17 / 26
第一章 地下大都市トウキョウ
17.梁宇航との出会い
しおりを挟む
講演は活発な質問が飛び、梁氏は丁寧に答えて更に議論が発展し、盛況のうちに幕を閉じた。
遠夜も大きな拍手を送って、席を立った。
ざわざわと人の声がこだまする、B講堂の扉を出てロビーを出口へ向かっていると「遠夜さん!」と後ろから呼び止められた。
振り返ると、恭香がこちらへ向かってくる。
…なに?
遠夜は思わず身構えた。
「どうでした?」
上気した顔で恭香が大きな瞳を見張るようにして訊いてくる。
「うん、すごく面白かった。
地上都市のこと勉強してみようと思った」
遠夜は自分をまっすぐ見つめる綺麗な瞳にどぎまぎしながらやっと答えた。
「そうでしょ?
遠夜さんの頭脳なら、絶対に面白いと感じてくれると思ったの!」
嬉しそうに笑って遠夜の手を取る。
「こっちに来て!
梁さん紹介する!」
と講堂の袖に向かって歩き出した。
突然のことに遠夜は頭が真っ白になり、恭香に手を引かれるままについて行く。
「梁さん!」
大きな声で恭香が呼ぶ。
数人の男性と談笑していた大柄な梁氏は、恭香の声に顔を上げて姿を認めると笑顔になった。
「梁さん、この人は頭脳の未成年でトップの遠夜さん。
講演を聴いて面白かったって」
「こんにちは。
聴いてくれてありがとう」
恭香が遠夜を紹介すると梁氏は穏やかに笑って流暢な日本語を話し、右手を差し出した。
遠夜は大きく温かな手を握り返して口を開く。
「面白いお話を聴かせていただきました。
刺激になりました」
壇上での印象よりずいぶん若い。
20歳前後か?
自分と年齢がそう変わらない気がする。
「また会う機会もあると思うわ」
にこっと笑って恭香が言う。
「じゃあ俺これで…
紹介してくれてありがとう」
遠夜は梁氏に会釈して恭香に向かって手を上げ、講堂を後にした。
遠夜も大きな拍手を送って、席を立った。
ざわざわと人の声がこだまする、B講堂の扉を出てロビーを出口へ向かっていると「遠夜さん!」と後ろから呼び止められた。
振り返ると、恭香がこちらへ向かってくる。
…なに?
遠夜は思わず身構えた。
「どうでした?」
上気した顔で恭香が大きな瞳を見張るようにして訊いてくる。
「うん、すごく面白かった。
地上都市のこと勉強してみようと思った」
遠夜は自分をまっすぐ見つめる綺麗な瞳にどぎまぎしながらやっと答えた。
「そうでしょ?
遠夜さんの頭脳なら、絶対に面白いと感じてくれると思ったの!」
嬉しそうに笑って遠夜の手を取る。
「こっちに来て!
梁さん紹介する!」
と講堂の袖に向かって歩き出した。
突然のことに遠夜は頭が真っ白になり、恭香に手を引かれるままについて行く。
「梁さん!」
大きな声で恭香が呼ぶ。
数人の男性と談笑していた大柄な梁氏は、恭香の声に顔を上げて姿を認めると笑顔になった。
「梁さん、この人は頭脳の未成年でトップの遠夜さん。
講演を聴いて面白かったって」
「こんにちは。
聴いてくれてありがとう」
恭香が遠夜を紹介すると梁氏は穏やかに笑って流暢な日本語を話し、右手を差し出した。
遠夜は大きく温かな手を握り返して口を開く。
「面白いお話を聴かせていただきました。
刺激になりました」
壇上での印象よりずいぶん若い。
20歳前後か?
自分と年齢がそう変わらない気がする。
「また会う機会もあると思うわ」
にこっと笑って恭香が言う。
「じゃあ俺これで…
紹介してくれてありがとう」
遠夜は梁氏に会釈して恭香に向かって手を上げ、講堂を後にした。
1
あなたにおすすめの小説
英雄の番が名乗るまで
長野 雪
恋愛
突然発生した魔物の大侵攻。西の果てから始まったそれは、いくつもの集落どころか国すら飲みこみ、世界中の国々が人種・宗教を越えて協力し、とうとう終息を迎えた。魔物の駆逐・殲滅に目覚ましい活躍を見せた5人は吟遊詩人によって「五英傑」と謳われ、これから彼らの活躍は英雄譚として広く知られていくのであろう。
大侵攻の終息を祝う宴の最中、己の番《つがい》の気配を感じた五英傑の一人、竜人フィルは見つけ出した途端、気を失ってしまった彼女に対し、番の誓約を行おうとするが失敗に終わる。番と己の寿命を等しくするため、何より番を手元に置き続けるためにフィルにとっては重要な誓約がどうして失敗したのか分からないものの、とにかく庇護したいフィルと、ぐいぐい溺愛モードに入ろうとする彼に一歩距離を置いてしまう番の女性との一進一退のおはなし。
※小説家になろうにも投稿
使い捨て聖女の反乱
あんど もあ
ファンタジー
聖女のアネットは、王子の婚約者となり、瘴気の浄化に忙しい日々だ。 やっと浄化を終えると、案の定アネットは聖女の地位をはく奪されて王都から出ていくよう命じられるが…。 ※タイトルが大げさですがコメディです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
俺の可愛い幼馴染
SHIN
恋愛
俺に微笑みかける少女の後ろで、泣きそうな顔でこちらを見ているのは、可愛い可愛い幼馴染。
ある日二人だけの秘密の場所で彼女に告げられたのは……。
連載の気分転換に執筆しているので鈍いです。おおらかな気分で読んでくれると嬉しいです。
感想もご自由にどうぞ。
ただし、作者は木綿豆腐メンタルです。
真実の愛ならこれくらいできますわよね?
かぜかおる
ファンタジー
フレデリクなら最後は正しい判断をすると信じていたの
でもそれは裏切られてしまったわ・・・
夜会でフレデリク第一王子は男爵令嬢サラとの真実の愛を見つけたとそう言ってわたくしとの婚約解消を宣言したの。
ねえ、真実の愛で結ばれたお二人、覚悟があるというのなら、これくらいできますわよね?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる