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第2章『ガイ-過去編-』
第50障『蜂の巣にしてやる』
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【12月7日、17:55、三曽我町、猪頭愛児園、庭にて…】
精神的にダメージを受けたガイ,勉,将利が地面に倒れている。そんな3人に対し、友那は命令する。
「立て!てめーら!バトルするぞ!」
3人はのろのろと立ち上がった。
ガイは服についた土や草を払い落としながら、3人を見て思考した。
「(くそぅ…予想外の心的ダメージを喰らってしまった…このガキ共の目的は何なんだ…)」
ガイは3人、特にしっかりしてそうな勉に向けて話しかけた。
「お前達の目的は何だ。何故、俺と戦おうとする。」
すると、それを答えたのは勉ではなく、友那だった。
「おもしれーからに決まってんだろ!」
「は…?」
ガイは訳がわからないといった顔をした。面白いから戦う。それはつまり、特に理由は無いという事。実際、3人には戦う理由などなかった。
次の瞬間、将利が肉体にPSIを纏い、ガイに襲いかかってきた。
「お喋りは無用!拳で語り合うぜぇぇえ!!!」
将利はガイに何度も何度も拳を放った。ガイはそれを両腕でガードしている。
しかし、将利のPSIは思いの外多く、ガイの腕に徐々にダメージを蓄積していく。ガイもそれに気づいていた。
「(速い…それに力強い…!筋力じゃない…肉体に纏えるPSIの最大量が多いからだ…!)」
ガイは後ろに下がって距離を取ろうとしたその時、友那はニヤリと微笑んだ。
「ナイスだよ将利…!」
友那はガイに指を刺した。次に、友那は自分の背後、施設の建物に向けて指を刺した。
「(何をしているんだ…)」
疑問に思ったガイだったが、これ以上、将利の拳を喰らうのはまずい為、背後へ飛んだ。
「んなぁ⁈」
次の瞬間、背後へ飛んだはずのガイの体が、なんと前方へと方向が変わった。
その変化に対応できなかったガイは、顔面に将利の拳が直撃してしまった。
「ぬがッ…!!!」
ガイは後方に倒れた。
「(なんだ⁈何が起こった⁈)」
思考するガイ。しかし、将利は容赦なく倒れたガイに殴りかかってきた。
「蜂の巣にしてやるぜぇぇえ!!!」
ガイは側方に飛び、将利の拳をギリギリで回避した。将利の拳は地面にめり込んでいた。
その時、ガイは自分の腕に何かが貼り付けられている事に気がついた。
「(シール…?)」
それは円形のシールのようなもので、シールには黒い矢印が描かれていた。
「(もしかして…)」
ガイはこのシールが敵の、友那のタレントである事に気がついた。さらに、その効果まで。しかし、ガイはそのシールを外さなかった。何故か。
その時、将利は再びガイに殴りかかってきた。ガイはそれを後方に飛び、回避しようとした。
次の瞬間、友那が何も無い所に指を刺した。すると、ガイは後方へ飛んだはずなのに前方へと飛んでいた。
「喰らえいッ!!!」
将利は前方に飛んできたガイに拳を放った。
「ッ…!」
しかし、ガイはそれを読んでいたかの如く、将利の拳を受け止めた。
そして、ガイは腕に貼られたシールの矢印が赤く光っている事を確認した。
「(なるほどな。理解した。)」
その時、ガイは腕に貼られたシールを剥がし、地面に投げ捨てた。それと同時に、将利はガイから離れ、友那に近づいた。
「友那ちゃん!シール剥がされた!新しいのちょうだい!」
「おう!『あっちむいてほい』!!!」
説明しよう!
友那のタレントは『あっちむいてほい』。PSIで創造したシールを貼った対象の移動方向を操作する能力である。
操作といっても自由自在に向きを変えられる訳ではなく、指を刺した方向に直線的にしか操る事ができない。また、操作できるのはあくまで移動方向のみで、静止している物体には効果は無い。だから、友那はガイが回避で自ら移動した時にしかタレントを使わなかった、いや、使えなかったのだ。
タイプ:操作型
友那が矢印シールを将利に渡そうとしたその時、勉がそれを止めた。
「無駄です。友那ちゃんのタレントは、一度バレれば相手には通用しない。剥がされれば終わり。PSIを無駄にするだけです。」
「じゃあどーすんだよ!」
「そうだそうだ!」
友那と将利は怒鳴るように勉に作戦を尋ねた。
「戦闘プランBでいきます。」
それを聞き、友那と将利は真剣な表情で頷いた。
その時、勉はガイの方を見た。ガイは手に持った何かを眺めている。
「(何を見ているんだ…?)」
勉はガイが手に持っている物が気になった。しかし、少し距離がある為、それは見えなかった。
その時、将利はその場でジャンプした。
すると次の瞬間、将利の体は地面から浮遊し、ガイに向かって飛んできた。
「(そんな使い方もあるのか…)」
ガイは観察している。将利の額には友那の矢印シールが貼られていた。
将利がジャンプしたのは、落下速度を利用する為。その落下方向を友那のタレントで前方に変化させる事で、水平前方向きに落下するという非物理的な浮遊を成し得ているのだ。
「蜂の巣にしてやんぜぇぇえ!!!」
将利はどんどん速度を増し、ガイの方へ向かってくる。しかし、先程も述べたように、友那のタレントでは直線的にしか方向を変える事が出来ない。真っ直ぐに飛んでくるだけの攻撃なら、いかに重力の終端速度であろうとも、ガイならかわす事は造作もない。
ガイがタイミングよく拳を振りかぶろうとしたその時、将利は叫んだ。
「だるまさんがころんだッ!!!」
「ッ…!」
すると、ガイの体は硬直した。
説明しよう!
将利のタレントは『だるまさんがころんだ』。敵の動きを拘束する能力である。
拘束条件は、対象を直視し『だるまさんがころんだ』と発言する事。効力はタレント使用者の視界から対象が居なくなる事。瞬きなどで目を閉じたりしてもタレントは解除される。
タイプ:支配型
将利の拳がガイの顔面に直撃する。このスピードで殴られれば、ガイは間違いなく脳震盪を起こし、致命傷は避けられない。
次の瞬間、将利の右拳がガイの頬に当たる。拳はそのままの勢いでガイの頬を伝い、体を後方へと押し出す。はずだった。
その時、なんとガイの体は側方へと倒れ込んだ。それにより、ガイは本来受けるであろうダメージの半分程を軽減した。
「なにぃ⁈」
将利は驚嘆した。そして、ガイの手の平に握られているものを見た。
「(アレは…友那ちゃんのシール…⁈)」
ガイの手には『あっちむいてほい』の矢印シールが握られていたのだ。しかし、それは友那の作ったものではない。
そう。ガイが『模倣』で作り出し、ガイが作ったシールなのだ。ガイは友那の『あっちむいてほい』をコピーしていた。そしてシールを手の平に貼り、将利に殴り倒される速度を利用して、自身を操り、拳のダメージを側方へと受け流したのだ。
ガイが将利の視界から外れた事で、将利のタレントは解除され、ガイの拘束は解けた。
そして次の瞬間、ガイは将利の足を掴み、地面に叩きつけた。
「ぐぁあッ!!!」
ガイは将利をうつ伏せに倒し、右手で将利の首を、左手で将利の左腕を掴み、右足で将利の右腕を踏み押さえた。コレで将利は身動きできないし、なおかつ下を向いている為、タレントも使えない。
そして、ガイは友那と勉に話しかけた。
「降参しろ。そしてココの管理者、猪頭を呼べ。さもないと、コイツの首を…」
次の瞬間、友那は話も聞かずにガイに襲いかかってきた。
「将利を離せぇぇえ!!!」
猪突猛進する友那に、勉は驚嘆した。
「ちょっと友那ちゃん⁈」
その時、ガイは友那の方を向いて叫んだ。
「だるまさんがころんだッ!!!」
すると、友那の体は硬直した。
ガイは将利のタレントが敵の動きを止める能力である事、発動条件が『だるまさんがころんだ』と発言する事、そして、将利の視野から外れた瞬間、体の硬直が解除された事を考慮するに、もう一つのタレント発動条件が敵を直視する事だと気づいていた。
そして、ガイは将利の『だるまさんがころんだ』をコピーして、友那の動きを止めたのだ。
「(コレは将利くんの…⁈)」
勉はそれを見て驚いている。そして、勉はガイのタレントに気がついた。
「(まさか、あの人のタレントは…)」
その時、勉は白旗を上げた。
「降参します。僕たちの負けです。」
「「はぁぁぁぁぁぁあ⁈」」
それを聞いた友那と将利は「なにお前の一存で決めとんねん!」という顔をした。
そんな2人に勉は説明をする。
「その方のタレントはコピー。おそらくは、敵のタレントが判明するまでコピーできないといった類でしょう。そうでなければ、初めから僕らのタレントを使っていたはずですから。」
勉は賢い。ガイのタレントがコピー能力と気づいただけでなく、『模倣』の発動条件にも気づいてきたのだ。
勉は説明を続ける。
「しかし彼は今、友那ちゃんと将利くんのタレントに気づいてしまった。コレ以上戦闘を続けて、もし僕のタレントに気づかれてしまった場合、この園全体に危険が及ぶ可能性があります。それだけは避けなければなりません。ついでに、将利くんも人質に取られてますし。」
「ついでかよ!」
将利はツッコんだ。
しかし、勉の言う通りだ。勉のタレントは物語に条件設定を追加する能力。ガイがコレをコピーしてしまったら、何をしでかすかわからない。勉はそれを恐れていたのだ。
その時、ガイは背後から何者かの気配、PSIを感じた。
「⁈」
ガイは振り返った。
「さすが勉だよ。コレで素行さえ良ければね。」
そこには、妙に大人びた雰囲気の少女が立っていた。容姿からして、小学校高学年ぐらいか。
ガイはその少女に質問した。
「誰だお前…」
敵意を向けるガイ。しかし、少女はそれを意に求めずに笑顔で答えた。
「ようこそ!私の園へ!私はこの園の先生、猪頭秀吉です!」
精神的にダメージを受けたガイ,勉,将利が地面に倒れている。そんな3人に対し、友那は命令する。
「立て!てめーら!バトルするぞ!」
3人はのろのろと立ち上がった。
ガイは服についた土や草を払い落としながら、3人を見て思考した。
「(くそぅ…予想外の心的ダメージを喰らってしまった…このガキ共の目的は何なんだ…)」
ガイは3人、特にしっかりしてそうな勉に向けて話しかけた。
「お前達の目的は何だ。何故、俺と戦おうとする。」
すると、それを答えたのは勉ではなく、友那だった。
「おもしれーからに決まってんだろ!」
「は…?」
ガイは訳がわからないといった顔をした。面白いから戦う。それはつまり、特に理由は無いという事。実際、3人には戦う理由などなかった。
次の瞬間、将利が肉体にPSIを纏い、ガイに襲いかかってきた。
「お喋りは無用!拳で語り合うぜぇぇえ!!!」
将利はガイに何度も何度も拳を放った。ガイはそれを両腕でガードしている。
しかし、将利のPSIは思いの外多く、ガイの腕に徐々にダメージを蓄積していく。ガイもそれに気づいていた。
「(速い…それに力強い…!筋力じゃない…肉体に纏えるPSIの最大量が多いからだ…!)」
ガイは後ろに下がって距離を取ろうとしたその時、友那はニヤリと微笑んだ。
「ナイスだよ将利…!」
友那はガイに指を刺した。次に、友那は自分の背後、施設の建物に向けて指を刺した。
「(何をしているんだ…)」
疑問に思ったガイだったが、これ以上、将利の拳を喰らうのはまずい為、背後へ飛んだ。
「んなぁ⁈」
次の瞬間、背後へ飛んだはずのガイの体が、なんと前方へと方向が変わった。
その変化に対応できなかったガイは、顔面に将利の拳が直撃してしまった。
「ぬがッ…!!!」
ガイは後方に倒れた。
「(なんだ⁈何が起こった⁈)」
思考するガイ。しかし、将利は容赦なく倒れたガイに殴りかかってきた。
「蜂の巣にしてやるぜぇぇえ!!!」
ガイは側方に飛び、将利の拳をギリギリで回避した。将利の拳は地面にめり込んでいた。
その時、ガイは自分の腕に何かが貼り付けられている事に気がついた。
「(シール…?)」
それは円形のシールのようなもので、シールには黒い矢印が描かれていた。
「(もしかして…)」
ガイはこのシールが敵の、友那のタレントである事に気がついた。さらに、その効果まで。しかし、ガイはそのシールを外さなかった。何故か。
その時、将利は再びガイに殴りかかってきた。ガイはそれを後方に飛び、回避しようとした。
次の瞬間、友那が何も無い所に指を刺した。すると、ガイは後方へ飛んだはずなのに前方へと飛んでいた。
「喰らえいッ!!!」
将利は前方に飛んできたガイに拳を放った。
「ッ…!」
しかし、ガイはそれを読んでいたかの如く、将利の拳を受け止めた。
そして、ガイは腕に貼られたシールの矢印が赤く光っている事を確認した。
「(なるほどな。理解した。)」
その時、ガイは腕に貼られたシールを剥がし、地面に投げ捨てた。それと同時に、将利はガイから離れ、友那に近づいた。
「友那ちゃん!シール剥がされた!新しいのちょうだい!」
「おう!『あっちむいてほい』!!!」
説明しよう!
友那のタレントは『あっちむいてほい』。PSIで創造したシールを貼った対象の移動方向を操作する能力である。
操作といっても自由自在に向きを変えられる訳ではなく、指を刺した方向に直線的にしか操る事ができない。また、操作できるのはあくまで移動方向のみで、静止している物体には効果は無い。だから、友那はガイが回避で自ら移動した時にしかタレントを使わなかった、いや、使えなかったのだ。
タイプ:操作型
友那が矢印シールを将利に渡そうとしたその時、勉がそれを止めた。
「無駄です。友那ちゃんのタレントは、一度バレれば相手には通用しない。剥がされれば終わり。PSIを無駄にするだけです。」
「じゃあどーすんだよ!」
「そうだそうだ!」
友那と将利は怒鳴るように勉に作戦を尋ねた。
「戦闘プランBでいきます。」
それを聞き、友那と将利は真剣な表情で頷いた。
その時、勉はガイの方を見た。ガイは手に持った何かを眺めている。
「(何を見ているんだ…?)」
勉はガイが手に持っている物が気になった。しかし、少し距離がある為、それは見えなかった。
その時、将利はその場でジャンプした。
すると次の瞬間、将利の体は地面から浮遊し、ガイに向かって飛んできた。
「(そんな使い方もあるのか…)」
ガイは観察している。将利の額には友那の矢印シールが貼られていた。
将利がジャンプしたのは、落下速度を利用する為。その落下方向を友那のタレントで前方に変化させる事で、水平前方向きに落下するという非物理的な浮遊を成し得ているのだ。
「蜂の巣にしてやんぜぇぇえ!!!」
将利はどんどん速度を増し、ガイの方へ向かってくる。しかし、先程も述べたように、友那のタレントでは直線的にしか方向を変える事が出来ない。真っ直ぐに飛んでくるだけの攻撃なら、いかに重力の終端速度であろうとも、ガイならかわす事は造作もない。
ガイがタイミングよく拳を振りかぶろうとしたその時、将利は叫んだ。
「だるまさんがころんだッ!!!」
「ッ…!」
すると、ガイの体は硬直した。
説明しよう!
将利のタレントは『だるまさんがころんだ』。敵の動きを拘束する能力である。
拘束条件は、対象を直視し『だるまさんがころんだ』と発言する事。効力はタレント使用者の視界から対象が居なくなる事。瞬きなどで目を閉じたりしてもタレントは解除される。
タイプ:支配型
将利の拳がガイの顔面に直撃する。このスピードで殴られれば、ガイは間違いなく脳震盪を起こし、致命傷は避けられない。
次の瞬間、将利の右拳がガイの頬に当たる。拳はそのままの勢いでガイの頬を伝い、体を後方へと押し出す。はずだった。
その時、なんとガイの体は側方へと倒れ込んだ。それにより、ガイは本来受けるであろうダメージの半分程を軽減した。
「なにぃ⁈」
将利は驚嘆した。そして、ガイの手の平に握られているものを見た。
「(アレは…友那ちゃんのシール…⁈)」
ガイの手には『あっちむいてほい』の矢印シールが握られていたのだ。しかし、それは友那の作ったものではない。
そう。ガイが『模倣』で作り出し、ガイが作ったシールなのだ。ガイは友那の『あっちむいてほい』をコピーしていた。そしてシールを手の平に貼り、将利に殴り倒される速度を利用して、自身を操り、拳のダメージを側方へと受け流したのだ。
ガイが将利の視界から外れた事で、将利のタレントは解除され、ガイの拘束は解けた。
そして次の瞬間、ガイは将利の足を掴み、地面に叩きつけた。
「ぐぁあッ!!!」
ガイは将利をうつ伏せに倒し、右手で将利の首を、左手で将利の左腕を掴み、右足で将利の右腕を踏み押さえた。コレで将利は身動きできないし、なおかつ下を向いている為、タレントも使えない。
そして、ガイは友那と勉に話しかけた。
「降参しろ。そしてココの管理者、猪頭を呼べ。さもないと、コイツの首を…」
次の瞬間、友那は話も聞かずにガイに襲いかかってきた。
「将利を離せぇぇえ!!!」
猪突猛進する友那に、勉は驚嘆した。
「ちょっと友那ちゃん⁈」
その時、ガイは友那の方を向いて叫んだ。
「だるまさんがころんだッ!!!」
すると、友那の体は硬直した。
ガイは将利のタレントが敵の動きを止める能力である事、発動条件が『だるまさんがころんだ』と発言する事、そして、将利の視野から外れた瞬間、体の硬直が解除された事を考慮するに、もう一つのタレント発動条件が敵を直視する事だと気づいていた。
そして、ガイは将利の『だるまさんがころんだ』をコピーして、友那の動きを止めたのだ。
「(コレは将利くんの…⁈)」
勉はそれを見て驚いている。そして、勉はガイのタレントに気がついた。
「(まさか、あの人のタレントは…)」
その時、勉は白旗を上げた。
「降参します。僕たちの負けです。」
「「はぁぁぁぁぁぁあ⁈」」
それを聞いた友那と将利は「なにお前の一存で決めとんねん!」という顔をした。
そんな2人に勉は説明をする。
「その方のタレントはコピー。おそらくは、敵のタレントが判明するまでコピーできないといった類でしょう。そうでなければ、初めから僕らのタレントを使っていたはずですから。」
勉は賢い。ガイのタレントがコピー能力と気づいただけでなく、『模倣』の発動条件にも気づいてきたのだ。
勉は説明を続ける。
「しかし彼は今、友那ちゃんと将利くんのタレントに気づいてしまった。コレ以上戦闘を続けて、もし僕のタレントに気づかれてしまった場合、この園全体に危険が及ぶ可能性があります。それだけは避けなければなりません。ついでに、将利くんも人質に取られてますし。」
「ついでかよ!」
将利はツッコんだ。
しかし、勉の言う通りだ。勉のタレントは物語に条件設定を追加する能力。ガイがコレをコピーしてしまったら、何をしでかすかわからない。勉はそれを恐れていたのだ。
その時、ガイは背後から何者かの気配、PSIを感じた。
「⁈」
ガイは振り返った。
「さすが勉だよ。コレで素行さえ良ければね。」
そこには、妙に大人びた雰囲気の少女が立っていた。容姿からして、小学校高学年ぐらいか。
ガイはその少女に質問した。
「誰だお前…」
敵意を向けるガイ。しかし、少女はそれを意に求めずに笑顔で答えた。
「ようこそ!私の園へ!私はこの園の先生、猪頭秀吉です!」
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