異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

第53話 暗殺の後始末

ヘルクドールとアーセリオドールとイールスが話し合い、処分を決めていく
「クレイバルバウム騎士爵様、例の書類をお願いします」
イールスがクレイバルバウム騎士爵を見て言う
「申し訳ありません…この責めは負います。これが不正の証拠です。 また、各領主の証明した、証文です」
クレイバルバウム騎士爵が説明をしている

「こんな事が…税が５パーセント上乗せされて…支給が１０パーセント少なくなっているなんて…こんな事に…ガゼリアント準騎士爵…許す訳にはいかない…」
ヘルクドールががっかりしている
「鉱山も実際の数値が半分になってます。これでは運営は無理です。 それにすぐに底をつきます」
イールスが資料を見せて言う
「鉱山の採掘を減らすように伝えよ…この鉱物はどこに？」
ヘルクドールが考え込んでいる
「商人を捕まえて、調べたいと思います。 ガゼリアント準騎士爵の独断では無いと思います」
クレイバルバウム騎士爵が説明をしている
「はぁ…済まなかった…クレイバルバウム騎士爵…完全に調べ尽くせ」
ヘルクドールが疲れたように言う

「アーメリアとの婚約ですが…この事実から…取り止めを宣言した方が良いのでしょうか？」
アーセリオドールが覚悟を決めて言う
「公に出来ないだろう…公にしたら、子爵家は取り潰し…今回の件が公になったら、どれだけの被害が出る？」
ヘルクドールが頭を抱えている
「どうしたら？」
アーセリオドールが頭を抱えている
「ヘルクドール様、未熟者の考えで申し訳ありませんが、アーメリア様は、関係してませんので、そのままでどうでしょうか？ 侍女と賊達は処分して、アーメリア様の実家にアーメリア様から説明と、今後の協力関係の念書を貰い、２度とレズムード伯爵家に手を出させないようにしませんか？」
イールスが考えながら言う
「イールス…頭が回るのは良いが…クレイバルバウム騎士爵どう思う？」
ヘルクドールが頭を抱えながら聞く
「アーメリア様、次第と思いますが、アーセリオドール様にとっては良い事です。 側室を持つ時にもアーメリア様は文句言えません」
クレイバルバウム騎士爵が笑顔で言うと、アーメリアを呼んで、アーメリアに説明をする

「家には私から説明します…アーセリオドール様、ありがとうございます」
アーメリアが涙目で頭を下げて、約束して、証文と手紙を認めている
「アーメリア、これから支えてくれ…領地がこんな不正だらけで、大変だと思うが…」
アーセリオドールが疲れたように言う
「どんなに辛い事が有っても、一緒と約束していましたから…アーセリオドール最後時まで傍に居させて下さい」
アーメリアが決意した表情でアーセリオドールを見ている

「フレールとザイラネか…」
ヘルクドールが頭を抱えながら呟く
「病死として、処刑しか有りません…アーセリオドール様、イールス様、ロイホール様暗殺未遂ですから…１年前の暗殺未遂もザイラネ様の指示でした」
クレイバルバウム騎士爵が調書を見せて言う
「仕方無いか…」
ヘルクドールが頭を抱えながら言う
「ヘルクドール様、処分は待ってください、ガゼリアント準騎士爵は、フレール様の御実家と繋がりが疑われます。それにメイラール様とシスラーザ様には、母親が必要です。メイラール様は今回の賊の侵入でかなり怯えています」
「イールス、言いたい事は解るが、どうやって今回の件を公表する？」
ヘルクドールが頭を抱えながら聞くと、イールスが丁寧に説明をしている

「アーセリオドール、アーメリアどう思う？」
ヘルクドールが考えながら聞く
「メサリアの事を考えたら、それがベストと思いますが…フレールお義母様が認めますか？」
アーセリオドールが考えながら聞く
（イールス暗殺を伝えたら、大騒ぎになる…）
「認めるも認めないも、手立てが無い…内政に干渉も、ロイホールに干渉も出来なくなる…王都にも行けないからには、もう何も出来ないだろう…イールス暗殺なんて、メサリアが聞いたら、後が怖いが…」
「イールス暗殺未遂…内密に処分がベストです…王都に知られたら、どれだけの令嬢が騒ぐか…ルーゼント伯爵家がすぐに乗り込んで来そうです。 メサリアと手を組んだらどれだけ恐ろしいか…」
アーセリオドールが思い出したように呟く
「貸しを作ろうと、多くの令嬢が親の力を使い、手伝おうとしますね…侯爵家から伯爵家に子爵家に男爵家に騎士爵家まで数十人詰め掛けて面倒になります」
アーメリアが苦笑いしている
「何故そこまで大事に？ 有名になりたくないのですが…」
イールスが慌てて言うと、ヘルクドールとアーセリオドールとアーメリアが溜め息している

「性格が…クレイバルバウム騎士爵解ったか？ イールスを敵に回すなよ」
アーセリオドールが苦笑いしながら、説明をしている
「もしや、既に申し入れも有りましたか？」
クレイバルバウム騎士爵が驚いている
「申し入れは、１０人聞いてます…王立学院で人気を３分していると聞いています。バーランムーア侯爵家とルーゼント伯爵家は、既にイールスを婿にと決めています。気に入り方が半端有りません」
アーメリアが説明を始めると、クレイバルバウム騎士爵が納得したように頷いている
「余り、話を大きくしないで欲しいと思ってます。 半人前の未熟者ですから、大変申し訳無いです」
イールスが頭を下げている

「しかし、イールス暗殺未遂を隠さないとまずいか…やはり、フレールとザイラネは静養として、軟禁にする」
ヘルクドールが溜め息をして言う
「まさか…返り討ちにした、イールス所為で公表不可能にされるとは…」
アーセリオドールが呟く
「え？ 申し訳ありません…未熟者なので、ご迷惑をお掛けして、大変申し訳ありません」
イールスが頭を下げていると、全員がイールスを見て溜め息している

フレールとザイラネと、ビヨールとメイラールとシスラーザとロイホールを呼び、処分を言い渡す
「何故幽閉…私を見捨てるのですか…」
ザイラネが泣き崩れる
「ヘルクドール…甘んじて大人しくしておきます…ロイホールだけは、大切にしてください」
フレールが涙目で頭を下げる
「大事な息子だ！ イールスを見習って良い男になって欲しい」
ヘルクドールが笑顔で言う
「何故、イールス等に！ ロイホールの方が上です！！ 次男としてください」
フレールが大声で叫ぶ
「お母様、イールス御兄様を尊敬してます。イールス御兄様のお陰でパーティーでも何人か知り合いになれました。剣術も朝に教えて貰っています。勉強も今は楽しいです」
ロイホールが笑顔で言う
「ロイホール何故！！ イールスを兄と認めないように！！」
フレールが慌てて言う
「今回軟禁にするのは、イールス相手に暗殺未遂なんて、王都に知られたら、フレールの実家も縁者も潰されるぞ…」
ヘルクドールが苦笑いしていると、フレールが驚いている
「イールスの後ろには、魔法研究院と侯爵家と３伯爵家に子爵家から準騎士爵まで数十人が駆け付けます。パーティーでもして、レズムード伯爵家の人と知られれば、イールス争奪戦が始まります。それに今回の剣の実力がバレると、更に人が集まるでしょう…既に何人もイールスを婿に迎え入れたいと話が有りました」
アーメリアが丁寧に王都でのイールスの人気を伝え始めると、フレールとザイラネが目を丸くして口を空けて聞いている
「解ったな…暗殺未遂をした相手の所為で生かされるのだから、大人しくしておいてくれ…イールスの仕返しは恐ろしいぞ」
ヘルクドールが苦笑いして言う