ゴールデンクラッカー☆大介

泉出康一

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7Chance 『シゲルVSトランス』

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病院、エントランスにて…

「礼ハ要ラン!ヤラセロ!!!」
「い、一体何を…」

その時、ペドロはシゲルを突き飛ばした。

「この変態!姉さんに近づくな!」
「…ユー達、ズット追ワレテタネ。サッキノアイツ、凄イ殺気ヨ。殺サレルヨ?」
「だから何だってんだよ!」
「ミーガ守ッテヤルネ。」
「要るか!そんなん!」

その時、イザベラはペドロに話しかけた。

「待って、ペドロ。」
「ど、どうしたの…?」
「さっき来た偽者…もしかして、大介さんを追ってる殺し屋なんじゃない…?」
「え…でも。」
「もしそうなら、私達だけじゃどうする事もできない。」
「決マリネ。後デチャントヤラセルガヨロシ。」

集中治療室前にて…

ペドロ,イザベラ,シゲルが部屋の前で待機している。

「(奴らの狙いは大介さんの命…居場所を突き止めて、きっとココに来るはず…)」
「…チョットといれ行ッテクルネ。」
「行くなよ!俺が言うのもなんだけど!」
「漏ラセ言ウカ!!!」
「漏らせ!!!」

その時、1人の女性看護師が医療用カートを押しながら、治療室にやって来た。

「キミ達?どうしたの?こんな所で。」
「え、いや…その…」
「…心配なのね。大丈夫よ。私達に任せて。」
「はい。お願いします。」
「そうだ!看護師さん!俺そっくりな奴、見なかった?」
「いいえ。見てないけど…ごめんなさい。私ちょっと急いでるから…」

女性看護師は長岡の居る集中治療室に入ろうとした。

「…待ってよ。」
「ど、どうしたの?」
「よくもまぁ『見てない』ってハッキリ言えたね。」
「何を…」
「即答だったよね?思い出そうともしなかったよね?」
「だから、それは急いでるからで…」
「スラム育ちなめんな。」

ペドロは女性看護師を指差した。

「嘘臭ぇんだよ!テメェ、さっきの殺し屋の仲間だな!!!」

次の瞬間、その女性看護師はペドロにメスを投げつけた。
メスがペドロに直撃する寸前にシゲルがそのメスを受け止めた。

「チッ…」

女性看護師は逃げ出した。

「ワオッ!逃ガスカボケ!!!」

シゲルは後を追いかけた。
イザベラは何か考え込んでいる。

「姉さん?どうしたの?」
「…大介さんは見えない腕を…アマゾンで会った殺し屋は虫を操ってた…」
「未だに信じられないけどね。それがどうかした?」
「…不可能が無い、とすれば…もしかしたら…」

病院内、エントランスにて…

シゲルは女性看護師を追って、エントランスへとやって来た。
シゲルは辺りを見渡すが、そこにあの女性看護師の姿はなかった。

「(逃ゲラレタ?NO!マダ遠クニハ行ッテNOネ…)」

シゲルはエントランス内を探し回った。

集中治療室前にて…

シゲルが戻ってきた。

「ソーリー…取リ逃ガシタネ…」
「そっか。」
「アイツ、足速イヨ!ボルトモビックリヨ!ワオッ!」
「…シゲルさん。」
「What's?」
「やっぱり…あの約束、無しで!」
「え…や、約束…?」

次の瞬間、イザベラはシゲルの股間を蹴り上げた。

「ニュギュッ!!!?!?!」

シゲルはその場に蹲った。

「やはり、貴方…偽者ですね!」

シゲルの肌の色や体格、顔の作りが徐々に変化していった。

「ホントだ。姉さんの言う通りだ!コイツ、他人に変身できるんだ!!!」

そこへ本物のシゲルがやって来た。

「あ、本物だ。」
「ソーリー…取リ逃ガシタネ…アイツ、足速イヨ!ボルトモビックリヨ!ワオッ!」
「デジャブか?」

その時、シゲルは股間を押さえて蹲っている者に気づいた。

「コイツ誰カ?」
「コイツだよ。大介さんの命を狙ってる殺し屋は。」
「信じられないかも知れませんが、この人…他の人に変身できるようなんです。」
「What's?」

次の瞬間、その殺し屋の姿が消えた。

「き、消えた…⁈」
「どうなってるの⁈」

先程まで殺し屋が蹲っていた地面には、服やカツラが散乱していた。

「(俺の変身に気づいたのは褒めたるわ。やけどな、それだけで『Zoo』の殺し屋やってる訳ちゃうねんぞ。)」

コードネーム:トランス
生まれつき神経細胞の数が非常に多く、普通なら動かすのも困難な箇所の筋肉を、自在に操る事ができる。トランスはこの特異体質を利用して、表情筋や骨格筋を自在に操り、他人そっくりの顔・体格に変身していたのだ。また、身体の組織に圧をかけ、血中のヘモグロビン濃度を変化、身体の色素を変化できるのだ。ちなみに、髪はカツラ。変声は自力で習得したらしい。

「(キン〇マ痛っ…)」

トランスは、ペドロ達全員の視線が外れたその一瞬で服を脱ぎ、色素変化の力によって、病院の白い壁に擬態していたのだ。

「(一流っぽくスマートに殺したかってんけどな…もうええわ。場所分かってん。後は爆弾でも使って…)」

次の瞬間、トランスの肩に木の矢が突き刺さった。

「ぐなぁッ…!!!」

矢を放ったのはシゲルだった。
トランスの擬態が解けた。

「な、何で…⁈」
「気配ダダ漏レヨ。」
「(ありえへん!気配殺すんは暗殺者基礎中の基礎!こんな半裸野郎に、俺の気配が悟られる訳ない!)」

それを見たペドロは、シゲルを見直したようだ。

「お前、やるじゃん!」
「あまぞん育チナメンナ!」

シゲルは弓矢を構えた。

「今度ハ逃ガサナイネ…!」

次の瞬間、トランスは背を向け、その場から走って逃げた。

「待チナ!」

シゲルは逃げるトランスに向けて、木の矢を放った。

「がはッ…!!!」

木の矢はトランスの首に突き刺さった。

「くッ…!!!」

しかし、トランスは首に刺さった矢を抜き、一階エントランスの方へと走り去った。

「…逃げた…?」
「あの傷なら大丈夫じゃない?もう追って来れないでしょ。」
「甘イネ。」

次の瞬間、シゲルはトランスを追いかけた。

「あ!おい!もういいって!」

病院内、エントランスにて…

シゲルがエントランスへとやって来た。

「(血垂レガ無イ…)」

トランスは肩と首に矢を撃たれた。にも関わらず、床には一滴の血も落ちていないのだ。
それもそのはず。トランスは傷付近の筋肉を操作し、出血を止めていたのだ。

「(キット奴ハ無事…ソシテ、マダココニ居ル…姿ヲ変エテ…)」

エントランスには、看護師や病院関係者、患者や診察待ちの人、合計20人程が居た。
シゲルは少し考え込んだ。
次の瞬間、シゲルは近くにいた人間から順に、顔面パンチしていった。

「ちょ、ちょっとぉ⁈何してんですかアンタ!」

シゲルは有無を言わさず、止めに来たその看護師も殴った。

「うぐぇ!!!」

看護師は気絶した。
シゲルは子供も年寄りも病人も、見境無く殴り飛ばしている。
数十秒後、シゲルはエントランス内に居た人間全てをノックアウトさせた。
シゲルは2周目に突入した。

「おおお鬼かお前は!!!」

次の瞬間、老人に変身していたトランスがハサミを取り出し、シゲルに襲いかかった。
しかし、それをシゲルは難なくかわす。

「(コイツ…)」

この時、トランスは初めて、シゲルを敵と認識した。マイマイと同様、『世界一の殺し屋』というプライドが、どこか相手を軽んじていたのだ。
次の瞬間、トランスは肩付近の筋肉を操作し、肩の傷から血を噴出させた。
その噴出させた血はシゲルの両目にかかった。

「クッ!!!」

トランスはシゲルの首めがけて、ハサミを突き出した。

「グガッ!!!」

ハサミはシゲルの喉奥にまで突き刺さった。

「(お返しじゃボケ!)」

するとその時、シゲルはトランスを強く抱擁した。

「え…?」
「キィェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェエ!!!?!?!」

次の瞬間、シゲルは正面向きのトランスにバックドロップをした。

「グェェェェェエ!!!?!?!」

トランスは顔面から床に衝突し、気絶した。

「命アルダケマシダト思イナ!アディオス!!!」
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