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第1章『チハーヤ編〜ポヤウェスト編』
第25障『アッシのタレント』
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インキャーン王国、闘技場、コート内にて…
鳥達が地面でもがいている。
その時、メロがミファに『想伝』を使った。
〈ミファ。アンタのタレントであの男を倒しなさい。ソラはきっとPSI切れになっただけ。ハッタリよ、あんなの。〉
「(…わかったよ。お姉ちゃん。)」
ミファは地面を強く踏んだ。
しかし、何も起こらなかった。
〈何してるのミファ!早くしなさい!〉
「(やってる。やってるけど…どうして、モグラ達が動かないの…⁈)」
その時、ニキはミファに話しかけた。
「お前さん、何焦ってんだ?」
「え…?」
「誰かに急かされてんのか?」
「な、なにを…」
「そういやお前さん達、試合中全然喋らねぇよな。仲間同士で。その割にちゃんと連携は取れてる。居るだろ、確実に1人。テレパシー能力者が。」
「ッ⁈」
ミファの引き攣った表情をみてニキは確信した。
「図星か。つまるところ、お前さん達の姉貴がそれだな。今もどうせ急かされてんだろ?」
ミファはメロに視線を送った。
実況席にて…
「どうしたのでしょう?誰一人として動こうとしません。一時休戦でしょうか?」
「いいえ、彼らはまだ戦っています。」
「それは一体どういう事ですか?」
「言葉通りです。彼らはまだ、戦っています。」
コート内にて…
その時、メロがニキの元へやってきた。
「アンタ、何をしたの…?」
「さぁな。だがコレだけは言っておく。お前さん達はもう、俺のタレントに絶対勝てねぇ!」
メロは舌打ちした。
「私の計画の邪魔しやがって…ぶっ殺す…!」
「やってみな、嬢ちゃん。」
第3クオーター終了のブザーが鳴った。
選手用ベンチにて…
エッチャ,雷尿,ジャックは床やベンチに倒れ込んでいる。シドの『雑音波』を長時間受けた影響で、3人はもう戦える状況ではなくなっていたのだ。さらに、エッチャは鳥達の猛攻を受けた為、動く事すらままならない。
「少しダけど霧が晴れてきた。ワシ、これなら戦えるぞ。」
ニキは倒れ込んでいる雷尿達を見た。
「だんな方はもう無理そうですね。」
「第4クオーターはワシらだけで戦おう。」
その時、ベンチで横になっている雷尿が話した。
「ドピュっとすまない…」
「気にすんな。後で何か奢ってもらうからよ。」
「だんな方は休んでてくだせぇ。必ず、勝ってみせやす。」
雷尿は目を閉じた。
「頼む…」
その時、ナツカはニキに問いかけた。
「なぁ、ニキ。オメェのタレントって…」
その時、第4クオーター開始のブザーが鳴った。
「ナツカのだんな。あのメロって女には気をつけてくだせぇ。アイツには何か…奥の手を持ってる気がしてならねぇんでさぁ。」
「え、おう…」
コート内にて…
第4クオーターが開始した。しかし、エッチャ,雷尿,ニキはベンチで寝込んだままだ。
ナツカはエンドラインからニキにボールをパスした。
「(28-48…急がねぇと…)」
ニキは相手コートに向かってドリブルでボールを運んだ。
実況席にて…
「なんと!チーム『カメッセッセ』、ナツカ選手とニキ選手しかコートに居ません!怪我をしたエッチャ選手はともかく、他の2人は一体どうしたのでしょう?」
「第2クオーターから様子がおかしかったですから、おそらく、何かタレントをかけられていたのでしょう。」
コート内にて…
その時、ソラが指笛を吹いた。
「『従順たる翼勇者』!!!」
鳥達はニキに向かって飛んできた。
「無駄だ!」
ニキはまたもや上着で鳥達を払い、地面に叩きつけた。
「そ、そうか!分かったぞ!お前のタレント…くっつける能力だな!」
ナツカはニキにタレントを聞きそびれていたことを思い出した。
「くっつける…?」
ナツカは鳥達を見た。
「(そうか…上着に鳥をくっつけて、それを地面に…)」
鳥達は上着に絡まり、地面の上でもがいている。
「あぁ、その通り。俺のタレントは『貼着』!物体を接着させる能力だ!」
ソラは再び、指笛を吹いた。
しかし、鳥達は動けない。
「くっそ!飛べよ!」
「やめとけ。もうそいつらは地面から離れられねぇ。」
「なに…⁈」
ソラは冷や汗をかいている。
「俺の『貼着』は、俺の意志以外では絶対に剥がれねぇ。絶対に、だ。」
ソラはその言葉を聞き、なお焦りを見せた。
「その鳥、お前さんのペットだろ?」
「な⁈なんで、それを…」
「ココは地下の国だ。鳥なんかいねぇはず。って事はだ。コイツらはお前さんが外から持ってきた、お前さんのペットに違いねぇ。コイツらしか鳥が居ねぇんじゃ、お前さん、もうタレント使えねぇな。」
ソラはさらに焦りをあらわにしたその時、ミファが地面を強く踏んだ。
「『土竜の長』!!!」
ミファが地中のモグラを操作し、地面からニキを襲わせようとした。
「あなたの言う通り、ココは地下の国。モグラはいくらでも居ます!」
次の瞬間、ニキは地面に手をついた。
「『貼着』!!!」
ニキは足元の床に『貼着』を使い、モグラを地中にくっつけた。
「来る方向とタイミングさえ分かれば、いくらでも対処できる。」
モグラは地面からしか襲ってこない。さらに、ミファのタレント発動条件である『地面を強く踏む』により、発動のタイミングは予測できる。
「(第3クオーターの時も、そうやって防がれてたのか…!)」
メロはその様子をじっと眺めている。
数分後…
ニキの『貼着』で相手の動きやタレントを封じ、ナツカの『微分魔法』で得点を決めていた。
観客席にて…
「スゴいでヤンス!アニキぃ!」
カメッセッセと後ろの人は試合そっちのけで見つめ合っている。
「凄い…♡」
「お前も凄い…♡」
コート内にて…
得点は47-48で、チーム『カメッセッセ』は1点差まで追いついた。
「どうしよう!姉ちゃん!」
「このままじゃ負けちゃうよ!」
ソラとミファはできることがなくなり、姉であるメロンに助けを求めている。
「安心しなさい、アンタ達。やっと用意できたわ。」
なんと、メロの手首からは大量の血が流れ出ていた。
メロの手首の血にドレも気づいたようだ。
「まさか、姉さん…アレを使うんですか…?」
「えぇ。本当は決勝までとっておきたかったんだけど…仕方ないわ。」
その時、ナツカがドリブルで攻めてきた。
「おらおら~!」
ナツカの目の霧はほとんど晴れていた。
「逆転ダンクで大勝利ッダァァァ!!!」
するとその時、ナツカの目の前に黄色く光る謎の球体が浮遊してきた。
「(なんダこれ…)」
次の瞬間、その球体から強力な電流が放たれた。
「ンダァァァァア!!!?!?!」
ナツカはボールを離し、地面に倒れた。
「シ…ビ…レ…りゅ~…」
ナツカはPSIを纏っていた為、気絶を免れた。
「ナツカのだんな!」
ニキがナツカに駆け寄ろうとしたその時、赤く光る謎の球体がニキに向かって飛んできた。
「ッ⁈」
次の瞬間、その球体から炎が放たれた。
ニキは間一髪、回避に成功した。
「なんだありゃ⁈」
黄色と赤の球体はメロの元へ移動した。
メロの周りには、赤,黄,緑,紫の光の球が浮遊している。
「『 四色の個性玉』。私の奥の手…ダブルタレントよ!」
鳥達が地面でもがいている。
その時、メロがミファに『想伝』を使った。
〈ミファ。アンタのタレントであの男を倒しなさい。ソラはきっとPSI切れになっただけ。ハッタリよ、あんなの。〉
「(…わかったよ。お姉ちゃん。)」
ミファは地面を強く踏んだ。
しかし、何も起こらなかった。
〈何してるのミファ!早くしなさい!〉
「(やってる。やってるけど…どうして、モグラ達が動かないの…⁈)」
その時、ニキはミファに話しかけた。
「お前さん、何焦ってんだ?」
「え…?」
「誰かに急かされてんのか?」
「な、なにを…」
「そういやお前さん達、試合中全然喋らねぇよな。仲間同士で。その割にちゃんと連携は取れてる。居るだろ、確実に1人。テレパシー能力者が。」
「ッ⁈」
ミファの引き攣った表情をみてニキは確信した。
「図星か。つまるところ、お前さん達の姉貴がそれだな。今もどうせ急かされてんだろ?」
ミファはメロに視線を送った。
実況席にて…
「どうしたのでしょう?誰一人として動こうとしません。一時休戦でしょうか?」
「いいえ、彼らはまだ戦っています。」
「それは一体どういう事ですか?」
「言葉通りです。彼らはまだ、戦っています。」
コート内にて…
その時、メロがニキの元へやってきた。
「アンタ、何をしたの…?」
「さぁな。だがコレだけは言っておく。お前さん達はもう、俺のタレントに絶対勝てねぇ!」
メロは舌打ちした。
「私の計画の邪魔しやがって…ぶっ殺す…!」
「やってみな、嬢ちゃん。」
第3クオーター終了のブザーが鳴った。
選手用ベンチにて…
エッチャ,雷尿,ジャックは床やベンチに倒れ込んでいる。シドの『雑音波』を長時間受けた影響で、3人はもう戦える状況ではなくなっていたのだ。さらに、エッチャは鳥達の猛攻を受けた為、動く事すらままならない。
「少しダけど霧が晴れてきた。ワシ、これなら戦えるぞ。」
ニキは倒れ込んでいる雷尿達を見た。
「だんな方はもう無理そうですね。」
「第4クオーターはワシらだけで戦おう。」
その時、ベンチで横になっている雷尿が話した。
「ドピュっとすまない…」
「気にすんな。後で何か奢ってもらうからよ。」
「だんな方は休んでてくだせぇ。必ず、勝ってみせやす。」
雷尿は目を閉じた。
「頼む…」
その時、ナツカはニキに問いかけた。
「なぁ、ニキ。オメェのタレントって…」
その時、第4クオーター開始のブザーが鳴った。
「ナツカのだんな。あのメロって女には気をつけてくだせぇ。アイツには何か…奥の手を持ってる気がしてならねぇんでさぁ。」
「え、おう…」
コート内にて…
第4クオーターが開始した。しかし、エッチャ,雷尿,ニキはベンチで寝込んだままだ。
ナツカはエンドラインからニキにボールをパスした。
「(28-48…急がねぇと…)」
ニキは相手コートに向かってドリブルでボールを運んだ。
実況席にて…
「なんと!チーム『カメッセッセ』、ナツカ選手とニキ選手しかコートに居ません!怪我をしたエッチャ選手はともかく、他の2人は一体どうしたのでしょう?」
「第2クオーターから様子がおかしかったですから、おそらく、何かタレントをかけられていたのでしょう。」
コート内にて…
その時、ソラが指笛を吹いた。
「『従順たる翼勇者』!!!」
鳥達はニキに向かって飛んできた。
「無駄だ!」
ニキはまたもや上着で鳥達を払い、地面に叩きつけた。
「そ、そうか!分かったぞ!お前のタレント…くっつける能力だな!」
ナツカはニキにタレントを聞きそびれていたことを思い出した。
「くっつける…?」
ナツカは鳥達を見た。
「(そうか…上着に鳥をくっつけて、それを地面に…)」
鳥達は上着に絡まり、地面の上でもがいている。
「あぁ、その通り。俺のタレントは『貼着』!物体を接着させる能力だ!」
ソラは再び、指笛を吹いた。
しかし、鳥達は動けない。
「くっそ!飛べよ!」
「やめとけ。もうそいつらは地面から離れられねぇ。」
「なに…⁈」
ソラは冷や汗をかいている。
「俺の『貼着』は、俺の意志以外では絶対に剥がれねぇ。絶対に、だ。」
ソラはその言葉を聞き、なお焦りを見せた。
「その鳥、お前さんのペットだろ?」
「な⁈なんで、それを…」
「ココは地下の国だ。鳥なんかいねぇはず。って事はだ。コイツらはお前さんが外から持ってきた、お前さんのペットに違いねぇ。コイツらしか鳥が居ねぇんじゃ、お前さん、もうタレント使えねぇな。」
ソラはさらに焦りをあらわにしたその時、ミファが地面を強く踏んだ。
「『土竜の長』!!!」
ミファが地中のモグラを操作し、地面からニキを襲わせようとした。
「あなたの言う通り、ココは地下の国。モグラはいくらでも居ます!」
次の瞬間、ニキは地面に手をついた。
「『貼着』!!!」
ニキは足元の床に『貼着』を使い、モグラを地中にくっつけた。
「来る方向とタイミングさえ分かれば、いくらでも対処できる。」
モグラは地面からしか襲ってこない。さらに、ミファのタレント発動条件である『地面を強く踏む』により、発動のタイミングは予測できる。
「(第3クオーターの時も、そうやって防がれてたのか…!)」
メロはその様子をじっと眺めている。
数分後…
ニキの『貼着』で相手の動きやタレントを封じ、ナツカの『微分魔法』で得点を決めていた。
観客席にて…
「スゴいでヤンス!アニキぃ!」
カメッセッセと後ろの人は試合そっちのけで見つめ合っている。
「凄い…♡」
「お前も凄い…♡」
コート内にて…
得点は47-48で、チーム『カメッセッセ』は1点差まで追いついた。
「どうしよう!姉ちゃん!」
「このままじゃ負けちゃうよ!」
ソラとミファはできることがなくなり、姉であるメロンに助けを求めている。
「安心しなさい、アンタ達。やっと用意できたわ。」
なんと、メロの手首からは大量の血が流れ出ていた。
メロの手首の血にドレも気づいたようだ。
「まさか、姉さん…アレを使うんですか…?」
「えぇ。本当は決勝までとっておきたかったんだけど…仕方ないわ。」
その時、ナツカがドリブルで攻めてきた。
「おらおら~!」
ナツカの目の霧はほとんど晴れていた。
「逆転ダンクで大勝利ッダァァァ!!!」
するとその時、ナツカの目の前に黄色く光る謎の球体が浮遊してきた。
「(なんダこれ…)」
次の瞬間、その球体から強力な電流が放たれた。
「ンダァァァァア!!!?!?!」
ナツカはボールを離し、地面に倒れた。
「シ…ビ…レ…りゅ~…」
ナツカはPSIを纏っていた為、気絶を免れた。
「ナツカのだんな!」
ニキがナツカに駆け寄ろうとしたその時、赤く光る謎の球体がニキに向かって飛んできた。
「ッ⁈」
次の瞬間、その球体から炎が放たれた。
ニキは間一髪、回避に成功した。
「なんだありゃ⁈」
黄色と赤の球体はメロの元へ移動した。
メロの周りには、赤,黄,緑,紫の光の球が浮遊している。
「『 四色の個性玉』。私の奥の手…ダブルタレントよ!」
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