【完結】畑暮らしのΩ王子、20年越しに“番”が現れました

兎沢にこり

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焦がれた再会

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「た、たすけて、れお、」

思わず溢れた声に、ザガレスは嫌な笑みを浮かべる。
そしてそのまま、エリオスの頬を張った。
無慈悲な音が寂しく部屋に響く。

「いっ、」
「他のαを呼ぶんじゃない。興が削がれる」

唇の端が切れたようで血が滲む。鉄の味が口内に広がるが、構っている余裕もない。
ザガレスの顔が迫って、鼻にくる相いれない香りは、エリオスの体に拒絶反応を起こさせた。鳥肌を立てて青ざめた顔でいるエリオス。それを気にせず近づいた唇は、逞しくまっさらなうなじを狙った。

「く、くるなよ、やだ、いやだ」

生暖かい呼気が首筋に触れて、体はガタガタと震えてしまう。両側からエリオスを押えつけている使用人たちは、それすら許さないと跡が残るほど強く指を体に食い込ませた。

精神的にもエリオスは、ザガレスを拒絶して今にも吐きそうなのに、投与された薬の効果はバツグンでちぐはぐだ。
ヒートの初期症状とも言われる、体の熱さやだるさ、そして兆したことの無い中心が、ズボンを押し上げている。心は冷めきっているのに、体が反応してしまい、そんな自分の体が気持ち悪かった。
足に力を入れて、覆い被さる男の体を蹴り倒そうとしても、シーツを弱く蹴るだけでなんの意味もない。
むき出しにされたΩのフェロモンが、ザガレスの鼻を掠めるが、口から出てくるものは乱暴な言葉だけだ。

「ったく、この研究が済んだら、すぐにでも番なんぞ解消してやるからな」

甘い言葉など、出るわけがない。
ザガレスは、ヒートの予兆を思わせる柔いΩの心を抉って弱らせた。
番の解消はαが主導する。
解消したαは何の問題もなく新しく番を得ることが出来る……だが、Ωは違う。
首筋にαの歯型を背負ったまま、孤独と、もう誰にも感知して貰えない自身のフェロモンを抱えて死ぬのだ。
だんだんと弱り、花が枯れるようにしぼみ、その一生を終える。
誰とも番わないことよりも、きっと、たぶん恐ろしいことだ。エリオスは誰とも番わないと思って生きてきたから、解消される恐怖を今一番身に染みて理解する。
大嫌いな相手でも命を握られてしまう。自分が弱り果てる姿を、兄らはきっと見ていられない……自分だって、そんなの見られたくない。
弱く消えていくだけのΩだなんて……そんなの嫌だ。

「つぎ、さわったら!……お前の舌でも、なんでも、噛みちぎってやるからな!」

気をしっかり保つ上でも、口先だけは強気にして見せた。体も声も震えて、瞳は涙で歪んでいるから、威力なんかきっとない。

「ふははっ……番になった瞬間。嫌いな相手でも、本能的に加害できなくなるって言うけどなぁ……」
「うそだ、そんな」
「試してみるか。その結果も大いに役立つ」

じんわり肌が汗ばんで、シャツが体に張り付いている。
嫌な笑いを貼り付けたまま、趣味の悪い指輪で、エリオスの首筋をなぞった。

「やめっ」
「先に噛んでしまおうか……その方がヤりやすい」

首元のシャツに指をかけて一気に引いた。ブチブチとボタンが弾け飛んで、熱の籠った体が外気に晒される。
使用人がぐるりとエリオスの体を反転させて、両側からベッドへその体を押し付けた。
枕やシーツでさえザガレスの匂いがべっとりついていて、嫌で嫌でたまらない。

「離っせ、や、めろ……それは、」
「怯えた顔は、まぁ悪くないな」

加虐を楽しむ姿は酷くおぞましい。
焦げ茶の襟足を掻き分けると、ザガレスは唇を近づけた。
犬歯をむき出しにして、大きく口を開く……。

(もう、だめだ、やだ……こんなことなら、レオに、っ、だめだけど、だめなのに……レオの番になれたら、)

一筋、エリオスの瞳から雫が零れた。


「ん?……外が騒がしいぞ」

ザガレスの意識はふと、唯一の扉に注がれる。先程までエリオスが倒れていた、毛皮の絨毯の後ろにある大きな扉だ。
地響きのような深い音が、こちらへ少しずつ近づいてくる。
使用人の一人がもう抵抗出来ないだろうと、エリオスの体から手を離し、ベッドを降りる。
扉に近づいてドアを開くと、ただ無防備に顔を廊下へ突き出した。
突き出した……だけだ。

「……っぐ、あ、あぁあ、あ、」

使用人は呻き声と共に突然後ろへ仰け反った。そして白目を向いたかと思うと、受身を取ることも出来ずにそのままひっくり返る。
大の大人が倒れたその状況を、エリオス、ザガレス、使用人の三人で一度見つめ固まった。
しかし、直ぐにもう一人の使用人に視線をやると、首を扉に振って指示を出す。

「行け」

ベッドを降りた使用人は嫌々と顔を作り、倒れた使用人を跨いで扉へと向かう。
すこし自由になった体。エリオスを押えるものはザガレスのみだ。今のうちと逃げようともがくも、そうはさせるかと、苦しいくらいにベッドへ胸を押し付けられた。鍛えてもこういう時にΩは弱い。だが従うことは絶対にしないと睨みつけた。

「ぐっ、ぅぅ、」
「逃すわけがないだろう」

ザガレスが嫌に口端を上げて言い切った……次の瞬間。

「ザ、ザガレス……さま」

バタンっと音を立てて、またも使用人がひっくり返った。
今度は泡を吹いて、目まで回している。

「おい!他に誰かいないのか!」

返事は無い。
流石に普通では無いと気づいたザガレスは、廊下に立てていたはずの使用人もいない事に気がついた。
それもその筈。開いたドアから足だけ見えるのは、既に気を失った使用人だ。

「何事だ!これはっ!」

一人慌てふためくザガレスだが、エリオスの体には不思議なことが起きていた。
腐ったような香りを放つ、ザガレスのフェロモンを感じないのだ。それよりも、体がスっと軽くなる様で、呼吸もしやすい。
誰かに抱きしめられているような安心感で、やっと息がつけた。そうすれば目元もとろんとして、気持ちがいい。
芯が抜けたように、くたくたになった体は、力が入らない。だけれども嫌な感じはひとつもしないのだ。
そこまでなって、この体の変化の正体がやっとわかる。
鼻先を"あの香り"がふわりと香る。
甘くて爽やかで、恋しいミントの香り。
沸かした湯の中に入れられたみたいに、エリオスの肌はじっとり汗ばんで、頭のてっぺんから足の先まで、身体中が火照って暑くなる。

「は、はぁ……んっ……」

短い呼吸の中に取り込んだ……大事な、運命の香り。
投与された薬が及ぼす効果ではない。全身が喜びで震えて、とめどなく涙が零れてくる。
必死にもがいて、もがいて。その香りに縋りたくて手を伸ばす。

開きかけの扉がキィと音を立てて開かれた。
そして現れた……金色の髪と、汚れ一つない真っ白な鎧。

「見つけた」

アイスブルーの瞳がエリオスを貫いた。
研ぎ澄まされた冷たい鋭利な瞳が、一瞬だけ柔らかく丸みを帯びる。
鈍い金の塗料で塗られた作り物の部屋に、本物の光を纏った神様が、天から降り立つようだった。
眩しく輝いて見えるその人はレオンハルト。エリオスが望む、ただ一人のαであった。

「れ、お……レオ、」

兜は着けず鎧だけを身にまとった姿で、腰には引き抜いていない剣が、重さを持ってそのまま収まっている。
鎧も鞘にも汚れなんか一つもなく、埃も被らない。

「っ、ぐぅう、」

ザガレスは突然呼吸を荒くさせると、まるで踏みつけられたみたいに顔を歪ませた。濁った瞳はレオンハルトの鞘に刻まれた国章を捉える。

「っ、白の騎士団、レオンハルト王子か……エリオス王子を、っ、取り返しにきたんだな」

"エリオス"と名前を出されて、思わず身を固くする。
しかし、表情を変えずに、レオンハルトはザガレスを睨みつける。なお重くなったαのフェロモンを浴びたザガレスは、息も絶え絶えに口を開いた。

「ど、どこから入ってきた。兵がいたはずだ」

それに答えることはしない。レオンハルトの興味は一つだけだ。
ベッドに押し付けられたままのエリオスを見て、瞳を釣り上げる。
端正な顔立ちが怒りを写し、それは声音にも反映される。キンっと音を立てて剣を抜くと、ただ真っ直ぐにザガレスを捉えた。

「いつまでそこにいるんですか……リオから“離れろ“」

地を行くような低い声。その声がエリオスの耳に届く前に、ザガレスは弾かれたようにベッドから降りる。
部屋に満たされるレオンハルトのフェロモン。エリオスはそのフェロモンに夢見心地で、とろとろと顔を緩めているが、対峙するαは別だ。
剣にぐるりと囲まれて、多方面から刺されているかのような格も違う強いフェロモン。
これはαの牽制だ。身に余る怒りを纏わせて、吐き出された声は、αのフェロモンが多分に含まれている。
明確な差のあるαにとって、このフェロモンは猛毒とも言えよう。

「リオ聞こえてますか」
「れ、お……なんか、からだにちから、はいんねぇ」

レオンハルトはエリオスの声を聞いて、フッと力を抜く。その時ばかり怒りは霧散して、目元だけ蜂蜜のように甘たるくした。

「そんなになって……私のフェロモンを感じるということは、未遂ですね」
「っ、ごめん……おれ、ずっと、嘘ついて、」

夢見心地でαのフェロモンに溺れながら、エリオスは罪悪感で潰れてしまいそうだった。
レオンハルトには……バレてしまった、なにもかも。フェロモンはαとΩしか感じ取ることは出来ない。そして自分の様子を見たレオンハルトはエリオスがΩだと確実に分かっている。
漏れているおじさんの腐ったΩフェロモンに、鼻が曲がる思いであろう。
積み重ねてついた嘘だって、レオンハルトは胸を痛めた筈だ。本当はフラれる為にヴァルデンハイトに来たと知ったら、どう思うか。
それに、あんなに焦がれた相手がすぐそばにいた農夫である。裏切られた、酷いやつだと罵られてもおかしくない。
幸せの涙から今度は悲しみの涙を零す。
秋の空より変わりやすい心。
けれどこれが、"ヒート特有の落ち込みやすい症状"だなんて、初めてのヒートに翻弄されているエリオスが知るはずもなかった。
沢山の謝罪を、ベッドに這いつくばりながらでもしなければと、体を起こそうとした所で、レオンハルトは、口元に人差し指をやって制した。

「シー……少しいい子でいてください」
「あ!っ……ぐ、ぅん」

零れた喘ぎに驚くも、手で抑えて必死に押し殺す。
耳を赤くしたエリオスは、恥ずかしくて顔から火が出そうだった。
レオンハルトの色っぽい仕草だけで、エリオスは余計に高ぶって肌が泡立ってしまう。

「リオは返して貰いますよ。もちろん、誘拐した他のΩも全員」

自分の番に手垢をつけられようものなら、αは理性すらも手放し牙を剥く。
ザガレスも心から望まないとはいえ、せっかくの実験材料でもあるΩをおいそれと渡したくはない。
これだけのことをやってのけたお飾りの王は、口だけは人を大いに逆撫でするのがうまかった。

「このΩを連れ帰ったってなんになるんだ」
「……仰っている意味がよく分かりませんが」
「こんな行き遅れの腐ったΩフェロモンしか出さない男、どうするんだ」

腐った。
その言葉に、エリオスの体は分かりやすく怯えた。匂いが一番出ているであろう己のうなじを、痛いほど強く擦って隠す。ベッドの中で、己の心ごと壊されないように体を丸くした。
恥ずかしくて、惨めで。番を求めないと、自分が選んだことなのに、傷ついて……そんな自分も嫌だった。
それを目の端で捉えたレオンハルトは、怒りを更に腹の中へと貯めていく。

「……腐った?」
「酷い匂いだし、誰も貰い手がいないんだろう?なら俺が貰ってやるっていって、」
「"黙れ"」

部屋の中の物がガタガタと震え、窓辺のカーテンが揺れる。

「ぐぁあ!」

地震かと思うがそうではないし、室内で風が吹く事はない。
ザガレスはそのまま後ろへひっくり返ると、痙攣し大柄に振る舞う威厳もなにもない。
この現象はレオンハルトのフェロモンが一気に膨れ上がったことを意味していた。
呼吸と共に、もろにレオンハルトのフェロモンを浴びたエリオスは、歓喜で震える体に困惑していた。

「あっ!……ぅあ、ぐぅぅ……はっ、」

触れずとも体が快感を拾い、短い喘ぎが漏れてしまう。
肌が擦れるだけで、反応して震えてしまい気持ちが良くて、そして心細い。
すぐそこにいるレオンハルトが恋しいのに、ほんの少しだけ生きている理性が、欲しがっては駄目だと言って止めるのだ。

「ふぅ、ふぅ……」

短く息を吐いて、目をぎゅっとつぶった。
浅ましい自分がこれ以上出てこないように、駄目だと制して下唇を噛む。

「私の運命になんたる口の利き方です?……絶対に許しません」

目を回し気を失っているザガレスは、抵抗もする意思表示すら出せやしない。しかし完全に目を据わらせたレオンハルトは、怒りのままに剣を構えた。
傷も汚れも無い、透き通るほどの刀身を頭上にあげれば、眩しい光を帯びる。
切先がザガレスの首に触れ……。

「ちょ、おい!……っそこまで!!」

寸前で、レオンハルトの剣はぴたりと静止した。
扉に手を掛けたのは、肩で息をするグレンだ。
鎧は綺麗な白のまま汚れてはいないが、手に持った剣は可哀想に本来の役目を果たしていない。
杖のように使われて、大柄な副団長の体躯を押し付けられている。
しかし、なんとも冷えた瞳はチラリと一度グレンにやっただけで、すぐにザガレスの首元へと戻る。
静かに吐き出した声は、情など一切持ち合わせていないから身内といえど縮み上がりそうだ。

「……邪魔しないでください」

ただただ、その首が離れて欲しいと言った顔つきに、グレンは分かりやすく片手で顔を覆い「はぁ……」とため息をつく。ここでストッパーをベロリカに託された意味が、透けて見えて嫌になる。
ここで剣を振るわれてザガレスが死んだら面倒だ。他のΩの安否が一気に怪しくなる。
仕方ないと、切り捨てられる覚悟で腹に力を込めた。

「そのフェロモンとっととしまえ!ウチの騎士までひっくり返ってるぞ!?」

グレンはここまでの惨状を思い出して、顔をげっそりとさせる。
思い出すだけでも、ザルミアン帝国の敷地内に入ってからは本当に散々だったのだ。
エリオスのフェロモンを感じ取って、どんどん先を行くレオンハルトに倣って白の騎士団は進んでいったのだが、目の前に迫る兵らを、己の苛立ちで零したαフェロモンでのしてしまう。
最初は良かった。白の騎士団かたなしではあるのだが、血を流すことは本意ではない。
倒れた兵の腕と足を縛り付けて転がせば歩きやすいし、素直なものはよく口を開くから案内もいらない。
……と、思った矢先だ。エリオスの血の匂いを嗅ぎ取ったと、レオンハルトがとんでもないフェロモンを出したのは。

「それは……皆に後で謝りましょう」
「だから!……っあーもう!こうなりゃヤケだ!」

グレンは腹を括った。腹どころか全身でくくるしかなかった。
大股で部屋のど真ん中にあるベッドへ向かうと、震えるエリオスの元へとゆく。
触れないように注意しながら、手のひらで指し示す。

「ケアが!先だろうが!……おーい、リオー……エリオス王子?……大丈夫かー」

震えるエリオスの耳元で声をかける。
分かりやすく震えたエリオスの肩は小さい。
しかし、フェロモンを溢れ出すほど気が立っているレオンハルトには効果覿面だ。 

「離れてくださいっ」
「だから!剣しまえ!しまったらここを通っていい!」

両腕を大きく広げて通せんぼをする。生きた心地はしないが仕方ない。
さぁ!どうにでもなれ!と言いたいところだが、助け舟はすぐ後ろで出されたのだ。

「れお……」

こぼれた吐息は熱を帯びている。そこへ乗った名に、レオンハルトはすぐさま言うことを聞いた。
グレンの決死とも言える覚悟は、運命の声ですぐに解決してしまう。
大人しく、素早く。レオンハルトは剣をしまったのであった。
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