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第2章『ガイ-過去編-』
第27障『夢のジャパネット計画』
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【8月26日、地下研究所、メイン制御室にて…】
ガイと氷室はバケモノ達を操る植物、高田を破壊した。
「コレで本当にいいのか?」
「えぇ。高田を倒せば、もうバケモノ達は動かないはずです。なんか呆気なかったですね。」
氷室は破壊された高田を見た。
「おかしい…」
氷室はそう呟くと、辺りを見渡し始めた。
「高田はバケモノだけじゃなく、この研究所そのもののシステムを管理する役割があるんです。高田を破壊した今、この研究所に明かりがついているのはおかしい…」
ガイは破壊された高田のツタに触れた。
「まだ生きてるのか?」
「いや、それは無いと思います。これだけ粉々に破壊したんですから。」
「じゃあどうして…?」
氷室は考え込んだ。
「…もしかして、高田以外の他にも、この研究所の制御を任された人がいるのかも…」
そこへ、1匹のバケモノが部屋に入ってきた。
「お帰り氷室くん。」
ガイと氷室は振り返った。そこには、体長50cm程の二足歩行の人面キノコが立っていた。
「誰…?」
氷室はそのキノコのバケモノに心当たりが無いようだ。
「今、自由に動けるということは、どうやら私のタレントを解除したみたいだね。」
その発言を聞き、氷室はそれが何者かを悟った。
「高田…⁈」
「『さん』ぐらいはつけて欲しいな。一応、年上なんだから。」
氷室は困惑している。同様に、ガイも現状が理解できていないようだ。
「一体どういう事だ…?」
その時、高田を名乗るキノコのバケモノは歩き始め、ガイ達に破壊された植物の高田に触れた。
「私、高田晶は館林の助手だった。私達はハンディーキャッパーについて研究をしていたんだ。何故、ハンディーキャッパーなんてものが存在するのか。PSIとは一体何なのか。この研究課題はハンディーキャッパーである我々に課せられた使命だと思った。」
その時、高田は植物のツタを強く握った。
「けどね、研究にも色々とお金がかかるんだよ。面倒だよね。世の中、金が無ければ夢さえ叶えられないんだから。」
高田はツタを離し、ガイ達の方を向いた。
「ちょうどそんな時、私達はあの有名な指定暴力団、白鳥組に出会った。館林の知り合いが白鳥組幹部って事もあってね、事は上手く運んだよ。研究費用も、こんな立派な研究所も建ててもらった。」
高田は床に座り込んだ。
「けどね、私はあまり乗り気じゃなかったんだ。いくら金銭的に余裕が出るからって、あの白鳥組と手を組むなんてさ。」
その時、高田はガイ達に破壊された植物コンピュータを手の平で差した。
「それで、館林に反論したらこのザマさ。私はバケモノへと改造された。動けないように、植物の姿にね。」
すると、高田は手の平を上に向け、やれやれといった感じのポーズをとった。
「ジ・エンドさ。この先、私は一生館林の道具として使われ続ける人生しか送れない。本当にどうする事も出来なかったんだ。植物だからね。」
すると、高田はニヤリと微笑んだ。
「だから託したんだよ。後世の私達に。」
その時、メイン制御室の出入り口から大勢のバケモノ達が入ってきた。
「「ッ⁈」」
ガイと氷室はそれらに気づき、警戒した。
一方、高田は床から立ち上がり、話を続けた。
「私のタレントは『支配プログラム挿入』。他者の脊髄に私のPSIを直接送り込む事で、私の意のままに対象を操る能力。そして、私が実験体共に送り込んだ命令は『私になれ』だ。今日この時、館林がバケモノを一斉解放する時期を見計らって、我々は高田晶に生まれ変わったのだ!」
その時、キノコ姿の高田を含め、背後にいたバケモノ達をPSIを纏い始めた。
「コイツら、全員ハンディーキャッパーか⁈」
「そ、そんなはずは…!館林のお気に入りの僕と竹本以外にハンディーキャッパーなんて…⁈」
困惑するガイと氷室。それに対して、キノコ姿の高田は余裕そうに話した。
「言っただろう。オリジナルの私から送られた命令は『私になれ』だ。脊髄から送り込まれた私自身のPSIを利用すれば、我々は全員、ハンディーキャッパーになれる。まぁ、実験体による個体差はあるから、タレントはまだ発現している私は少ないだろうな。」
キノコ姿の高田はPSIを纏ったまま、ガイ達に近づいてきた。
「私達の目的はただ一つ。この世界を私の世界にする。そして、私だけになった世界で、私はこの世界の謎を究明する。」
その時、高田達は体から針のようなものを突起させた。
「さぁ。キミ達も大人しく…」
次の瞬間、高田達は一斉に声を上げた。
「「「私になれ。」」」
すると、高田達はガイと氷室に襲いかかってきた。おそらく、体から突起した針で脊髄にPSIを送り込むつもりであろう。
「『現代のオーパーツ』!!!」
氷室はPSIを肉に、そして、それを骨に変化させ、刀のように整形し、ガイに手渡した。
ガイは自身の肉体と骨刀にPSIを纏い、バケモノ達を斬り殺していく。同様に、氷室も骨刀をもう1本生成し、バケモノ達を斬り殺していった。
「(コイツら、弱い…)」
ガイはふとそう思った。
このバケモノ達は本来、ハンディーキャッパーではなかった。それ故、高田として目覚めてまだ間も無いため、PSIも成長しておらず、攻撃力や防御力はほとんど強化されていなかったのだ。PSIを纏っているだけ。要するに、見掛け倒しだ。
さらに氷室からもらった骨刀は耐久性・切れ味が凄まじく、昆虫や甲殻類の殻ですら、PSIを纏って仕舞えば一太刀で両断できる。
数分後、ガイと氷室はキノコ姿の高田以外を葬った。
「な、なんて奴ら…」
キノコの高田がガイ達の強さに驚愕していた次の瞬間、ガイは容赦なくそのキノコ高田を斬り殺した。
「これからどうします⁈ガイさん!」
氷室は慌てた様子でガイに話しかけた。
「村に向かったバケモノ共も、きっと高田に変わってるはずだ。おそらく、奴らは村人にタレントを使い、次々と自分達を増やそうとするだろう。」
それを聞いた氷室は尚焦った。
「ヤバいじゃないですか⁈」
「あぁ。このままじゃ、本当の意味でのバイオハザードになりかねない。奴らのPSIが未熟な今がチャンスだ。この村で感染を止める。」
ガイは奥の通路を指差した。
「氷室は村に行け。俺はココに残ったバケモノ共を…」
その時、ガイは氷室の心臓に骨刀を突き刺した。
「「えっ…」」
氷室は大量の血を流し、床に倒れた。
「なん、で……」
ガイは自身の手に握られた骨刀を凝視し、困惑している。
氷室は床に倒れたまま動かない。床には氷室の血が広がっていく。
すると、ガイの頭上から高田の声が聞こえてきた。
「言ったよね?個体差あるからタレント発現している私は少ないって。」
「ッ⁈」
その時、ガイは近くにあったモニターのガラスに写った自分の頭部を見た。
「少ないだけで、タレントを発現している私は確実にいるんだよ。確実に。ココに1人。」
なんと、先程殺したはずのキノコ姿の高田がガイの頭から生えていたのだ。
「んなぁッ⁈」
ガイは驚きの余り、声が出た。対して、高田は余裕そうにニヤニヤと話を続けた。
「頭に生えるからキミの脊髄に針は刺せない。けど…」
次の瞬間、ガイの意思とは無関係にガイの体は歩き始めた。
「これなら、キミの体を自由に操る事ができる。」
ガイは研究所の奥へと歩いている。
「私のタレント…いや、この場合ダブルタレントだな。『キノコの国のお姫様』。私の胞子を吸った生物に寄生し、宿主の体を自在に操る能力だ。」
ガイは体を止めようとするが、全く言う事を聞かない。
「無駄だよ。この体の主導権は私が握っているんだ。」
ガイは抵抗は無駄である事を察し、高田への質問に切り替えた。
「どこへ向かってるんだ…?」
「海洋生物の実験体が保管されているプールさ。このすぐ近くにあってね。そこにはサメの私がいる。そいつらに私ごとキミを食わせようと思う。」
「なッ⁈」
それを聞いたガイは驚嘆した。
「ハンディーキャッパーの実験体を失うのは惜しいが、キミは危険だ。殺すに越した事はない。あぁ。私への心配は無用だ。キミを食った奴らに寄生すればいいからね。」
ガイは危機感故、冷や汗をかいていた。
「(まずい…どうすれば…)」
ガイはどこか体の自由が効く部分を探した。
「(思考はできる…視覚、嗅覚、聴覚どれも問題はない。PSIも纏える。息は…)」
ガイは息を止めようとした。しかし、何故かガイの意思とは無関係に呼吸をおこなっていた。
「(呼吸が操作されている…って事は、宿主の呼吸は寄生側にとっても重要。もしかしたら、コイツ、宿主からの酸素供給でしか酸素を取り入れられないのか…?)」
ガイの予想はおおよそ当たっていた。キノコ高田は寄生時に限って、自らで酸素や栄養素を取り入れる事ができない。それ故、寄生時に宿主が死ねば、キノコ高田も死ぬ。
その時、ガイの中で作戦が決まった。
「(一か八か…やるしかない…)」
ガイと氷室はバケモノ達を操る植物、高田を破壊した。
「コレで本当にいいのか?」
「えぇ。高田を倒せば、もうバケモノ達は動かないはずです。なんか呆気なかったですね。」
氷室は破壊された高田を見た。
「おかしい…」
氷室はそう呟くと、辺りを見渡し始めた。
「高田はバケモノだけじゃなく、この研究所そのもののシステムを管理する役割があるんです。高田を破壊した今、この研究所に明かりがついているのはおかしい…」
ガイは破壊された高田のツタに触れた。
「まだ生きてるのか?」
「いや、それは無いと思います。これだけ粉々に破壊したんですから。」
「じゃあどうして…?」
氷室は考え込んだ。
「…もしかして、高田以外の他にも、この研究所の制御を任された人がいるのかも…」
そこへ、1匹のバケモノが部屋に入ってきた。
「お帰り氷室くん。」
ガイと氷室は振り返った。そこには、体長50cm程の二足歩行の人面キノコが立っていた。
「誰…?」
氷室はそのキノコのバケモノに心当たりが無いようだ。
「今、自由に動けるということは、どうやら私のタレントを解除したみたいだね。」
その発言を聞き、氷室はそれが何者かを悟った。
「高田…⁈」
「『さん』ぐらいはつけて欲しいな。一応、年上なんだから。」
氷室は困惑している。同様に、ガイも現状が理解できていないようだ。
「一体どういう事だ…?」
その時、高田を名乗るキノコのバケモノは歩き始め、ガイ達に破壊された植物の高田に触れた。
「私、高田晶は館林の助手だった。私達はハンディーキャッパーについて研究をしていたんだ。何故、ハンディーキャッパーなんてものが存在するのか。PSIとは一体何なのか。この研究課題はハンディーキャッパーである我々に課せられた使命だと思った。」
その時、高田は植物のツタを強く握った。
「けどね、研究にも色々とお金がかかるんだよ。面倒だよね。世の中、金が無ければ夢さえ叶えられないんだから。」
高田はツタを離し、ガイ達の方を向いた。
「ちょうどそんな時、私達はあの有名な指定暴力団、白鳥組に出会った。館林の知り合いが白鳥組幹部って事もあってね、事は上手く運んだよ。研究費用も、こんな立派な研究所も建ててもらった。」
高田は床に座り込んだ。
「けどね、私はあまり乗り気じゃなかったんだ。いくら金銭的に余裕が出るからって、あの白鳥組と手を組むなんてさ。」
その時、高田はガイ達に破壊された植物コンピュータを手の平で差した。
「それで、館林に反論したらこのザマさ。私はバケモノへと改造された。動けないように、植物の姿にね。」
すると、高田は手の平を上に向け、やれやれといった感じのポーズをとった。
「ジ・エンドさ。この先、私は一生館林の道具として使われ続ける人生しか送れない。本当にどうする事も出来なかったんだ。植物だからね。」
すると、高田はニヤリと微笑んだ。
「だから託したんだよ。後世の私達に。」
その時、メイン制御室の出入り口から大勢のバケモノ達が入ってきた。
「「ッ⁈」」
ガイと氷室はそれらに気づき、警戒した。
一方、高田は床から立ち上がり、話を続けた。
「私のタレントは『支配プログラム挿入』。他者の脊髄に私のPSIを直接送り込む事で、私の意のままに対象を操る能力。そして、私が実験体共に送り込んだ命令は『私になれ』だ。今日この時、館林がバケモノを一斉解放する時期を見計らって、我々は高田晶に生まれ変わったのだ!」
その時、キノコ姿の高田を含め、背後にいたバケモノ達をPSIを纏い始めた。
「コイツら、全員ハンディーキャッパーか⁈」
「そ、そんなはずは…!館林のお気に入りの僕と竹本以外にハンディーキャッパーなんて…⁈」
困惑するガイと氷室。それに対して、キノコ姿の高田は余裕そうに話した。
「言っただろう。オリジナルの私から送られた命令は『私になれ』だ。脊髄から送り込まれた私自身のPSIを利用すれば、我々は全員、ハンディーキャッパーになれる。まぁ、実験体による個体差はあるから、タレントはまだ発現している私は少ないだろうな。」
キノコ姿の高田はPSIを纏ったまま、ガイ達に近づいてきた。
「私達の目的はただ一つ。この世界を私の世界にする。そして、私だけになった世界で、私はこの世界の謎を究明する。」
その時、高田達は体から針のようなものを突起させた。
「さぁ。キミ達も大人しく…」
次の瞬間、高田達は一斉に声を上げた。
「「「私になれ。」」」
すると、高田達はガイと氷室に襲いかかってきた。おそらく、体から突起した針で脊髄にPSIを送り込むつもりであろう。
「『現代のオーパーツ』!!!」
氷室はPSIを肉に、そして、それを骨に変化させ、刀のように整形し、ガイに手渡した。
ガイは自身の肉体と骨刀にPSIを纏い、バケモノ達を斬り殺していく。同様に、氷室も骨刀をもう1本生成し、バケモノ達を斬り殺していった。
「(コイツら、弱い…)」
ガイはふとそう思った。
このバケモノ達は本来、ハンディーキャッパーではなかった。それ故、高田として目覚めてまだ間も無いため、PSIも成長しておらず、攻撃力や防御力はほとんど強化されていなかったのだ。PSIを纏っているだけ。要するに、見掛け倒しだ。
さらに氷室からもらった骨刀は耐久性・切れ味が凄まじく、昆虫や甲殻類の殻ですら、PSIを纏って仕舞えば一太刀で両断できる。
数分後、ガイと氷室はキノコ姿の高田以外を葬った。
「な、なんて奴ら…」
キノコの高田がガイ達の強さに驚愕していた次の瞬間、ガイは容赦なくそのキノコ高田を斬り殺した。
「これからどうします⁈ガイさん!」
氷室は慌てた様子でガイに話しかけた。
「村に向かったバケモノ共も、きっと高田に変わってるはずだ。おそらく、奴らは村人にタレントを使い、次々と自分達を増やそうとするだろう。」
それを聞いた氷室は尚焦った。
「ヤバいじゃないですか⁈」
「あぁ。このままじゃ、本当の意味でのバイオハザードになりかねない。奴らのPSIが未熟な今がチャンスだ。この村で感染を止める。」
ガイは奥の通路を指差した。
「氷室は村に行け。俺はココに残ったバケモノ共を…」
その時、ガイは氷室の心臓に骨刀を突き刺した。
「「えっ…」」
氷室は大量の血を流し、床に倒れた。
「なん、で……」
ガイは自身の手に握られた骨刀を凝視し、困惑している。
氷室は床に倒れたまま動かない。床には氷室の血が広がっていく。
すると、ガイの頭上から高田の声が聞こえてきた。
「言ったよね?個体差あるからタレント発現している私は少ないって。」
「ッ⁈」
その時、ガイは近くにあったモニターのガラスに写った自分の頭部を見た。
「少ないだけで、タレントを発現している私は確実にいるんだよ。確実に。ココに1人。」
なんと、先程殺したはずのキノコ姿の高田がガイの頭から生えていたのだ。
「んなぁッ⁈」
ガイは驚きの余り、声が出た。対して、高田は余裕そうにニヤニヤと話を続けた。
「頭に生えるからキミの脊髄に針は刺せない。けど…」
次の瞬間、ガイの意思とは無関係にガイの体は歩き始めた。
「これなら、キミの体を自由に操る事ができる。」
ガイは研究所の奥へと歩いている。
「私のタレント…いや、この場合ダブルタレントだな。『キノコの国のお姫様』。私の胞子を吸った生物に寄生し、宿主の体を自在に操る能力だ。」
ガイは体を止めようとするが、全く言う事を聞かない。
「無駄だよ。この体の主導権は私が握っているんだ。」
ガイは抵抗は無駄である事を察し、高田への質問に切り替えた。
「どこへ向かってるんだ…?」
「海洋生物の実験体が保管されているプールさ。このすぐ近くにあってね。そこにはサメの私がいる。そいつらに私ごとキミを食わせようと思う。」
「なッ⁈」
それを聞いたガイは驚嘆した。
「ハンディーキャッパーの実験体を失うのは惜しいが、キミは危険だ。殺すに越した事はない。あぁ。私への心配は無用だ。キミを食った奴らに寄生すればいいからね。」
ガイは危機感故、冷や汗をかいていた。
「(まずい…どうすれば…)」
ガイはどこか体の自由が効く部分を探した。
「(思考はできる…視覚、嗅覚、聴覚どれも問題はない。PSIも纏える。息は…)」
ガイは息を止めようとした。しかし、何故かガイの意思とは無関係に呼吸をおこなっていた。
「(呼吸が操作されている…って事は、宿主の呼吸は寄生側にとっても重要。もしかしたら、コイツ、宿主からの酸素供給でしか酸素を取り入れられないのか…?)」
ガイの予想はおおよそ当たっていた。キノコ高田は寄生時に限って、自らで酸素や栄養素を取り入れる事ができない。それ故、寄生時に宿主が死ねば、キノコ高田も死ぬ。
その時、ガイの中で作戦が決まった。
「(一か八か…やるしかない…)」
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