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第2章『ガイ-過去編-』
第74障『助っ人』
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【12月13日、18:25、河川敷付近にて…】
逆行の代償により、全身にかつて無い苦痛を受け苦しむ山口。しかし、『飛翼』を使った事で何故か痛みが和らいだ。それにより、山口はヤブ助達に事情を話す事ができた。
「わかった。じゃあ俺たちはお前の言う通り動く。」
ヤブ助や他の二匹も山口の言う事を信じ、山口の作戦(正確には二週目世界のヤブ助の作戦)に賛同した。
「あぁ…頼む……」
衰弱しきった山口。そんな山口に対し、ヤブ助は質問した。
「お前、タイムリープは何回目だ?」
「二回……」
「二回…二回でそれか…」
ヤブ助は何か思案している。そして、ヤブ助は山口に言った。
「お前、もう二度とそのタレント使うな。わかるだろ。次使ったら死ぬ事くらい。」
「…」
山口は何も答えない。
「約束しろ。今回、例え誰が死んだとしても、お前はそのタレントを使うな。」
ヤブ助の命令くさい約束事。山口は数秒間を空けた後、こう言った。
「ガイが…死んでもかよ……」
「…」
その言葉でヤブ助は戸惑った。ヤブ助の優先順位はいつだってガイだ。
戸惑うヤブ助に山口は言った。
「そもそも…ガイ助けに行ってんのに…ガイが死んだら…意味ねぇだろぉ……」
「…」
数秒の間の後、ヤブ助は山口に問う。
「お前、死ぬのが怖くないのか?」
「もう何度も死にかけた…その度に、お前らが助けてくれた……俺だって、助けさせてくれよ……」
山口は一週目世界の事を思い出す。自らの好奇心の為に友達を見殺し、逃げ出し、その事を忘れようとしていた。『あの日見た懐景色』が発現しなかったら、山口はクズのままだった。
「俺はもう…本当のバカには、戻りたくないんだ…」
弱々しくそう呟く山口。逆行の代償による苦痛のせいか、それとも。
その時、ヤブ助は山口にこう言った。
「やはりお前はバカだ。」
その発言を聞き、山口は怪訝そうな顔でヤブ助を見る。
「今回でケリをつければ良い。それだけの事だ。」
山口に『あの日見た懐景色』を使わせない方法。それは、この三週目世界で桜田との戦いに終止符を打つ事。誰も死なずに。
「仲間を信じろ。山口。俺たちは、生きて、ガイを助け出す。お前に二度と、そのタレントは使わせない。」
すると、山口は鼻で笑った。
「二回も失敗したのに何言ってんだか……」
「信用できないか?」
ヤブ助の問いに、山口は首を横に振った。
「信じてる…ずっと……」
そして、山口はヤブ助達にこう言った。
「頼んだぞ……」
ヤブ助達は強く頷いた。
「任せろ。」
その後、ヤブ助は二週目世界と同様、猪頭愛児園へと向かい、桜田を追い返した。
【18:45、駅にて…】
広瀬,有野,白マロ,チビマル,堺,友田が駅にいる。
「それじゃあ、出口邸へ向かおう。」
広瀬が率先して駅から出ようとしたその時、巨大な何かが広瀬達に向かって上空から落下してきた。
「行かせはせんッ!!!」
なんと、その巨大な何かは人間だった。体長4メートルを超えるムキムキの男。それが、二週目世界で広瀬達を踏み潰したものの状態だった。
その巨漢は広瀬達に向かって落下する。このままでは、二週目世界と同じように踏み潰されてしまう。その時だった。
「『我と汝の仮定法』!!!」
次の瞬間、その巨漢が突如として姿を消した。代わりに、空中には小学生くらいの少年の姿が現れた。
少年は広瀬や堺達にキャッチされた。
「あ、ありがとうございます。」
その少年の名は山尾交次郎。以前、ひったくり事件でガイ,山口,堺が出会った山尾 瞬太郎の弟であった。
地面に下ろされた交次郎は広瀬達に言う
「ココは僕と兄ちゃんに任せて下さい。」
「わかった。」
「気をつけてね、交次郎くん。」
広瀬達は駅を出て、出口邸へと向かった。
【上空にて…】
地上から高さ約40メートルの地点に先程の巨漢が現れた。
「ぬッ…⁈」
交次郎の『我と汝の仮定法』は相手と位置を入れ替えるタレント。交次郎は先ずビルの上に待機しており、巨漢が現れると同時にビルから飛び降り、その巨漢と位置を入れ替えたのだ。
巨漢は速度を増して地面に落下していく。このまま地面に激突すれば、即死は確実。しかし、その巨漢は落ち着いている。
【ビル前にて…】
巨漢は地面に落下する。
「『十輪譚』!!!」
次の瞬間、巨漢は自身の筋肉を増幅させ、着地した。巨漢が着地した地面には大きな凹みができたが、その巨漢自身にダメージはなかった。
「バケモンだな、お前。」
その巨漢の背後には交次郎の兄、山尾 瞬太郎が立っていた。巨漢は山尾に問う。
「貴様、何者だ。」
「お前と同じ、助っ人だよ。」
山口はこの男を倒す為、山尾兄弟を助っ人として呼んでいたのだ。一方の巨漢も、桜田に助っ人として呼ばれたうちの一人だ。
その時、巨漢は山尾に向かって拳を放った。
「『我と彼方の代入法』!!!」
しかし、山尾は巨漢の頭上へと瞬間移動し、それを回避した。そして、山尾はそのまま巨漢の頭頂部に踵落としをした。
「うるぁぁあ!!!」
だが、巨漢は頭までもが筋肉で覆われており、大したダメージにはならなかった。
「脳筋かよ!」
その時、巨漢は山尾の足を掴んだ。
「(ヤバい…!)」
高さ40メートルから落下しても平気な程の筋肉量。無論、PSIで守備力を上げられると言っても、巨漢の握力の前では山尾の足首など粘土のように握りつぶされてしまう。しかし、振り解く事すら不可能。
巨漢が山尾の足を握りつぶそうとしたその時、交次郎がタレントを使った。
「『我と汝の仮定法』!!!」
すると、巨漢と駅前にいた交次郎の位置が入れ替わった。位置が入れ替わった交次郎は掴んでいた兄の足を離し、地面に下ろした。
「兄ちゃん大丈夫⁈」
「あぁ。助かったぜ、交次郎。お前の方は大丈夫か?怪我してないか?」
「うん。大丈夫だよ。」
互いを心配し合う山尾兄弟。一方、駅前は4メートルもある巨漢が降ってきた事により、人々はパニックに陥っている。
その人混みの中、巨漢は堂々と仁王立ちしている。
「貴様ら、なかなか良いタレントを持っているな!転移型か!」
巨漢は話しながら、山尾兄弟に向かってまっすぐ歩いてきた。
「俺の名は海王力!いざ、尋常に勝負ッ!!!」
好戦的な巨漢、海王。そんな彼に対し、山尾兄弟は口を揃えて言った。
「「嫌だッ!!!」」
次の瞬間、山尾は弟の手を握り、連続で瞬間移動を使い、海王の元から逃げ出した。コレは山尾の考えた作戦だ。海王を街中から遠ざける為。一般市民に危害を加えない為である。
「(駅前はダメだ。どこか、人の少ない所へ…)」
次の瞬間、海王は筋肉を増幅させて跳躍し、一瞬にして山尾達に追いついた。
「兄ちゃんッ!!!」
交次郎は不安そうに叫んだ。一方、兄の瞬太郎は海王の跳躍を見てニヤリと笑った。
「場所が良かったぜ…!」
その時、山尾はいつの間にか拾っていたガラス片を上に投げ、その後、瞬間移動で海王の背後に回った。
「(背後に回られた。やはり良いタレントだ。おそらく、兄の方が瞬間移動。弟の方が対象と位置を入れ替える能力。捕まえるのは困難だ。さて、どうしたものか。)」
次の手を思考する海王。空中で山尾兄弟の方を振り返ったその時、海王の全身に強烈な電流が走った。
「ッ!!!?!?!??!!!」
電線だ。海王の体に切断された電線の電流が流れたのだ。山尾はコレを狙っていたのだ。
先程、山尾が投げたガラス片。それは頭上の電線を切断する為。そして、切断した電線を向かってきた海王にタイミングよく接触させたのだ。
海王の体は完全に硬直し、地面に落下した。そして、その海王の体上に切れた電線が落ちた。
「(から…だ…が……うご……ッ…)」
動けない海王に電流は流れ続ける。いくらPSIが電流のダメージを抑えているとはいえ、このままでは海王は死ぬ。それを悟った山尾兄弟は冷や汗をかき始めた。
「ねぇ、兄ちゃん。アレ、ヤバいんじゃない?死んじゃうんじゃ…」
「…」
山尾は海王に背を向けた。
「帰るぞ交次郎。」
「帰るの⁈」
その時、山尾兄弟は背後の海王のPSIが高まっていくのを感じ、振り返った。
「ひさしく…おもい…だす……この…高揚感ッ……!」
次の瞬間、海王を中心として辺りが爆発した。
逆行の代償により、全身にかつて無い苦痛を受け苦しむ山口。しかし、『飛翼』を使った事で何故か痛みが和らいだ。それにより、山口はヤブ助達に事情を話す事ができた。
「わかった。じゃあ俺たちはお前の言う通り動く。」
ヤブ助や他の二匹も山口の言う事を信じ、山口の作戦(正確には二週目世界のヤブ助の作戦)に賛同した。
「あぁ…頼む……」
衰弱しきった山口。そんな山口に対し、ヤブ助は質問した。
「お前、タイムリープは何回目だ?」
「二回……」
「二回…二回でそれか…」
ヤブ助は何か思案している。そして、ヤブ助は山口に言った。
「お前、もう二度とそのタレント使うな。わかるだろ。次使ったら死ぬ事くらい。」
「…」
山口は何も答えない。
「約束しろ。今回、例え誰が死んだとしても、お前はそのタレントを使うな。」
ヤブ助の命令くさい約束事。山口は数秒間を空けた後、こう言った。
「ガイが…死んでもかよ……」
「…」
その言葉でヤブ助は戸惑った。ヤブ助の優先順位はいつだってガイだ。
戸惑うヤブ助に山口は言った。
「そもそも…ガイ助けに行ってんのに…ガイが死んだら…意味ねぇだろぉ……」
「…」
数秒の間の後、ヤブ助は山口に問う。
「お前、死ぬのが怖くないのか?」
「もう何度も死にかけた…その度に、お前らが助けてくれた……俺だって、助けさせてくれよ……」
山口は一週目世界の事を思い出す。自らの好奇心の為に友達を見殺し、逃げ出し、その事を忘れようとしていた。『あの日見た懐景色』が発現しなかったら、山口はクズのままだった。
「俺はもう…本当のバカには、戻りたくないんだ…」
弱々しくそう呟く山口。逆行の代償による苦痛のせいか、それとも。
その時、ヤブ助は山口にこう言った。
「やはりお前はバカだ。」
その発言を聞き、山口は怪訝そうな顔でヤブ助を見る。
「今回でケリをつければ良い。それだけの事だ。」
山口に『あの日見た懐景色』を使わせない方法。それは、この三週目世界で桜田との戦いに終止符を打つ事。誰も死なずに。
「仲間を信じろ。山口。俺たちは、生きて、ガイを助け出す。お前に二度と、そのタレントは使わせない。」
すると、山口は鼻で笑った。
「二回も失敗したのに何言ってんだか……」
「信用できないか?」
ヤブ助の問いに、山口は首を横に振った。
「信じてる…ずっと……」
そして、山口はヤブ助達にこう言った。
「頼んだぞ……」
ヤブ助達は強く頷いた。
「任せろ。」
その後、ヤブ助は二週目世界と同様、猪頭愛児園へと向かい、桜田を追い返した。
【18:45、駅にて…】
広瀬,有野,白マロ,チビマル,堺,友田が駅にいる。
「それじゃあ、出口邸へ向かおう。」
広瀬が率先して駅から出ようとしたその時、巨大な何かが広瀬達に向かって上空から落下してきた。
「行かせはせんッ!!!」
なんと、その巨大な何かは人間だった。体長4メートルを超えるムキムキの男。それが、二週目世界で広瀬達を踏み潰したものの状態だった。
その巨漢は広瀬達に向かって落下する。このままでは、二週目世界と同じように踏み潰されてしまう。その時だった。
「『我と汝の仮定法』!!!」
次の瞬間、その巨漢が突如として姿を消した。代わりに、空中には小学生くらいの少年の姿が現れた。
少年は広瀬や堺達にキャッチされた。
「あ、ありがとうございます。」
その少年の名は山尾交次郎。以前、ひったくり事件でガイ,山口,堺が出会った山尾 瞬太郎の弟であった。
地面に下ろされた交次郎は広瀬達に言う
「ココは僕と兄ちゃんに任せて下さい。」
「わかった。」
「気をつけてね、交次郎くん。」
広瀬達は駅を出て、出口邸へと向かった。
【上空にて…】
地上から高さ約40メートルの地点に先程の巨漢が現れた。
「ぬッ…⁈」
交次郎の『我と汝の仮定法』は相手と位置を入れ替えるタレント。交次郎は先ずビルの上に待機しており、巨漢が現れると同時にビルから飛び降り、その巨漢と位置を入れ替えたのだ。
巨漢は速度を増して地面に落下していく。このまま地面に激突すれば、即死は確実。しかし、その巨漢は落ち着いている。
【ビル前にて…】
巨漢は地面に落下する。
「『十輪譚』!!!」
次の瞬間、巨漢は自身の筋肉を増幅させ、着地した。巨漢が着地した地面には大きな凹みができたが、その巨漢自身にダメージはなかった。
「バケモンだな、お前。」
その巨漢の背後には交次郎の兄、山尾 瞬太郎が立っていた。巨漢は山尾に問う。
「貴様、何者だ。」
「お前と同じ、助っ人だよ。」
山口はこの男を倒す為、山尾兄弟を助っ人として呼んでいたのだ。一方の巨漢も、桜田に助っ人として呼ばれたうちの一人だ。
その時、巨漢は山尾に向かって拳を放った。
「『我と彼方の代入法』!!!」
しかし、山尾は巨漢の頭上へと瞬間移動し、それを回避した。そして、山尾はそのまま巨漢の頭頂部に踵落としをした。
「うるぁぁあ!!!」
だが、巨漢は頭までもが筋肉で覆われており、大したダメージにはならなかった。
「脳筋かよ!」
その時、巨漢は山尾の足を掴んだ。
「(ヤバい…!)」
高さ40メートルから落下しても平気な程の筋肉量。無論、PSIで守備力を上げられると言っても、巨漢の握力の前では山尾の足首など粘土のように握りつぶされてしまう。しかし、振り解く事すら不可能。
巨漢が山尾の足を握りつぶそうとしたその時、交次郎がタレントを使った。
「『我と汝の仮定法』!!!」
すると、巨漢と駅前にいた交次郎の位置が入れ替わった。位置が入れ替わった交次郎は掴んでいた兄の足を離し、地面に下ろした。
「兄ちゃん大丈夫⁈」
「あぁ。助かったぜ、交次郎。お前の方は大丈夫か?怪我してないか?」
「うん。大丈夫だよ。」
互いを心配し合う山尾兄弟。一方、駅前は4メートルもある巨漢が降ってきた事により、人々はパニックに陥っている。
その人混みの中、巨漢は堂々と仁王立ちしている。
「貴様ら、なかなか良いタレントを持っているな!転移型か!」
巨漢は話しながら、山尾兄弟に向かってまっすぐ歩いてきた。
「俺の名は海王力!いざ、尋常に勝負ッ!!!」
好戦的な巨漢、海王。そんな彼に対し、山尾兄弟は口を揃えて言った。
「「嫌だッ!!!」」
次の瞬間、山尾は弟の手を握り、連続で瞬間移動を使い、海王の元から逃げ出した。コレは山尾の考えた作戦だ。海王を街中から遠ざける為。一般市民に危害を加えない為である。
「(駅前はダメだ。どこか、人の少ない所へ…)」
次の瞬間、海王は筋肉を増幅させて跳躍し、一瞬にして山尾達に追いついた。
「兄ちゃんッ!!!」
交次郎は不安そうに叫んだ。一方、兄の瞬太郎は海王の跳躍を見てニヤリと笑った。
「場所が良かったぜ…!」
その時、山尾はいつの間にか拾っていたガラス片を上に投げ、その後、瞬間移動で海王の背後に回った。
「(背後に回られた。やはり良いタレントだ。おそらく、兄の方が瞬間移動。弟の方が対象と位置を入れ替える能力。捕まえるのは困難だ。さて、どうしたものか。)」
次の手を思考する海王。空中で山尾兄弟の方を振り返ったその時、海王の全身に強烈な電流が走った。
「ッ!!!?!?!??!!!」
電線だ。海王の体に切断された電線の電流が流れたのだ。山尾はコレを狙っていたのだ。
先程、山尾が投げたガラス片。それは頭上の電線を切断する為。そして、切断した電線を向かってきた海王にタイミングよく接触させたのだ。
海王の体は完全に硬直し、地面に落下した。そして、その海王の体上に切れた電線が落ちた。
「(から…だ…が……うご……ッ…)」
動けない海王に電流は流れ続ける。いくらPSIが電流のダメージを抑えているとはいえ、このままでは海王は死ぬ。それを悟った山尾兄弟は冷や汗をかき始めた。
「ねぇ、兄ちゃん。アレ、ヤバいんじゃない?死んじゃうんじゃ…」
「…」
山尾は海王に背を向けた。
「帰るぞ交次郎。」
「帰るの⁈」
その時、山尾兄弟は背後の海王のPSIが高まっていくのを感じ、振り返った。
「ひさしく…おもい…だす……この…高揚感ッ……!」
次の瞬間、海王を中心として辺りが爆発した。
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