亡国の王太子は魔法使いを目指して冒険者をします

桂崇

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第1章 序章 村生活

第2話 ファルクの目標

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6年が過ぎたある日
「ファルももう12歳か… 」
村長が微笑みながら男の子を見ている
「はい、お爺様」
ファルクが笑顔で村長を見ている
「母親が亡くなって早2年、ファルは本当に冒険者を目指すのか? 」
「はい… フィーネの事だけ心配ですが」
「本当に妹思いで良い子に育ったな… 」
村長が微笑みながらファルクを見ている

お婆さんとフィーネが部屋に入ってくる
「ご飯出来ましたよ… ファルが取ってきた角ウサギ美味しそうに焼けましたよ」
お婆さんが料理を運んでくると、フィーネが笑顔でファルクの隣に座る
「兄ちゃん美味しそう」
フィーネがファルクの顔を見て嬉しそうに笑っている
「毎日狩りに行ってくるよ」
ファルクが笑顔で言うと、フィーネの頭を撫でている
「ファル、隣村で大きな魔物の情報が入っている。 油断する必要はない、大きな魔物を見たら逃げるように」
「はい、お爺様」
ファルクが笑顔で言う

ファルクは剣の鍛練をしながら森に入り、薬草の採取や小型の魔物を狩る日々を過ごしている。ある日男4人と2人の女性が村にやってくる
「村長か? 隣村の魔物がこっちに向かったと聞いて調査に来たが、見てないか?」
男が説明をしている
「村で見た者はいないと思うが… ファル帰ったのか?」
村長が家に歩いてくるファルクを見て言う
「今日は獲物がいませんでした」
ファルクが男達を見てから言う
「ねえ、森にタイガー見なかった?」
女性が微笑みながらしゃがみファルクを見ている
「タイガー? 見てないけど… 奥の方に行かないから」
「獲物は何を取っているの?」
「角ウサギや角ネズミです」
「今日はいなかったの?」
「北側にはいなかったんです… いつもなら見付けられるのに」
ファルクが説明をしている
「北側ね」
女性が微笑みながらファルクを見ている
「可愛い… 良く説明出来ました」
もう1人の女性が微笑みながらファルクの頭を撫でている
「何やっている? 探しに向かうぞ」
男が歩き始めて、振り返りファルクと女性達を見ている
「ちょっと待ちなさいよ」
女性が立ち上がり歩き始めて、もう1人も追いかけるように歩いていく

ファルクが冒険者達を見送っている
「ファル、あれが冒険者だ… 日が暮れたら帰ってくるだろう… 部屋だけは用意してやるか」
村長が冒険者達の後ろ姿を見て言う

あの冒険者は大丈夫かな? この時間からだと暗闇の中歩く事になるけど… あの2人優しかったな…

日が暮れて、村が暗闇に包まれる
「帰ってこないか… 」
村長が外を見ながら呟く
「屋根から明かりを探してきます」
ファルクが屋根に登りに向かう

明かりは森にないか… 
ファルクが周囲を見渡しながら森を見ている

「あ! あそこ… 少し明るい… 結構奥まで行っているのかな?」
ファルクが呟き、屋根から降りて村長に説明しに向かい、村長も考えてから戸締まりをしている

翌朝ファルクは森に入り、昨夜明かりが見えていた方に進み、冒険者達を見付ける。

冒険者達はタイガーと対峙しているが、男3人が血を流しながら倒れ、1人の女性が杖をかざしている

え! これってピンチかな? このままだと全滅か… 助けるにもバレたくないけど…

ファルクが迷ったように考えて、木の影に隠れながら近付いていく。タイガーはもう1人の男に噛みつこうと飛び掛かり、馬乗りになって、男は必死に剣で口を止めている。女性が槍でタイガーに突きを放ち、タイガーに突き刺さり、女性は必死に奥に突き刺そうとしている

ファルクは短剣を抜き、闘気をまとい一直線にタイガーの目を目掛けて突進していき、短剣は目玉に柄まで突き刺さり、タイガーは痛みにのたうち回っている

しばらくしてタイガーが動かなくなる
「嘘… 助かった」
女性がその場に座り込み呟くと、男は立ち上がり呆然としている
「脳まで届いて良かった」
ファルクはタイガーが暴れた時に弾き飛ばされて転んでいたが、立ち上がりながら言う
「え! 何でここまで来たの? 危ないでしょ!!」
女性が我に返り、ファルクを見て怒鳴る
「え! 」
ファルクが驚いたように後ずさりする
「えっじゃない!! 危ない真似したら死ぬよ!!」
「助けたのに…」
ファルクが小声で呟く
「本当に危ないから!! 手も血で汚れて… 無茶したらダメよ…  怪我無い?」
女性がファルクの方に来て言うと、ファルクの手の血を拭いてくれている

「小僧… 助けられたな…」
倒れていた男が苦笑いしながらファルクに近付いてくると、女性が必死に杖を掲げながら倒れている男達の治療をしている
「助けられた? だから無理して森に入るなと言ったよね!! この子が来てくれなければ、全滅してます!!」
女性が男を見て怒鳴る
「それは… 何とかなったから良いだろう?」
男が苦笑いしている
「アリトアが居てくれるからって無茶ばかりしたら命がいくつあっても足りないよ!!」
女性が男を睨んでいる。その後も言い争いをしている

倒れていた2人の男も立ち上がりタイガーの状態を確認して、深々と突き刺さっている短剣を抜いて、血を拭き取ってからファルクのほうに集まってくる
「ありがとう」
女性が疲れた様にファルクを見ている
「大丈夫ですか?」
「魔力使い果たしただけです… 少し寝たいだけですよ」
女性が微笑みながら言うと座り込んでいる
「小僧、助けてくれたのは助かったが、ちょっと相談がある」
男達が苦笑いしながらファルクを見ている
「ここで長話しても無駄でしょ! タイガー持って村まで帰りましょう」
女性が男を睨みながら言う
「そうだな… 森の中で時間かけたら危ないな… 小僧、俺はバガルスだ!」
「エリスよ、村まで案内してくれる?」
女性が微笑みながらファルクを見ていると、男達も自己紹介をしている
「アリトアよ、疲れたけど安全な所まで帰りましょう」
女性が立ち上がり言うと、男達はすぐにタイガーをロープで縛り4人で力を合わせて持ち上げて、ファルクの案内で村に向けて歩き始めると、アリトアがフラつきファルクが支える様に歩くことにしている
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