うー…………うん」
「おはよ。セオ」
「……おはよ」
ウーゴはセオの顔を覗き込んだ。少し眉間に皺を寄せて、眠そうに目をパチパチしているセオの唇にキスをする。セオの鼻筋にもキスをして、鼻同士をすりすり擦り合わせた。
セオがくわぁっと大きく欠伸をした。セオの頬を撫でると、チクチクと髭の感触がする。セオが起き上がったので、ウーゴも起きてベッドに座った。セオの髪が一部だけぴょこんと跳ねている。起き抜けの気の抜けたセオがなんだか可愛い。
「朝ご飯……今からじゃ遅いし、軽めにパンケーキでも焼く?目玉焼きとベーコンも焼いて」
「いいねぇ。魅力的」
「お昼はラザニアでも作ろうか。ミートソースは冷凍してあるのがあるし、ラザニアもあるよ。ベシャメルソースは作ればいいし。チーズもある」
「やった!ラザニア好き!」
「ふふっ。そ。夜は何を食べたい?」
「んー……あ、カレー食べたい」
「いいよ」
「持ってきた肉の中に猪肉あるんだよね」
「猪肉?」
「デカい塊肉見なかった?」
「あ、あれか。あれ猪なの?」
「うん。多分祖父が狩ったやつ。狩りが趣味なんだ」
「へぇー。僕、猪食べたことない」
「美味しいよ。少し癖があるけど」
「牛肉とかと扱い方は一緒?」
「大体は。カレーにする時は父様は赤ワインと香草につけてから使ってる」
「赤ワイン……料理用の安いのでもいい?」
「うん。香草も一応持ってきてるよ」
「ありがと」
「一緒に作ろー」
「うん」
今日の予定が決まった。今日はセオとお料理な1日になりそうだ。ウーゴはまたセオの唇にキスをして、とりあえずお風呂に入るべく、セオと共にベッドから出て風呂場に向かった。
ーーーーーー
1日2人でゆっくり家事をして、合間にちょっとイチャイチャして過ごして、夜にはまたセックスをして、あっという間に年末年始の休み最終日の朝を迎えてしまった。ちなみに猪肉のカレーはセオに好評だった。
今朝は裸のセオに抱きついた状態で目覚めたウーゴは、ベッドから出たくなくて起き上がったセオの腰に抱きついて、ぐだぐだしていた。自分の腰に懐いているウーゴの髪がぼさぼさな頭をセオが優しく撫でてくれた。
ぐぅぅぅぅぅぅ……と間抜けな音が寝室に響く。
ぷはっ、とセオが吹き出した。
「……お腹空いた……」
「はははっ。ご飯作るよ」
「……でもベッドから出たくない……」
「今朝は……そうだなぁ。挽き肉が残ってるから挽き肉と野菜のオムレツかな。あと味噌汁と、鶏肉の生姜焼きでもしようかな。キャベツがあるから酢の物もして」
「うぅ……食べたい……」
「ふふっ。じゃあ、そろそろ離してね」
「……はぁーい」
ウーゴは渋々セオの腰から腕を離した。セオの腰から腕を離して起き上がったウーゴの頬と唇にセオがキスをしてくれた。2人でお風呂に入って、ウーゴは朝食を作るセオのお手伝いをした。
美味しい朝食を食べた後は一緒に片付けをして、洗濯と掃除をするセオを手伝い、気づけばあっという間に昼前になってしまった。帰りたくない。でも帰らねば。
ウーゴは渋々帰るために荷物をまとめ始めた。持参した食料はまだ残っている。セオが使いきれる量の食べるものだけ置いていくことにした。セオにどれがいるか聞きながら置いていくものを選別し、持って帰る野菜等を馬鹿デカいリュックや袋に入れ直した。キレイに畳まれた服を鞄に詰め、魔導髭剃りや歯ブラシなども鞄に入れていく。すぐに荷造りは完了した。
ウーゴはしゃがんで作業しているウーゴの隣に同じようにしゃがんでいたセオに抱きついた。
「休みがあと1ヶ月くらいあればいいのにー」
「あははっ!流石に1ヶ月は長いよ」
「えー……また連絡していい?」
「……いいよ」
「馬乗りに俺の家にもおいでよ」
「うん。楽しみにしとく」
「……うぅ……帰りたくない……けど帰らなきゃ……」
「明日から仕事だもんね」
「うん……セオ」
「ん?」
「キスしていい?」
「いいよ」
ウーゴはセオにキスをした。何度も優しくセオの唇に吸いついて、セオの柔らかい唇の感触を楽しむ。キスをしながら、セオが優しく頭を撫でてくれる。あぁもう本当に帰りたくない。しかし帰らねば。
ウーゴは唇を離して、1度ぎゅっとセオを抱き締めている腕に力を入れると、セオと一緒に立ち上がった。荷物を全て持って、2人並んで玄関に向かう。
玄関のドアの前で、セオが手を伸ばしてウーゴの頭を優しく撫でて、クスクス笑った。
「なに情けない顔してるの」
「やー……だって……」
寂しい。具体的に次にセオに会えるのがいつになるのか分からない。ウーゴの眉は情けなく下がっていた。しゅんとしているウーゴの首にセオが腕を絡めて抱きついて、ちゅっと小さな音を立ててキスをしてくれた。
「……またおいで。あぁ。でもその前に僕がウーゴの家にお邪魔することになるかな。馬に乗りたい」
「……うん!」
ウーゴはセオにキスをして、鼻先をセオの鼻にすりすり擦りつけた。
「……またね」
「うん。またね」
名残惜しいにも程があるが、ウーゴはセオに見送られて玄関を出た。官舎の階段を降りて、祖父の家方面へと歩きながら官舎を振り返ると、セオの家の玄関が見える。あそこに今すぐ戻りたい。ウーゴはその衝動をぐっと荷物を持った拳を強く握ることでやり過ごし、重い足取りで祖父の家を目指した。
ーーーーーー
ウーゴは祖父の家でフリオとアイーダと合流し、祖父や伯父達と一緒に昼食を食べてから、フリオとアイーダと共に馬に乗って自宅へと戻った。祖父の家は中央の街の郊外にあるので、祖父の家に行く時には馬が必要になる。シルヴィに跨がって、のんびり自宅へと帰る。今夜からセオがいない生活なんて寂しすぎる。ツラい。2人で過ごしたのはほんの数日なのに、セオの存在はウーゴの中で当たり前のようにより大きくなった。
セオのことをぼーっと考えながら馬に揺られていると、自宅に着いてしまった。シルヴィを馬小屋に入れ、世話をしてやってから、荷物を持って家の中に入った。
フリオとアイーダは家の中を見て愕然としていた。そういえば、セオに掃除をしてもらったことを言うのを忘れていた。
「ウーゴ……妖精さんって本当にいたんだな……」
「何言ってるの?父上」
「だって兄上。家の中ちょーキレイじゃない。絶対絵本のお掃除妖精さんの仕業だって」
「いや違うから。その……と、友達?が掃除してくれたんだよ」
「ウーゴが泊まり込んでた人か?」
「そう」
「礼を言いたいから今度連れてきてくれ。今年はエドガーに溜め息吐かれずにすむかもしれん」
「父様、毎年帰ってくるなり、めちゃくちゃ遠い目をしながら溜め息吐くもんね」
「毎年思うんだが、せめて俺にキスをしてからでよくないか?溜め息吐くの」
「唯でさえ修羅場で疲れてるのに大掃除しなきゃいけないから、どっと疲れが込み上げてくるんじゃない?」
「むぅ……」
不満そうに唇を尖らせるフリオを余所に、アイーダは居間や台所を覗きに行っては歓声をあげていた。
「兄上っ!本当にキレイになってる!洗濯物まで!」
「でしょ。めちゃくちゃ頑張ってくれたもん」
「……ねぇ、父上。兄上」
「ん?」
「何?アイーダ」
「父様が帰ってくる前に、その人にお願いして掃除を手伝ってもらったらよくない?」
「それだ!」
「いやいや。流石に悪いから」
「「えぇーー」」
「できるだけ現状維持していく方向で頑張ろう」
「まぁ、そうだな」
「いい考えだと思ったのにぃ」
「ウーゴ。そのお友達とやらには連絡して都合のいい日を聞いといてくれ。折角だし、お礼がてら食事でも一緒にしよう」
「分かった。連絡しとく」
「あぁ」
上機嫌なフリオとアイーダが各々の部屋に荷物を置きに行くのを見送り、ウーゴも鞄を持ち直した。
早速今夜セオに連絡しよう。早くまた会いたい。
ウーゴはコートのポケットの上から、中に入れている携帯通信具を撫でた。
ゆっくりセオと2人で過ごせるのは今日までだ。明日は昼頃には帰らないと。ウーゴもセオも仕事の準備をしなくてはならない。
ウーゴは今日は目覚めた時に自分の腕の中にいたセオの頭に頬擦りをして、小さく溜め息を吐いた。昨夜も本当に最高だった。帰りたくないなぁ、とぼんやり思う。セオとのセックスが最高なのもあるが、何よりセオの側はなんだか居心地がいいのだ。セオと話しをするのも、一緒に家事をするのも、酒を飲むのも楽しくて仕方がない。あとセオの料理が本当に美味しい。毎食幸せ過ぎてヤバい。
……セオの恋人になったら、セオを独占できるのだろうか。そもそも自分はセオに恋をしているのだろうか。『恋』というものがなんだか抽象的過ぎてよく分からない。セオのことは好きだと思う。セオにキスをされて頭を撫でられるだけで嬉しくて堪らない。他の人間がセオに触れることを軽く想像するだけで不快なので、独占欲を抱いてしまっている自覚もある。セオと恋人になるにはどうしたらいいのだろうか。『好きです』と告白したらいいのか。でも断られたら、それでセオとは終わりだ。断られてしまう可能性がゼロではない以上、安易に告白するのはなんとも躊躇してしまう。むぅ……。どうしたものか。
そんなことを考えていると、腕の中のセオが身動ぎした。ウーゴはまたセオの頭に頬擦りをした。
「……んー……うーご……」
「ん?」
「なんじ?」
「えっとねぇ……9時過ぎ」
「……寝過ぎた」
「起きる?」
「うー…………うん」
「おはよ。セオ」
「……おはよ」
ウーゴはセオの顔を覗き込んだ。少し眉間に皺を寄せて、眠そうに目をパチパチしているセオの唇にキスをする。セオの鼻筋にもキスをして、鼻同士をすりすり擦り合わせた。
セオがくわぁっと大きく欠伸をした。セオの頬を撫でると、チクチクと髭の感触がする。セオが起き上がったので、ウーゴも起きてベッドに座った。セオの髪が一部だけぴょこんと跳ねている。起き抜けの気の抜けたセオがなんだか可愛い。
「朝ご飯……今からじゃ遅いし、軽めにパンケーキでも焼く?目玉焼きとベーコンも焼いて」
「いいねぇ。魅力的」
「お昼はラザニアでも作ろうか。ミートソースは冷凍してあるのがあるし、ラザニアもあるよ。ベシャメルソースは作ればいいし。チーズもある」
「やった!ラザニア好き!」
「ふふっ。そ。夜は何を食べたい?」
「んー……あ、カレー食べたい」
「いいよ」
「持ってきた肉の中に猪肉あるんだよね」
「猪肉?」
「デカい塊肉見なかった?」
「あ、あれか。あれ猪なの?」
「うん。多分祖父が狩ったやつ。狩りが趣味なんだ」
「へぇー。僕、猪食べたことない」
「美味しいよ。少し癖があるけど」
「牛肉とかと扱い方は一緒?」
「大体は。カレーにする時は父様は赤ワインと香草につけてから使ってる」
「赤ワイン……料理用の安いのでもいい?」
「うん。香草も一応持ってきてるよ」
「ありがと」
「一緒に作ろー」
「うん」
今日の予定が決まった。今日はセオとお料理な1日になりそうだ。ウーゴはまたセオの唇にキスをして、とりあえずお風呂に入るべく、セオと共にベッドから出て風呂場に向かった。
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1日2人でゆっくり家事をして、合間にちょっとイチャイチャして過ごして、夜にはまたセックスをして、あっという間に年末年始の休み最終日の朝を迎えてしまった。ちなみに猪肉のカレーはセオに好評だった。
今朝は裸のセオに抱きついた状態で目覚めたウーゴは、ベッドから出たくなくて起き上がったセオの腰に抱きついて、ぐだぐだしていた。自分の腰に懐いているウーゴの髪がぼさぼさな頭をセオが優しく撫でてくれた。
ぐぅぅぅぅぅぅ……と間抜けな音が寝室に響く。
ぷはっ、とセオが吹き出した。
「……お腹空いた……」
「はははっ。ご飯作るよ」
「……でもベッドから出たくない……」
「今朝は……そうだなぁ。挽き肉が残ってるから挽き肉と野菜のオムレツかな。あと味噌汁と、鶏肉の生姜焼きでもしようかな。キャベツがあるから酢の物もして」
「うぅ……食べたい……」
「ふふっ。じゃあ、そろそろ離してね」
「……はぁーい」
ウーゴは渋々セオの腰から腕を離した。セオの腰から腕を離して起き上がったウーゴの頬と唇にセオがキスをしてくれた。2人でお風呂に入って、ウーゴは朝食を作るセオのお手伝いをした。
美味しい朝食を食べた後は一緒に片付けをして、洗濯と掃除をするセオを手伝い、気づけばあっという間に昼前になってしまった。帰りたくない。でも帰らねば。
ウーゴは渋々帰るために荷物をまとめ始めた。持参した食料はまだ残っている。セオが使いきれる量の食べるものだけ置いていくことにした。セオにどれがいるか聞きながら置いていくものを選別し、持って帰る野菜等を馬鹿デカいリュックや袋に入れ直した。キレイに畳まれた服を鞄に詰め、魔導髭剃りや歯ブラシなども鞄に入れていく。すぐに荷造りは完了した。
ウーゴはしゃがんで作業しているウーゴの隣に同じようにしゃがんでいたセオに抱きついた。
「休みがあと1ヶ月くらいあればいいのにー」
「あははっ!流石に1ヶ月は長いよ」
「えー……また連絡していい?」
「……いいよ」
「馬乗りに俺の家にもおいでよ」
「うん。楽しみにしとく」
「……うぅ……帰りたくない……けど帰らなきゃ……」
「明日から仕事だもんね」
「うん……セオ」
「ん?」
「キスしていい?」
「いいよ」
ウーゴはセオにキスをした。何度も優しくセオの唇に吸いついて、セオの柔らかい唇の感触を楽しむ。キスをしながら、セオが優しく頭を撫でてくれる。あぁもう本当に帰りたくない。しかし帰らねば。
ウーゴは唇を離して、1度ぎゅっとセオを抱き締めている腕に力を入れると、セオと一緒に立ち上がった。荷物を全て持って、2人並んで玄関に向かう。
玄関のドアの前で、セオが手を伸ばしてウーゴの頭を優しく撫でて、クスクス笑った。
「なに情けない顔してるの」
「やー……だって……」
寂しい。具体的に次にセオに会えるのがいつになるのか分からない。ウーゴの眉は情けなく下がっていた。しゅんとしているウーゴの首にセオが腕を絡めて抱きついて、ちゅっと小さな音を立ててキスをしてくれた。
「……またおいで。あぁ。でもその前に僕がウーゴの家にお邪魔することになるかな。馬に乗りたい」
「……うん!」
ウーゴはセオにキスをして、鼻先をセオの鼻にすりすり擦りつけた。
「……またね」
「うん。またね」
名残惜しいにも程があるが、ウーゴはセオに見送られて玄関を出た。官舎の階段を降りて、祖父の家方面へと歩きながら官舎を振り返ると、セオの家の玄関が見える。あそこに今すぐ戻りたい。ウーゴはその衝動をぐっと荷物を持った拳を強く握ることでやり過ごし、重い足取りで祖父の家を目指した。
ーーーーーー
ウーゴは祖父の家でフリオとアイーダと合流し、祖父や伯父達と一緒に昼食を食べてから、フリオとアイーダと共に馬に乗って自宅へと戻った。祖父の家は中央の街の郊外にあるので、祖父の家に行く時には馬が必要になる。シルヴィに跨がって、のんびり自宅へと帰る。今夜からセオがいない生活なんて寂しすぎる。ツラい。2人で過ごしたのはほんの数日なのに、セオの存在はウーゴの中で当たり前のようにより大きくなった。
セオのことをぼーっと考えながら馬に揺られていると、自宅に着いてしまった。シルヴィを馬小屋に入れ、世話をしてやってから、荷物を持って家の中に入った。
フリオとアイーダは家の中を見て愕然としていた。そういえば、セオに掃除をしてもらったことを言うのを忘れていた。
「ウーゴ……妖精さんって本当にいたんだな……」
「何言ってるの?父上」
「だって兄上。家の中ちょーキレイじゃない。絶対絵本のお掃除妖精さんの仕業だって」
「いや違うから。その……と、友達?が掃除してくれたんだよ」
「ウーゴが泊まり込んでた人か?」
「そう」
「礼を言いたいから今度連れてきてくれ。今年はエドガーに溜め息吐かれずにすむかもしれん」
「父様、毎年帰ってくるなり、めちゃくちゃ遠い目をしながら溜め息吐くもんね」
「毎年思うんだが、せめて俺にキスをしてからでよくないか?溜め息吐くの」
「唯でさえ修羅場で疲れてるのに大掃除しなきゃいけないから、どっと疲れが込み上げてくるんじゃない?」
「むぅ……」
不満そうに唇を尖らせるフリオを余所に、アイーダは居間や台所を覗きに行っては歓声をあげていた。
「兄上っ!本当にキレイになってる!洗濯物まで!」
「でしょ。めちゃくちゃ頑張ってくれたもん」
「……ねぇ、父上。兄上」
「ん?」
「何?アイーダ」
「父様が帰ってくる前に、その人にお願いして掃除を手伝ってもらったらよくない?」
「それだ!」
「いやいや。流石に悪いから」
「「えぇーー」」
「できるだけ現状維持していく方向で頑張ろう」
「まぁ、そうだな」
「いい考えだと思ったのにぃ」
「ウーゴ。そのお友達とやらには連絡して都合のいい日を聞いといてくれ。折角だし、お礼がてら食事でも一緒にしよう」
「分かった。連絡しとく」
「あぁ」
上機嫌なフリオとアイーダが各々の部屋に荷物を置きに行くのを見送り、ウーゴも鞄を持ち直した。
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