123 / 211
第2章『ガイ-過去編-』
第59障『サラダ油ってホンマに燃えへんのかな?』
しおりを挟む
【12月13日、密林の労働部屋、拠点にて…】
林の中から、巨大な火柱がガイ達に向かって放たれた。
「「ッ!!!」」
ガイと角野は同時に『角箱』を使い、前方に一辺2mの鉄箱を創造し、火炎を防いだ。
しかし、火炎の威力は高く、みるみるうちに鉄箱は溶解を始めた。
「ど、どうしよう…このままじゃ…!」
動揺する角野。一方、ガイは落ち着いた様子で新たに鉄箱を創造した。
「大丈夫。PSIの気配的に敵は一人。この炎も十中八九そいつのタレント。奴のPSIが切れるまで、俺とアンタ交代で盾を作る。」
「う、うん…!」
角野はガイの策に従った。しかし、ガイはそれが愚策である事に気づいていた。
「(コレは相手も承知のはず。無駄に炎を撃ち続ける訳がない。それに俺達が追い詰められている事も事実。何か仕掛けてくる事は間違いない。)」
すると突然、火炎放射は止んだ。ガイの予想通り、何か仕掛ける気だ。
「来るぞ…!」
ガイは角野に注意喚起した。
すると次の瞬間、激しく燃え上がる炎が拠点を覆い囲んだ。
それと同時に、前方から声が聞こえてきた。
「そのタレント、やっぱ裏切り者は葉湖ちゃんだったんだぁ~。そうかそうかぁ~。」
ガイと角野はタレントを解除し、箱を消して前方を見渡した。
林の中には赤髪の可憐な少女が立っていた。
ガイは角野に尋ねる。
「奴は…?」
「不知火萌。大学一年生。秋の仲間よ。」
その時、角野は不知火に弁明した。
「違うの!萌!私は秋にこんな事して欲しくなくて、それで…!」
すると、それを聞いた不知火の表情が強張った。
「気安く秋様の名を呼ぶなッ!このアバズレがァァァァァァアッ!!!」
次の瞬間、不知火が豹変した。
「何故お前はそのガキを連れ出したッ!何故お前は秋様の邪魔をするッ!答えろッ!この尻軽ッ!!!」
不知火の豹変ぶりに恐怖しながらも、角野は答えた。
「そ、それは…こんな事、間違ってる。だから…」
それを聞いた不知火は目をかっ開き、角野に言った。
「間違ってる?秋様が間違ってる?きもっ。どの口が言ってんだオイ。ゴミ。アバズレ。無能。」
不知火は罵詈雑言を角野に浴びせる。一方、角野は負けじと不知火に質問した。
「アナタこそ、どうして地下へ来たの?私たち、地下へ行く事は止められたはずよね?それってつまり、秋の命令に歯向かったって事になるけど。」
「馬鹿。バカ女。ゴミ女。そんな訳ねーだろ。わかんねーのか?頭悪すぎ。喋んなクソ。」
すると、不知火は先程とは打って変わって、頬を染めて楽しそうに話し始めた。
「私はね、秋様の為に、秋様の命令に背いたの!秋様が居ない間、そのガキを拷問してタレントを発現させれば、きっと秋様は私を誉めて下さるわ!きゃっ♡」
その時、拠点を囲っていた炎がじわじわと狭まり、中央へ近づいてきた。
「そのガキは生かす。けど、角野。お前は殺す。裏切り者。秋様にとっての害悪。」
火はガイ達のすぐ近くまで迫ってきた。
「ど、どうすれば…そうだ!箱を作ってその中に…」
「いや、ダメだ。どうせ溶かされる。」
ガイは辺りを見渡した。何か、使えるものはないか、と。そして、ガイは見つけた。
「…」
それを見て、不知火は笑っている。
「アハハハハハハ!!!死ね!死ね角野!焼け死ねッ!!!」
次の瞬間、拠点の中心から謎の泡が噴き出し、不知火の炎が消され始めた。
「な、なんで…⁈」
この時、不知火はこの泡はガイのタレントだと思っていた。ガイがタレントで消火したのだと。しかし、皆わかっているように、ガイのタレントは『模倣』。つまり、コレはガイのタレントではない。
次の瞬間、中央の大量の泡の中から、不知火に向けて何かが投げつけられた。
「うわっ!」
それはプラスチック製の容器。そして、その容器からこぼれた液体が不知火の体にかかった。
不知火はその液体を匂った。
「コレ…油…?」
その時、泡の中からガイと、消火器を手に持った角野が現れた。
その姿を見て、不知火は驚いた。
「な、なんで…何で消火器なんか持ってんだよ⁈」
その疑問に対し、ガイは説明を始めた。
「ココは拠点だ。そして、幸いな事に拠点中央に俺たちは追い込まれた。この意味がわかるよな。」
そして、ガイは右腕を不知火に見せた。そこには、ガイの所持金額と支払い義務金額が表示されていた。
それを見て、不知火は理解した。
「まさか、転送装置を使ったのか…!」
そう。ガイは転送機で消火器を購入して、火を消していたのだ。実際、ガイは今、指が無い為、使用したのは角野である。
ガイと角野は不知火に近づいた。
「く、来るなッ!!!」
不知火はPSIを纏い、ガイ達に向けて手をかざした。
それに対し、ガイは言う。
「やめとけ。それはお前が一番よくわかってるだろ。」
「ッ…」
そう。今、不知火の体には油が付着している。そんな状態で火炎系のタレントを使えば、自身すら黒焦げになってしまうだろう。
ガイは不知火のタレントを封じる為、転送機で消火器だけではなく、油を購入して、不知火に投げつけていたのだ。
「タレントを使えば、お前もタダでは済まない。降伏しろ。そうすれば、お前に危害を加えるつもりは…」
ガイが不知火に負けを認めさせようとしたその時、不知火は呟いた。
「構わない…」
「え…」
その時、ガイは嫌な予感がした。
「秋様の為なら…この体がどうなろうと…俺は一向に構わないッ!!!」
そして、不知火はガイ達に手をかざし、叫んだ。
「『火炎PSI』!!!」
次の瞬間、不知火の手の平から火炎が放たれた。
「ッ!!!」
ガイは角野を突き飛ばし、彼女を火炎から守った。しかし、ガイはその火炎に飲み込まれてしまった。
「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!」
そして、不知火自身も体についた油で着火してしまう。はずだった。
「えっ…」
しかし、不知火は何故か燃えなかった。
「なんで…」
その時、角野は大急ぎで消火器を使い、ガイの体についた火を消した。
「ガイ君!しっかりして!ガイ君!」
不知火の火力は思いのほか高く、肌が露出していた腕や足、顔はひどい火傷を負った。その火傷のダメージ故、ガイは気絶している。
「…」
不知火は投げつけられたプラスチック製の容器を見た。
「サラダ油…」
そう。ガイが投げつけたのは着火しにくいサラダ油だったのだ。
それを見た不知火は安堵により、笑みが溢れた。
「は…ははは!バカな奴!ガソリンすればよかったものを…」
その時、不知火は気づいた。
「(何故、ガソリンを使わなかった…)」
先ほど見たガイの右腕には、まだ十分に所持金は残っていた。ガソリンを買えなかった訳がない。そもそも、ガイがあの場で爆弾を購入し、不知火に投げつけていれば、話は早かったはずだ。
「なんで…このガキはこんな事…」
何故、ガイはそうしなかったのか。何故、サラダ油を使ったのか。爆弾を使わなかったのか。その理由を角野は泣きながら語った。
「この子が優しいからに決まってるでしょ!!!」
それを聞き、不知火は理解した。ガイは不知火を傷つけるつもりなどなかったのだ。だから、万一、不知火が自己犠牲を厭わずに火炎を放ったとしても、不知火は助かるように仕向けた。その上で、ガイはタレント封じの為のハッタリを言ったのだ。『お前もタダでは済まない』と。
「俺…は…」
不知火はかつてない後悔と罪悪感に苛まれた。自分を助ける為に命懸けで嘘をついた少年を、丸焼きにした事に。それは、桜田の為と割り切る事が出来ないほどに。
一見すると、ガイは善人に見える。しかし、コレにはガイの策略が組み込まれていた。
直前で角野を助けたのは、角野が消火器を持っていた為。不知火をハッタリで誤魔化したのは、不知火に罪悪感を植え付ける為。そして何より、金額の消費を抑える為。
ガイは彼女達の事など、微塵も考えてはいなかった。そのはずだった。しかし、ガイ自身、合理性とはかけ離れた部位で、そうしたい、そうしなければならない、という道徳的観念に囚われてしまっていた。それは、ここ最近のガイの変化によるものか。それとも、コレこそがガイの本質なのか。
林の中から、巨大な火柱がガイ達に向かって放たれた。
「「ッ!!!」」
ガイと角野は同時に『角箱』を使い、前方に一辺2mの鉄箱を創造し、火炎を防いだ。
しかし、火炎の威力は高く、みるみるうちに鉄箱は溶解を始めた。
「ど、どうしよう…このままじゃ…!」
動揺する角野。一方、ガイは落ち着いた様子で新たに鉄箱を創造した。
「大丈夫。PSIの気配的に敵は一人。この炎も十中八九そいつのタレント。奴のPSIが切れるまで、俺とアンタ交代で盾を作る。」
「う、うん…!」
角野はガイの策に従った。しかし、ガイはそれが愚策である事に気づいていた。
「(コレは相手も承知のはず。無駄に炎を撃ち続ける訳がない。それに俺達が追い詰められている事も事実。何か仕掛けてくる事は間違いない。)」
すると突然、火炎放射は止んだ。ガイの予想通り、何か仕掛ける気だ。
「来るぞ…!」
ガイは角野に注意喚起した。
すると次の瞬間、激しく燃え上がる炎が拠点を覆い囲んだ。
それと同時に、前方から声が聞こえてきた。
「そのタレント、やっぱ裏切り者は葉湖ちゃんだったんだぁ~。そうかそうかぁ~。」
ガイと角野はタレントを解除し、箱を消して前方を見渡した。
林の中には赤髪の可憐な少女が立っていた。
ガイは角野に尋ねる。
「奴は…?」
「不知火萌。大学一年生。秋の仲間よ。」
その時、角野は不知火に弁明した。
「違うの!萌!私は秋にこんな事して欲しくなくて、それで…!」
すると、それを聞いた不知火の表情が強張った。
「気安く秋様の名を呼ぶなッ!このアバズレがァァァァァァアッ!!!」
次の瞬間、不知火が豹変した。
「何故お前はそのガキを連れ出したッ!何故お前は秋様の邪魔をするッ!答えろッ!この尻軽ッ!!!」
不知火の豹変ぶりに恐怖しながらも、角野は答えた。
「そ、それは…こんな事、間違ってる。だから…」
それを聞いた不知火は目をかっ開き、角野に言った。
「間違ってる?秋様が間違ってる?きもっ。どの口が言ってんだオイ。ゴミ。アバズレ。無能。」
不知火は罵詈雑言を角野に浴びせる。一方、角野は負けじと不知火に質問した。
「アナタこそ、どうして地下へ来たの?私たち、地下へ行く事は止められたはずよね?それってつまり、秋の命令に歯向かったって事になるけど。」
「馬鹿。バカ女。ゴミ女。そんな訳ねーだろ。わかんねーのか?頭悪すぎ。喋んなクソ。」
すると、不知火は先程とは打って変わって、頬を染めて楽しそうに話し始めた。
「私はね、秋様の為に、秋様の命令に背いたの!秋様が居ない間、そのガキを拷問してタレントを発現させれば、きっと秋様は私を誉めて下さるわ!きゃっ♡」
その時、拠点を囲っていた炎がじわじわと狭まり、中央へ近づいてきた。
「そのガキは生かす。けど、角野。お前は殺す。裏切り者。秋様にとっての害悪。」
火はガイ達のすぐ近くまで迫ってきた。
「ど、どうすれば…そうだ!箱を作ってその中に…」
「いや、ダメだ。どうせ溶かされる。」
ガイは辺りを見渡した。何か、使えるものはないか、と。そして、ガイは見つけた。
「…」
それを見て、不知火は笑っている。
「アハハハハハハ!!!死ね!死ね角野!焼け死ねッ!!!」
次の瞬間、拠点の中心から謎の泡が噴き出し、不知火の炎が消され始めた。
「な、なんで…⁈」
この時、不知火はこの泡はガイのタレントだと思っていた。ガイがタレントで消火したのだと。しかし、皆わかっているように、ガイのタレントは『模倣』。つまり、コレはガイのタレントではない。
次の瞬間、中央の大量の泡の中から、不知火に向けて何かが投げつけられた。
「うわっ!」
それはプラスチック製の容器。そして、その容器からこぼれた液体が不知火の体にかかった。
不知火はその液体を匂った。
「コレ…油…?」
その時、泡の中からガイと、消火器を手に持った角野が現れた。
その姿を見て、不知火は驚いた。
「な、なんで…何で消火器なんか持ってんだよ⁈」
その疑問に対し、ガイは説明を始めた。
「ココは拠点だ。そして、幸いな事に拠点中央に俺たちは追い込まれた。この意味がわかるよな。」
そして、ガイは右腕を不知火に見せた。そこには、ガイの所持金額と支払い義務金額が表示されていた。
それを見て、不知火は理解した。
「まさか、転送装置を使ったのか…!」
そう。ガイは転送機で消火器を購入して、火を消していたのだ。実際、ガイは今、指が無い為、使用したのは角野である。
ガイと角野は不知火に近づいた。
「く、来るなッ!!!」
不知火はPSIを纏い、ガイ達に向けて手をかざした。
それに対し、ガイは言う。
「やめとけ。それはお前が一番よくわかってるだろ。」
「ッ…」
そう。今、不知火の体には油が付着している。そんな状態で火炎系のタレントを使えば、自身すら黒焦げになってしまうだろう。
ガイは不知火のタレントを封じる為、転送機で消火器だけではなく、油を購入して、不知火に投げつけていたのだ。
「タレントを使えば、お前もタダでは済まない。降伏しろ。そうすれば、お前に危害を加えるつもりは…」
ガイが不知火に負けを認めさせようとしたその時、不知火は呟いた。
「構わない…」
「え…」
その時、ガイは嫌な予感がした。
「秋様の為なら…この体がどうなろうと…俺は一向に構わないッ!!!」
そして、不知火はガイ達に手をかざし、叫んだ。
「『火炎PSI』!!!」
次の瞬間、不知火の手の平から火炎が放たれた。
「ッ!!!」
ガイは角野を突き飛ばし、彼女を火炎から守った。しかし、ガイはその火炎に飲み込まれてしまった。
「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!」
そして、不知火自身も体についた油で着火してしまう。はずだった。
「えっ…」
しかし、不知火は何故か燃えなかった。
「なんで…」
その時、角野は大急ぎで消火器を使い、ガイの体についた火を消した。
「ガイ君!しっかりして!ガイ君!」
不知火の火力は思いのほか高く、肌が露出していた腕や足、顔はひどい火傷を負った。その火傷のダメージ故、ガイは気絶している。
「…」
不知火は投げつけられたプラスチック製の容器を見た。
「サラダ油…」
そう。ガイが投げつけたのは着火しにくいサラダ油だったのだ。
それを見た不知火は安堵により、笑みが溢れた。
「は…ははは!バカな奴!ガソリンすればよかったものを…」
その時、不知火は気づいた。
「(何故、ガソリンを使わなかった…)」
先ほど見たガイの右腕には、まだ十分に所持金は残っていた。ガソリンを買えなかった訳がない。そもそも、ガイがあの場で爆弾を購入し、不知火に投げつけていれば、話は早かったはずだ。
「なんで…このガキはこんな事…」
何故、ガイはそうしなかったのか。何故、サラダ油を使ったのか。爆弾を使わなかったのか。その理由を角野は泣きながら語った。
「この子が優しいからに決まってるでしょ!!!」
それを聞き、不知火は理解した。ガイは不知火を傷つけるつもりなどなかったのだ。だから、万一、不知火が自己犠牲を厭わずに火炎を放ったとしても、不知火は助かるように仕向けた。その上で、ガイはタレント封じの為のハッタリを言ったのだ。『お前もタダでは済まない』と。
「俺…は…」
不知火はかつてない後悔と罪悪感に苛まれた。自分を助ける為に命懸けで嘘をついた少年を、丸焼きにした事に。それは、桜田の為と割り切る事が出来ないほどに。
一見すると、ガイは善人に見える。しかし、コレにはガイの策略が組み込まれていた。
直前で角野を助けたのは、角野が消火器を持っていた為。不知火をハッタリで誤魔化したのは、不知火に罪悪感を植え付ける為。そして何より、金額の消費を抑える為。
ガイは彼女達の事など、微塵も考えてはいなかった。そのはずだった。しかし、ガイ自身、合理性とはかけ離れた部位で、そうしたい、そうしなければならない、という道徳的観念に囚われてしまっていた。それは、ここ最近のガイの変化によるものか。それとも、コレこそがガイの本質なのか。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
軽トラの荷台にダンジョンができました★車ごと【非破壊オブジェクト化】して移動要塞になったので快適探索者生活を始めたいと思います
こげ丸
ファンタジー
===運べるプライベートダンジョンで自由気ままな快適最強探索者生活!===
ダンジョンが出来て三〇年。平凡なエンジニアとして過ごしていた主人公だが、ある日突然軽トラの荷台にダンジョンゲートが発生したことをきっかけに、遅咲きながら探索者デビューすることを決意する。
でも別に最強なんて目指さない。
それなりに強くなって、それなりに稼げるようになれれば十分と思っていたのだが……。
フィールドボス化した愛犬(パグ)に非破壊オブジェクト化して移動要塞と化した軽トラ。ユニークスキル「ダンジョンアドミニストレーター」を得てダンジョンの管理者となった主人公が「それなり」ですむわけがなかった。
これは、プライベートダンジョンを利用した快適生活を送りつつ、最強探索者へと駆け上がっていく一人と一匹……とその他大勢の配下たちの物語。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
おいでよ!死にゲーの森~異世界転生したら地獄のような死にゲーファンタジー世界だったが俺のステータスとスキルだけがスローライフゲーム仕様
あけちともあき
ファンタジー
上澄タマルは過労死した。
死に際にスローライフを夢見た彼が目覚めた時、そこはファンタジー世界だった。
「異世界転生……!? 俺のスローライフの夢が叶うのか!」
だが、その世界はダークファンタジーばりばり。
人々が争い、魔が跳梁跋扈し、天はかき曇り地は荒れ果て、死と滅びがすぐ隣りにあるような地獄だった。
こんな世界でタマルが手にしたスキルは、スローライフ。
あらゆる環境でスローライフを敢行するためのスキルである。
ダンジョンを採掘して素材を得、毒沼を干拓して畑にし、モンスターを捕獲して飼いならす。
死にゲー世界よ、これがほんわかスローライフの力だ!
タマルを異世界に呼び込んだ謎の神ヌキチータ。
様々な道具を売ってくれ、何でも買い取ってくれる怪しい双子の魔人が経営する店。
世界の異形をコレクションし、タマルのゲットしたモンスターやアイテムたちを寄付できる博物館。
地獄のような世界をスローライフで侵食しながら、タマルのドキドキワクワクの日常が始まる。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
少し冷めた村人少年の冒険記 2
mizuno sei
ファンタジー
地球からの転生者である主人公トーマは、「はずれギフト」と言われた「ナビゲーションシステム」を持って新しい人生を歩み始めた。
不幸だった前世の記憶から、少し冷めた目で世の中を見つめ、誰にも邪魔されない力を身に着けて第二の人生を楽しもうと考えている。
旅の中でいろいろな人と出会い、成長していく少年の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる