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第二章 出会い
1.地上都市からの来訪者
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翌朝、例によって遠夜は啓司の怒声で起こされた。
昨夜久しぶりに急に身体を動かしたせいで、あちこち筋肉痛だった。
うへー情けねえ…
何とかベッドから這い出て顔を洗って着替えると、部屋をでて食堂へ向かった。
うう、こんな時、俺も瞬間移動できればいいのに…
俺は中途半端なPKしかないからな。
でもこのトウキョウでは、超能力をむやみやたらに使えないよう、厳重なシールドがしてあるからどっちみちダメか。
くだらないことを考えながら食堂へ行くと、既に貴彦と啓司がいた。
二人そろって「おはよう遠夜」と声をかけてくる。
「貴彦お前…筋肉痛ないの?」
遠夜は椅子にへたり込みながら訊く。
「寝る前に入念にストレッチした。
遠夜にもやっとけって言っただろ?」
澄ました顔で貴彦はコーヒーを飲む。
あーそうだったな…遠夜は思い出してため息をついた。
そのまま寝ちゃったよ俺。
「午後面談が入ったから、午前は結構忙しいぞ。
ちゃんと食っとけ」
目の前に朝食の載ったトレーを置きながら啓司が言った。
「ああ…ありがとう啓司」
フォークを持って食べ始める。
腕が痛い。
「今日面談の幸田真人についてだが…」
啓司がタブレット端末を操作しながら話し出す。
「地上都市では、かなり評価が低い。
悪評と言っていいだろう。
人と馴染めない。
極端にむら気で良くも悪くも感情が安定しないらしい。
友達もおらず集団生活の中では浮きまくってるみたいだ。
学校の成績はその時によって拘る教科があって、得意も不得意も判らずバラバラだそうだ」
「小さいころはADHDやASDを疑われて、かなり詳細な検査を受けたりもしたらしいがグレーゾーンというか、はっきりとは診断が降りなかったそうだ。
地下大都市の簡易的な検査では、特殊な形のギフテッドチャイルドだろうってことだけど。
両親は幼いころから真人を持て余していて、疎んじないまでも積極的に関わることはないそうで、今日も学校の担任が一緒に来るんだと。
両親が真人を手放したがらない可能性についてはないな…」
ふうん…
啓司の話を聞きながら貴彦は口に拳を当てて考え込んだ。
「結構厄介だね…」
思わず呟く。
「うーん…まあ、隆一さんと悠美さんが同席してくれることになったからな。
簡単な精神鑑定もするそうだ。
お二人に任せてもいいんじゃないか?」
啓司は安堵したように言う。
そうだよな…遠夜も頷いた。
俺たちの手には負えなさそうな人だ。
百戦錬磨のαクラスの大人に任せた方が良いかも…
しかし、貴彦は難しい表情のまま、首を横に振った。
「だけどさ、受け入れることになったら、たぶんそうなるだろうけど…
日常的に関わることになるのは、同い年の俺たちなんだよ。
ここにもうまく馴染めなかったら、最悪、地上都市に還されてしまうかもしれない。
両親にも歓迎されず友人もおらず、中途半端な能力を持ったまま社会に出て、彼の人生はどうなってしまうか…」
「できるだけ俺たち3人で真人を支えたいと思うんだ。
最初のとっかかりは、隆一さんや悠美さんにお願いするにしてもさ。
真人がここでなんとか居場所を見つけられるようにしてやりたい」
啓司と遠夜は、貴彦の言葉に衝撃を受けていた。
そうだ…貴彦はそういう奴だ。
遠夜は小さいころから、αクラスの精神サイキックが何人も病院送りになるほど手の付けられない悪童だったが、貴彦が辛抱強く粘って粘って友達になり、ここまでマトモになったという経緯がある。
「うん…そうだよな」
ふたりは頷いた。
「遠夜をここまで矯正できた貴彦なら、きっと大丈夫だ。
俺たちもできる限りのことをしよう」
啓司がタブレット端末をしまいながら言った。
「矯正って…」
遠夜はたちまち膨れる。
「よし、じゃあ昼食は1時からにしよう。
それまで皆仕事頑張ろう」
と啓司が言って、朝食ミーティングは解散になった。
昨夜久しぶりに急に身体を動かしたせいで、あちこち筋肉痛だった。
うへー情けねえ…
何とかベッドから這い出て顔を洗って着替えると、部屋をでて食堂へ向かった。
うう、こんな時、俺も瞬間移動できればいいのに…
俺は中途半端なPKしかないからな。
でもこのトウキョウでは、超能力をむやみやたらに使えないよう、厳重なシールドがしてあるからどっちみちダメか。
くだらないことを考えながら食堂へ行くと、既に貴彦と啓司がいた。
二人そろって「おはよう遠夜」と声をかけてくる。
「貴彦お前…筋肉痛ないの?」
遠夜は椅子にへたり込みながら訊く。
「寝る前に入念にストレッチした。
遠夜にもやっとけって言っただろ?」
澄ました顔で貴彦はコーヒーを飲む。
あーそうだったな…遠夜は思い出してため息をついた。
そのまま寝ちゃったよ俺。
「午後面談が入ったから、午前は結構忙しいぞ。
ちゃんと食っとけ」
目の前に朝食の載ったトレーを置きながら啓司が言った。
「ああ…ありがとう啓司」
フォークを持って食べ始める。
腕が痛い。
「今日面談の幸田真人についてだが…」
啓司がタブレット端末を操作しながら話し出す。
「地上都市では、かなり評価が低い。
悪評と言っていいだろう。
人と馴染めない。
極端にむら気で良くも悪くも感情が安定しないらしい。
友達もおらず集団生活の中では浮きまくってるみたいだ。
学校の成績はその時によって拘る教科があって、得意も不得意も判らずバラバラだそうだ」
「小さいころはADHDやASDを疑われて、かなり詳細な検査を受けたりもしたらしいがグレーゾーンというか、はっきりとは診断が降りなかったそうだ。
地下大都市の簡易的な検査では、特殊な形のギフテッドチャイルドだろうってことだけど。
両親は幼いころから真人を持て余していて、疎んじないまでも積極的に関わることはないそうで、今日も学校の担任が一緒に来るんだと。
両親が真人を手放したがらない可能性についてはないな…」
ふうん…
啓司の話を聞きながら貴彦は口に拳を当てて考え込んだ。
「結構厄介だね…」
思わず呟く。
「うーん…まあ、隆一さんと悠美さんが同席してくれることになったからな。
簡単な精神鑑定もするそうだ。
お二人に任せてもいいんじゃないか?」
啓司は安堵したように言う。
そうだよな…遠夜も頷いた。
俺たちの手には負えなさそうな人だ。
百戦錬磨のαクラスの大人に任せた方が良いかも…
しかし、貴彦は難しい表情のまま、首を横に振った。
「だけどさ、受け入れることになったら、たぶんそうなるだろうけど…
日常的に関わることになるのは、同い年の俺たちなんだよ。
ここにもうまく馴染めなかったら、最悪、地上都市に還されてしまうかもしれない。
両親にも歓迎されず友人もおらず、中途半端な能力を持ったまま社会に出て、彼の人生はどうなってしまうか…」
「できるだけ俺たち3人で真人を支えたいと思うんだ。
最初のとっかかりは、隆一さんや悠美さんにお願いするにしてもさ。
真人がここでなんとか居場所を見つけられるようにしてやりたい」
啓司と遠夜は、貴彦の言葉に衝撃を受けていた。
そうだ…貴彦はそういう奴だ。
遠夜は小さいころから、αクラスの精神サイキックが何人も病院送りになるほど手の付けられない悪童だったが、貴彦が辛抱強く粘って粘って友達になり、ここまでマトモになったという経緯がある。
「うん…そうだよな」
ふたりは頷いた。
「遠夜をここまで矯正できた貴彦なら、きっと大丈夫だ。
俺たちもできる限りのことをしよう」
啓司がタブレット端末をしまいながら言った。
「矯正って…」
遠夜はたちまち膨れる。
「よし、じゃあ昼食は1時からにしよう。
それまで皆仕事頑張ろう」
と啓司が言って、朝食ミーティングは解散になった。
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