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第2章『ガイ-過去編-』
第22障『実験材料』
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【8月26日、伊寄村の北端、ガイの母親の実家、居間にて…】
居間には、ガイ,ヤブ助,十谷,足を怪我した村上は座り込んで話をしている。
「見た感じ、バケモノは北の森からやってきてるみてぇだ。どうする?ガイ。」
ヤブ助はガイに今後の指示を求めた。少し考え込んだ後、ガイは話し始めた。
「ココは村の端っこの方だ。だから、村の人達はまだバケモノの存在に気づいていないはず…」
それを聞いた十谷はガイ同様、今後の行動策を思考した。
「どうにかして知らせないと…そうだ。村の役所に電話するというのはどうでしょうか。バケモノが出たから早く避難しろと。」
「信じると思うか、そんな話。」
「しかし、早く知らせないと村に危害が出兼ねません。」
その時、ガイは立ち上がった。
「俺がなんとかする。」
それを聞いた十谷は慌てた様子で立ち上がり、ガイを止めようとした。
「いけませんぞ!そんな危険な役、ガイ様にさせられません!」
その時、ガイは申し訳なさそうに十谷と村上に言った。
「…2人には、心配かけると思ったから言ってなかったけど、こういうの、何回もやってるんだ。」
「ガイ様…」
村上は心配そうにガイを見つめていた。それに対し、ガイは気丈に振る舞う。
「一回、任せてみてよ。」
ガイは十谷の制止を振り切り、居間を出た。
【数分後、玄関にて…】
ガイは武器になりそうな物を探していた。
ガイは、木刀、鎌、鉈、包丁、カッター、ハサミ、金槌を手に入れた。ポケットにカッターとハサミを入れ、包丁、鉈、鎌、金槌は腰に携え、そして、木刀は背中に背負った。
ガイは玄関を開け、外に出ようとすると、そこには猫の姿のヤブ助がいた。
「俺も行くぜ。」
ヤブ助はガイの頭に乗った。
「お前は残って、村上たちを守れよ。」
しかし、ヤブ助は首を横に振った。
「俺のタレントは猫を人間に、人間を猫にする能力だ。相手がバケモノなら俺のタレントは役に立たねえ。それと十谷さんに、お前について行けって言われたんだ。」
ガイはそれを聞き、渋々頷いた。
「…分かった。そのかわり、すぐ終わらせるぞ。」
「おう。」
ガイたちは外へ出た。
【母親の実家前にて…】
ガイとヤブ助は辺りを見渡した。
「どうする?作戦は?」
「まずは相手の実力を図る。」
ガイは、家から少し離れた所にいるバケモノを見つけた。そのバケモノは、体は馬、顔はアリ、足はバッタ、尻尾はトカゲの体長2mほどの怪物であった。
「アイツからだ。行くぞ。」
「おう。」
ガイはそのバケモノに向かって走り出した。
ガイが背中に背負った木刀を構えると、バケモノはガイ達に気づいた。
「気づかれたぞ!」
「大丈夫。」
ガイは木刀でバケモノに攻撃した。
「ッ!!!」
しかし、そのバケモノは約10メートルほど跳躍してガイの攻撃をかわした。
「なんて高さだ…!」
そのバケモノは地面に着地した。
「…着地時に狩る。」
「できるのか、そんな事…」
「多分。」
ガイは再び木刀でバケモノに攻撃した。しかし、バケモノはまたもや跳躍して避けた。
ガイはすぐさま、バケモノが着地するであろう所に移動した。そして、バケモノが落ちてきたのと同時に、ガイは木刀を振り上げた。すると、木刀はバケモノの顔に命中した。
「ギギギギギギィィィィィィイ!!!」
「よし…!」
空中で攻撃を回避する事は出来ない。着地狩りは正解の策だ。しかし、少しでも着地位置の予想を誤れば、ガイ自身がバケモノに踏み潰されてしまう。ガイがこの作戦を決行できるのは、自分の予想が外れるわけがないと言う、絶対的自信によるものである。
「コイツ、全然効いてねえぞ⁈」
「だな。」
バケモノは再び飛び上がった。
ガイは着地位置に移動した。そして、先ほどと同様にバケモノを攻撃した。しかし、今回は自身の肉体、そして、木刀にPSIを纏わせていた。
バケモノの顔は吹き飛んだ。
「さすがに、首吹っ飛ばしたらもう動かないよな…」
ガイが1回目の攻撃でPSIを纏わなかったのは、敵の耐久性を図る為。自身のPSIの成長度合いも測りたかったのだ。
「弱かったな。俺たちの事を襲ってくる訳でもなかったし。」
ガイはバケモノの死骸を見ている。
「どうかしたのか?」
「俺たちを襲わなかったのって、胴体が馬だったからかな?」
ヤブ助は首を傾げた。
「馬は草食動物。胴体が馬って事は消化器官も馬なんじゃないかな。だから、俺たちを食べようとしなかったのかも…」
ガイは包丁を取り出した。
「お、お前まさか…!」
ガイは包丁でバケモノの胴体を切り開いた。
「うげぇ~…」
ヤブ助はそれから目を逸らした。
一方、ガイは切り開いたバケモノの臓物を眺めている。
「…何が何だかよくわからないけど、とりあえず、虫の内臓じゃないな。けど頭は蟻だから、体はどうあれ蟻として動くはず…」
ヤブ助は引いている。
「よくやるよ、お前…俺、こういうのダメなんだよ…」
「お前、猫だろ。ネズミとかスズメとか食べなかったのか?」
「俺は、飯の時は人間になって賞味期限切れの弁当とか、パンの耳とか貰って食ってたから…」
「お前、本当に野良猫か?」
その時、大きな音が聞こえてきた。それは、虫の羽音だった。
「ガイ!上だ!」
ガイが上を見上げると、空中には多量のバケモノがいた。そのバケモノは蜂の羽が生えた、体長50cmほどの巨大なサソリだった。
「おい、マズイんじゃないか。あのままじゃ…」
「あぁ、村の方へ向かってる。」
「どうするんだ?」
「あの高さじゃどうすることもできない。」
ガイは家の方へ走った。
「ガイ!何する気だ⁈」
「十谷を呼んで、村まで車で移動する。」
「危険だぜ!まだそこら中にバケモノがいるのによ!」
「PSIの力があれば、奴らを倒せる事がわかった。もし襲われたって、俺たちが戦えばいいんだよ。」
【母親の実家、居間にて…】
ガイとヤブ助が今へとやってきた。
「十谷!車だ!村まで移動するぞ!」
「ガイ様ぁ!おぉ~!ご無事なによりです!」
十谷はガイの無事帰還を泣きながら喜んだ。
「それより早く車の用意を。俺は村上を連れてくる。」
「しかし、旦那様の許可が…」
次の瞬間、ガイは十谷に強く言った。
「んな事言ってる場合じゃないだろ!なんか言われたら俺が言い返してやるからさ!」
「わ、わかりました!」
十谷は車の用意をしに行った。
その時、ガイは村上を抱え上げた。
「今から車で村まで行く。非常時だ。親父の規則なんか気にすんな。」
「は、はい…」
【母親の実家前にて…】
ガイは村上を抱えたまま、玄関から出てきた。その背後にはヤブ助がいる。
「ガイ様~!車の用意ができました~!」
玄関前には十谷が車を用意して待っていてくれた。
ガイは後部座席に村上を乗せた後、ガイも村上の隣に座った。
「もういいぞ。行ってくれ。」
「了解です!」
十谷は車を発進させた。
【伊寄村の集落への道中にて…】
ガイ様は車で村まで向かっている。空には大勢のバケモノが浮遊しており、それらも村の方へと向かっているようだ。
するとその時、ヤブ助が叫んだ。
「おい!後ろから何かついてくるぞ!」
「なに…⁈」
なんと、3匹のバケモノがガイ達の乗っている車を追いかけてきていたのだ。
そのバケモノたちは、頭部は猫、体はムカデの体長8mほどの姿をしていた。
「ひぃえぇぇぇえ~!」
それを見て恐怖した十谷はさらに車を飛ばし、それらの追走を撒こうとした。しかし、そのバケモノ達のスピードは車よりも速く、撒くどころか距離を詰められていた。
「(コイツらはなんで、俺たちを追ってくるんだ…)」
ガイはそれらの行動に疑問を持った。先程倒したバケモノもそうだったが、目的が捕食ではないような気がしてならなかったのだ。
その時、バケモノの1匹が車体後方にしがみついてきた。
「コイツ…!」
ガイは窓を開け、PSIを纏い、木刀でバケモノの顔を叩いた。
「ギィィィィイェェェアァァアァアアア!!!?!?!」
バケモノは死んだ。しかし、まだ残り2匹のバケモノたちは追いかけてくる。
その時、突然、十谷が大声をあげた。
「うぎゃぁぁぁぁぁぁあ!!!」
ガイ達はフロントガラスの方を見た。
「「「ッ⁈」」」
ガイ,ヤブ助,村上はそれを見て驚嘆した。
そこには体長3mほどのクマが仁王立ちしていたのだ。
「避けろ!ぶつかるぞ!」
「もう無理ですぅぅぅう!!!」
車とクマがぶつかりそうになったその時、なんとそのクマが車を持ち上げた。
「「「………」」」
ガイ達は呆気に取られていた。
すると次の瞬間、そのクマは車を持ち上げたまま、声を発した。しかも、人語で。
「待て。」
すると、ガイ達が乗っていた車を追うバケモノ達は止まった。
「言うこと聞けて偉いね。もうどっか行っていいよ。」
クマがそう言うと、バケモノたちはどこかへ去っていった。
その時、クマは車を持ち上げたまま、ガイ達に話しかけた。
「やぁ。僕は竹本。ビックリさせちゃってごめんね。アイツらも別にキミ達を殺そうとしてた訳じゃないんだ。許してやってね。」
流暢に人語を話すクマ、竹本。それに対し、ガイは困惑しながらも冷静に話しかけた。
「お前か?あのバケモノたちを操ってたのは。目的は何だ?」
竹本は後部座席にいるガイを覗いた。
「へー。怖がらないんだ。キミ、面白いね。」
竹本はクスクスと笑っている。
「あんまり理由は話せないんだ。そういう命令だから。」
つまり、コイツに命令する者こそ、バケモノを操るハンディーキャッパーの正体。ガイはそれを察した。
「今、実験材料のニンゲンを集めてる最中なんだ。キミ達、悪いけど一緒に来てもらうね。」
「実験…」
実験、それはあのバケモノたちを生み出すこと。そして、このまま連れさられてしまうという事は、つまり、ガイ達もあのバケモノの様にされるという事。
「(俺が、何とかしないと…)」
ガイは腰に携えた鉈を手に取った。
居間には、ガイ,ヤブ助,十谷,足を怪我した村上は座り込んで話をしている。
「見た感じ、バケモノは北の森からやってきてるみてぇだ。どうする?ガイ。」
ヤブ助はガイに今後の指示を求めた。少し考え込んだ後、ガイは話し始めた。
「ココは村の端っこの方だ。だから、村の人達はまだバケモノの存在に気づいていないはず…」
それを聞いた十谷はガイ同様、今後の行動策を思考した。
「どうにかして知らせないと…そうだ。村の役所に電話するというのはどうでしょうか。バケモノが出たから早く避難しろと。」
「信じると思うか、そんな話。」
「しかし、早く知らせないと村に危害が出兼ねません。」
その時、ガイは立ち上がった。
「俺がなんとかする。」
それを聞いた十谷は慌てた様子で立ち上がり、ガイを止めようとした。
「いけませんぞ!そんな危険な役、ガイ様にさせられません!」
その時、ガイは申し訳なさそうに十谷と村上に言った。
「…2人には、心配かけると思ったから言ってなかったけど、こういうの、何回もやってるんだ。」
「ガイ様…」
村上は心配そうにガイを見つめていた。それに対し、ガイは気丈に振る舞う。
「一回、任せてみてよ。」
ガイは十谷の制止を振り切り、居間を出た。
【数分後、玄関にて…】
ガイは武器になりそうな物を探していた。
ガイは、木刀、鎌、鉈、包丁、カッター、ハサミ、金槌を手に入れた。ポケットにカッターとハサミを入れ、包丁、鉈、鎌、金槌は腰に携え、そして、木刀は背中に背負った。
ガイは玄関を開け、外に出ようとすると、そこには猫の姿のヤブ助がいた。
「俺も行くぜ。」
ヤブ助はガイの頭に乗った。
「お前は残って、村上たちを守れよ。」
しかし、ヤブ助は首を横に振った。
「俺のタレントは猫を人間に、人間を猫にする能力だ。相手がバケモノなら俺のタレントは役に立たねえ。それと十谷さんに、お前について行けって言われたんだ。」
ガイはそれを聞き、渋々頷いた。
「…分かった。そのかわり、すぐ終わらせるぞ。」
「おう。」
ガイたちは外へ出た。
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ガイとヤブ助は辺りを見渡した。
「どうする?作戦は?」
「まずは相手の実力を図る。」
ガイは、家から少し離れた所にいるバケモノを見つけた。そのバケモノは、体は馬、顔はアリ、足はバッタ、尻尾はトカゲの体長2mほどの怪物であった。
「アイツからだ。行くぞ。」
「おう。」
ガイはそのバケモノに向かって走り出した。
ガイが背中に背負った木刀を構えると、バケモノはガイ達に気づいた。
「気づかれたぞ!」
「大丈夫。」
ガイは木刀でバケモノに攻撃した。
「ッ!!!」
しかし、そのバケモノは約10メートルほど跳躍してガイの攻撃をかわした。
「なんて高さだ…!」
そのバケモノは地面に着地した。
「…着地時に狩る。」
「できるのか、そんな事…」
「多分。」
ガイは再び木刀でバケモノに攻撃した。しかし、バケモノはまたもや跳躍して避けた。
ガイはすぐさま、バケモノが着地するであろう所に移動した。そして、バケモノが落ちてきたのと同時に、ガイは木刀を振り上げた。すると、木刀はバケモノの顔に命中した。
「ギギギギギギィィィィィィイ!!!」
「よし…!」
空中で攻撃を回避する事は出来ない。着地狩りは正解の策だ。しかし、少しでも着地位置の予想を誤れば、ガイ自身がバケモノに踏み潰されてしまう。ガイがこの作戦を決行できるのは、自分の予想が外れるわけがないと言う、絶対的自信によるものである。
「コイツ、全然効いてねえぞ⁈」
「だな。」
バケモノは再び飛び上がった。
ガイは着地位置に移動した。そして、先ほどと同様にバケモノを攻撃した。しかし、今回は自身の肉体、そして、木刀にPSIを纏わせていた。
バケモノの顔は吹き飛んだ。
「さすがに、首吹っ飛ばしたらもう動かないよな…」
ガイが1回目の攻撃でPSIを纏わなかったのは、敵の耐久性を図る為。自身のPSIの成長度合いも測りたかったのだ。
「弱かったな。俺たちの事を襲ってくる訳でもなかったし。」
ガイはバケモノの死骸を見ている。
「どうかしたのか?」
「俺たちを襲わなかったのって、胴体が馬だったからかな?」
ヤブ助は首を傾げた。
「馬は草食動物。胴体が馬って事は消化器官も馬なんじゃないかな。だから、俺たちを食べようとしなかったのかも…」
ガイは包丁を取り出した。
「お、お前まさか…!」
ガイは包丁でバケモノの胴体を切り開いた。
「うげぇ~…」
ヤブ助はそれから目を逸らした。
一方、ガイは切り開いたバケモノの臓物を眺めている。
「…何が何だかよくわからないけど、とりあえず、虫の内臓じゃないな。けど頭は蟻だから、体はどうあれ蟻として動くはず…」
ヤブ助は引いている。
「よくやるよ、お前…俺、こういうのダメなんだよ…」
「お前、猫だろ。ネズミとかスズメとか食べなかったのか?」
「俺は、飯の時は人間になって賞味期限切れの弁当とか、パンの耳とか貰って食ってたから…」
「お前、本当に野良猫か?」
その時、大きな音が聞こえてきた。それは、虫の羽音だった。
「ガイ!上だ!」
ガイが上を見上げると、空中には多量のバケモノがいた。そのバケモノは蜂の羽が生えた、体長50cmほどの巨大なサソリだった。
「おい、マズイんじゃないか。あのままじゃ…」
「あぁ、村の方へ向かってる。」
「どうするんだ?」
「あの高さじゃどうすることもできない。」
ガイは家の方へ走った。
「ガイ!何する気だ⁈」
「十谷を呼んで、村まで車で移動する。」
「危険だぜ!まだそこら中にバケモノがいるのによ!」
「PSIの力があれば、奴らを倒せる事がわかった。もし襲われたって、俺たちが戦えばいいんだよ。」
【母親の実家、居間にて…】
ガイとヤブ助が今へとやってきた。
「十谷!車だ!村まで移動するぞ!」
「ガイ様ぁ!おぉ~!ご無事なによりです!」
十谷はガイの無事帰還を泣きながら喜んだ。
「それより早く車の用意を。俺は村上を連れてくる。」
「しかし、旦那様の許可が…」
次の瞬間、ガイは十谷に強く言った。
「んな事言ってる場合じゃないだろ!なんか言われたら俺が言い返してやるからさ!」
「わ、わかりました!」
十谷は車の用意をしに行った。
その時、ガイは村上を抱え上げた。
「今から車で村まで行く。非常時だ。親父の規則なんか気にすんな。」
「は、はい…」
【母親の実家前にて…】
ガイは村上を抱えたまま、玄関から出てきた。その背後にはヤブ助がいる。
「ガイ様~!車の用意ができました~!」
玄関前には十谷が車を用意して待っていてくれた。
ガイは後部座席に村上を乗せた後、ガイも村上の隣に座った。
「もういいぞ。行ってくれ。」
「了解です!」
十谷は車を発進させた。
【伊寄村の集落への道中にて…】
ガイ様は車で村まで向かっている。空には大勢のバケモノが浮遊しており、それらも村の方へと向かっているようだ。
するとその時、ヤブ助が叫んだ。
「おい!後ろから何かついてくるぞ!」
「なに…⁈」
なんと、3匹のバケモノがガイ達の乗っている車を追いかけてきていたのだ。
そのバケモノたちは、頭部は猫、体はムカデの体長8mほどの姿をしていた。
「ひぃえぇぇぇえ~!」
それを見て恐怖した十谷はさらに車を飛ばし、それらの追走を撒こうとした。しかし、そのバケモノ達のスピードは車よりも速く、撒くどころか距離を詰められていた。
「(コイツらはなんで、俺たちを追ってくるんだ…)」
ガイはそれらの行動に疑問を持った。先程倒したバケモノもそうだったが、目的が捕食ではないような気がしてならなかったのだ。
その時、バケモノの1匹が車体後方にしがみついてきた。
「コイツ…!」
ガイは窓を開け、PSIを纏い、木刀でバケモノの顔を叩いた。
「ギィィィィイェェェアァァアァアアア!!!?!?!」
バケモノは死んだ。しかし、まだ残り2匹のバケモノたちは追いかけてくる。
その時、突然、十谷が大声をあげた。
「うぎゃぁぁぁぁぁぁあ!!!」
ガイ達はフロントガラスの方を見た。
「「「ッ⁈」」」
ガイ,ヤブ助,村上はそれを見て驚嘆した。
そこには体長3mほどのクマが仁王立ちしていたのだ。
「避けろ!ぶつかるぞ!」
「もう無理ですぅぅぅう!!!」
車とクマがぶつかりそうになったその時、なんとそのクマが車を持ち上げた。
「「「………」」」
ガイ達は呆気に取られていた。
すると次の瞬間、そのクマは車を持ち上げたまま、声を発した。しかも、人語で。
「待て。」
すると、ガイ達が乗っていた車を追うバケモノ達は止まった。
「言うこと聞けて偉いね。もうどっか行っていいよ。」
クマがそう言うと、バケモノたちはどこかへ去っていった。
その時、クマは車を持ち上げたまま、ガイ達に話しかけた。
「やぁ。僕は竹本。ビックリさせちゃってごめんね。アイツらも別にキミ達を殺そうとしてた訳じゃないんだ。許してやってね。」
流暢に人語を話すクマ、竹本。それに対し、ガイは困惑しながらも冷静に話しかけた。
「お前か?あのバケモノたちを操ってたのは。目的は何だ?」
竹本は後部座席にいるガイを覗いた。
「へー。怖がらないんだ。キミ、面白いね。」
竹本はクスクスと笑っている。
「あんまり理由は話せないんだ。そういう命令だから。」
つまり、コイツに命令する者こそ、バケモノを操るハンディーキャッパーの正体。ガイはそれを察した。
「今、実験材料のニンゲンを集めてる最中なんだ。キミ達、悪いけど一緒に来てもらうね。」
「実験…」
実験、それはあのバケモノたちを生み出すこと。そして、このまま連れさられてしまうという事は、つまり、ガイ達もあのバケモノの様にされるという事。
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