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第2章『ガイ-過去編-』
第46障『かむんとフニャンフニャン』
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【12月4日、13:10、戸楽市第一中学校、校舎裏にて…】
本田を倒したガイは、武夫の体に乗り移った涼子に手を貸している。
「ありがとう。」
武夫はガイの手を掴み、立ち上がった。
「俺の方こそ助かった。ありがとう。それと、広瀬にも…」
その時、学校の塀の上に猫の姿のヤブ助が現れた。
「あっさり終わったな。」
ガイと涼子はそれに気づいた。
「居たのか。」
「当たり前だろ。万が一って事もある。その時は俺も…」
「親父の命令に逆らうつもりだったのか?根性あるな、お前。」
「だが、そうはならなくてホッとした。」
ガイは本田と戦う前、障坂邸に寄って、ヤブ助や十谷から事情を聞いていた。本田がガイの体で生活している事も、1対1の事も。
その時、ガイ達の元へ広瀬がやってきた。
「勝ったんだねガイ君!」
広瀬は安堵した表情でガイに近づいてきた。どうやら、ヤブ助同様、物陰からこっそり見ていたようだ。
「これでようやく、兄さんの仇が取れた…」
広瀬の兄、広瀬先生は殺人容疑で逮捕されている。
「先生は…?」
まだその事を知らないガイは広瀬に尋ねた。
すると、広瀬は浮かない表情で答えた。
「兄さんは逮捕されたよ。警察には、本田がやったなんてわからないから。」
そう。世間にはわからない。広瀬先生は被害者で、本当の犯人は別にいると。しかし、それを証明する事などできない。
「それに、実は兄さん、まだ意識ないんだ。本田が居た影響だよ。」
本田は体の主導権を奪う為、体の持ち主の魂をじわじわと蝕んでいた。具体的にどうやっていたのかはわからない。しかし、そのせいで広瀬先生が目を覚さないのは事実。
「私が何とかする。」
すると、武夫が提案を始めた。
「私が陸くんの中に入って、陸くんを目覚めさせる。いつになるかわからないけど、きっと、目覚めさせてみせる。」
「涼子…」
涼子の覚悟に、広瀬は心から感謝している。
「ありがとう、涼子。キミには世話になってばかりだ。何か一つでも、キミに返せるといいんだけど…」
「気にしないでよ。私も、陸くんを助けたかっただけだし。むしろ体を貸してくれてありがとう、鈴也。」
涼子は笑顔でそう答えた。広瀬に気を遣わせない為の方便であり、かつ、心からの言葉だった。
その時、ヤブ助はガイに話しかけた。
「あの体…佐藤武夫の体はどうする?」
そう。佐藤武夫の魂は消えかかっていた。死を望み、生命活動さえ持続させるのも困難な状況にある。涼子が広瀬先生の体に行った後、武夫の肉体はどうなるのか。
おそらくは植物人間状態。話に聞く、広瀬先生と同じような状態になるであろう。
「…親父に頼んでみる。」
それが1番の選択。佐藤武夫は、一度はガイが依り代とした肉体。全くの無関係ではない。それ故、武夫の意識を呼び起こす為に手を貸してくれるかもしれない。
「親父なら、何とかできる…かもしれない…」
そう。あくまでも『かもしれない』だ。もし、できなかった場合、ガイは彼女に、武夫の母に何と言えばいいのか。
その時、校舎の2階の窓から山口と白マロがガイ達に話しかけてきた。
「おーい!お前らー!そんな所で何やってんだよー!」
全く場の空気を読まない山口に、ガイは眉を顰めた。まぁ、現状を知らない山口に察しろという方が無理な話である。
「早よ来いよー!」
山口はガイ達に手を振った。それに続け、白マロも叫んだ。
「おい!ヤブ助!見ろ!煮干しアイスだぞ!」
白マロの右手には煮干しアイスが握られていた。2-1のトリッキーアイス店で買ったものであろう。
「アイツら…」
飼い主とペットは似るというが、白マロがどんどん山口に似てきたと思うガイであった。
その時、ヤブ助はガイに言った。
「行ってきたらどうだ?」
「いや、でも…」
ガイはやはり、武夫やその家族が気掛かりだった。とても、文化祭を楽しめる余裕はない。
しかし、ヤブ助はガイに語りかける。
「一先ず、戦いは終わったんだ。お前も今まで疲れただろ。今日ぐらい楽しんでも良いと思うがな。」
そして、ヤブ助は広瀬と涼子の方を向き、言った。
「お前らもだ。責任やら使命やら、そんなもん、ガキが深く考える必要はない。」
すると、ヤブ助は身軽に学校の塀へ登った。
そんなヤブ助にガイは尋ねた。
「どこ行くんだ?」
「俺は屋敷に戻って仕事だ。お前らガキと違ってな。」
ヤブ助は去っていった。
それと同時に、2階の窓から身を乗り出す山口は叫んだ。
「何してんだよー!早く上がって来いって!」
山口の方を見た後、ガイは広瀬に言った。
「行こっか。」
広瀬はそれを見て驚いた。
「う、うん…」
広瀬は何に驚いたのか。それはガイの笑顔だ。
広瀬の中では、ガイは完璧で、決して子供のような振る舞いはしない。小学生の頃からそうだった。
しかし、先程浮かべたガイの無邪気な笑顔。それはまるで、悪意を持たない純粋無垢な小さな子供のようだった。
「(ガイ君…キミは変わったよ。)」
あと一歩、友好関係に近づけなかった広瀬にとって、その変化は嬉しかった。しかし、この変化こそ、ガイにとっては、これからの地獄を味わわせる事となる。
【校舎内、廊下にて…】
ガイ,広瀬,武夫,山口,白マロが話をしながら歩いている。
「なぁ!ガイ!どんな風にボコボコにする⁈」
「何の話?」
「西川だよ!約束したじゃねぇか!」
「(本田の奴…変な約束しやがって…)」
その時、山口は武夫の姿に気づいた。
「誰だおめー?」
「今更?」
広瀬は山口にツッコんだ。その後、涼子は答えた。
「佐藤健。」
「違う。」
今度はガイが涼子にツッコんだ。
「好きな食べ物はビーフストロガノフです!」
「(それは知らん。)」
ガイは心の中でツッコんだ。実はビーフストロガノフは涼子の大好物である。
その後、ガイ達は文化祭を楽しんだ。
【夜、障坂邸、父親の書斎にて…】
椅子に座り作業をする父親。机を挟んでその前方にはガイが立っている。
「どういう事だ親父…!」
ガイは眉を顰め、父親にとある所以を問いただしていた。
「何故、武夫の体を家に返さない…!障坂で管理するってどういう事だ!」
涼子が武夫の体から出ていった後、ガイは武夫の体を障坂邸に持ち帰った。十谷に車で佐藤家まで運んでもらう為に。
しかし、父親の介入により、それは阻害された。
「佐藤武夫はもう俺達には関係ないだろ!何で障坂専属の病院に入院させるんだ!」
怒るガイ。そんなガイに対して、父親かつ障坂家当主である巌は作業をしながら片手間に答えた。
「お前にはまだ理解できん事だ。」
それを聞き、ガイは更に怒りを露わにした。
「じゃあ、いつ…!本田を放って置いた事も、使用人に手出しさせなかった事も…!いつ理解できるようになるんだ!」
その時、巌は徐に椅子から立ち上がった。
「1年以内だ。」
巌はガイに近づいてきた。
「ッ…」
ガイは父親のあまりの圧迫感に言葉を詰まらせ、数歩たじろいだ。
「1年以内…?」
その期間の理由が知りたかったガイは、父親のその言葉を復唱した。
しかし、巌はそれを気にも留めず、話し出した。
「近々、ハンディーキャッパーを集った会合がある。お前はそれに参加しろ。」
「は…?」
急に話が変わり、ガイは困惑の声を上げた。
「なんで…俺が…」
「理由が知りたいのならな。」
すると、巌は部屋の出入り口の方へと歩き出した。
巌がドアノブに手をかけたその時、巌はガイの方を振り返らずに言った。
「日時・場所・参加条件は自分で調べろ。」
巌は部屋を出た。
「何なんだ、アイツ…」
ガイには訳がわからなかった。何故、その会合とやらに自分を誘うのか。誘っておいて、何故、場所や日時を知らせないのか。
きっとそれには意図があった。ガイもそれは理解していた。しかし、わからない。父親が言った『1年以内』という言葉も。
「ハンディーキャッパーの集い、か…」
父親の命令には従いたくなかった。しかし、ハンディーキャッパーという興味を惹かれる単語に、ガイは命令に従わざるを得なかった。
「うッ…!」
その時、突発的な頭痛が発生し、ガイは頭を抑え、床に膝をついた。
「(何だコレ…こんなの、今まで…)」
ガイは意識を失い、その場に倒れ込んだ。
本田を倒したガイは、武夫の体に乗り移った涼子に手を貸している。
「ありがとう。」
武夫はガイの手を掴み、立ち上がった。
「俺の方こそ助かった。ありがとう。それと、広瀬にも…」
その時、学校の塀の上に猫の姿のヤブ助が現れた。
「あっさり終わったな。」
ガイと涼子はそれに気づいた。
「居たのか。」
「当たり前だろ。万が一って事もある。その時は俺も…」
「親父の命令に逆らうつもりだったのか?根性あるな、お前。」
「だが、そうはならなくてホッとした。」
ガイは本田と戦う前、障坂邸に寄って、ヤブ助や十谷から事情を聞いていた。本田がガイの体で生活している事も、1対1の事も。
その時、ガイ達の元へ広瀬がやってきた。
「勝ったんだねガイ君!」
広瀬は安堵した表情でガイに近づいてきた。どうやら、ヤブ助同様、物陰からこっそり見ていたようだ。
「これでようやく、兄さんの仇が取れた…」
広瀬の兄、広瀬先生は殺人容疑で逮捕されている。
「先生は…?」
まだその事を知らないガイは広瀬に尋ねた。
すると、広瀬は浮かない表情で答えた。
「兄さんは逮捕されたよ。警察には、本田がやったなんてわからないから。」
そう。世間にはわからない。広瀬先生は被害者で、本当の犯人は別にいると。しかし、それを証明する事などできない。
「それに、実は兄さん、まだ意識ないんだ。本田が居た影響だよ。」
本田は体の主導権を奪う為、体の持ち主の魂をじわじわと蝕んでいた。具体的にどうやっていたのかはわからない。しかし、そのせいで広瀬先生が目を覚さないのは事実。
「私が何とかする。」
すると、武夫が提案を始めた。
「私が陸くんの中に入って、陸くんを目覚めさせる。いつになるかわからないけど、きっと、目覚めさせてみせる。」
「涼子…」
涼子の覚悟に、広瀬は心から感謝している。
「ありがとう、涼子。キミには世話になってばかりだ。何か一つでも、キミに返せるといいんだけど…」
「気にしないでよ。私も、陸くんを助けたかっただけだし。むしろ体を貸してくれてありがとう、鈴也。」
涼子は笑顔でそう答えた。広瀬に気を遣わせない為の方便であり、かつ、心からの言葉だった。
その時、ヤブ助はガイに話しかけた。
「あの体…佐藤武夫の体はどうする?」
そう。佐藤武夫の魂は消えかかっていた。死を望み、生命活動さえ持続させるのも困難な状況にある。涼子が広瀬先生の体に行った後、武夫の肉体はどうなるのか。
おそらくは植物人間状態。話に聞く、広瀬先生と同じような状態になるであろう。
「…親父に頼んでみる。」
それが1番の選択。佐藤武夫は、一度はガイが依り代とした肉体。全くの無関係ではない。それ故、武夫の意識を呼び起こす為に手を貸してくれるかもしれない。
「親父なら、何とかできる…かもしれない…」
そう。あくまでも『かもしれない』だ。もし、できなかった場合、ガイは彼女に、武夫の母に何と言えばいいのか。
その時、校舎の2階の窓から山口と白マロがガイ達に話しかけてきた。
「おーい!お前らー!そんな所で何やってんだよー!」
全く場の空気を読まない山口に、ガイは眉を顰めた。まぁ、現状を知らない山口に察しろという方が無理な話である。
「早よ来いよー!」
山口はガイ達に手を振った。それに続け、白マロも叫んだ。
「おい!ヤブ助!見ろ!煮干しアイスだぞ!」
白マロの右手には煮干しアイスが握られていた。2-1のトリッキーアイス店で買ったものであろう。
「アイツら…」
飼い主とペットは似るというが、白マロがどんどん山口に似てきたと思うガイであった。
その時、ヤブ助はガイに言った。
「行ってきたらどうだ?」
「いや、でも…」
ガイはやはり、武夫やその家族が気掛かりだった。とても、文化祭を楽しめる余裕はない。
しかし、ヤブ助はガイに語りかける。
「一先ず、戦いは終わったんだ。お前も今まで疲れただろ。今日ぐらい楽しんでも良いと思うがな。」
そして、ヤブ助は広瀬と涼子の方を向き、言った。
「お前らもだ。責任やら使命やら、そんなもん、ガキが深く考える必要はない。」
すると、ヤブ助は身軽に学校の塀へ登った。
そんなヤブ助にガイは尋ねた。
「どこ行くんだ?」
「俺は屋敷に戻って仕事だ。お前らガキと違ってな。」
ヤブ助は去っていった。
それと同時に、2階の窓から身を乗り出す山口は叫んだ。
「何してんだよー!早く上がって来いって!」
山口の方を見た後、ガイは広瀬に言った。
「行こっか。」
広瀬はそれを見て驚いた。
「う、うん…」
広瀬は何に驚いたのか。それはガイの笑顔だ。
広瀬の中では、ガイは完璧で、決して子供のような振る舞いはしない。小学生の頃からそうだった。
しかし、先程浮かべたガイの無邪気な笑顔。それはまるで、悪意を持たない純粋無垢な小さな子供のようだった。
「(ガイ君…キミは変わったよ。)」
あと一歩、友好関係に近づけなかった広瀬にとって、その変化は嬉しかった。しかし、この変化こそ、ガイにとっては、これからの地獄を味わわせる事となる。
【校舎内、廊下にて…】
ガイ,広瀬,武夫,山口,白マロが話をしながら歩いている。
「なぁ!ガイ!どんな風にボコボコにする⁈」
「何の話?」
「西川だよ!約束したじゃねぇか!」
「(本田の奴…変な約束しやがって…)」
その時、山口は武夫の姿に気づいた。
「誰だおめー?」
「今更?」
広瀬は山口にツッコんだ。その後、涼子は答えた。
「佐藤健。」
「違う。」
今度はガイが涼子にツッコんだ。
「好きな食べ物はビーフストロガノフです!」
「(それは知らん。)」
ガイは心の中でツッコんだ。実はビーフストロガノフは涼子の大好物である。
その後、ガイ達は文化祭を楽しんだ。
【夜、障坂邸、父親の書斎にて…】
椅子に座り作業をする父親。机を挟んでその前方にはガイが立っている。
「どういう事だ親父…!」
ガイは眉を顰め、父親にとある所以を問いただしていた。
「何故、武夫の体を家に返さない…!障坂で管理するってどういう事だ!」
涼子が武夫の体から出ていった後、ガイは武夫の体を障坂邸に持ち帰った。十谷に車で佐藤家まで運んでもらう為に。
しかし、父親の介入により、それは阻害された。
「佐藤武夫はもう俺達には関係ないだろ!何で障坂専属の病院に入院させるんだ!」
怒るガイ。そんなガイに対して、父親かつ障坂家当主である巌は作業をしながら片手間に答えた。
「お前にはまだ理解できん事だ。」
それを聞き、ガイは更に怒りを露わにした。
「じゃあ、いつ…!本田を放って置いた事も、使用人に手出しさせなかった事も…!いつ理解できるようになるんだ!」
その時、巌は徐に椅子から立ち上がった。
「1年以内だ。」
巌はガイに近づいてきた。
「ッ…」
ガイは父親のあまりの圧迫感に言葉を詰まらせ、数歩たじろいだ。
「1年以内…?」
その期間の理由が知りたかったガイは、父親のその言葉を復唱した。
しかし、巌はそれを気にも留めず、話し出した。
「近々、ハンディーキャッパーを集った会合がある。お前はそれに参加しろ。」
「は…?」
急に話が変わり、ガイは困惑の声を上げた。
「なんで…俺が…」
「理由が知りたいのならな。」
すると、巌は部屋の出入り口の方へと歩き出した。
巌がドアノブに手をかけたその時、巌はガイの方を振り返らずに言った。
「日時・場所・参加条件は自分で調べろ。」
巌は部屋を出た。
「何なんだ、アイツ…」
ガイには訳がわからなかった。何故、その会合とやらに自分を誘うのか。誘っておいて、何故、場所や日時を知らせないのか。
きっとそれには意図があった。ガイもそれは理解していた。しかし、わからない。父親が言った『1年以内』という言葉も。
「ハンディーキャッパーの集い、か…」
父親の命令には従いたくなかった。しかし、ハンディーキャッパーという興味を惹かれる単語に、ガイは命令に従わざるを得なかった。
「うッ…!」
その時、突発的な頭痛が発生し、ガイは頭を抑え、床に膝をついた。
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