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第5話 仄かな想い
夏休みの予定
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夏休み直前、桔梗たちはいつものように中庭でレジャーシートを敷いて、みんなで仲良くお弁当を広げていた。
「じゃあ桔梗と光希はまずは海斗さんのライブ参戦が予定?」
「そうなるかな。」
伊織と桔梗が和やかに話していると、光希がニヤニヤした。
「何か光希、海斗兄のライブ行けるのすんごい嬉しそうだよね。」
「男の嫉妬は見苦しいぞ。」
賢吾にツッコまれ赤くなる。
「だ、だってさぁ。」
「大丈夫毅流、光希は-bule-のと言うより、ライブ自体が楽しみなだけ。」
「そうなの?」
と言って光希を見る。
「まぁなぁ、実は8月に好きなバンドのライブがあったんだけど、チケット取れなかったんだ、そんなわけでライブ諦めてたんだけどさぁ、桔梗から海斗さんのライブ誘われてめちゃ嬉しくて。」
光希は昔からあるバンドの大ファンで、ファンクラブにも入っている。
光希がファンになった頃はまだ、中堅バンドくらいだったのだが、あれよあれよと言う間に売れてしまい、今ではワールドツアーも行うようなモンスターバンドになってしまった。
おかげでファンクラブに入っていても、熾烈なチケット争いで入手困難。
今回光希はそのチケット争いで敗北してしまったのだ。
「で、すっかり諦めてたトコにライブだから嬉しくてさぁ、あ、だからってライブなら何でもいいわけじゃないけどな。」
「じゃあ今回は毅流は留守番か。」
「うん、残念だけど…。」
光希と一緒出来ないのは残念だけど、海斗兄の真剣な想いを尊重したい気持ちのが強いし。
「夏休みは長いんだし、デート出来る時間ならいくらでもあるだろ?」
「うん勿論!」
はぁ~、相変わらず光希男前~!
「でも光希は道場がありますし、毅流君はダンスがあるでしょうから、時間は限られるんじゃありませんか?」
「あー、それなら実は俺、この前行われた大会が終わってすぐにダンススクール辞めたんだ。」
「そうなのっ?て、賢吾は聞いてたの?」
「まぁな。」
だから驚かなかったのね。
「あんなに熱心でしたのに、何かありましたの?」
「いや、実は俺高校入学と同時に辞めようと思ってたんだよね、ダンススクール内ではハイレベルだったけど、大会に出る度に上には上がいるって思い知ってたから、だけど先生があと1年続けてみないかって、1年続けても同じ気持ちなら次は止めないって言われたんだけど、いざ1年経って辞めようとしたら、あと少し続けてみないかって、これはこのままうやむやにされるなって思ったから、この前の大会出場で最後って辞めた。」
「そうだったんだ、毅流君将来ダンサーになるとばかり思ってた。」
「いや、俺程度のレベルじゃ無理だよ。」
「悔いは残りませんの?」
「うん、全部出し切った感はあるから、先生は目を掛けてくれてたけど、限界は自分が1番分かってたから。」
「じゃあ他に何か打ち込めるものを、これから探す感じ?」
伊織の問いに何故か桔梗がムフッと笑い、毅流は赤くなる。
「うちの道場に通うことんなった。」
光希はしれっと言って卵焼きを口にする。
「あら、そうでしたの?」
「だだだっ、だからって光希と少しでも一緒にいたいとかっ、そんな浮ついた気持ちで決めたわけじゃないよっ。」
「そんなに慌ててたら、そうじゃないとしてもそう思われるぞ。」
クスクス笑う賢吾にツッコまれ、余計顔が赤くなってしまう。
「この前どんなもんか基本的な動きだけ教えてみたんだけど、なかなか筋がいいから、あたしもイトコの京介も楽しめそうだ。」
「道場の方は夏休みとかあるの?」
「あるけど、あたしは毎日体動かさないと落ち着かねぇから、毎日朝稽古、出来なきゃ夕方に軽く稽古するつもり、だから予定は入れられるからご心配なく。」
「だったらみんなで何処か行こうよ、て…まずは無難に図書館で宿題消化とかどう?」
「いいね、宿題さっさと終わらせよう、みんなが頑張れるようお弁当作るよ。」
黒岸家には3つお風呂があるのだが、主に使用しているのはお風呂好きの隆一がこだわり抜いて作ってもらった、天然総檜風呂。
本日はにごり湯。
頭、体の順で洗うと桔梗はゆっくりと湯船に浸かった。
「ふぅ~、気持ちぃ。」
檜はいい香りだし和む。
桔梗がのんびりお風呂を堪能していると、突然扉が開き
「お邪魔しま~す!」
静音が冷酒の入ったガラス製の徳利、それと揃いのお猪口を持って現れた。
「ママちゃんお風呂済んでなかった?」
「本日2度目ましてよ。」
何故かキメ顔で言って湯船に浸かる。
ママちゃんご機嫌なのは分かるが、体流さないと…。
と思いつつも、余りにご機嫌の静音には言えず…。
「ママちゃん、お風呂でお酒は危ない。」
「そんな堅いこと言わないでよぅ、仕事が忙しくて温泉も行けないんだもん気分くらい味わわせてよぉ。」
それを言われるとあんま厳しいこと言えん。
「はい桔梗ちゃんお願いします。」
徳利を渡され、
「今日は特別ですぜ。」
言いながら注いでやる。
「ありがと。」
嬉しそうに冷酒を口に運ぶ静音を見て、
まぁ、たまにはいいかな。
何て思ってしまう。
「とうとう本格的に日程決まったんだって?海斗のライブ。」
「うん、夏休みに入ってすぐ行くんだ。」
「そう、良かったわね、何にしても海斗にしては珍しい、自分からライブに誘う何て初めてじゃない?特に女の子を。」
「そうなの?」
性別はどうあれ、かぁ君社交的だから誘ったりしてるのかと…。
「あの子バンドに関してはホントに真剣だし、将来それで食べて行こうとしてるからね、だからこそ家族のことはメジャーデビューするまでは呼ばないし、バンド活動中には黒岸の息子なのも公言してないから。」
「ほぅ、親の七光り的なものは使わないってことだね?」
「そう、それくらい真剣だからね、女の子を呼ぶ何て以ての外よ、それでも桔梗ちゃんを呼ぶんだからそれだけ特別ってことね、あ、別に恋愛感情とかではないから、変に構えないであげてね、桔梗ちゃんは海斗にとって癒やしだと思うのよ。」
「あたしが?」
聞きながらお酒を注ぐ。
「そうよ、だって桔梗ちゃん、海斗の何処が好き?」
「ん~、それはやはり優しいトコかなぁ、あとはちゃんと話を聞いてくれるトコ。」
「それよ!」
「ぬ?」
どゆこと?
「桔梗ちゃんはちゃんと海斗の中身を見てくれてるでしょ?」
「うんまぁ、あ、だからってかぁ君がイケメンじゃないとかじゃないよ、充分イケメン。」
「海斗にとって桔梗ちゃんが癒やしなのはそこ、ちゃんと中身を見てくれる、海斗って母親のあたしが言うのも何だけどイケメンでしょ?しかもなるべく争い事は避けるタイプだしフェミニストだからねぇ、女が放っておかないの、でもねぇ、何の因果か海斗にすり寄ってくる子は海斗の中身何てどうでもいいのよ、外見良ければ。」
「何だそれ、かぁ君に失礼極まりない。」
「そういう女はね、海斗を彼氏にして周りに自慢したいだけなのよ。」
「それは恋愛感情じゃない。」
「そうね、海斗もそう思って最初は抗ってたんだけど、そんな女ばかり寄ってくるからそのうちどうでもよくなっちゃって、一時期はどうでもいい女とそれなりのことしてたみたいね。」
「かぁ君…辛かったろうに。」
そう言いながらお酒を注ぐ桔梗を見て、心持ち微笑む。
軽蔑したりせず、海斗の悲しみに寄り添ってくれるのね…。
「ありがとね桔梗ちゃん、そうやって海斗の中身を見てあげてね。」
「勿論、ついでに変な女が近付いたら追い払ってやりまさぁ!」
「あら頼もしい。」
若葉加入後の初ライブを数日後に控えたある日、-bule-のメンバーはファミレスにてセットリストの最終調整をしていた。
「まぁこんなものかなぁ。」
出来上がったセットリストを満足気き見て海斗が言った。
「いよいよって感じがしてきたな。」
「確かに、若葉もよく俺たちに付いて来たね。」
「それはカズ君が引っ張ってくれたからだよ。」
ホント、感謝しても仕切れない。
「そう言えば若葉の推しって誰なんだ?」
輝に言われ
「推し?」
と聞き返す。
「元々-bule-のファンだったんだろ?だから推しは誰だったのか少し気になってさ。」
「それならその、変な意味じゃなく、推しはいなくて、-bule-ってバンドが好きだから、強いて言うなら-bule-が推し。」
そう、あたしにとって-bule-は特別な存在。
どんなに努力しても、なかなかいいバンドに巡り会えない日々。
陰鬱とした日々を過ごしていたとき、-bule-の噂を聞いてライブを観に行った。
最初の音を聴いた瞬間、全身の血がたぎり鳥肌が立った。
ライブが終わっても、しばらく体の震えが止まらなかった。
それぐらいの衝撃を受けたんだ。
そして…悔しかった。
あそこでドラムを叩いているのが自分じゃないことが、無性に悔しかったんだ…。
あの頃の自分を思い出す。
だからあたしの推しは-bule-。
でも正直言うと…。
若葉はチラッと海斗を見る。
自分のドラムにこの声を乗せたい、と思ったのは秘密だ。
「あたし、-bule-の名に恥じないドラマーになるよ。」
「じゃあ桔梗と光希はまずは海斗さんのライブ参戦が予定?」
「そうなるかな。」
伊織と桔梗が和やかに話していると、光希がニヤニヤした。
「何か光希、海斗兄のライブ行けるのすんごい嬉しそうだよね。」
「男の嫉妬は見苦しいぞ。」
賢吾にツッコまれ赤くなる。
「だ、だってさぁ。」
「大丈夫毅流、光希は-bule-のと言うより、ライブ自体が楽しみなだけ。」
「そうなの?」
と言って光希を見る。
「まぁなぁ、実は8月に好きなバンドのライブがあったんだけど、チケット取れなかったんだ、そんなわけでライブ諦めてたんだけどさぁ、桔梗から海斗さんのライブ誘われてめちゃ嬉しくて。」
光希は昔からあるバンドの大ファンで、ファンクラブにも入っている。
光希がファンになった頃はまだ、中堅バンドくらいだったのだが、あれよあれよと言う間に売れてしまい、今ではワールドツアーも行うようなモンスターバンドになってしまった。
おかげでファンクラブに入っていても、熾烈なチケット争いで入手困難。
今回光希はそのチケット争いで敗北してしまったのだ。
「で、すっかり諦めてたトコにライブだから嬉しくてさぁ、あ、だからってライブなら何でもいいわけじゃないけどな。」
「じゃあ今回は毅流は留守番か。」
「うん、残念だけど…。」
光希と一緒出来ないのは残念だけど、海斗兄の真剣な想いを尊重したい気持ちのが強いし。
「夏休みは長いんだし、デート出来る時間ならいくらでもあるだろ?」
「うん勿論!」
はぁ~、相変わらず光希男前~!
「でも光希は道場がありますし、毅流君はダンスがあるでしょうから、時間は限られるんじゃありませんか?」
「あー、それなら実は俺、この前行われた大会が終わってすぐにダンススクール辞めたんだ。」
「そうなのっ?て、賢吾は聞いてたの?」
「まぁな。」
だから驚かなかったのね。
「あんなに熱心でしたのに、何かありましたの?」
「いや、実は俺高校入学と同時に辞めようと思ってたんだよね、ダンススクール内ではハイレベルだったけど、大会に出る度に上には上がいるって思い知ってたから、だけど先生があと1年続けてみないかって、1年続けても同じ気持ちなら次は止めないって言われたんだけど、いざ1年経って辞めようとしたら、あと少し続けてみないかって、これはこのままうやむやにされるなって思ったから、この前の大会出場で最後って辞めた。」
「そうだったんだ、毅流君将来ダンサーになるとばかり思ってた。」
「いや、俺程度のレベルじゃ無理だよ。」
「悔いは残りませんの?」
「うん、全部出し切った感はあるから、先生は目を掛けてくれてたけど、限界は自分が1番分かってたから。」
「じゃあ他に何か打ち込めるものを、これから探す感じ?」
伊織の問いに何故か桔梗がムフッと笑い、毅流は赤くなる。
「うちの道場に通うことんなった。」
光希はしれっと言って卵焼きを口にする。
「あら、そうでしたの?」
「だだだっ、だからって光希と少しでも一緒にいたいとかっ、そんな浮ついた気持ちで決めたわけじゃないよっ。」
「そんなに慌ててたら、そうじゃないとしてもそう思われるぞ。」
クスクス笑う賢吾にツッコまれ、余計顔が赤くなってしまう。
「この前どんなもんか基本的な動きだけ教えてみたんだけど、なかなか筋がいいから、あたしもイトコの京介も楽しめそうだ。」
「道場の方は夏休みとかあるの?」
「あるけど、あたしは毎日体動かさないと落ち着かねぇから、毎日朝稽古、出来なきゃ夕方に軽く稽古するつもり、だから予定は入れられるからご心配なく。」
「だったらみんなで何処か行こうよ、て…まずは無難に図書館で宿題消化とかどう?」
「いいね、宿題さっさと終わらせよう、みんなが頑張れるようお弁当作るよ。」
黒岸家には3つお風呂があるのだが、主に使用しているのはお風呂好きの隆一がこだわり抜いて作ってもらった、天然総檜風呂。
本日はにごり湯。
頭、体の順で洗うと桔梗はゆっくりと湯船に浸かった。
「ふぅ~、気持ちぃ。」
檜はいい香りだし和む。
桔梗がのんびりお風呂を堪能していると、突然扉が開き
「お邪魔しま~す!」
静音が冷酒の入ったガラス製の徳利、それと揃いのお猪口を持って現れた。
「ママちゃんお風呂済んでなかった?」
「本日2度目ましてよ。」
何故かキメ顔で言って湯船に浸かる。
ママちゃんご機嫌なのは分かるが、体流さないと…。
と思いつつも、余りにご機嫌の静音には言えず…。
「ママちゃん、お風呂でお酒は危ない。」
「そんな堅いこと言わないでよぅ、仕事が忙しくて温泉も行けないんだもん気分くらい味わわせてよぉ。」
それを言われるとあんま厳しいこと言えん。
「はい桔梗ちゃんお願いします。」
徳利を渡され、
「今日は特別ですぜ。」
言いながら注いでやる。
「ありがと。」
嬉しそうに冷酒を口に運ぶ静音を見て、
まぁ、たまにはいいかな。
何て思ってしまう。
「とうとう本格的に日程決まったんだって?海斗のライブ。」
「うん、夏休みに入ってすぐ行くんだ。」
「そう、良かったわね、何にしても海斗にしては珍しい、自分からライブに誘う何て初めてじゃない?特に女の子を。」
「そうなの?」
性別はどうあれ、かぁ君社交的だから誘ったりしてるのかと…。
「あの子バンドに関してはホントに真剣だし、将来それで食べて行こうとしてるからね、だからこそ家族のことはメジャーデビューするまでは呼ばないし、バンド活動中には黒岸の息子なのも公言してないから。」
「ほぅ、親の七光り的なものは使わないってことだね?」
「そう、それくらい真剣だからね、女の子を呼ぶ何て以ての外よ、それでも桔梗ちゃんを呼ぶんだからそれだけ特別ってことね、あ、別に恋愛感情とかではないから、変に構えないであげてね、桔梗ちゃんは海斗にとって癒やしだと思うのよ。」
「あたしが?」
聞きながらお酒を注ぐ。
「そうよ、だって桔梗ちゃん、海斗の何処が好き?」
「ん~、それはやはり優しいトコかなぁ、あとはちゃんと話を聞いてくれるトコ。」
「それよ!」
「ぬ?」
どゆこと?
「桔梗ちゃんはちゃんと海斗の中身を見てくれてるでしょ?」
「うんまぁ、あ、だからってかぁ君がイケメンじゃないとかじゃないよ、充分イケメン。」
「海斗にとって桔梗ちゃんが癒やしなのはそこ、ちゃんと中身を見てくれる、海斗って母親のあたしが言うのも何だけどイケメンでしょ?しかもなるべく争い事は避けるタイプだしフェミニストだからねぇ、女が放っておかないの、でもねぇ、何の因果か海斗にすり寄ってくる子は海斗の中身何てどうでもいいのよ、外見良ければ。」
「何だそれ、かぁ君に失礼極まりない。」
「そういう女はね、海斗を彼氏にして周りに自慢したいだけなのよ。」
「それは恋愛感情じゃない。」
「そうね、海斗もそう思って最初は抗ってたんだけど、そんな女ばかり寄ってくるからそのうちどうでもよくなっちゃって、一時期はどうでもいい女とそれなりのことしてたみたいね。」
「かぁ君…辛かったろうに。」
そう言いながらお酒を注ぐ桔梗を見て、心持ち微笑む。
軽蔑したりせず、海斗の悲しみに寄り添ってくれるのね…。
「ありがとね桔梗ちゃん、そうやって海斗の中身を見てあげてね。」
「勿論、ついでに変な女が近付いたら追い払ってやりまさぁ!」
「あら頼もしい。」
若葉加入後の初ライブを数日後に控えたある日、-bule-のメンバーはファミレスにてセットリストの最終調整をしていた。
「まぁこんなものかなぁ。」
出来上がったセットリストを満足気き見て海斗が言った。
「いよいよって感じがしてきたな。」
「確かに、若葉もよく俺たちに付いて来たね。」
「それはカズ君が引っ張ってくれたからだよ。」
ホント、感謝しても仕切れない。
「そう言えば若葉の推しって誰なんだ?」
輝に言われ
「推し?」
と聞き返す。
「元々-bule-のファンだったんだろ?だから推しは誰だったのか少し気になってさ。」
「それならその、変な意味じゃなく、推しはいなくて、-bule-ってバンドが好きだから、強いて言うなら-bule-が推し。」
そう、あたしにとって-bule-は特別な存在。
どんなに努力しても、なかなかいいバンドに巡り会えない日々。
陰鬱とした日々を過ごしていたとき、-bule-の噂を聞いてライブを観に行った。
最初の音を聴いた瞬間、全身の血がたぎり鳥肌が立った。
ライブが終わっても、しばらく体の震えが止まらなかった。
それぐらいの衝撃を受けたんだ。
そして…悔しかった。
あそこでドラムを叩いているのが自分じゃないことが、無性に悔しかったんだ…。
あの頃の自分を思い出す。
だからあたしの推しは-bule-。
でも正直言うと…。
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