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51:楽しい時間

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ドアを閉めただけの寝室の入り口辺りで、アルフレッドと戯れるように互いの唇を吸い合っていた。アルフレッドが悪戯をしかける子供のような目をして、バージルの下唇に舌を這わせ、官能を煽るように、触れるか触れないかの絶妙な力加減でバージルのうなじを撫でた。ゾクゾクッと微かな快感と興奮が背を走り、下腹部に熱が溜まり始める。女の身体だった頃も含めたら、アルフレッドとセックスをするようになって、もう15年が近いのだが、未だに飽きることがない。うなじに感じる慣れたアルフレッドのかさついた掌や唇を這う熱い舌の感触に堪らなくなる。
40代も半ばになり、若い頃に比べたら性欲が落ち着いてはきたが、それでもまだまだ現役である。アルフレッドが不在の間は、自分の右手が恋人状態だった。すっかり馴染んでいるアルフレッドの熱と、一緒に求める快感が恋しかった。

バージルはアルフレッドの舌にぬるりと自分の舌を絡めた。舌同士を擦りつけ合い、自分の舌でアルフレッドの舌を撫でるようにしながら、アルフレッドの口内に舌を差し込む。歯列をなぞり、上顎を擽り、アルフレッドの唾液や口内の肉の感触を味わう様に、頬の内側や舌を舐め回す。伸びてきたアルフレッドの舌を咥えて、アルフレッドが好む力加減で舌を吸えば、アルフレッドが鼻にかかった小さな声を上げた。
バージルの口内に入ってきたアルフレッドの舌に、穏やかに口の中を愛撫されながら、バージルは機嫌よく目を細めて、アルフレッドの腰を両手で抱き、より身体を密着させた。

気がすむまで、アルフレッドと長いキスをした。互いの息が上がり、唾液が混ざり合い、身体が完全に熱を持つ。
バージルは触れていたアルフレッドの唇から自分の唇を離し、アルフレッドの身体を肩に担ぎ上げた。アルフレッドが楽しそうに低く笑い、バージルの尻をパシンパシンと軽く叩いた。
バージルは、アルフレッドを担いだままベッドまでの短い距離を歩き、そっとベッドの上にアルフレッドを下ろした。ベッド横に置いてある小さめの机の引き出しから、防音魔導具と使いかけのローションのボトルを取り出す。バージルが防音魔導具を起動させている間に、アルフレッドは全裸になっていた。
アルフレッドが掛布団を雑に足で蹴り飛ばして床に落とし、シーツの上に胡坐をかいて座った。両手で自分の膝をパンパン叩きながら、アルフレッドがニマニマと笑って口を開いた。


「さっさと脱げよ。しゃぶり合いっこしようぜ」

「どうせなら、もう少し色っぽい言い方をしてくれ」

「今更だろ。俺にそんなもん期待すんな」

「確かに今更だな。早々とイクなよ。できるだけ長く楽しみたい」

「人を早漏みてぇに言うな。むっつり野郎」


バージルはアルフレッドと話しながら手早く服を脱いで全裸になり、ベッドに上がった。
アルフレッドが両手を伸ばしてきたので、バージルは一瞬考えてから、アルフレッドの身体を抱きしめて勢いよく押し倒した。アルフレッドが楽しそうに声を上げて笑い、バージルの頭を両手で抱きしめて、髪を掻き回すようにバージルの頭を撫で回した。
ふざけるようにアルフレッドの頬に何度も小さな音を立ててキスをすると、アルフレッドが笑いながらバージルの髪の毛を摘まみ、つんつんと軽く引っ張った。楽しそうな色を浮かべているアルフレッドの深い蒼の瞳を見つめながら今度はアルフレッドの唇にキスをする。アルフレッドが目尻に小さな皺を寄せながら、バージルの唇を優しく吸い、バージルの後頭部をやんわりと撫でた。
アルフレッドがバージルの腰に両足を絡めたので、体重をかけ過ぎないように気をつけながら、より身体を密着させる。慣れたアルフレッドの肌の感触と体温、匂いにどんどんペニスに血液が集まり始める。唇を吸い合い、舌を絡ませながら、互いのペニスを擦り合せるように腰をくねらせる。少しだけ芯を持っていたペニスが擦れ合い、じわじわとより固く熱くなっていく。ペニスだけではなく、胸元も擦り合せるように、互いに身体をくねらせ、全身で絡み合う。何年もかけて育てたアルフレッドの少し肥大した乳首が自分の乳首に擦れると、地味に気持ちがいい。あんまりやり過ぎると互いの胸毛が絡まって痛い思いをすることになるのだが、こうして全身で絡み合うと、楽しいし気持ちがいいので気に入っている。

アルフレッドが唇を触れ合わせたままバージルの名前を囁くように呼んだので、バージルは少し強くアルフレッドの下唇を吸ってから、密着していた身体を離し、アルフレッドの首筋に顔を埋めた。首の太い血管をなぞるように、ねっとりとアルフレッドの首筋を下から上へと舐め上げると、アルフレッドが小さく熱い息を吐いた。アルフレッドの肌に痕が残らない程度の力加減で吸いつき、昔に比べて張りの衰えた肌の感触を舌で楽しむ。くっきりと浮き出た喉仏に軽く歯を立て、顎に向かって舐め上げ、再びアルフレッドの唇に軽く吸いついてから、今度はアルフレッドの耳に舌を這わせる。耳朶を咥え、耳の形をなぞるように舌を這わせ、耳の穴を舌先で擽る。アルフレッドの呼吸が少しずつ荒く乱れていく。同時に、バージルの興奮もより高まっていく。

両方の耳を舐り、アルフレッドの肌に舌を触れさせたまま、今度はアルフレッドの乳首へと移動する。乳輪に少し生えた毛の感触が地味に楽しい。乳輪を薄い胸毛ごと舌先でなぞり、ちゅうっとぷっくり大きくなっている乳首を吸う。乳頭を舌先で擽り、乳首全体をちろちろと舐め、緩急をつけて吸い、乳首を舌で扱いていく。口に咥えていない方の乳首も指先で摘まんで、くりくりと弄れば、アルフレッドが気持ちよさそうに小さく喘いだ。気がすむまで両方の乳首を舌と唇と指で弄ると、アルフレッドの胸の中心に少しだけ強く吸いつき、薄く小さな痕を残す。アルフレッドがバージルの後頭部を優しく撫でて、楽しそうにバージルの名前を呼んだ。


「バージル。交代」

「あぁ」


バージルがアルフレッドの身体の上に伏せていた身体を起こすと、アルフレッドが起き上がり、膝立ちのバージルに笑いながら抱きついて、バージルの首筋に顔を埋めた。ねっとりと首筋を這うアルフレッドの熱くぬるついた舌の感触が気持ちよく、楽しい。バージルは低く笑いながら、アルフレッドのぼさぼさに伸びた髪の毛を片手で掻き回した。
アルフレッドが上目遣いでバージルの顔を見上げながら、バージルの乳首に舌を這わせ、咥えて優しく吸ってくる。お互いが好きな力加減なんて既に知り尽くしている。バージルが背筋をじわじわと這い上がっていく快感に溜め息のような熱い息を吐くと、アルフレッドが機嫌よく目を細め、絶妙な力加減でバージルの乳首を吸った。バージルのペニスはすっかり固く張り詰め、先走りを滲ませている。バージルの乳首を両方とも舐り、心臓の位置に吸いついて小さな痕を残してから、アルフレッドが胃の辺りにキスをして、更に頭を下げ、陰毛に鼻先を擦りつけるようにしてバージルの勃起したペニスに頬擦りをした。

ペニスの横から裏筋をねっとりと舐められる。赤黒いバージルのペニスにアルフレッドの唇と舌が触れており、同時に陰嚢を優しく手でふにふにと揉まれる。唾液を塗りつけるようにペニス全体を舐められ、陰嚢を交互に口に含んで、舐めたり、優しく吸われたりする。ぺろぺろと陰嚢を舐め回すアルフレッドの頭をやんわりと撫でながら、バージルは口を開いた。


「アルフレッド」

「んー?」

「俺も舐める」

「ん」

ちょぽんと小さく濡れた音を立てながら、アルフレッドがバージルの陰嚢から口を離した。

2人ともシーツの上に寝転がり、横を向いて、頭が上下逆になるような体勢で、互いの勃起したペニスを舐め合う。先走りが滲むアルフレッドのペニスの亀頭をまるっと咥えて、じゅるっと優しく吸えば、アルフレッドの内腿が痙攣するように微かに震える。仕返しのように、バージルのペニスの亀頭も少し強めに吸われて、ぬるぬるとカリをなぞるようにアルフレッドの舌が動いた。アルフレッドのペニスを飲み込めるだけ深く飲み込んで、アルフレッドが好む強さで吸いながら、唇でアルフレッドのペニスの竿を扱く。アルフレッドも負けじと同じような動きをして、バージルの快感を高めてくる。互いに荒い息と堪えきれない低い喘ぎ声を漏らしながら、ペニスの熱と味と快感を楽しんでいく。

このままフェラでイクのも正直捨てがたいが、アルフレッドの中でイキたい。バージルは頃合いをみて、アルフレッドのペニスから口を離し、熱心にバージルのペニスを愛撫しているアルフレッドに声をかけた。
アルフレッドが素直にバージルのペニスから口を離し、身体を起こして、その場に四つん這いになる。バージルも身体を起こし、アルフレッドの腰にキスをして、腰から尻へと撫で下ろすようにして、アルフレッドの直腸に清浄魔法をかけた。
張りの衰えた微妙に弛んでいるアルフレッドの尻を両手で撫で回し、薄い尻肉を掴んで、大きく広げる。アルフレッドの周りに少し毛が生えた、縦割れになって久しいアナルが丸見えになる。男の身体でセックスをするようになって数年で、アルフレッドのアナルは完全に縦割れになり、今ではぷっくりとしたいやらしい穴になっている。浄化の仕事で身体を日常的に動かしているからか、締まり具合は変わらない。ただ、中の具合は最初の頃よりも明らかによくなっている。柔らかく絡みつく感じが増し、感度も確実に上がっている気がする。アルフレッドは射精せずに中だけでもイケるようになっている。バージルの地道な開発の賜物である。

バージルはアルフレッドの既に物欲しげにひくひくと収縮しているアナルにキスをして、ねっとりとアナルに舌を這わせた。ぷっくりとしたアナルの微かに盛り上がった肉の感触を舌で楽しみ、周りの毛ごと舐め回していく。味わうようにアルフレッドのアナルの表面をじっくりと舐め回してから、柔らかく綻んできたアルフレッドのアナルに舌先を突っ込む。数か月セックスをしていないので、しっかり解してやらなくてはいけないだろう。バージルはアルフレッドのアナルを解すように、舌先を上下左右に小刻みに動かした。


「あ、ふぅっ……バージルッ、いいっ……」


アルフレッドの気持ちよさそうな声をもっと聞きたくて、アナルの中も外も夢中で舐める。時折、アルフレッドの腰がビクンビクンと大きく震え、そのうち尻だけを高く上げたまま、上半身をシーツにつけるようにして突っ伏した。アナルだけではなく、会陰も舐め回し、尻肉を揉みしだき、大きくひくつくようになったアナルにキスをする。

バージルはアルフレッドのアナルから唇を離し、尻にキスをしてから、ローションのボトルを手に取った。


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