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第4話 好きなヒト
課外授業当日です
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学校からバスで移動中。
伊織は彼氏である賢吾と一緒に並んで座り、毅流は桔梗のナイスアシストで光希と並んで座り、桔梗は撫子と並んで座っていた。
「初めての課外授業、楽しみ。」
毅流と光希が一気に進展してくれると、尚良し。
「桔梗と光希にとっては初めての課外授業ですものね。」
「うん、去年はどうだった?」
「去年は大型複合施設に行ったのですが、なかなか大変なことになりまして…。」
「そうなの?」
「ええ、主に毅流君が…。」
「どゆこと?」
毅流は大胆なことしそうにないのに、何した?
「去年も勿論課外授業が終わった後は自由行動だったのですが、毅流君が囲まれてしまって…。」
「囲まれて…ヤンキーに?」
「いいえ、女性にです。」
撫子の話によると、課外授業が終わって友達数名と施設内を楽しんでいたのだが、毅流たちと同じ人数の女性グループが逆ナン目的で話し掛けてきたのを皮切りに、毅流たち、主に毅流が囲まれてしまったそうで…。
「最終的には松岡先生が毅流君を救出して事無きを得たんですが、結局毅流君は松岡先生たちと帰ることになってしまったんです。」
「うわぁ、エグいね。」
毅流可哀想に…。
「でも最近はそういうの、ないね。」
「それは勿論、私たちもですが桔梗や光希が一緒にいるからですわ、特に毅流君が光希を見る瞳は完全に恋してますもの…。」
と言ってほぅ…と息を洩らす。
まぁ確かに…。
最近の毅流、特に光希にベッタリだもんね。
あとひと押し!
「やっぱり観覧車に夜景よの。」
「何です?」
「毅流と光希、観覧車で2人きり、外は綺麗な夜景、どう?」
「それは素敵ですわね。」
「だしょ?」
今日のあたしの最大のアシストはそこだな、気合を入れねば!
「桔梗はどうなんです?」
「何がどうとは?」
「恋愛です、素敵なワンピースを着ていますし、どうなんです?」
「恋愛は特になにもない、ワンピースは約束したから。」
「約束ですか?」
桔梗は頷いてから、今日の服装を桃也に選んでもらった経緯を話した。
「それでそのワンピースにしたのですね、とても似合ってますわ。」
桃也さん、分かってますわね。
「あ、ありがとう、でも着替えた姿見せる間もなく、桃也さんは仕事行っちゃったんだけどね。」
「それは残念ですわね、でも…それでもきちんとワンピースのままで来た桔梗は律儀ですわね。」
「そう?」
まぁ、選んでもらった手前なぁ。
どうせなら…。
もぉにぃたんにも見てもらいたかったな。
近くに座る伊織と賢吾の弾んだ声が聞こえ
「いいなぁ。」
毅流は思わず呟く。
「何が?」
「えっ!あっ!ごめんっ。」
口に出してたっ。
「伊織たちの会話、弾んでるもんな。」
バレてるぅ!
「羨ましいのか?」
「そりゃ、まぁ…。」
俺も光希と恋人になれたら…。
「毅流。」
名前を呼ばれじっ…と見つめられただけで、心拍数は爆上がりだというのに、手まで握られてしまう。
「…っ!!!!!!」
心臓口から飛び出るかと思った!
「これから先、あたしたちの関係がどうなろうと、毅流は今のままでいてくれよ。」
「それってどういう…っ?」
「無理にしっかりしようとしたり、あたしに合わせたりしないでくれ、あたしは今の毅流に癒やされてる、今の毅流と一緒にいたいんだ、だから無理したりしないでくれよ。」
「あ、あの…。」
「今の毅流で、あたしは充分満たされてるからさ。」
真っ赤な顔のままどういう意味だろうと何とか思考を巡らせようとしているが、目の前の光希に心が乱れ、上手くいかない。
光希はそんな毅流を見てクスッ、と笑うと素早く毅流の耳元に口を寄せる。
「好きだよ、毅流…。」
「んにゃ!」
「クスクス、更に顔が真っ赤だ。」
だだだだだだだっ!だって今!
「今日中に答え、聞けるかな?」
「もももももっ、勿論っ!」
「じゃあ夜の観覧車で、な?」
「う、うんっ。」
「期待してる。」
もう…どうなってもいい、幸せ!
バスから降りてすぐ、
「桔梗。」
返事をする前に毅流に腕を掴まれ、みんなから離れた所に連れて行かれる。
「どした?」
何か必死だ。
「俺今日光希に告白する!」
「おぉ、嬉しい急展開っすね。」
あ、もしかして…。
「光希に煽られた?」
「え、あぁ、うん、まぁ…。」
「そっか。」
光希、我慢の限界突破してたものな。
「もう無理、我慢の限界。」
昨日、掃除当番の毅流を待つため2人で屋上にいたときのこと。
光希が辛そうに言ってきた。
「あぁまぁそうね、限界ではあるよね。」
あんまり押し過ぎても駄目よ~、てアドバイスしてから、光希、毅流のペースに合わせてたし。
「ならば少し押してもいいでしょう、許可します。」
「煽ってもいいか?」
「う~ん、押すのも煽るのも毅流の出方に合わせてかな、何にしても焦りは禁物っす。」
「そうは言うけどな…これ以上我慢したら、恋人になった瞬間食っちまいそうで…自分が怖い…!」
「あらやだ光希さん、お盛ん。」
「それくれぇ余裕がねぇの。」
分かってるくせに、てか…。
あたしが本気で食っちまうって言ってねぇのも分かってるくせに、あたしだって処女だぞ、どう食うんだよ。
「まぁでも癒やし系ワンコの毅流だってお年頃、光希が少し押したらコロ~ンてなるかも。」
「なるかも?」
「なるかも、ですから多少押すのは許しましょう、フォローもお任せあれ。」
「頼む!」
そうなったらやっぱ観覧車で夜景よな。
「毅流。」
「な、何っ?」
「ここの観覧車から見える夜景、めちゃ綺麗らしいね。」
「それはつまり…!」
「観覧車、夜景、密室、どうよ?」
「フォローは…。」
「任せな。」
「ありがとう!」
伊織は彼氏である賢吾と一緒に並んで座り、毅流は桔梗のナイスアシストで光希と並んで座り、桔梗は撫子と並んで座っていた。
「初めての課外授業、楽しみ。」
毅流と光希が一気に進展してくれると、尚良し。
「桔梗と光希にとっては初めての課外授業ですものね。」
「うん、去年はどうだった?」
「去年は大型複合施設に行ったのですが、なかなか大変なことになりまして…。」
「そうなの?」
「ええ、主に毅流君が…。」
「どゆこと?」
毅流は大胆なことしそうにないのに、何した?
「去年も勿論課外授業が終わった後は自由行動だったのですが、毅流君が囲まれてしまって…。」
「囲まれて…ヤンキーに?」
「いいえ、女性にです。」
撫子の話によると、課外授業が終わって友達数名と施設内を楽しんでいたのだが、毅流たちと同じ人数の女性グループが逆ナン目的で話し掛けてきたのを皮切りに、毅流たち、主に毅流が囲まれてしまったそうで…。
「最終的には松岡先生が毅流君を救出して事無きを得たんですが、結局毅流君は松岡先生たちと帰ることになってしまったんです。」
「うわぁ、エグいね。」
毅流可哀想に…。
「でも最近はそういうの、ないね。」
「それは勿論、私たちもですが桔梗や光希が一緒にいるからですわ、特に毅流君が光希を見る瞳は完全に恋してますもの…。」
と言ってほぅ…と息を洩らす。
まぁ確かに…。
最近の毅流、特に光希にベッタリだもんね。
あとひと押し!
「やっぱり観覧車に夜景よの。」
「何です?」
「毅流と光希、観覧車で2人きり、外は綺麗な夜景、どう?」
「それは素敵ですわね。」
「だしょ?」
今日のあたしの最大のアシストはそこだな、気合を入れねば!
「桔梗はどうなんです?」
「何がどうとは?」
「恋愛です、素敵なワンピースを着ていますし、どうなんです?」
「恋愛は特になにもない、ワンピースは約束したから。」
「約束ですか?」
桔梗は頷いてから、今日の服装を桃也に選んでもらった経緯を話した。
「それでそのワンピースにしたのですね、とても似合ってますわ。」
桃也さん、分かってますわね。
「あ、ありがとう、でも着替えた姿見せる間もなく、桃也さんは仕事行っちゃったんだけどね。」
「それは残念ですわね、でも…それでもきちんとワンピースのままで来た桔梗は律儀ですわね。」
「そう?」
まぁ、選んでもらった手前なぁ。
どうせなら…。
もぉにぃたんにも見てもらいたかったな。
近くに座る伊織と賢吾の弾んだ声が聞こえ
「いいなぁ。」
毅流は思わず呟く。
「何が?」
「えっ!あっ!ごめんっ。」
口に出してたっ。
「伊織たちの会話、弾んでるもんな。」
バレてるぅ!
「羨ましいのか?」
「そりゃ、まぁ…。」
俺も光希と恋人になれたら…。
「毅流。」
名前を呼ばれじっ…と見つめられただけで、心拍数は爆上がりだというのに、手まで握られてしまう。
「…っ!!!!!!」
心臓口から飛び出るかと思った!
「これから先、あたしたちの関係がどうなろうと、毅流は今のままでいてくれよ。」
「それってどういう…っ?」
「無理にしっかりしようとしたり、あたしに合わせたりしないでくれ、あたしは今の毅流に癒やされてる、今の毅流と一緒にいたいんだ、だから無理したりしないでくれよ。」
「あ、あの…。」
「今の毅流で、あたしは充分満たされてるからさ。」
真っ赤な顔のままどういう意味だろうと何とか思考を巡らせようとしているが、目の前の光希に心が乱れ、上手くいかない。
光希はそんな毅流を見てクスッ、と笑うと素早く毅流の耳元に口を寄せる。
「好きだよ、毅流…。」
「んにゃ!」
「クスクス、更に顔が真っ赤だ。」
だだだだだだだっ!だって今!
「今日中に答え、聞けるかな?」
「もももももっ、勿論っ!」
「じゃあ夜の観覧車で、な?」
「う、うんっ。」
「期待してる。」
もう…どうなってもいい、幸せ!
バスから降りてすぐ、
「桔梗。」
返事をする前に毅流に腕を掴まれ、みんなから離れた所に連れて行かれる。
「どした?」
何か必死だ。
「俺今日光希に告白する!」
「おぉ、嬉しい急展開っすね。」
あ、もしかして…。
「光希に煽られた?」
「え、あぁ、うん、まぁ…。」
「そっか。」
光希、我慢の限界突破してたものな。
「もう無理、我慢の限界。」
昨日、掃除当番の毅流を待つため2人で屋上にいたときのこと。
光希が辛そうに言ってきた。
「あぁまぁそうね、限界ではあるよね。」
あんまり押し過ぎても駄目よ~、てアドバイスしてから、光希、毅流のペースに合わせてたし。
「ならば少し押してもいいでしょう、許可します。」
「煽ってもいいか?」
「う~ん、押すのも煽るのも毅流の出方に合わせてかな、何にしても焦りは禁物っす。」
「そうは言うけどな…これ以上我慢したら、恋人になった瞬間食っちまいそうで…自分が怖い…!」
「あらやだ光希さん、お盛ん。」
「それくれぇ余裕がねぇの。」
分かってるくせに、てか…。
あたしが本気で食っちまうって言ってねぇのも分かってるくせに、あたしだって処女だぞ、どう食うんだよ。
「まぁでも癒やし系ワンコの毅流だってお年頃、光希が少し押したらコロ~ンてなるかも。」
「なるかも?」
「なるかも、ですから多少押すのは許しましょう、フォローもお任せあれ。」
「頼む!」
そうなったらやっぱ観覧車で夜景よな。
「毅流。」
「な、何っ?」
「ここの観覧車から見える夜景、めちゃ綺麗らしいね。」
「それはつまり…!」
「観覧車、夜景、密室、どうよ?」
「フォローは…。」
「任せな。」
「ありがとう!」
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