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第四章 上達部との交流
25.料理談義とオセロ大会
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それからは、調理法の話になった。
東宮は枝豆という同じ食材をメインにしても、こんなにいろいろバリエーションがあるってことに気づいたらしい。
そう、頭いいね!
あたしは感心した。
この時代では、茹でる・蒸すのが主な調理法で、あとは生のまま食べる感じ。
しかも調味料が少ない!出汁もない!
和えたりすることはなくて、つけて食べるだけ。
だから味の変化に乏しくて、全部同じ味に思えちゃう。
後世、和食は世界遺産になるわけだけど、これから生まれてくるたくさんの人のたゆみない努力の結晶なんだなあ。
料理長を呼んで、フライパンを皆さんに見てもらった。
これがないと、炒め物ができないからね。
あたしが火力調節器の話もしたけど、見たことも聞いたこともないものなので、ちゃんと伝わったかどうかは、いまひとつ疑問。
その後、元信様が「姫、オセロという遊戯はどんなものですか」と言い出し、オセロ大好きの東宮がさっそく持ってこさせて、得々と説明した。
手先の器用な棟梁の弟子さんは、いくつもオセロを作ってくれていて、二人一組になって盤を囲んだ。
最初は、なんだか訝しげにやっていた皆さんがだんだん前のめりになっていくのが可笑しかった。
衛門さんに指示して、手早く対戦表を作らせる。
総当たりできるよう、縦横に名前を入れて、勝敗を書き込むことにした。
その表を見て、少年に戻ってしまった男どもは更に白熱する。
あたしは元信様の横に座って、扇で顔を隠すのも面倒でそのまま元信様の対戦を見ていた。
元信様って、意外とゲームの才能あるんじゃないかな。
駒の運びに無駄がない。
「姫、月子姫、こちらへ。
次の一手を一緒に考えてください」
背後で東宮の声がする。
あーもーめんどくせえ。このかまってちゃん。
あたしが思わずため息をつくと、元信様があたしを見てそっと微笑む。
あたしは東宮の隣に移動し、盤を見つめる。
負けちゃってるね、可哀相に。
まあ相手が権中納言様じゃあ仕方ないか。
「権中納言様、囲碁や将棋もお強そうですわね」
あたしが呟くと
「宮中でも首位を争う腕前ですよ」
東宮が悔しそうに言う。
負けず嫌いだなあもう…
判ったよ。
勝たせてあげるよ。
あたしは権中納言様に話しかける。
「権中納言様、頂いた問題、大変面白うございましたわ。
あれは因数定理を用いた方が、早く解けるのではないかしらと思ったのでございますけど」
案の定、権中納言様は食いついてきた。
「因数定理…?それは何ですか?」
あたしは紙と筆を持ってこさせて、権中納言様に説明する。
代数は何に置き換えていいか判らなかったので、あたしが覚えたまま f (a )=0 で書いちゃう。
証明はやったことがないから、どう導くか解らない。
そう言うと、権中納言様は紙を凝視する。
その間に東宮がパチリパチリとオセロをひっくり返していく。
うっれしそうな顔。
悪戯少年がそのまま大きくなったみたい。
「権中納言、私の勝ちだ!」
東宮が大きな声で言う。
紙を見ながら、上の空でオセロをやっていた権中納言様は、盤を見て「あっ!…本当だ。うわ、やられました」と苦笑いした。
「姫の作戦勝ちだ」
東宮はあたしの肩を抱いて笑う。
「もうしませんわよ、権中納言様、すみません」
あたしは肩から東宮の手を外しながら、権中納言様に謝る。
「いえ、それより、この定理の証明ですが、紙を頂けますか」
権中納言様は夢中になってあたしに話しかけてくる。
あたしも苦笑して、紙を持ってこさせ、権中納言様の隣に移動して手元を覗き込んだ。
東宮は枝豆という同じ食材をメインにしても、こんなにいろいろバリエーションがあるってことに気づいたらしい。
そう、頭いいね!
あたしは感心した。
この時代では、茹でる・蒸すのが主な調理法で、あとは生のまま食べる感じ。
しかも調味料が少ない!出汁もない!
和えたりすることはなくて、つけて食べるだけ。
だから味の変化に乏しくて、全部同じ味に思えちゃう。
後世、和食は世界遺産になるわけだけど、これから生まれてくるたくさんの人のたゆみない努力の結晶なんだなあ。
料理長を呼んで、フライパンを皆さんに見てもらった。
これがないと、炒め物ができないからね。
あたしが火力調節器の話もしたけど、見たことも聞いたこともないものなので、ちゃんと伝わったかどうかは、いまひとつ疑問。
その後、元信様が「姫、オセロという遊戯はどんなものですか」と言い出し、オセロ大好きの東宮がさっそく持ってこさせて、得々と説明した。
手先の器用な棟梁の弟子さんは、いくつもオセロを作ってくれていて、二人一組になって盤を囲んだ。
最初は、なんだか訝しげにやっていた皆さんがだんだん前のめりになっていくのが可笑しかった。
衛門さんに指示して、手早く対戦表を作らせる。
総当たりできるよう、縦横に名前を入れて、勝敗を書き込むことにした。
その表を見て、少年に戻ってしまった男どもは更に白熱する。
あたしは元信様の横に座って、扇で顔を隠すのも面倒でそのまま元信様の対戦を見ていた。
元信様って、意外とゲームの才能あるんじゃないかな。
駒の運びに無駄がない。
「姫、月子姫、こちらへ。
次の一手を一緒に考えてください」
背後で東宮の声がする。
あーもーめんどくせえ。このかまってちゃん。
あたしが思わずため息をつくと、元信様があたしを見てそっと微笑む。
あたしは東宮の隣に移動し、盤を見つめる。
負けちゃってるね、可哀相に。
まあ相手が権中納言様じゃあ仕方ないか。
「権中納言様、囲碁や将棋もお強そうですわね」
あたしが呟くと
「宮中でも首位を争う腕前ですよ」
東宮が悔しそうに言う。
負けず嫌いだなあもう…
判ったよ。
勝たせてあげるよ。
あたしは権中納言様に話しかける。
「権中納言様、頂いた問題、大変面白うございましたわ。
あれは因数定理を用いた方が、早く解けるのではないかしらと思ったのでございますけど」
案の定、権中納言様は食いついてきた。
「因数定理…?それは何ですか?」
あたしは紙と筆を持ってこさせて、権中納言様に説明する。
代数は何に置き換えていいか判らなかったので、あたしが覚えたまま f (a )=0 で書いちゃう。
証明はやったことがないから、どう導くか解らない。
そう言うと、権中納言様は紙を凝視する。
その間に東宮がパチリパチリとオセロをひっくり返していく。
うっれしそうな顔。
悪戯少年がそのまま大きくなったみたい。
「権中納言、私の勝ちだ!」
東宮が大きな声で言う。
紙を見ながら、上の空でオセロをやっていた権中納言様は、盤を見て「あっ!…本当だ。うわ、やられました」と苦笑いした。
「姫の作戦勝ちだ」
東宮はあたしの肩を抱いて笑う。
「もうしませんわよ、権中納言様、すみません」
あたしは肩から東宮の手を外しながら、権中納言様に謝る。
「いえ、それより、この定理の証明ですが、紙を頂けますか」
権中納言様は夢中になってあたしに話しかけてくる。
あたしも苦笑して、紙を持ってこさせ、権中納言様の隣に移動して手元を覗き込んだ。
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