異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

第54話 鉱山の町の後始末

アーセリオドールとイールスは、クレイバルバウム騎士爵と共にガゼリアント準騎士爵を捕えに向かう
「何か御用ですか？ アーセリオドール様」
ガゼリアント準騎士爵が笑顔で出迎える
「簡単な事だ！ 言い逃れは出来ない！ 捕らえよ」
アーセリオドールが宣言すると、兵士が準騎士爵を取り押さえ、拘束している
「何故だ！ アーセリオドール様！」
ガゼリアント準騎士爵が慌てて叫ぶ
「既に不正の数々、露見しているぞ！ これでもシラを切るか？」
アーセリオドールが証拠を叩き付けて怒鳴ると、ガゼリアント準騎士爵青ざめて震えている

クレイバルバウム騎士爵が兵士達に証拠集めさせると、倉庫から大量の金貨と宝物が見付かり、ガゼリアント準騎士爵が全てを話し始める
「ジュジェンタル準男爵家が裏にいたか…イールスどうする？」
「アーセリオドール様、早く商人を捕らえて、全部調べましょう」
イールスが考えながら言う
「証拠は…これか？」
アーセリオドールがクレイバルバウム騎士爵が持ってきた、資料を見て苦笑いしている
「密輸の証拠です。 それに資金の流れがどうなっているか？ 賠償を商人からして貰いましょう。クレイバルバウム騎士爵、既に準備は出来てますね」
イールスが笑みを浮かべている
「支部と領地から出られないように既に手筈は出来ています」
クレイバルバウム騎士爵が笑みを浮かべている

商人の店に向かい呼び出す
「アーセリオドール様、何か御用ですか？」
商人が驚きながら聞く
「言い逃れは出来ないと思え」
アーセリオドールが証拠を叩き付けて怒鳴り、商人が証拠を見て青ざめている
「これは、ガゼリアント準騎士爵の指示で…」
商人が慌てて叫ぶ
「こいつも既に捕らえた！ 言い逃れは出来ない！ 覚悟せよ」
アーセリオドールが睨みながら言うと、兵士が取り押さえ、店内の人達も取り押さえている

「アーセリオドール様、有りました。裏帳簿と証文です。ジュジェンタル準男爵に資金を渡していたのは、確実です」
クレイバルバウムが笑顔で言う
「王都の商会も関係しています。 これで王都の商会も取り押さえが出来ます。騎士団に頼みますか？」
イールスが笑みを浮かべて、証拠を見ている
「こんな事をして、フレール様が怒りますよ」
商人が悪足掻きのように言う
「フレールお義母様は既に、静養している。文句を言うことは無理だ！ 大人しく全て話して貰うぞ」
アーセリオドールが笑みを浮かべて睨んでいる
「終わりなのか…」
商人が泣いている。店の店員からの証言で、不正を働いていた、人達を捕えにクレイバルバウム騎士爵が指示を出している

イールスは、数日間アーセリオドールとクレイバルバウム騎士爵と共に調べて、１日休みを貰い、鉱山の町を護衛と散策をしている
「色んな出店が…」

あれは肉焼き？串焼きか？ 向こうは何かの汁物か…何だろう、路地裏で女性が

イールスが歩いて近付く
「お客さん、買いませんか？」
女性がイールスの腕を掴み微笑みながら言う
「え？ 何ですか？ 」
イールスが驚いて声を上げると、護衛が笑っている
「大銀貨２枚で良いよ」
女性が腕を掴みながら路地裏に連れ込もうとしている
「ごご、ごめんなさい、その気は無いです」
イールスが慌てて振り払おうとしている
「良い男なのだから、遊んで行きましょうよ」
女性が抱き付こうとすると、イールスが慌てて飛び退く
「残念…」
女性が残念そうに呟くと、イールスが逃げるように歩いていく
「イールス様、初めてですか？」
護衛が微笑みながら聞く
「え！ そうです…娼婦は初めて見ました…」
苦笑いしながら言うと、護衛達が笑っている

護衛達、楽しんでいたのか？ 転生してから、初めてか…娼婦相手より…

イールスが歩いていると、冒険者ギルドを見付ける
「どんな依頼が有るか見てみようか？」
護衛達を見て聞く
「ここからはカルスと呼びます」
護衛が笑顔で言うと、冒険者ギルドに入り、掲示板を見ている
「おい小僧の遊びで来る場所でないぜ」
男がイールスを睨みながら言うと、周囲の冒険者が笑っている
「そうですね、どんな依頼が有るのか知りたかったので、お邪魔しています。まだまだ、未熟者ですので、依頼の御説明をお願いしても宜しいですか？」
イールスが笑顔で振り向いて聞くと、男がポカンとしている。冒険者達が爆笑する
「は？ 何を言っている！ 職員に聞け！！」
男が慌てて叫ぶと、護衛達が笑いを堪えている
「もし宜しければ、説明をしますが…」
職員が出て来てイールスを見ている
「お願いします」
イールスが笑顔で言うと、掲示板の依頼の説明を聞きながら見ている

「このモンスターなのですか？」
依頼書を見ながら聞く
「それは…未確認です。既に３組が調査に向かいましたが、見付けられませんでした。誰かの見間違いの可能性が有ります。このクラスだと、領主様に報告をして、討伐を依頼する為の依頼です」
職員がキマイラの依頼書を見ながら言う

グゼーラストさん達の調査もキマイラだったな…この発見された場所は…少し離れているけど、男爵家の方向に近いのか？ 何か有るのか？ この依頼もモンスターの討伐…魔物ではなく、モンスター

「どうかなさいましたか？」
職員がイールスが考えているのを見ている
「モンスターなのですね」
イールスが数枚依頼書を見ている
「そうです。 この付近はこの頃多く、領主様の兵士様も調査しています。この町から離れていますけど」
職員が笑顔で言う
「ありがとうございました。 勉強になりました」
イールスが笑顔で言うと、冒険者ギルドを出て歩いて帰っていく

「イールス、帰ったか、町中はどうだった？」
アーセリオドールがイールスを見付けて聞く
「アーセリオドール様、大変勉強になりました。我が儘を聞いて貰い感謝しています」
「もう少し楽しんで来て良いぞ」
アーセリオドールが笑顔で言う
「気になる事が有ります。 モンスターが数種類の依頼が出ていました。 モンスターなら、早めに発生地点を調査が必要です」
「イールス、折角の休暇だ、ゆっくりして良いぞ…モンスターの件は、兵士達が対応している」
アーセリオドールが受けている、報告内容教えてくれる

イールスが部屋に戻っていく
「何か問題が有ったか？」
アーセリオドールが護衛に聞く
「娼婦に絡まれて、逃げていました」
護衛が笑いながら説明していると、アーセリオドールが笑っている
「普段は冷静でも詰め寄られると、弱いのか？ まだまだ若いからか？ イールスにもまだまだ可愛い所が有るのだな」
アーセリオドールが少し嬉しそうに呟く