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第2章『ガイ-過去編-』
第73障『代償』
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【19:20、猪頭愛児園、リビングにて…】
ヤブ助は帰ってきた猪頭のタレントにより、破れた鼓膜を完治された。
「お前、今まで何処に居た?大学か?」
ヤブ助の問いかけに猪頭は答える。
「白鳥組だよ。」
「白鳥組?何故そんな所に?」
「桜田くんの仲間の出口哲也くんに連れられてね。白鳥組の人も一緒だったから、ついて行かざるを得なかった。」
猪頭のその言葉を元に、ヤブ助は思考し、発言した。
「つまり、桜田は白鳥組と手を組んだって事なのか?」
それに対し、猪頭は首を横に振る。
「いや、あの桜田くんが白鳥組と手を組むはずが無い。それにもし、桜田君が奴らと組んだとしたら、わざわざ彼がココにやってきて子供達を攫うなんてマネはしないよ。組の力でどうにでもなるからね。事実、私も逆らえなかった。」
白鳥組の力は大きい。警察ですら、彼らの悪事には手を出せない程だ。
「ま、でも自力で抜け出してきたけどね。この子達が危険とあれば、白鳥組であろうが何だろうが手ぇ出すよ。」
その時、ヤブ助は再び猪頭に質問した。
「そういえば、出口達と何を話したんだ?」
「資金援助に協力しろってさ。国の補助だけじゃ飽き足らず、奴ら財閥の財力も欲しいみたいだ。猪頭家から勘当された私でも、まだ利用価値はあると思ってるらしい。」
それを聞いたヤブ助は思考を巡らせる。
「(財閥を狙っている…俺たち障坂家は大丈夫だとは思うが、やはり今後警戒すべきは桜田ではなく白鳥組…)」
その時、考えを巡らせるヤブ助に猪頭は言った。
「それと奴ら、ガイ君を狙っているような気がするんだ。」
「えっ…」
それを聞いたヤブ助は、今まで巡らせていた思考全てが吹き飛ぶ程の衝撃を受ける。
「ど、どういう事だ…⁈」
「確信は無い。でも、今日の話の様子からするに、奴らは詰めの段階に入っている。」
「詰めの段階…?」
「外の世界へのチケットを手に入れ、資金を手に入れ、封印の鍵を手に入れた。そんな彼らが、次に取る行動は一つ…」
その時、ヤブ助は猪頭が次に言う事が理解できた。それと同時に、ヤブ助は椅子から立ち上がった。
「ガイが…ヤバい…ッ!」
【18:45、駅にて…】
遡ること約1時間前、広瀬,有野,白マロ(人間),チビマル(猫)が駅の前で待機している。
「おーい!」
その時、友那達を園に送り届けようとしていた堺と友田が、広瀬達の元へやってきた。二人はヤブ助からの伝令を受け、急遽ココへ戻ってきたのだ。
「急に何なのよ!やっぱ見送りはいいって!」
「行ったり来たりだよぉ…」
振り回され、文句を言う二人に対して広瀬は答える。
「ヤブ助君からの指示だよ。タレントを使えない二人は伝令役になれって。」
「伝令役?」
堺は訳が分からず聞き返した。
「俺たちが死んだ時用に備えて、山口にそれを伝える役。一人が俺たちの側に、もう一人が俺たちから少し離れた位置で監視。」
「死んだ時用ってどういう事よ?」
友田は顔をこわばらせた。
「それはまた後で。とにかく、出口邸へ移動しよう。」
広瀬達が駅から離れる中、白マロとチビマルだけは辺りを伺っていた。それは何故か。理由はわからない。強いて理由をつけるのなら、野生の勘。
次の瞬間、白マロとチビマルはそれに気づいた。
「上だッ!!!」
チビマルが叫んだ頃にはもう遅かった。空から降ってきたその巨大な何かによって、白マロとチビマル以外は皆、下敷きになってしまった。
一瞬だった。こんなにもあっさり命が吹き飛ぶなんて。
【18:50トンネル前にて…】
山口は電話をしている。相手は白マロだ。
「…おう。わかった。次のみんなに伝えとく。」
白マロは駅で起こった事を伝えていた。そして、山口の言う『次のみんな』とは、時間を逆行した後の白マロ達の事。三週目世界の『みんな』だ。
「『飛翼』!!!」
山口は翼を生やし、宙を飛んだ。そしてそのまま、トンネルの中へ向かった。
「あっ……」
その時だ。山口は唐突な目眩を感じ、地面に落下した。
「あたッ!」
山口は鼻血を出していた。落下衝撃によるものではなさそうだ。
「(目眩…?俺、疲れてんのか…)」
山口は再び浮遊し、トンネル内へと向かった。
【18:52トンネル内にて…】
山口は時を逆行する為、スピードを上げてトンネルの出口を目指す。その際に、山口の脳内には様々な考えが巡っていた。
「(俺が過去に戻った後、この世界の奴らはどうなるんだ…)」
自分は過去に戻れる。しかし、置いていかれたこの世界の者達の未来はどうなるのか。はたまた、存在自体が消えてしまうのか。考えたところで答えなどわからない。今、山口がやるべき事は未来で起こる事を次のヤブ助達に伝える事のみ。
「『あの日見た懐景色』!!!」
山口は時を逆行した。
【12月13日、18:20、河川敷付近にて…】
高所から落下し、意識を失っていた山口。そんな山口が、全身に鈍い痛みを感じながら目を覚ました。
「ご主人!!!」
山口が目を開けると、そこには人間の姿の白マロ、猫の姿のヤブ助とチビマルがいた。隣には意識のない裏日戸が横になっている。
「(無事に戻れたか…)」
山口は体を起こし、皆に事情を説明しようとした。
「聞いてくれ。実は…」
次の瞬間、山口の全身にかつて無い程の激痛が走った。
「あ"ッ…ぐ……!!!」
山口は謎の激痛により、再び地面に倒れた。
「ご主人⁈」
「お、おい!大丈夫か⁈」
心配そうに駆け寄る白マロとチビマル。一方のヤブ助はそれを怪訝そうに眺めている。
「(落下による衝撃か…?)」
ヤブ助は山口の痛みが裏日戸との戦いで負った落下によるダメージだと思っている。しかし、明らかに様子がおかしい。山口はうつ伏せになり、もがき苦しんでいる。
「(ヤバいッ…‼︎体が爆ぜるッ…‼︎脳が焦げるッ…‼︎)」
拷問。いや、そんな生優しいものではない。コレは『死』だ。この世の痛みではない。山口は今、『死』を実感していた。それと同時に、山口は理解した。
「(逆行のッ…代償……ッ‼︎)」
その時、もがき苦しむ山口の顔を見て、ヤブ助達は驚愕した。
「「「ッ!!!」」」
山口は血の涙を流していたのだ。そして徐々に流血は増え、鼻や口、さらには耳からまで出血し始めた。
「ご主人!ご主人!!!」
白マロは山口の異常を見て、不安と焦りにより、パニックに陥っていた。他の者も白マロ程ではないが、困惑している。
すると、白マロはヤブ助に問う。
「ヤブ助!ご主人が…!ご主人が!ワガハイはどうすればいい⁈ヤブ助!!!」
「と、とりあえず病院に運ぶぞ!」
病院はまずい。そんなところへヤブ助達を向かわせてしまっては、今までの計画が全て破綻してしまう。山口は痛みを必死で堪え、白マロの腕を掴んだ。
「ご主人…⁈」
「や"……め"ッ………」
しかし、うまく話す事ができない。
白マロは山口の手を握った。
「大丈夫…!大丈夫だから…!」
自分を心配してくれる白マロ。その優しさは嬉しい。しかし、そうではないのだ。山口が言いたい事は。
「(このままじゃ……)」
痛みはどんどん増していく。意識すら遠のいていく。このまま目を瞑ったら、二度と目を覚ませない。山口はそう思った。
そして次の瞬間、山口は何故か『飛翼』を使い、背中から翼を生やした。
「「「ッ⁈」」」
白マロ達は山口が唐突に『飛翼』を使った事に驚嘆した。そして、驚いたのは山口自身もだ。何故、自分は今、こんな状態でタレントを使ったのか。
しかし、何故だか『飛翼』で翼を生やした事により、山口の全身の痛みが和らいだ。コレは『飛翼』の真の性質による影響だが、山口はまだその事を知らなかった。
「き、聞いてくれて…ッ……」
痛みが和らいだ山口はヤブ助達に事情を説明し始めた。
ヤブ助は帰ってきた猪頭のタレントにより、破れた鼓膜を完治された。
「お前、今まで何処に居た?大学か?」
ヤブ助の問いかけに猪頭は答える。
「白鳥組だよ。」
「白鳥組?何故そんな所に?」
「桜田くんの仲間の出口哲也くんに連れられてね。白鳥組の人も一緒だったから、ついて行かざるを得なかった。」
猪頭のその言葉を元に、ヤブ助は思考し、発言した。
「つまり、桜田は白鳥組と手を組んだって事なのか?」
それに対し、猪頭は首を横に振る。
「いや、あの桜田くんが白鳥組と手を組むはずが無い。それにもし、桜田君が奴らと組んだとしたら、わざわざ彼がココにやってきて子供達を攫うなんてマネはしないよ。組の力でどうにでもなるからね。事実、私も逆らえなかった。」
白鳥組の力は大きい。警察ですら、彼らの悪事には手を出せない程だ。
「ま、でも自力で抜け出してきたけどね。この子達が危険とあれば、白鳥組であろうが何だろうが手ぇ出すよ。」
その時、ヤブ助は再び猪頭に質問した。
「そういえば、出口達と何を話したんだ?」
「資金援助に協力しろってさ。国の補助だけじゃ飽き足らず、奴ら財閥の財力も欲しいみたいだ。猪頭家から勘当された私でも、まだ利用価値はあると思ってるらしい。」
それを聞いたヤブ助は思考を巡らせる。
「(財閥を狙っている…俺たち障坂家は大丈夫だとは思うが、やはり今後警戒すべきは桜田ではなく白鳥組…)」
その時、考えを巡らせるヤブ助に猪頭は言った。
「それと奴ら、ガイ君を狙っているような気がするんだ。」
「えっ…」
それを聞いたヤブ助は、今まで巡らせていた思考全てが吹き飛ぶ程の衝撃を受ける。
「ど、どういう事だ…⁈」
「確信は無い。でも、今日の話の様子からするに、奴らは詰めの段階に入っている。」
「詰めの段階…?」
「外の世界へのチケットを手に入れ、資金を手に入れ、封印の鍵を手に入れた。そんな彼らが、次に取る行動は一つ…」
その時、ヤブ助は猪頭が次に言う事が理解できた。それと同時に、ヤブ助は椅子から立ち上がった。
「ガイが…ヤバい…ッ!」
【18:45、駅にて…】
遡ること約1時間前、広瀬,有野,白マロ(人間),チビマル(猫)が駅の前で待機している。
「おーい!」
その時、友那達を園に送り届けようとしていた堺と友田が、広瀬達の元へやってきた。二人はヤブ助からの伝令を受け、急遽ココへ戻ってきたのだ。
「急に何なのよ!やっぱ見送りはいいって!」
「行ったり来たりだよぉ…」
振り回され、文句を言う二人に対して広瀬は答える。
「ヤブ助君からの指示だよ。タレントを使えない二人は伝令役になれって。」
「伝令役?」
堺は訳が分からず聞き返した。
「俺たちが死んだ時用に備えて、山口にそれを伝える役。一人が俺たちの側に、もう一人が俺たちから少し離れた位置で監視。」
「死んだ時用ってどういう事よ?」
友田は顔をこわばらせた。
「それはまた後で。とにかく、出口邸へ移動しよう。」
広瀬達が駅から離れる中、白マロとチビマルだけは辺りを伺っていた。それは何故か。理由はわからない。強いて理由をつけるのなら、野生の勘。
次の瞬間、白マロとチビマルはそれに気づいた。
「上だッ!!!」
チビマルが叫んだ頃にはもう遅かった。空から降ってきたその巨大な何かによって、白マロとチビマル以外は皆、下敷きになってしまった。
一瞬だった。こんなにもあっさり命が吹き飛ぶなんて。
【18:50トンネル前にて…】
山口は電話をしている。相手は白マロだ。
「…おう。わかった。次のみんなに伝えとく。」
白マロは駅で起こった事を伝えていた。そして、山口の言う『次のみんな』とは、時間を逆行した後の白マロ達の事。三週目世界の『みんな』だ。
「『飛翼』!!!」
山口は翼を生やし、宙を飛んだ。そしてそのまま、トンネルの中へ向かった。
「あっ……」
その時だ。山口は唐突な目眩を感じ、地面に落下した。
「あたッ!」
山口は鼻血を出していた。落下衝撃によるものではなさそうだ。
「(目眩…?俺、疲れてんのか…)」
山口は再び浮遊し、トンネル内へと向かった。
【18:52トンネル内にて…】
山口は時を逆行する為、スピードを上げてトンネルの出口を目指す。その際に、山口の脳内には様々な考えが巡っていた。
「(俺が過去に戻った後、この世界の奴らはどうなるんだ…)」
自分は過去に戻れる。しかし、置いていかれたこの世界の者達の未来はどうなるのか。はたまた、存在自体が消えてしまうのか。考えたところで答えなどわからない。今、山口がやるべき事は未来で起こる事を次のヤブ助達に伝える事のみ。
「『あの日見た懐景色』!!!」
山口は時を逆行した。
【12月13日、18:20、河川敷付近にて…】
高所から落下し、意識を失っていた山口。そんな山口が、全身に鈍い痛みを感じながら目を覚ました。
「ご主人!!!」
山口が目を開けると、そこには人間の姿の白マロ、猫の姿のヤブ助とチビマルがいた。隣には意識のない裏日戸が横になっている。
「(無事に戻れたか…)」
山口は体を起こし、皆に事情を説明しようとした。
「聞いてくれ。実は…」
次の瞬間、山口の全身にかつて無い程の激痛が走った。
「あ"ッ…ぐ……!!!」
山口は謎の激痛により、再び地面に倒れた。
「ご主人⁈」
「お、おい!大丈夫か⁈」
心配そうに駆け寄る白マロとチビマル。一方のヤブ助はそれを怪訝そうに眺めている。
「(落下による衝撃か…?)」
ヤブ助は山口の痛みが裏日戸との戦いで負った落下によるダメージだと思っている。しかし、明らかに様子がおかしい。山口はうつ伏せになり、もがき苦しんでいる。
「(ヤバいッ…‼︎体が爆ぜるッ…‼︎脳が焦げるッ…‼︎)」
拷問。いや、そんな生優しいものではない。コレは『死』だ。この世の痛みではない。山口は今、『死』を実感していた。それと同時に、山口は理解した。
「(逆行のッ…代償……ッ‼︎)」
その時、もがき苦しむ山口の顔を見て、ヤブ助達は驚愕した。
「「「ッ!!!」」」
山口は血の涙を流していたのだ。そして徐々に流血は増え、鼻や口、さらには耳からまで出血し始めた。
「ご主人!ご主人!!!」
白マロは山口の異常を見て、不安と焦りにより、パニックに陥っていた。他の者も白マロ程ではないが、困惑している。
すると、白マロはヤブ助に問う。
「ヤブ助!ご主人が…!ご主人が!ワガハイはどうすればいい⁈ヤブ助!!!」
「と、とりあえず病院に運ぶぞ!」
病院はまずい。そんなところへヤブ助達を向かわせてしまっては、今までの計画が全て破綻してしまう。山口は痛みを必死で堪え、白マロの腕を掴んだ。
「ご主人…⁈」
「や"……め"ッ………」
しかし、うまく話す事ができない。
白マロは山口の手を握った。
「大丈夫…!大丈夫だから…!」
自分を心配してくれる白マロ。その優しさは嬉しい。しかし、そうではないのだ。山口が言いたい事は。
「(このままじゃ……)」
痛みはどんどん増していく。意識すら遠のいていく。このまま目を瞑ったら、二度と目を覚ませない。山口はそう思った。
そして次の瞬間、山口は何故か『飛翼』を使い、背中から翼を生やした。
「「「ッ⁈」」」
白マロ達は山口が唐突に『飛翼』を使った事に驚嘆した。そして、驚いたのは山口自身もだ。何故、自分は今、こんな状態でタレントを使ったのか。
しかし、何故だか『飛翼』で翼を生やした事により、山口の全身の痛みが和らいだ。コレは『飛翼』の真の性質による影響だが、山口はまだその事を知らなかった。
「き、聞いてくれて…ッ……」
痛みが和らいだ山口はヤブ助達に事情を説明し始めた。
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