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変態再び参上
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アンナは兄と2人で市場に買い出しに来ていた。毎週休みの日に1週間分の食料品などを買い込むのだ。仕事の日は中々市場が開いている時間には来れないので、2人で話し合って決めた。重い肉などは兄が持ってくれるので、アンナは比較的軽い野菜や乾物などを持っていた。2人で分けて持っても、1週間分だとそれなりの量になり買い物が全て終わる頃にはすっかり荷物が重くなっていた。
市場を抜け、自宅の方に向けて歩いていると、小さな雑貨屋が目に入った。大きなガラスの向こうに可愛らしい雑貨が見える。アンナはついふらふらとそちらに寄ってしまった。可愛い猫の置物に目が釘付けになる。じーっと見ていると兄に話しかけられた。
「欲しいの?」
「んー……可愛い。でもちょっと高いわ」
「あ、ほんとだ」
「貯金したいから無駄遣いはしたくないなぁ」
「でも可愛いね」
「うん」
2人で猫の置物を店の前で眺めていると、ポンと肩を叩かれた。振り返ると、そこには笑顔の変態が立っていた。
「アンナちゃん、みーっけ!」
「ふにゃ!変態っ!」
「あ……」
「今日も可愛いねぇ!そのちっちゃいおっぱいペロペロさせてっ!」
「……ちっちゃくないしっ!」
アンナの胸は確かにちっちゃいけど、人に指摘されると腹が立つ。重たい荷物を持ってなければ平手をかましてやるのに。
「大丈夫大丈夫。おっきいおっぱいは包まれたい、ちっちゃいおっぱいは包んであげたい。俺はおっぱいは包んであげたい派だから!安心して!」
「……何をどう安心しろと?気持ちが悪い」
「お兄さんとお買い物中?俺荷物持ちするし、ついでにデートしようよ。なんならそのまま神殿行って結婚してベッドに直行でもいいよ?」
「絶対いやっ!」
急いで兄の後ろに隠れて変態から少しでも距離を取ろうとする。兄も変態の言動に引いているのだろう。アンナを後ろにくっつけたままジリジリと後ろに下がった。そんな2人に変態は笑顔でじわじわ近寄ってくる。
「おいコラッ!マーディ!勝手にいなくなるなよっ!」
変態とそっくりな声がアンナ達の背後から聞こえてきた。振り向くとカーディさんが走ってきている。
「あ、アラン君。と、おちびちゃん」
「こ、こんにちは。カーディさん」
「……こんにちは。この変態どうにかしてください」
「カーディ。邪魔すんなよ。俺は今からアンナちゃんとデートだ」
「死んでも嫌」
「だってよ、マーディ。つーかまだ一応勤務中なんだけど。またマー君に怒られるじゃん」
「仕事は終わっただろ?直帰ってことでいいじゃん」
「えー……ってあら。アラン君大荷物だね。半分持つよ」
カーディさんが両手に持っている兄の荷物を半分とってその手に持った。兄は悪いから……とあわあわしているが、なんとなく嬉しそうな雰囲気である。カーディさんがついでにアンナが持っている荷物も半分持ってくれる。変態とは違い、いい人である。紳士だ。
「じゃ、俺2人を送ってくるから。報告書よろしく、マーディ」
「いやいや待て待て。先にアンナちゃんとついでにお兄さん見つけたの俺だぞ?俺が荷物持ちするからお前が報告書やれよ、カーディ」
「えー。お前をアラン君達の家に行かせるの不安なんだけど」
「なんでだよ」
「自分の言動を振り返ってみろよ」
「…………なんの問題もなくないか?」
「マジかよ。自覚なしか」
結局、変態がごねにごねて4人でアンナ達の家に行くことになった。変態が残りの荷物を持ってくれたので、アンナと兄は手ぶらになった。変態に家を知られるのは非常に嫌だが、カーディさんと和やかに話す兄が嬉しそうに頬を染めているので、仕方がない。さっきからアンナに話しかけてくる変態のことは無視している。
自宅に着くと、兄が家の鍵を開けて、双子が荷物を台所まで運んでくれた。アンナ達の家はいつも買い物する市場から少し離れていて、毎回帰りが重い荷物で大変だから正直助かった。
「ありがとうございます。カーディさん……とマーディさん」
「いいよー。気にしないで」
「あ、俺へのお礼はアンナちゃんのちゅーでいいよ」
「誰がするもんですか」
兄が双子にお茶を淹れるというので、アンナも嫌々だが手伝った。紳士なカーディさんは別にいい。兄の恋人だし。でも変態はダメだ。嫌だ。消え失せてしまえ。
カップにお茶を注いでお盆にのせ、兄が運ぶ後ろをお茶菓子のクッキーを入れた皿を持って2人がいる居間に移動した。2人は大人しく椅子に座っている。
「どうぞ」
「「ありがとー」」
「こちらこそ、ありがとうございました。荷物を持っていただいて。……重かったでしょう?」
「ん?そんなに。あ、でもアラン君達には重いかな?いつもあの量買ってるの?」
「買い出しに行くのは基本的に1週間に1度だけなんです。だからどうしても量が多くなってしまって」
「次買い物行く時は連絡してよ。荷物持ちするし」
「え、あの……でも、その、悪いですし……」
「いいのいいの。アラン君に会えるからね」
「…………はい」
兄が真っ赤になった。アンナと変態を置き去りに、兄とカーディさんがなんだか甘酸っぱい空気を作り出す。その後もカーディさんが兄を隣に座らせて兄の片手を握りながら楽しそうに話していた。本の話だけではなく、兄の好きな食べ物なんかを聞いている。兄は顔を真っ赤にしているが、とても嬉しそうにカーディさんと話している。
変態の隣に座ることになってしまったアンナである。兄をとられた気もするし、変態が隣にいるしで、少しぶすっとした顔でお茶を啜った。
「ねぇねぇ、アンナちゃん」
「…………」
「あの2人なんか随分親密じゃない?」
「…………恋人になったそうで」
「え、うっそ!マジで!」
変態が驚いた声をあげた。双子なのに聞いていなかったのだろうか。
「えー……マジかー。いいなー。ということで、アンナちゃん。俺達も付き合おうか。なんなら即結婚でもいいよ」
「絶対やだ」
「えー。いいじゃーん。俺そこそこ高給取りよ?」
「絶対やだ」
「俺できたら子供は3人欲しいな」
「絶対やだ」
「あ、アンナちゃんはケーキ好き?俺果物のケーキが好きなのよ。一緒に食べに行こうよ」
「絶対やだ」
「サンガレアに美味しいケーキ屋あるからさー、一緒に行こうよー。ついでにうちの親に会ってよ」
「絶対やだ」
アンナが変態をいなしている間に、兄とカーディさんは兄の部屋の本棚を見に行くことにしたらしい。マジか。
カーディさんが、おちびちゃんに変なことするなよ、と変態に釘を刺していたが、それなら2人にしないでほしい。
「アンナちゃん。アンナちゃん」
「…………」
「俺もアンナちゃんの部屋行ってみたいなー」
「絶対やだ」
「えー。あ、アンナちゃんって魔術師でしょ?専門なに?」
「……結界魔術だけど」
「上級?」
「……一応」
「あ、じゃあ一緒じゃん。俺も上級魔術師の資格持ってるよ。専門は結界」
「えっ!?」
「あ、厳密には結界張る方じゃなくて、破る方の専門ね」
「……結界を破る方」
「そうそう。新しい結界魔術ができた時はいつも魔術研究所に呼ばれるから、職場でも会えるかもね!」
「いつも呼ばれてるの?」
「そーだよー。最近だと、リアちゃん主体で作ったやつ。あれのお試しで呼ばれたね。すぐ破ったけど」
「えっ!?あれ破ったの!?かなり複雑で難しいやつじゃない!」
「俺とカーディは結界の微妙な綻びとか見つけるの得意なのよー。1人で張ったやつより、複数人で張ったやつの方が破りやすいね。どうしても魔術発動に微妙な差異ができるから、その分付け入りやすいんだよね」
「どういうこと?」
「えっとねー……」
アンナは気づけば変態を質問攻めにしていた。オフィーリア様が開発した結界魔術を見せてもらったことがあるが、かなり複雑かつ難解で、今のアンナではギリギリ発動させられるか微妙なところなのである。それをすぐに破ったなんて信じられない。
変態は変態のくせに結界魔術に関しては知識豊富で、いつしかアンナは夢中で変態の話を聞いていた。いつもは結界を張る視点でしか物事を考えないが、結界を破る方の視点というものが新鮮で、アンナは兄達が戻ってくるまでの約2時間、ずっと変態と話していた。
赤い顔をした兄とカーディさんが戻ってくるまで、ひたすら結界魔術について議論していた。なんだか普通に楽しかったのが癪に触る。有耶無耶に携帯通信具の連絡先まで交換してしまった。帰る2人を見送った後で冷静になり、後悔するが時既に遅しである。だって結界魔術の議論をするのが普通に楽しかったんだもん。変態的な言動さえなければ、変態は素直に格好いいし、アンナよりも知識豊富だし、歌も上手かったし素敵なのに。変態なのが勿体ない。普通にしてくれればいいのに。
その夜。変態からどんな変態的文章がくるのかとビクビクしていたが、変態から来たのはお勧めの魔術書についてだけだった。なんだか拍子抜けである。アンナは素直に教えてくれたお礼を返信してからベッドに潜り込んだ。
本当に変態的言動がなければ多分いい人なのに。勿体ないことである。
市場を抜け、自宅の方に向けて歩いていると、小さな雑貨屋が目に入った。大きなガラスの向こうに可愛らしい雑貨が見える。アンナはついふらふらとそちらに寄ってしまった。可愛い猫の置物に目が釘付けになる。じーっと見ていると兄に話しかけられた。
「欲しいの?」
「んー……可愛い。でもちょっと高いわ」
「あ、ほんとだ」
「貯金したいから無駄遣いはしたくないなぁ」
「でも可愛いね」
「うん」
2人で猫の置物を店の前で眺めていると、ポンと肩を叩かれた。振り返ると、そこには笑顔の変態が立っていた。
「アンナちゃん、みーっけ!」
「ふにゃ!変態っ!」
「あ……」
「今日も可愛いねぇ!そのちっちゃいおっぱいペロペロさせてっ!」
「……ちっちゃくないしっ!」
アンナの胸は確かにちっちゃいけど、人に指摘されると腹が立つ。重たい荷物を持ってなければ平手をかましてやるのに。
「大丈夫大丈夫。おっきいおっぱいは包まれたい、ちっちゃいおっぱいは包んであげたい。俺はおっぱいは包んであげたい派だから!安心して!」
「……何をどう安心しろと?気持ちが悪い」
「お兄さんとお買い物中?俺荷物持ちするし、ついでにデートしようよ。なんならそのまま神殿行って結婚してベッドに直行でもいいよ?」
「絶対いやっ!」
急いで兄の後ろに隠れて変態から少しでも距離を取ろうとする。兄も変態の言動に引いているのだろう。アンナを後ろにくっつけたままジリジリと後ろに下がった。そんな2人に変態は笑顔でじわじわ近寄ってくる。
「おいコラッ!マーディ!勝手にいなくなるなよっ!」
変態とそっくりな声がアンナ達の背後から聞こえてきた。振り向くとカーディさんが走ってきている。
「あ、アラン君。と、おちびちゃん」
「こ、こんにちは。カーディさん」
「……こんにちは。この変態どうにかしてください」
「カーディ。邪魔すんなよ。俺は今からアンナちゃんとデートだ」
「死んでも嫌」
「だってよ、マーディ。つーかまだ一応勤務中なんだけど。またマー君に怒られるじゃん」
「仕事は終わっただろ?直帰ってことでいいじゃん」
「えー……ってあら。アラン君大荷物だね。半分持つよ」
カーディさんが両手に持っている兄の荷物を半分とってその手に持った。兄は悪いから……とあわあわしているが、なんとなく嬉しそうな雰囲気である。カーディさんがついでにアンナが持っている荷物も半分持ってくれる。変態とは違い、いい人である。紳士だ。
「じゃ、俺2人を送ってくるから。報告書よろしく、マーディ」
「いやいや待て待て。先にアンナちゃんとついでにお兄さん見つけたの俺だぞ?俺が荷物持ちするからお前が報告書やれよ、カーディ」
「えー。お前をアラン君達の家に行かせるの不安なんだけど」
「なんでだよ」
「自分の言動を振り返ってみろよ」
「…………なんの問題もなくないか?」
「マジかよ。自覚なしか」
結局、変態がごねにごねて4人でアンナ達の家に行くことになった。変態が残りの荷物を持ってくれたので、アンナと兄は手ぶらになった。変態に家を知られるのは非常に嫌だが、カーディさんと和やかに話す兄が嬉しそうに頬を染めているので、仕方がない。さっきからアンナに話しかけてくる変態のことは無視している。
自宅に着くと、兄が家の鍵を開けて、双子が荷物を台所まで運んでくれた。アンナ達の家はいつも買い物する市場から少し離れていて、毎回帰りが重い荷物で大変だから正直助かった。
「ありがとうございます。カーディさん……とマーディさん」
「いいよー。気にしないで」
「あ、俺へのお礼はアンナちゃんのちゅーでいいよ」
「誰がするもんですか」
兄が双子にお茶を淹れるというので、アンナも嫌々だが手伝った。紳士なカーディさんは別にいい。兄の恋人だし。でも変態はダメだ。嫌だ。消え失せてしまえ。
カップにお茶を注いでお盆にのせ、兄が運ぶ後ろをお茶菓子のクッキーを入れた皿を持って2人がいる居間に移動した。2人は大人しく椅子に座っている。
「どうぞ」
「「ありがとー」」
「こちらこそ、ありがとうございました。荷物を持っていただいて。……重かったでしょう?」
「ん?そんなに。あ、でもアラン君達には重いかな?いつもあの量買ってるの?」
「買い出しに行くのは基本的に1週間に1度だけなんです。だからどうしても量が多くなってしまって」
「次買い物行く時は連絡してよ。荷物持ちするし」
「え、あの……でも、その、悪いですし……」
「いいのいいの。アラン君に会えるからね」
「…………はい」
兄が真っ赤になった。アンナと変態を置き去りに、兄とカーディさんがなんだか甘酸っぱい空気を作り出す。その後もカーディさんが兄を隣に座らせて兄の片手を握りながら楽しそうに話していた。本の話だけではなく、兄の好きな食べ物なんかを聞いている。兄は顔を真っ赤にしているが、とても嬉しそうにカーディさんと話している。
変態の隣に座ることになってしまったアンナである。兄をとられた気もするし、変態が隣にいるしで、少しぶすっとした顔でお茶を啜った。
「ねぇねぇ、アンナちゃん」
「…………」
「あの2人なんか随分親密じゃない?」
「…………恋人になったそうで」
「え、うっそ!マジで!」
変態が驚いた声をあげた。双子なのに聞いていなかったのだろうか。
「えー……マジかー。いいなー。ということで、アンナちゃん。俺達も付き合おうか。なんなら即結婚でもいいよ」
「絶対やだ」
「えー。いいじゃーん。俺そこそこ高給取りよ?」
「絶対やだ」
「俺できたら子供は3人欲しいな」
「絶対やだ」
「あ、アンナちゃんはケーキ好き?俺果物のケーキが好きなのよ。一緒に食べに行こうよ」
「絶対やだ」
「サンガレアに美味しいケーキ屋あるからさー、一緒に行こうよー。ついでにうちの親に会ってよ」
「絶対やだ」
アンナが変態をいなしている間に、兄とカーディさんは兄の部屋の本棚を見に行くことにしたらしい。マジか。
カーディさんが、おちびちゃんに変なことするなよ、と変態に釘を刺していたが、それなら2人にしないでほしい。
「アンナちゃん。アンナちゃん」
「…………」
「俺もアンナちゃんの部屋行ってみたいなー」
「絶対やだ」
「えー。あ、アンナちゃんって魔術師でしょ?専門なに?」
「……結界魔術だけど」
「上級?」
「……一応」
「あ、じゃあ一緒じゃん。俺も上級魔術師の資格持ってるよ。専門は結界」
「えっ!?」
「あ、厳密には結界張る方じゃなくて、破る方の専門ね」
「……結界を破る方」
「そうそう。新しい結界魔術ができた時はいつも魔術研究所に呼ばれるから、職場でも会えるかもね!」
「いつも呼ばれてるの?」
「そーだよー。最近だと、リアちゃん主体で作ったやつ。あれのお試しで呼ばれたね。すぐ破ったけど」
「えっ!?あれ破ったの!?かなり複雑で難しいやつじゃない!」
「俺とカーディは結界の微妙な綻びとか見つけるの得意なのよー。1人で張ったやつより、複数人で張ったやつの方が破りやすいね。どうしても魔術発動に微妙な差異ができるから、その分付け入りやすいんだよね」
「どういうこと?」
「えっとねー……」
アンナは気づけば変態を質問攻めにしていた。オフィーリア様が開発した結界魔術を見せてもらったことがあるが、かなり複雑かつ難解で、今のアンナではギリギリ発動させられるか微妙なところなのである。それをすぐに破ったなんて信じられない。
変態は変態のくせに結界魔術に関しては知識豊富で、いつしかアンナは夢中で変態の話を聞いていた。いつもは結界を張る視点でしか物事を考えないが、結界を破る方の視点というものが新鮮で、アンナは兄達が戻ってくるまでの約2時間、ずっと変態と話していた。
赤い顔をした兄とカーディさんが戻ってくるまで、ひたすら結界魔術について議論していた。なんだか普通に楽しかったのが癪に触る。有耶無耶に携帯通信具の連絡先まで交換してしまった。帰る2人を見送った後で冷静になり、後悔するが時既に遅しである。だって結界魔術の議論をするのが普通に楽しかったんだもん。変態的な言動さえなければ、変態は素直に格好いいし、アンナよりも知識豊富だし、歌も上手かったし素敵なのに。変態なのが勿体ない。普通にしてくれればいいのに。
その夜。変態からどんな変態的文章がくるのかとビクビクしていたが、変態から来たのはお勧めの魔術書についてだけだった。なんだか拍子抜けである。アンナは素直に教えてくれたお礼を返信してからベッドに潜り込んだ。
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