188 / 211
第2章『ガイ-過去編-』
第124障『ずっと俺のターン』
しおりを挟む
【4月1日、19:50、フリージア王国、城下町にて…】
前田は自身のPSIで変わった形のハンドコールベルを創造した。
「んじゃマぁ、こっカら先は、ズット俺のターンって事デ。」
ヤブ助は地面に膝をついたまま動かない。
「ヤブ助さん‼︎」
ヤブ助の危機を感じ、裏日戸の治療を中断してヤブ助に加勢に行こうとした氷室。
すると次の瞬間、前田の操るフリージア市民たちが瀕死の裏日戸に向けて一斉に矢を放った。
「『現代のオーパーツ』!!!」
氷室は踵を返し、裏日戸の正面に肉壁を作って矢を防いだ。
「くそッ…‼︎」
その隙に、前田はヤブ助に攻撃を仕掛ける。
「とりあエず、完全ニ発症させるっスよ。」
すると、前田は自身のPSIで作ったハンドコールベルをヤブ助に向け、その音がハッキリ聞こえるように鳴らした。
「『トロイアの鐘』!!!」
説明しよう!
前田のタレント『トロイアの鐘』は他者を操作・洗脳し、さらにそれを周りに伝染させる能力である!
先ず、操作したい相手に鐘の音を十秒間聴かせ続け、その後に命令をする。命令後の操作はオートだが、直接鐘の音を聴かされ操作された者に限り、例え被操作者が鐘の音が聞こえない位置にいたとしても、命令の変更は可能。
また、この操作は他者に伝染する。直接鐘の音を聴かされた被操作者が非操作者に触れる、もしくは被操作者が触れていた物に非操作者が触れる事で、非操作者は感染する。その際の操作命令は伝染をさせた被操作者に依存する。
ちなみに、前田からの直接的な操作命令を受けなかった伝染被操作者の場合は、先の陣野のように、ある程度の痛みや衝撃で操作を解除する事はできるが、伝染を解くことはできない。その為、前田が直接的に操作した者への命令変更時に鐘を鳴らした場合、その命令変更を受けた被操作者の伝染被操作者の操作が再発する。
タイプ:操作型
今、ヤブ助は伝染被操作者。つまり、ある程度は自我を保つ事ができる。前田はそんなヤブ助の自我を完全に断つ為、直接的な操作を試みたのだ。
「十秒経ッタかな。」
前田はヤブ助に十秒間、鐘の音を聴かせ続けた。コレで命令を言えば、ヤブ助は完全に前田の操り人形となってしまう。
「俺もさ、出る杭ハ打つ派ナんすよね。障坂ガイの事はまぁ、そこノ奴カラ聞く事にするわ。」
そこの奴ら、つまり、氷室達の事。前田はヤブ助を危険人物として、今この場で殺すつもりだ。
「ダカラ命令っす。」
前田はヤブ助にハンドコールベルを向け、命令を言った。勿論、命令の内容は桜田と同じ、あの言葉。脳機能のシャットダウン。あっさりと終わってしまった。
「死ネ。」
「断る。」
次の瞬間、ヤブ助は地面から立ち上がり、高速で前田に詰め寄った。
「『毀甲』ッ‼︎」
ヤブ助は手刀で前田の両肩を突いた。ヤブ助の突きは前田の肩の関節を外し、さらに靭帯を切り裂いた。
「ナグッ…‼︎」
前田は激痛を感じると共に、何故ヤブ助が動けたのか理解した。
「(コイツ…解イてヤがった…‼︎)」
そう。ヤブ助は前田が直接操作を試みようと鐘を鳴らしている間に、舌を噛んで伝染操作を解除していたのだ。
【ヤブ助の回想…】
潜水艦の中、桜田は皆に他者操作型のタレントの攻略法を言っていた。
「大体の洗脳や操作は、ある程度の痛みや衝撃で解除できるんだ。僕の『誤謬通信』みたいにあまり強くない操作に限りだけど。でも体の自由が効かなくなる場合が多いから、舌噛むのがオススメかな。かなり痛いけど。」
その後、桜田は洗脳の強弱の度合いや性能、『死ね』がどれだけ強いか、などの説明をしていた。それが今、ヤブ助の役に立ったのだ。
【現在…】
完全に前田の隙を突けたヤブ助。しかし、前田は確かにヤブ助に十秒間、鐘の音を聴かせ続けた。その際、ヤブ助は耳を塞ぐなどの対処をしてはいない。にも関わらず、何故ヤブ助を操作できていないのか。
「(でも何デ…⁈何デ操作デキてないンだ…⁈)」
実は前田があの鐘を鳴らし続けていた時、ヤブ助は手を使わず、耳抜きの要領で鼓膜を破っていたのだ。だから鐘の音を最後まで聴く事なく、操作を免れたのだ。
ちなみに、前田の『死ね』に『断る』と反応したのは、そう言うと思ったから。きっと前田は自身にそう命令すると読んでいたのだ。
「お前さっき『ずっと俺のターン』だとか抜かしてたよな?ふん、図に乗るな。」
ヤブ助は殺意の籠った視線で言い放った。
「お前にターンは無い!!!」
ヤブ助の威圧、それは白鳥組幹部である前田ですらも圧倒された。
「クソッ‼︎」
『死ね』にヤブ助が反応した事で、前田はヤブ助の鼓膜が破れているなど想像もつかない。きっと前田は『ヤブ助には直接操作が効かない!』と思っているのであろう。そんな前田の焦りは半端なく、彼を逃走へ掻き立てるのに十分過ぎた。
本気の逃走を試みる前田。時速80kmは出ているだろう。速い。しかし、それは常人にとっての感覚。
「遅いッ‼︎」
ヤブ助は猫化し、PSIを纏って姿勢を丸めた。そして次の瞬間、ヤブ助は一気に飛び出す。時速はロイと戦った時以上、時速200km。
「ほふぇあぁあぁッ!!?!」
あまりの速さに素っ頓狂な声が出る前田。ヤブ助は一瞬に前田に追いつき、前田に激突する寸前で人間化した。
「『射痙』ッ‼︎」
ヤブ助はその勢いのまま、前田の両太腿の筋繊維を断裂させた。当然、前田は地面に倒れ込む。
しかし、地面に倒れ込む隙すらヤブ助は与えない。ヤブ助は前田の眼球を再び潰し、全身の筋繊維や靭帯を断裂させ、関節を外す。
「ウギヤァああァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァア!!!!!?!?!?!!」
かつてない激痛に悶える前田。しかし、ヤブ助の攻撃は止まらない。脳を揺らし、鼓膜を破り、横隔膜を痙攣させ、内臓を破壊し、睾丸を潰す。
「(モウッ‼︎ヤメテッ‼︎クレッ‼︎)」
きっとコレは八つ当たりだ。ガイに置いていかれた事による、ただの八つ当たり。
「そろそろ終わらせるぞッ‼︎」
ヤブ助は構えた。今までの構えとは違う。前田にトドメを刺すつもりだ。
「禁手ッ…周防封魂ッ…‼︎」
ヤブ助は前田の胸に両手の平を押し当てた。
「『地天拍動』ッ‼︎」
すると、前田の体内の血液が逆流した。
「ッ……!!?!ッ……!!!?!!?!」
次の瞬間、前田の心臓と全身の血管が破裂し、体の至る所から血が吹き出した。きっと凄まじい痛みのはず。しかし、叫ぶ為の声帯すらも前田にはもう無い。
「ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…」
ヤブ助は前田に勝利した。
「ガイのバカ野郎……」
にも関わらず、ヤブ助は不機嫌だった。
前田は自身のPSIで変わった形のハンドコールベルを創造した。
「んじゃマぁ、こっカら先は、ズット俺のターンって事デ。」
ヤブ助は地面に膝をついたまま動かない。
「ヤブ助さん‼︎」
ヤブ助の危機を感じ、裏日戸の治療を中断してヤブ助に加勢に行こうとした氷室。
すると次の瞬間、前田の操るフリージア市民たちが瀕死の裏日戸に向けて一斉に矢を放った。
「『現代のオーパーツ』!!!」
氷室は踵を返し、裏日戸の正面に肉壁を作って矢を防いだ。
「くそッ…‼︎」
その隙に、前田はヤブ助に攻撃を仕掛ける。
「とりあエず、完全ニ発症させるっスよ。」
すると、前田は自身のPSIで作ったハンドコールベルをヤブ助に向け、その音がハッキリ聞こえるように鳴らした。
「『トロイアの鐘』!!!」
説明しよう!
前田のタレント『トロイアの鐘』は他者を操作・洗脳し、さらにそれを周りに伝染させる能力である!
先ず、操作したい相手に鐘の音を十秒間聴かせ続け、その後に命令をする。命令後の操作はオートだが、直接鐘の音を聴かされ操作された者に限り、例え被操作者が鐘の音が聞こえない位置にいたとしても、命令の変更は可能。
また、この操作は他者に伝染する。直接鐘の音を聴かされた被操作者が非操作者に触れる、もしくは被操作者が触れていた物に非操作者が触れる事で、非操作者は感染する。その際の操作命令は伝染をさせた被操作者に依存する。
ちなみに、前田からの直接的な操作命令を受けなかった伝染被操作者の場合は、先の陣野のように、ある程度の痛みや衝撃で操作を解除する事はできるが、伝染を解くことはできない。その為、前田が直接的に操作した者への命令変更時に鐘を鳴らした場合、その命令変更を受けた被操作者の伝染被操作者の操作が再発する。
タイプ:操作型
今、ヤブ助は伝染被操作者。つまり、ある程度は自我を保つ事ができる。前田はそんなヤブ助の自我を完全に断つ為、直接的な操作を試みたのだ。
「十秒経ッタかな。」
前田はヤブ助に十秒間、鐘の音を聴かせ続けた。コレで命令を言えば、ヤブ助は完全に前田の操り人形となってしまう。
「俺もさ、出る杭ハ打つ派ナんすよね。障坂ガイの事はまぁ、そこノ奴カラ聞く事にするわ。」
そこの奴ら、つまり、氷室達の事。前田はヤブ助を危険人物として、今この場で殺すつもりだ。
「ダカラ命令っす。」
前田はヤブ助にハンドコールベルを向け、命令を言った。勿論、命令の内容は桜田と同じ、あの言葉。脳機能のシャットダウン。あっさりと終わってしまった。
「死ネ。」
「断る。」
次の瞬間、ヤブ助は地面から立ち上がり、高速で前田に詰め寄った。
「『毀甲』ッ‼︎」
ヤブ助は手刀で前田の両肩を突いた。ヤブ助の突きは前田の肩の関節を外し、さらに靭帯を切り裂いた。
「ナグッ…‼︎」
前田は激痛を感じると共に、何故ヤブ助が動けたのか理解した。
「(コイツ…解イてヤがった…‼︎)」
そう。ヤブ助は前田が直接操作を試みようと鐘を鳴らしている間に、舌を噛んで伝染操作を解除していたのだ。
【ヤブ助の回想…】
潜水艦の中、桜田は皆に他者操作型のタレントの攻略法を言っていた。
「大体の洗脳や操作は、ある程度の痛みや衝撃で解除できるんだ。僕の『誤謬通信』みたいにあまり強くない操作に限りだけど。でも体の自由が効かなくなる場合が多いから、舌噛むのがオススメかな。かなり痛いけど。」
その後、桜田は洗脳の強弱の度合いや性能、『死ね』がどれだけ強いか、などの説明をしていた。それが今、ヤブ助の役に立ったのだ。
【現在…】
完全に前田の隙を突けたヤブ助。しかし、前田は確かにヤブ助に十秒間、鐘の音を聴かせ続けた。その際、ヤブ助は耳を塞ぐなどの対処をしてはいない。にも関わらず、何故ヤブ助を操作できていないのか。
「(でも何デ…⁈何デ操作デキてないンだ…⁈)」
実は前田があの鐘を鳴らし続けていた時、ヤブ助は手を使わず、耳抜きの要領で鼓膜を破っていたのだ。だから鐘の音を最後まで聴く事なく、操作を免れたのだ。
ちなみに、前田の『死ね』に『断る』と反応したのは、そう言うと思ったから。きっと前田は自身にそう命令すると読んでいたのだ。
「お前さっき『ずっと俺のターン』だとか抜かしてたよな?ふん、図に乗るな。」
ヤブ助は殺意の籠った視線で言い放った。
「お前にターンは無い!!!」
ヤブ助の威圧、それは白鳥組幹部である前田ですらも圧倒された。
「クソッ‼︎」
『死ね』にヤブ助が反応した事で、前田はヤブ助の鼓膜が破れているなど想像もつかない。きっと前田は『ヤブ助には直接操作が効かない!』と思っているのであろう。そんな前田の焦りは半端なく、彼を逃走へ掻き立てるのに十分過ぎた。
本気の逃走を試みる前田。時速80kmは出ているだろう。速い。しかし、それは常人にとっての感覚。
「遅いッ‼︎」
ヤブ助は猫化し、PSIを纏って姿勢を丸めた。そして次の瞬間、ヤブ助は一気に飛び出す。時速はロイと戦った時以上、時速200km。
「ほふぇあぁあぁッ!!?!」
あまりの速さに素っ頓狂な声が出る前田。ヤブ助は一瞬に前田に追いつき、前田に激突する寸前で人間化した。
「『射痙』ッ‼︎」
ヤブ助はその勢いのまま、前田の両太腿の筋繊維を断裂させた。当然、前田は地面に倒れ込む。
しかし、地面に倒れ込む隙すらヤブ助は与えない。ヤブ助は前田の眼球を再び潰し、全身の筋繊維や靭帯を断裂させ、関節を外す。
「ウギヤァああァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァア!!!!!?!?!?!!」
かつてない激痛に悶える前田。しかし、ヤブ助の攻撃は止まらない。脳を揺らし、鼓膜を破り、横隔膜を痙攣させ、内臓を破壊し、睾丸を潰す。
「(モウッ‼︎ヤメテッ‼︎クレッ‼︎)」
きっとコレは八つ当たりだ。ガイに置いていかれた事による、ただの八つ当たり。
「そろそろ終わらせるぞッ‼︎」
ヤブ助は構えた。今までの構えとは違う。前田にトドメを刺すつもりだ。
「禁手ッ…周防封魂ッ…‼︎」
ヤブ助は前田の胸に両手の平を押し当てた。
「『地天拍動』ッ‼︎」
すると、前田の体内の血液が逆流した。
「ッ……!!?!ッ……!!!?!!?!」
次の瞬間、前田の心臓と全身の血管が破裂し、体の至る所から血が吹き出した。きっと凄まじい痛みのはず。しかし、叫ぶ為の声帯すらも前田にはもう無い。
「ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…」
ヤブ助は前田に勝利した。
「ガイのバカ野郎……」
にも関わらず、ヤブ助は不機嫌だった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
軽トラの荷台にダンジョンができました★車ごと【非破壊オブジェクト化】して移動要塞になったので快適探索者生活を始めたいと思います
こげ丸
ファンタジー
===運べるプライベートダンジョンで自由気ままな快適最強探索者生活!===
ダンジョンが出来て三〇年。平凡なエンジニアとして過ごしていた主人公だが、ある日突然軽トラの荷台にダンジョンゲートが発生したことをきっかけに、遅咲きながら探索者デビューすることを決意する。
でも別に最強なんて目指さない。
それなりに強くなって、それなりに稼げるようになれれば十分と思っていたのだが……。
フィールドボス化した愛犬(パグ)に非破壊オブジェクト化して移動要塞と化した軽トラ。ユニークスキル「ダンジョンアドミニストレーター」を得てダンジョンの管理者となった主人公が「それなり」ですむわけがなかった。
これは、プライベートダンジョンを利用した快適生活を送りつつ、最強探索者へと駆け上がっていく一人と一匹……とその他大勢の配下たちの物語。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
おいでよ!死にゲーの森~異世界転生したら地獄のような死にゲーファンタジー世界だったが俺のステータスとスキルだけがスローライフゲーム仕様
あけちともあき
ファンタジー
上澄タマルは過労死した。
死に際にスローライフを夢見た彼が目覚めた時、そこはファンタジー世界だった。
「異世界転生……!? 俺のスローライフの夢が叶うのか!」
だが、その世界はダークファンタジーばりばり。
人々が争い、魔が跳梁跋扈し、天はかき曇り地は荒れ果て、死と滅びがすぐ隣りにあるような地獄だった。
こんな世界でタマルが手にしたスキルは、スローライフ。
あらゆる環境でスローライフを敢行するためのスキルである。
ダンジョンを採掘して素材を得、毒沼を干拓して畑にし、モンスターを捕獲して飼いならす。
死にゲー世界よ、これがほんわかスローライフの力だ!
タマルを異世界に呼び込んだ謎の神ヌキチータ。
様々な道具を売ってくれ、何でも買い取ってくれる怪しい双子の魔人が経営する店。
世界の異形をコレクションし、タマルのゲットしたモンスターやアイテムたちを寄付できる博物館。
地獄のような世界をスローライフで侵食しながら、タマルのドキドキワクワクの日常が始まる。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
少し冷めた村人少年の冒険記 2
mizuno sei
ファンタジー
地球からの転生者である主人公トーマは、「はずれギフト」と言われた「ナビゲーションシステム」を持って新しい人生を歩み始めた。
不幸だった前世の記憶から、少し冷めた目で世の中を見つめ、誰にも邪魔されない力を身に着けて第二の人生を楽しもうと考えている。
旅の中でいろいろな人と出会い、成長していく少年の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる