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第5話 仄かな想い
本格的に…
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思ったよりも-bule-の仕上がりは良く、ボチボチ本格始動しましょかね、となり、ライブの日程も徐々に決まってきていた。
再始動後1発目のライブに桔梗呼ぼうかなぁ。
気分を踊らせ足どりも軽やかに構内を歩いていると、
「海斗~!」
声が聞こえた途端悪い顔になり、
「チッ!」
と舌打ち。
無視してズンズン進んでいると、
「ちょっと聞こえてるクセにぃ。」
と、腕を絡めてこようとしたが軽く避ける。
「何よぅ!」
不満げにぷぅっ、と口を膨らましつつも海斗に付いて歩くのは勿論美南子。
「ねぇねぇ、そろそろライブあるんじゃない?」
「お前に関係ないだろ。」
こいつ最近、テルが一緒じゃないのを見計らって絡んでくんだよな、マジでムカつく。
「ねぇちょっと、あたしの何が不満なわけっ?」
何でこんなになびかないのよ!
「全部不満。」
「はぁっ?!」
「もう絡まないで、じゃ。」
呆然とする美南子を置き去りにしてスタスタ歩き出す。
あたしの全部が気に入らない?!
こんなに完璧なあたしが?!
ふざけないでよ!
スタスタと歩いていると、不意にスマホが鳴った。
テルかな?
と思っていたが桔梗からの夕飯の有無を聞くメッセだった。
「…。」
立ち止まり、一瞬躊躇ったものの桔梗に電話。
「ごめんね桔梗~、電話平気だったかな?」
[あたしは大丈夫だけど…かぁ君の方こそ平気?何か声が沈んでる。]
こういうトコ、相変わらず鋭いんだよなぁ。
「へーきぃ、ちょっとやなことがあったけど、桔梗の声が聞けたから元気になっちゃったぁ。」
[そう?ホントに?無理はいかん。]
「無理はしてないよぉ。」
多少努力はするけど…。
「夕飯は家で食べるよ、桔梗の手料理食べたいからねぇ。」
[分かった、-bule-のみんなは?]
「今日は打ち合わせと練習したら解散だよ~、流石にそう頻繁にはアイツラだって来ないよぉ。」
まぁ、桔梗の手料理食べたくて仕方ないみたいだけど。
[そっか、分かった、無理せずね、気を付けて。]
「ありがとぉ、じゃあまた夜ねぇ。」
電話を切ってスマホをポケットにしまうと、再び足どりも軽やかに歩き出す。
「桔梗のおかげで俄然元気が出ちゃった~。」
今日の練習も頑張っちゃお~。
本日の収録も無事終わり、桃也は楽屋で着替えを終えると腕時計で時間をチェック。
「大丈夫だよ、この時間なら夕飯には間に合うだろ?」
そう言って立ち上がったのは桃也のマネージャー。
彼とは桃也がデビューしてからずっと一緒。
「ほら荷物。」
「サンキュ。」
楽屋を出て地下駐車場に向かうため、廊下を歩きエレベーターへ。
エレベーターに乗ったところで、
「ホント、桔梗ちゃんが来てから絶対に断れない誘い以外行かなくなったな。」
「家で桔梗の飯を食いたいからな。」
「そんなにいいなら食べてみたいもんだ。」
「それ由貴仁にも言われた。」
「じゃあ今度家に…。」
「来んな、お前にしろ由貴仁にしろ、飯を理由に桔梗に会いたいだけだろ。」
考えが見え見えだ。
「お前桔梗ちゃん絡みになるとガード固いよな。」
と言うか独占欲に強い。
話しているうちにエレベーターが地下駐車場に着き、2人は降りて車に向かった。
「当たり前だろ、あいつは一般人なんだ、万が一何かあって注目されたら困る。」
「それだけかぁ?」
「んだよ?」
他に何があるっつぅんだ?
マネージャーの問いに頭を悩ませつつ、後部座席に乗り込む。
今日はマネージャーの運転。
桃也がシートベルトを装着すると、車がゆっくりと動き出す。
地下駐車場から出たところで窓を開け、タバコに火を点けた。
最初の煙を吐き出したところで
「夏休みどうするんだ?」
忙しくはあるものの、ドラマを始めとする仕事が順調に進んでいるので、そんなに多くはないが桃也にも夏休みがある。
「あ~、まだ何も考えてない。」
「だったら日頃の感謝を込めて、桔梗ちゃん何処か連れて行ってやったらどうだ?」
「何処か…。」
そういや花火見に行くかって言ったとき、あいつ滅茶苦茶嬉しそうな顔にしてたな。
桃也は鞄からスマホを取り出すと、近場の花火大会を検索。
大なり小なりけっこうあるんだな。
調べつつタバコを吸っていると
「プールとかどうだ?」
「プール?何でそんなピンポイントなんだ?」
「お前忘れたか?郊外に巨大施設出来ただろ?」
「あぁ~。」
そういやそうだった。
郊外の自然豊かな場所に、プールの巨大施設が今夏オープン。
大小様々なプールがあり、その中には流れるプールや波のプールなどバラエティに富んだ物もある。
中でもウォータースライダーは様々なサイズの物があり、オープン前からその手のマニアから大注目されている。
課外授業んとき、あいつ絶叫マシーン乗りたかったのに、毅流と光希の仲優先して我慢してたよな。
あそこのウォータースライダー、なかなかスリリングなやつもあるみてぇだし、桔梗喜ぶかな。
「候補に入れとく。」
「だったら水着買いに行かなくちゃいけないな。」
「は?水着?」
「そりゃそうだろう、それとも桔梗ちゃん水着持ってるのか?」
あいつが水着…。
「プール?水着?別にいいがスクール水着でいい?」
とか言い兼ねねぇな。
花火大会ってなると祭りだし、そうなると浴衣も必要だな、あいつ浴衣持ってんのか?
「甚平なら…。」
とか…。
溜め息と共に煙を吐き出すと言った。
「とりあえず買い物が先だな。」
久々に家族全員での夕食。
「お前水着と浴衣持ってるか?」
桃也の突然のぶっ込んだ質問に、
またいきなり何この質問、浴衣はまだしも水着って何よ?
と、家族全員が呆れている中、聞かれたから当の本人である桔梗だけは何ら臆することなく、
「水着なら授業で使ってるのがあるし、浴衣は光希ママに貰ったやつがある。」
水着は予想通りだったが、浴衣は持っていたか。
「授業で使ってるっとことはそれ、スクール水着じゃないのか?」
「違うよ。」
桔梗の答えに毅流を見る。
「俺たちの代から水着は自由になったんだ、まぁビキニとかやたら露出高いのとか、フリフリなのは禁止だけどね。」
「ちなみに桔梗のは?」
「普通より地味だわねぇ。」
答えたのは静音。
洗濯は静音がやっているので、当然桔梗の水着も見ている。
「と言うより急に水着何てどうしたんだい?」
「確かにぃ、いきなり女性に水着のこと聞くとかさぁ、他の女性だったら引いてたかもよぉ。」
隆一と海斗の言葉に
「引かれるのかっ?」
「引くべきだったのかっ?」
桃也と桔梗が同時に驚く。
相変わらずズレている2人。
「まぁそれは良しとして…モモ兄何で急に水着と浴衣のこと何て聞いたの?」
その説明が先だったか。
「俺も多少なりとも夏休みがあるからな、そんとき日頃飯とか世話んなってる桔梗にお礼も兼ねてプールとか花火大会とか連れて行こうかと思ってさ。」
もぉにぃたん、観覧車で言った花火のこと、覚えててくれたんだ…。
桔梗がほんわか温かい気持ちに包まれていると、
「ちょっと待って~、だったらボクも誘いたいんだよねぇ、桔梗たちが夏休みに入ってすぐなんだけど、とうとうボクたちの新体制1発目の単独ライブがありま~す。」
「おぉ!おめでとうかぁ君。」
桔梗が拍手すると、みんなも一緒に拍手。
「ありがと~、それでね、そのライブに桔梗と光希をご招待しま~す。」
「おぉ!何て素敵!」
「ライブって、ライブハウスだろ?危なくないのか?」
「やだ兄貴何その昭和のお父さんみたいなはつげ~ん、古いよ。」
「なぬっ!」
「他はどうあれボクたちがライブやってるライブハウスは大丈夫~、オーナーが厳しいんだぁ、だからボクたちも気を付けて、問題起こしたファンは出禁にしてるからねぇ。」
「そこまで行き届いてるなら、お前が考えているような心配はないんじゃないか?むしろ桔梗ちゃんは行きたがっているようだしね。」
隆一の言葉に桔梗を見ると、
「行きたいし光希も一緒だから大丈夫、心配ありがとう桃也さん。」
「まぁお前が大丈夫なら別に。」
「いいなぁ桔梗、光希と出掛けられて。」
「大丈夫毅流、ライブ以外は一緒に行ける、と言うか毅流は光希とデートっしょ。」
「う、うんそうだけどもっ。」
改めて言われると照れる。
「夏休みだもんねぇ、もしかして毅流ぅ、大人の階段上っちゃう~?」
「なっ!何だよ海斗兄ぃっ!そんなわけないだろっ!」
ちょっとは考えてなくもないけど!
「よし決めた!」
しばらく黙り込んでいた静音が突然声を張り上げたため毅流がびくぅっ、としたが、そんなのもお構いなしに静音は嬉しそうに続けた。
「桔梗ちゃん、あたしと桃也と買い物行きましょ、ね?そこで水着と浴衣とついでに下着も買いましょ。」
「え?へ?下着まで?」
「そうそうっ、仕事もひと段落して休めるし何より!前回あたし一緒に買い物行けなかったじゃない?だから行きましょ、ねっ?」
「いや、買い物はまだしも下着は何処から?」
「てかどさくさ紛れに何故に俺を巻き込んだ?」
「下着に関しては洗濯物干しながら、桔梗ちゃんにはもっとふさわしい下着を買いたいって思ってたのよ~、だからついでにね、桃也に関しては下着を冴子のお店で買うつもりだから、あんたも一緒のがいいでしょ。」
「理由は分かったけど俺今けっこう忙しいんだが?」
「それなら大丈夫大丈夫、咲樹に確認済みだから、あんたのオフは把握済みよ。」
「だから毎回社長に連絡すんなよ。」
しかも俺の知らないところで!
「とにかく!今回はあたしが一緒に行けるんだから拒否権はないわよ!いいわね?」
2人は結局頷くしかないわけで…。
再始動後1発目のライブに桔梗呼ぼうかなぁ。
気分を踊らせ足どりも軽やかに構内を歩いていると、
「海斗~!」
声が聞こえた途端悪い顔になり、
「チッ!」
と舌打ち。
無視してズンズン進んでいると、
「ちょっと聞こえてるクセにぃ。」
と、腕を絡めてこようとしたが軽く避ける。
「何よぅ!」
不満げにぷぅっ、と口を膨らましつつも海斗に付いて歩くのは勿論美南子。
「ねぇねぇ、そろそろライブあるんじゃない?」
「お前に関係ないだろ。」
こいつ最近、テルが一緒じゃないのを見計らって絡んでくんだよな、マジでムカつく。
「ねぇちょっと、あたしの何が不満なわけっ?」
何でこんなになびかないのよ!
「全部不満。」
「はぁっ?!」
「もう絡まないで、じゃ。」
呆然とする美南子を置き去りにしてスタスタ歩き出す。
あたしの全部が気に入らない?!
こんなに完璧なあたしが?!
ふざけないでよ!
スタスタと歩いていると、不意にスマホが鳴った。
テルかな?
と思っていたが桔梗からの夕飯の有無を聞くメッセだった。
「…。」
立ち止まり、一瞬躊躇ったものの桔梗に電話。
「ごめんね桔梗~、電話平気だったかな?」
[あたしは大丈夫だけど…かぁ君の方こそ平気?何か声が沈んでる。]
こういうトコ、相変わらず鋭いんだよなぁ。
「へーきぃ、ちょっとやなことがあったけど、桔梗の声が聞けたから元気になっちゃったぁ。」
[そう?ホントに?無理はいかん。]
「無理はしてないよぉ。」
多少努力はするけど…。
「夕飯は家で食べるよ、桔梗の手料理食べたいからねぇ。」
[分かった、-bule-のみんなは?]
「今日は打ち合わせと練習したら解散だよ~、流石にそう頻繁にはアイツラだって来ないよぉ。」
まぁ、桔梗の手料理食べたくて仕方ないみたいだけど。
[そっか、分かった、無理せずね、気を付けて。]
「ありがとぉ、じゃあまた夜ねぇ。」
電話を切ってスマホをポケットにしまうと、再び足どりも軽やかに歩き出す。
「桔梗のおかげで俄然元気が出ちゃった~。」
今日の練習も頑張っちゃお~。
本日の収録も無事終わり、桃也は楽屋で着替えを終えると腕時計で時間をチェック。
「大丈夫だよ、この時間なら夕飯には間に合うだろ?」
そう言って立ち上がったのは桃也のマネージャー。
彼とは桃也がデビューしてからずっと一緒。
「ほら荷物。」
「サンキュ。」
楽屋を出て地下駐車場に向かうため、廊下を歩きエレベーターへ。
エレベーターに乗ったところで、
「ホント、桔梗ちゃんが来てから絶対に断れない誘い以外行かなくなったな。」
「家で桔梗の飯を食いたいからな。」
「そんなにいいなら食べてみたいもんだ。」
「それ由貴仁にも言われた。」
「じゃあ今度家に…。」
「来んな、お前にしろ由貴仁にしろ、飯を理由に桔梗に会いたいだけだろ。」
考えが見え見えだ。
「お前桔梗ちゃん絡みになるとガード固いよな。」
と言うか独占欲に強い。
話しているうちにエレベーターが地下駐車場に着き、2人は降りて車に向かった。
「当たり前だろ、あいつは一般人なんだ、万が一何かあって注目されたら困る。」
「それだけかぁ?」
「んだよ?」
他に何があるっつぅんだ?
マネージャーの問いに頭を悩ませつつ、後部座席に乗り込む。
今日はマネージャーの運転。
桃也がシートベルトを装着すると、車がゆっくりと動き出す。
地下駐車場から出たところで窓を開け、タバコに火を点けた。
最初の煙を吐き出したところで
「夏休みどうするんだ?」
忙しくはあるものの、ドラマを始めとする仕事が順調に進んでいるので、そんなに多くはないが桃也にも夏休みがある。
「あ~、まだ何も考えてない。」
「だったら日頃の感謝を込めて、桔梗ちゃん何処か連れて行ってやったらどうだ?」
「何処か…。」
そういや花火見に行くかって言ったとき、あいつ滅茶苦茶嬉しそうな顔にしてたな。
桃也は鞄からスマホを取り出すと、近場の花火大会を検索。
大なり小なりけっこうあるんだな。
調べつつタバコを吸っていると
「プールとかどうだ?」
「プール?何でそんなピンポイントなんだ?」
「お前忘れたか?郊外に巨大施設出来ただろ?」
「あぁ~。」
そういやそうだった。
郊外の自然豊かな場所に、プールの巨大施設が今夏オープン。
大小様々なプールがあり、その中には流れるプールや波のプールなどバラエティに富んだ物もある。
中でもウォータースライダーは様々なサイズの物があり、オープン前からその手のマニアから大注目されている。
課外授業んとき、あいつ絶叫マシーン乗りたかったのに、毅流と光希の仲優先して我慢してたよな。
あそこのウォータースライダー、なかなかスリリングなやつもあるみてぇだし、桔梗喜ぶかな。
「候補に入れとく。」
「だったら水着買いに行かなくちゃいけないな。」
「は?水着?」
「そりゃそうだろう、それとも桔梗ちゃん水着持ってるのか?」
あいつが水着…。
「プール?水着?別にいいがスクール水着でいい?」
とか言い兼ねねぇな。
花火大会ってなると祭りだし、そうなると浴衣も必要だな、あいつ浴衣持ってんのか?
「甚平なら…。」
とか…。
溜め息と共に煙を吐き出すと言った。
「とりあえず買い物が先だな。」
久々に家族全員での夕食。
「お前水着と浴衣持ってるか?」
桃也の突然のぶっ込んだ質問に、
またいきなり何この質問、浴衣はまだしも水着って何よ?
と、家族全員が呆れている中、聞かれたから当の本人である桔梗だけは何ら臆することなく、
「水着なら授業で使ってるのがあるし、浴衣は光希ママに貰ったやつがある。」
水着は予想通りだったが、浴衣は持っていたか。
「授業で使ってるっとことはそれ、スクール水着じゃないのか?」
「違うよ。」
桔梗の答えに毅流を見る。
「俺たちの代から水着は自由になったんだ、まぁビキニとかやたら露出高いのとか、フリフリなのは禁止だけどね。」
「ちなみに桔梗のは?」
「普通より地味だわねぇ。」
答えたのは静音。
洗濯は静音がやっているので、当然桔梗の水着も見ている。
「と言うより急に水着何てどうしたんだい?」
「確かにぃ、いきなり女性に水着のこと聞くとかさぁ、他の女性だったら引いてたかもよぉ。」
隆一と海斗の言葉に
「引かれるのかっ?」
「引くべきだったのかっ?」
桃也と桔梗が同時に驚く。
相変わらずズレている2人。
「まぁそれは良しとして…モモ兄何で急に水着と浴衣のこと何て聞いたの?」
その説明が先だったか。
「俺も多少なりとも夏休みがあるからな、そんとき日頃飯とか世話んなってる桔梗にお礼も兼ねてプールとか花火大会とか連れて行こうかと思ってさ。」
もぉにぃたん、観覧車で言った花火のこと、覚えててくれたんだ…。
桔梗がほんわか温かい気持ちに包まれていると、
「ちょっと待って~、だったらボクも誘いたいんだよねぇ、桔梗たちが夏休みに入ってすぐなんだけど、とうとうボクたちの新体制1発目の単独ライブがありま~す。」
「おぉ!おめでとうかぁ君。」
桔梗が拍手すると、みんなも一緒に拍手。
「ありがと~、それでね、そのライブに桔梗と光希をご招待しま~す。」
「おぉ!何て素敵!」
「ライブって、ライブハウスだろ?危なくないのか?」
「やだ兄貴何その昭和のお父さんみたいなはつげ~ん、古いよ。」
「なぬっ!」
「他はどうあれボクたちがライブやってるライブハウスは大丈夫~、オーナーが厳しいんだぁ、だからボクたちも気を付けて、問題起こしたファンは出禁にしてるからねぇ。」
「そこまで行き届いてるなら、お前が考えているような心配はないんじゃないか?むしろ桔梗ちゃんは行きたがっているようだしね。」
隆一の言葉に桔梗を見ると、
「行きたいし光希も一緒だから大丈夫、心配ありがとう桃也さん。」
「まぁお前が大丈夫なら別に。」
「いいなぁ桔梗、光希と出掛けられて。」
「大丈夫毅流、ライブ以外は一緒に行ける、と言うか毅流は光希とデートっしょ。」
「う、うんそうだけどもっ。」
改めて言われると照れる。
「夏休みだもんねぇ、もしかして毅流ぅ、大人の階段上っちゃう~?」
「なっ!何だよ海斗兄ぃっ!そんなわけないだろっ!」
ちょっとは考えてなくもないけど!
「よし決めた!」
しばらく黙り込んでいた静音が突然声を張り上げたため毅流がびくぅっ、としたが、そんなのもお構いなしに静音は嬉しそうに続けた。
「桔梗ちゃん、あたしと桃也と買い物行きましょ、ね?そこで水着と浴衣とついでに下着も買いましょ。」
「え?へ?下着まで?」
「そうそうっ、仕事もひと段落して休めるし何より!前回あたし一緒に買い物行けなかったじゃない?だから行きましょ、ねっ?」
「いや、買い物はまだしも下着は何処から?」
「てかどさくさ紛れに何故に俺を巻き込んだ?」
「下着に関しては洗濯物干しながら、桔梗ちゃんにはもっとふさわしい下着を買いたいって思ってたのよ~、だからついでにね、桃也に関しては下着を冴子のお店で買うつもりだから、あんたも一緒のがいいでしょ。」
「理由は分かったけど俺今けっこう忙しいんだが?」
「それなら大丈夫大丈夫、咲樹に確認済みだから、あんたのオフは把握済みよ。」
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