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第三章 賀茂祭・露頭の儀
24.想い
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左近衛中将様は、あたしの手を握ったまま、左手であたしの額にかかった髪をそっとかきあげる。
「姫。
私は…貴女に少しはお心を寄せていただいていると、自惚れて良いのでしょうか?
こんなことをお訊きするのは、とても勇気がいるのですが…何しろ、弥生のころまでは蛇蝎の如く嫌われていたのは存じておりますから」
あたしはぎゅっと目をつぶった。
どうしよう。
この質問は辛い。
でも、もうはぐらかしているのも、あたし自身がつらいの。すごく。
嫌われちゃうんじゃないかと思って。
伊都子姫…言っちゃっていい?
あたしの気持ち…
あたしは急にドキドキしだした心臓の音が聞こえてしまうんじゃないかと思いながら、思い切って。
頷いた。
「…本当に?」
左近衛中将様は声に喜色を滲ませて、あたしの耳元で囁くように訊く。
あたしは目を開けて左近衛中将様を見て、もう一度頷いた。
その途端、唇にキスされる。
「姫…愛しい姫…」
唇を離して左近衛中将様は何度も囁く。
「だけど、私も主上のなさりように文句は言えませんね」
苦笑しながら両手であたしの手を包むように握る。
「先ほどの民部大輔と貴女の姿を見て、私は暴力的なまでに嫉妬しました。
本当に刀の柄に手をかけて、抜刀寸前でした。
こんな衝動的な部分が自分にあるとは…自分でも驚きました」
「あ、あれは…」
あたしは何と言っていいか判らなかった。
あたしが悪いのかなあ??
下着になって部屋の外に出ちゃったのが悪かったと言えば悪かったか?
「貴女が民部大輔を『義光』などと親しげに呼んでいたのも、ものすごく妬けましたよ」
苦く笑ってあたしの頬を撫でる。
「元信ですよ。
左近衛中将ではなく、元信と呼んでください」
「え…」
あたしは…伊都子って呼ばれちゃうのかな。
そんな心配が先に立つ。
あたしは伊都子って名前じゃない。
だけど、伊都子姫として愛されているのか…
「私は今まで通り、姫とお呼びしますよ。
その方が良いでしょう?」
左近衛中将様はそう言って謎めいた微笑を浮かべた。
どういうこと…?
「姫。
私は…貴女に少しはお心を寄せていただいていると、自惚れて良いのでしょうか?
こんなことをお訊きするのは、とても勇気がいるのですが…何しろ、弥生のころまでは蛇蝎の如く嫌われていたのは存じておりますから」
あたしはぎゅっと目をつぶった。
どうしよう。
この質問は辛い。
でも、もうはぐらかしているのも、あたし自身がつらいの。すごく。
嫌われちゃうんじゃないかと思って。
伊都子姫…言っちゃっていい?
あたしの気持ち…
あたしは急にドキドキしだした心臓の音が聞こえてしまうんじゃないかと思いながら、思い切って。
頷いた。
「…本当に?」
左近衛中将様は声に喜色を滲ませて、あたしの耳元で囁くように訊く。
あたしは目を開けて左近衛中将様を見て、もう一度頷いた。
その途端、唇にキスされる。
「姫…愛しい姫…」
唇を離して左近衛中将様は何度も囁く。
「だけど、私も主上のなさりように文句は言えませんね」
苦笑しながら両手であたしの手を包むように握る。
「先ほどの民部大輔と貴女の姿を見て、私は暴力的なまでに嫉妬しました。
本当に刀の柄に手をかけて、抜刀寸前でした。
こんな衝動的な部分が自分にあるとは…自分でも驚きました」
「あ、あれは…」
あたしは何と言っていいか判らなかった。
あたしが悪いのかなあ??
下着になって部屋の外に出ちゃったのが悪かったと言えば悪かったか?
「貴女が民部大輔を『義光』などと親しげに呼んでいたのも、ものすごく妬けましたよ」
苦く笑ってあたしの頬を撫でる。
「元信ですよ。
左近衛中将ではなく、元信と呼んでください」
「え…」
あたしは…伊都子って呼ばれちゃうのかな。
そんな心配が先に立つ。
あたしは伊都子って名前じゃない。
だけど、伊都子姫として愛されているのか…
「私は今まで通り、姫とお呼びしますよ。
その方が良いでしょう?」
左近衛中将様はそう言って謎めいた微笑を浮かべた。
どういうこと…?
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