異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

第55話 鉱山の町の後始末 後編

レズムード伯爵家の町に没収した、金貨や宝物を持って戻ってくる
「これが、不正に蓄えられていた、金貨か…」
ヘルクドールが馬車を見て呟く
「財政難と言えなくなりました」
アーセリオドールが笑顔で言う
「これからが大事です。 十分な蓄えが有っても、得られる税を増やさないと逆戻りです」
クレイバルバウム騎士爵がヘルクドールを見て言う
「その通りだが…どうするか…何か案は？」
ヘルクドールが苦笑いしている

応接室に移動して、ヘルクドールに調べた内容を、説明していると、ヘルクドールが頭を抱えている
「ジュジェンタル準男爵家に横流しか…何故今まで…フレールを呼んでくれ」
ヘルクドールが頭を抱えながら言うと、執事長がフレールを呼びに向かう
「何か御用ですか？」
フレールがヘルクドールを見てから、全員を見ている
「ガゼリアント準騎士爵は知っているな」
「兄が仲が良かったのですが…何か有りましたか？」
フレールが不思議そうに聞く
「ガゼリアント準騎士爵は、ジュジェンタル準男爵に鉱石を横流ししていた…それと役目を良い事に、各領主からの税と分配していた、資金も不正をしていた…一部が準男爵に流れている」
ヘルクドールが資料を見せながら説明をしている。フレールが読みながら震えている
「これが王家に知られたら…」
フレールが震える声で呟く
「フレール、これから対応を考えるが…」
ヘルクドールが考えている
「ヘルクドール様、フレール様、実はそんなに深刻に考える必要は無いと思います。 商人とガゼリアント準騎士爵の資産を集めたのですが、結構多く、回収できない分は金貨２００枚程度になります。それとジュジェンタル準男爵家は１５年間資金の横流しで、得た資金で遊んでいましたので、資金が回らなくなると、１年も持たないと思います」
イールスが資料を見せて説明をしている
「それなら…内緒にしておいて、ジュジェンタル準男爵家から話が有るまで、待つのか？」
「泣き付いてきたら、その時にトドメ討てば、気分も晴れるでしょう…確かアーメリア様の御実家と友好な的な関係だったので、手を回して早めるのも良いですね…後は…ルーゼント伯爵家の近い領地ですから、手伝って貰うかな？」
笑顔で言うと、フレールが青ざめている
（え！何？ 直接手を下さないで…これがイールス…ロイホールが笑い話していましたが…仕返しが怖い…いつ今までの仕返しされるか…）
「フレール解ったか？ イールスは怖いぞ…気を付けよう…」
ヘルクドールが苦笑いしていると、フレールが頷いている

ベラトリバウム男爵領に近い地域のモンスター調査に出発準備をしている
「イールス様、この者達に案内させます。毎日イールス様と鍛練をしていた２人なので、護衛達と相性も良いだろ？」
グゼーラストが笑顔で言うと、兵士が微笑みながら頭を下げる
「グゼーラストさん、ありがとうございます」
イールスが笑顔で言うと、ヘルクドールとアーセリオドールとアーメリアとロイホールとフレールが見送りに出てくる
「イールス、無理する必要は無い、調査完了したら、本格的に兵士派遣をする…無茶はしないでくれ」
ヘルクドールがイールスを見詰めて言う
「ヘルクドール様、アーセリオドール様、アーメリア様、ロイホール様、フレール様本日もお元気な顔を拝見出来て嬉しく思います」
イールスが丁寧に挨拶をする
「イールスもう誰も文句は言わないから、御父様と呼んで欲しい」
ヘルクドールがイールスを見詰めて言う
「ヘルクドール様、下賤な身ですので、恐れ多いので、御遠慮させて頂きたいと思います」
イールスが頭を下げて言う
「この状況でも無理か…」
ヘルクドールががっかりしていると、フレールが驚いている
「イールス、モンスター調査など面倒な事を押し付けて悪いが、頼んだぞ」
アーセリオドールが笑顔で言う
「アーセリオドール様、冒険者になる為の鍛練になります。我が儘言って申し訳ありませんが、モンスター捜索楽しみにしてました」
笑顔で言うと、護衛達が笑っている

「それでは行ってきます」
イールスが馬に乗って言い、屋敷を出ていく
「フレール、どうだ？ イールスの頑固さ」
ヘルクドールが苦笑いして振り向いて聞く
「あの調子で、メサリアも手を焼いている」
アーセリオドールが苦笑いして言う
「本当に冒険者になるつもりですか？」
フレールが青ざめて聞く
「冒険者にさせたら、後が大変だ！！ 何としても、アーセリオドールの片腕になって貰いたい」
ヘルクドールが笑顔で言う
「優秀過ぎる…剣の腕だけでも凄いが…魔法研究院のトップ２人が、必ず魔法研究院に仕官させろと言われる実力…今回の調査に策謀…末恐ろしい」
アーセリオドールが考えながら言うと、アーメリアが頷いている
「いつ仕返しされるか…怖くなってます…どうしたら」
フレールが青ざめて震えている
「これからは、仲良くな…メサリアがまた爆笑するのか…」
ヘルクドールが思い出し笑いをしている
「アリーオ殿に上機嫌でイールス自慢をするだろうな…」
アーセリオドールが思い出しながら苦笑いしている
「噂になったら、凄い事になりますね…何十人から申し入れが有るのか」
アーメリアが考えながら呟く
「その方が怖くて、公表できない…少しぐらいなら、問題は無いが…相手が相手だけに争奪戦されたら、大問題に発展する…イールスの恐ろしさで公表できないなんて、本人には言えないな…」
ヘルクドールが頭を抱えている