BREAK THROUGHー地下大都市からの脱出ー

Dry_Socket

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第二章 出会い

3.紹介

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 隆一が取りなすように言った。
 「まあ、紹介くらいさせてくれよ。
 まず、俺の隣にいる女性が、悠美。
 精神サイキックのトップで統括責任者だ。
 今日は君の簡単な検査に立ちあってもらう」

 
 「悠美です。
 初めまして」
 悠美は整った顔立ちにほんのり笑みを含ませて、そっぽをむいている真人をじっと見つめながら挨拶した。
 
 綺麗な人だなあ…遠夜はこんなときだけど、悠美の凛とした美しさに見惚れてしまった。
 すぐさま貴彦に脚を蹴られる。
 痛って!そんなに怒ることないじゃん。

 「それから、その並んでいる3人は、君と同い年の人たちだ。
 これから君がここで暮らしていくうえで、いろいろ頼りにしてくれていい。
 左から啓司、遠夜、貴彦」

 3人は軽く会釈する。
 真人は貴彦の名前が呼ばれた時だけちらっと一瞥した。

 「僕は隆一。
 苗字もあるけど、ここではほとんど使わない。
 IDで識別されるからね。
 君が所属することになる頭脳ブレインの統括者ってことで、直接の上司ではないけれど今日は君と面談することになった」

 「真人君も急にこんなことになって、いろいろ思うところはあるだろうが、ここにいる皆は君の仲間だ。
 僕らも17歳の新人というのは前例がないので正直戸惑うところはあるが、精一杯サポートしていくから。
 なんでも頼って、何かあれば相談して欲しい」

 隆一は努めて平易な言葉を使って真人に話しかける。
 真人は横を向いたまま、嫌な感じのオーラを漂わせてまったく応じる気配はない。
 担任教諭が恐縮したように頭を下げている。

 あーあ。
 先生可哀相に。
 貴彦は同情した。

 その時、頭の中に悠美の声が直接響いてきた。
 『貴彦、精神波の波長を変えられる?』
 悠美を見ると、微笑みを浮かべながら真人の方を見たままだ。
 周りの人間には聞こえてないらしい。

 『波長…ですか?』
 貴彦も真人に視線を戻し、そのまま悠美に精神感応テレパシーで話しかけた。

 『そう。見ていると、貴彦の波長が真人には不快みたいなの。
 相性だから仕方ないけど、貴彦がちょっとだけ波長を長くすれば、それほど不快には感じなくなると思う』
 『やったことないですけど…』
 貴彦は戸惑って言った。
 どうすればいい?

 『OK。波をイメージして。
 …そうそう、もっとはっきり。
 それでその波の動きを自分の一番ぴったりくる長さに合わせて』

 貴彦はイヤーカフの出力をちょっと落として少しだけ精神を解放し、集中する。
 言われた通りに波をイメージして、自分の精神波を乗せるようにして合わせていく。

 『…あ、ここだ』
 『そうね。よくできた。
 じゃあ、そのまま波長を広げて伸ばすように。
 波の間隔を大きくする感じで』

 更に集中して、イメージした波をゆっくり大きく波打つように調整する。
 『うん、それくらいでいい。初めてとは思えないね。
 これはいろんな場面で役に立つから覚えておいて』
 『はい。ありがとうございます』

 その時、真人がふっと顔を上げて、貴彦を見た。
 驚いたような表情をしている。

 ははあ、真人は精神感応力テレパシーが少し使えるな。
 波長を感じ取るから人の好悪が激しくなるんだ。

 貴彦は少し笑いかけた。
 真人は戸惑ったように目を伏せる。

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