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第一章 何処へ?
1.浪人決定!
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令和三年。
国立大学の後期入学試験、合格発表の日。
あたしは受験票を握りしめ、祈りながら掲示板の前に立った。
周りからは歓喜の声が聞こえてくる。
合否なんてネットで判るんだから、わざわざ大学まで足を運んでくるのは合格したのが先に解っている人たちばかりだ。
ネットで確認せずにとにかく来てしまったのは、あたしくらいのものだろう。
今までのところ、9戦全敗。
ここが受かってなかったら浪人決定である。
怖くてスマホを見ることができないと思ったし、大学に張り出される方がネットより30分早いので、矢も楯もたまらずに来てしまった。
なのに、大学の門をどうしてもくぐることができずに門前でグズグズしていたら、ネットでの発表の時間を過ぎてしまったというわけ。
情けない…とは思うものの、足が竦んでしまって、どうしても踏み出せない。
お父さんもお母さんも、あたしからのLINEを待っているだろうなぁ。
お母さんは不合格だったらすぐに予備校に申し込みに行くって言ってたし。
あたしは覚悟を決めて、掲示板を見上げる。
自分の受験番号を呪文のように唱えながら順に番号を追っていった。
なかった。
半ば以上、予想していたこととはいえ、やっぱりショックだった。
浪人決定だぁ…
お父さん、お母さんごめんね。
あたしはあふれる涙を隠すために、必要以上にうつむいてその場を離れた。
とぼとぼと歩いて門を出て駅に向かう。
あーあ。
本当にダメだなあ、あたしって。
涙が止まらなくて、ハンカチが瞬く間にびしょぬれになっていく。
彼氏なし、友達なし、得意なことも趣味もなんにもない。
せめて勉強を頑張って大学生活に賭けようと思っていたのに。
部活もせず、何のための灰色の高校生活だったのか…
お父さんとお母さんに連絡しなくちゃ。
駅の階段を登りながらスマホを取り出し、涙でかすむ画面に苦労しながら入力する。
改札を通り抜けて、電光表示板でもうすぐ電車が来るのを確認して、LINEを送信した。
ホームへの階段を降りて、黄色いブロックラインを越えてホームのギリギリに立つ。
もう死んじゃいたい。
どうせ、あたしの人生なんて、これまでもこれからも良いことなんて全然ないんだ。
『2番線に電車が参ります、黄色い線の内側へ下がってお待ちください』
アナウンスが流れるのと同時に、手に持ったままのスマホが震えた。
画面を見ると、ポップアップでお母さんからのメッセージが表示されている。
長そうな文章だ。
スマホをスワイプしてメッセージの全文を読もうとしたとき。
凄い勢いで階段を降りてきた人が、あたしの横でこけそうになりあたしに思い切り寄りかかってきた。
大柄な男の人に全身でぶつかられて、あたしは声も出せずバランスを崩しよろけて…
ちょうど電車が入ってきた、線路の上に落ちた。
ホームにいる人たちの悲鳴が響き、電車が急ブレーキをかける耳障りな金属音が辺りに満ちる。
背中を強打して、痛みに気を失いそうになりながら、身体を起こそうとした。
目の前に迫った電車の巨大な車体の、何故か運転手さんと目が合った。
運転手さんの、驚愕と恐怖の表情。
それが、あたしの見た最後の光景だった。
国立大学の後期入学試験、合格発表の日。
あたしは受験票を握りしめ、祈りながら掲示板の前に立った。
周りからは歓喜の声が聞こえてくる。
合否なんてネットで判るんだから、わざわざ大学まで足を運んでくるのは合格したのが先に解っている人たちばかりだ。
ネットで確認せずにとにかく来てしまったのは、あたしくらいのものだろう。
今までのところ、9戦全敗。
ここが受かってなかったら浪人決定である。
怖くてスマホを見ることができないと思ったし、大学に張り出される方がネットより30分早いので、矢も楯もたまらずに来てしまった。
なのに、大学の門をどうしてもくぐることができずに門前でグズグズしていたら、ネットでの発表の時間を過ぎてしまったというわけ。
情けない…とは思うものの、足が竦んでしまって、どうしても踏み出せない。
お父さんもお母さんも、あたしからのLINEを待っているだろうなぁ。
お母さんは不合格だったらすぐに予備校に申し込みに行くって言ってたし。
あたしは覚悟を決めて、掲示板を見上げる。
自分の受験番号を呪文のように唱えながら順に番号を追っていった。
なかった。
半ば以上、予想していたこととはいえ、やっぱりショックだった。
浪人決定だぁ…
お父さん、お母さんごめんね。
あたしはあふれる涙を隠すために、必要以上にうつむいてその場を離れた。
とぼとぼと歩いて門を出て駅に向かう。
あーあ。
本当にダメだなあ、あたしって。
涙が止まらなくて、ハンカチが瞬く間にびしょぬれになっていく。
彼氏なし、友達なし、得意なことも趣味もなんにもない。
せめて勉強を頑張って大学生活に賭けようと思っていたのに。
部活もせず、何のための灰色の高校生活だったのか…
お父さんとお母さんに連絡しなくちゃ。
駅の階段を登りながらスマホを取り出し、涙でかすむ画面に苦労しながら入力する。
改札を通り抜けて、電光表示板でもうすぐ電車が来るのを確認して、LINEを送信した。
ホームへの階段を降りて、黄色いブロックラインを越えてホームのギリギリに立つ。
もう死んじゃいたい。
どうせ、あたしの人生なんて、これまでもこれからも良いことなんて全然ないんだ。
『2番線に電車が参ります、黄色い線の内側へ下がってお待ちください』
アナウンスが流れるのと同時に、手に持ったままのスマホが震えた。
画面を見ると、ポップアップでお母さんからのメッセージが表示されている。
長そうな文章だ。
スマホをスワイプしてメッセージの全文を読もうとしたとき。
凄い勢いで階段を降りてきた人が、あたしの横でこけそうになりあたしに思い切り寄りかかってきた。
大柄な男の人に全身でぶつかられて、あたしは声も出せずバランスを崩しよろけて…
ちょうど電車が入ってきた、線路の上に落ちた。
ホームにいる人たちの悲鳴が響き、電車が急ブレーキをかける耳障りな金属音が辺りに満ちる。
背中を強打して、痛みに気を失いそうになりながら、身体を起こそうとした。
目の前に迫った電車の巨大な車体の、何故か運転手さんと目が合った。
運転手さんの、驚愕と恐怖の表情。
それが、あたしの見た最後の光景だった。
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