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人の話を聞かない奴はある意味幸せ
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直球勝負な質問に、訪れる静寂。
心臓の鼓動が、早く、大きくなっているのがわかる。
俺の胸と密着する、陛下の背中にごしに地響きのように伝わっているのではと、心配になる程。
返ってくるのは否定か、肯定か、誤魔化しか。
固唾をのんで、腕の中の愛する人の答えを待つ。
「……子供の頃から、あれだけの時間を一緒に過ごして……好きにならない方がおかしいわ」
「うわぁ……っ!」
陛下は『また変な声出してる』と、呆れたように呟いたけれど。
変な声の一つや二つ、漏れ出ても仕方ないのではないか。
初めてお会いした時から、ずっとずっと想いを寄せてきた。
そんなお方が好きだとおっしゃったのだ。この俺を。
あの暑い日、俺が捕まえ、陛下が放したセミの大合唱が、頭の中で響く。
その声はまるで、結婚式の参列客達による、祝辞のシャワー。
俺は改めて、陛下をきつく抱きしめた。
「陛下……!!」
「待って待って、思い出して! 私は男なのよ? たとえ両想いでも、あなたと恋人同士になるわけには――」
「もう、性別なんてどうでもいいのです! 同性愛がなんですか! 愛の形は千差万別、十人十色です!」
陛下の真実を知ってから、俺はずっと自分を制してきた。
愛らしい瞳にキュンキュンする度に。
お優しい言葉にドキドキする度に。
なまめかしい肉体にムラムラする度に。
どれほど美しく、愛おしくとも、この方は男なのだから……変な気は起こすなと。
けれど、男だから何だというのだろう?
男同士では実子をもうけられない?
異性間であっても、子宝に恵まれない夫婦はたくさんいる。
周囲の目が気になる?
少数派だからという理由で、愛を貫こうとする二人を非難する他人の意見は、傾聴に値するのか?
周囲から浴びせられる皮肉を気にも留めず、護衛騎士を退いた俺を、誇らしいと抱きしめてくれた母のように。
お前は一流の騎士だと賛辞をくれたアランのように。
大切な人にさえ理解してもらえれば、それで十分じゃないか。
「愛しています、ローラ様。今も昔もこれからも――」
「レオナルド……」
戸惑い、迷い、喜び。
陛下の声色からは様々な感情が伺える。
「お任せください! 急ぎ、男性同士の致し方を研究致します! 最悪うまくいかなくても、私は今まで妄想だけで自家放電してきた男ですので、陛下に無理強いする事は絶対にしません! どうかご安心を!」
「自家放……ち、違うのレオ。私は……」
「ああ! 神のお怒りに触れる事を気にされていらっしゃるのですか? 大丈夫です! 以前、神職の者に確認しましたが、私達が崇める神は同性愛を禁じてはおりません! ですから私達が愛し合った所で、神が陛下に啓示を授けなくなる可能性はないのです!」
「そうじゃなくて……」
「後継ぎは秘密裏に養子を迎えるなどして対応しましょう! 子供にも陛下の性別は伏せた方がよろしいですよね? ではお風呂には私がいれます! ああでも、次期女王という事は女児……微妙なお年頃になったら、入浴介助は侍女に任せた方が」
「お願いだから! 私の話を聞いて!!」
勢いよく俺の手を振りほどき、こちらを向く陛下。
「………………え?」
そのお姿に、頭が真っ白になる。
胸の前で交差された、細く、白い腕。
その奥で、控えめにそびえる、小さな山が二つ。
「ひ、貧乳……?」
無意識に零れたその言葉に、眉を吊り上げる陛下。
「前から言おうと思っていたけれど……それ、意外と傷ついていますからね?」
真っ赤な顔で俺を睨むローラ女王の顔は、いつもより超絶的に愛らしかった。
心臓の鼓動が、早く、大きくなっているのがわかる。
俺の胸と密着する、陛下の背中にごしに地響きのように伝わっているのではと、心配になる程。
返ってくるのは否定か、肯定か、誤魔化しか。
固唾をのんで、腕の中の愛する人の答えを待つ。
「……子供の頃から、あれだけの時間を一緒に過ごして……好きにならない方がおかしいわ」
「うわぁ……っ!」
陛下は『また変な声出してる』と、呆れたように呟いたけれど。
変な声の一つや二つ、漏れ出ても仕方ないのではないか。
初めてお会いした時から、ずっとずっと想いを寄せてきた。
そんなお方が好きだとおっしゃったのだ。この俺を。
あの暑い日、俺が捕まえ、陛下が放したセミの大合唱が、頭の中で響く。
その声はまるで、結婚式の参列客達による、祝辞のシャワー。
俺は改めて、陛下をきつく抱きしめた。
「陛下……!!」
「待って待って、思い出して! 私は男なのよ? たとえ両想いでも、あなたと恋人同士になるわけには――」
「もう、性別なんてどうでもいいのです! 同性愛がなんですか! 愛の形は千差万別、十人十色です!」
陛下の真実を知ってから、俺はずっと自分を制してきた。
愛らしい瞳にキュンキュンする度に。
お優しい言葉にドキドキする度に。
なまめかしい肉体にムラムラする度に。
どれほど美しく、愛おしくとも、この方は男なのだから……変な気は起こすなと。
けれど、男だから何だというのだろう?
男同士では実子をもうけられない?
異性間であっても、子宝に恵まれない夫婦はたくさんいる。
周囲の目が気になる?
少数派だからという理由で、愛を貫こうとする二人を非難する他人の意見は、傾聴に値するのか?
周囲から浴びせられる皮肉を気にも留めず、護衛騎士を退いた俺を、誇らしいと抱きしめてくれた母のように。
お前は一流の騎士だと賛辞をくれたアランのように。
大切な人にさえ理解してもらえれば、それで十分じゃないか。
「愛しています、ローラ様。今も昔もこれからも――」
「レオナルド……」
戸惑い、迷い、喜び。
陛下の声色からは様々な感情が伺える。
「お任せください! 急ぎ、男性同士の致し方を研究致します! 最悪うまくいかなくても、私は今まで妄想だけで自家放電してきた男ですので、陛下に無理強いする事は絶対にしません! どうかご安心を!」
「自家放……ち、違うのレオ。私は……」
「ああ! 神のお怒りに触れる事を気にされていらっしゃるのですか? 大丈夫です! 以前、神職の者に確認しましたが、私達が崇める神は同性愛を禁じてはおりません! ですから私達が愛し合った所で、神が陛下に啓示を授けなくなる可能性はないのです!」
「そうじゃなくて……」
「後継ぎは秘密裏に養子を迎えるなどして対応しましょう! 子供にも陛下の性別は伏せた方がよろしいですよね? ではお風呂には私がいれます! ああでも、次期女王という事は女児……微妙なお年頃になったら、入浴介助は侍女に任せた方が」
「お願いだから! 私の話を聞いて!!」
勢いよく俺の手を振りほどき、こちらを向く陛下。
「………………え?」
そのお姿に、頭が真っ白になる。
胸の前で交差された、細く、白い腕。
その奥で、控えめにそびえる、小さな山が二つ。
「ひ、貧乳……?」
無意識に零れたその言葉に、眉を吊り上げる陛下。
「前から言おうと思っていたけれど……それ、意外と傷ついていますからね?」
真っ赤な顔で俺を睨むローラ女王の顔は、いつもより超絶的に愛らしかった。
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