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第三章 アレクサンドル編
第五十話 ルルからの集めるべきアイテムヒント
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テスト範囲を寝ないで勉強してはみたものの、実際のところステータスで見るとパラメーターは疲労が溜まっていてあがりにくい状態になっている。
このままだと倒れるかな、と思っていたあたりでイミテが休憩を申し出た。
「少し気分転換でもせんか、お前様はここのところ自分に纏わるストレスを発散できる場所がない」
「ストレスって……」
「誰も好んで自ら楽しんで当て馬をやりたがるやつなど、おらぬよ。少なくともお前様はそんな雄ではない」
イミテの強気な瞳に微苦笑し、頭を撫でてやるとイミテは機嫌良さそうに目を瞑って、もっと撫でろと態度で要求した。
気分転換か、さて何をしようかな。久しぶりにただ楽しいと思う行為だけをしようか。
何か美味しいモンでも探しに行きたいところだが、俺一応未成年だからなあ、ここだと。
うっかり酒が飲めないつらさ……というわけで、食事はだめ。
となると散歩か。適当に城下町をうろつくか、敷地内で散歩するなりしよう。
あまり人に会いたくないから、敷地内の教会にいくか。試験近くで人は少ないだろう。
俺は決めるなり、イミテと一緒に教会へ向かおうとしたが、教会前でイミテは具合を悪くし、外で待つことに。教会は空から見れば多分、モートルダム神を象徴した紋章になるように見える建物となっている。二重の半円形に十字架を重ねたやつだ。
中へ入ればステンドグラスの色艶やかな灯りが、床に落ちている。
真ん中辺りまでいけば、そこから書庫や祈る場所や、懺悔室などに道が分かれてる。
わくわくした俺は、書庫へ行ってみようと思った。
書庫には、モートルダム神の資料や、この国の歴史を連ねた本でいっぱいだった。
「へぇ、モートルダム神に対の神なんているのか」
『その破滅の神も、オレの一部だよ』
「急に話しかけるなよ、驚くから。裏の顔ってやつか」
『どうなんだろうな、別の個体で存在するのか、それともオレ自身が気付かぬ間になっているのかは判らん。ただ明確に判るのは、それもオレである、ということくらいだ』
鈴から聞こえる声に、ふぅんと相づちをうちながら、書庫で丸まっている何かに気付いたので近づく。
隠れているようだ、何かから。どうしたんだろうと、歩み寄れば……。
「ち、近づくなッ!!」
「あれ、お前は……――ルル?」
がさごそと物陰に隠れようとして、大きさ故に失敗したシルビアの契約獣がいる。
この間は大きさに驚いたものの今はそこまででかくない。
白い蛇はうねうねしながら、隠れようとしてはいるが、一回見つけたら存在感はでかいので即見つけることが出来てしまっていた。
「シルビアに捨てられたのか」
「違う! 崇高な任務を与えられただけだッ!」
「その割にはぼろぼろだけど」
「任務を遂行するためだ、さっさと出て行け、疫病神!」
そう言われるとなぁ、出て行きたくなくなるなぁ。
俺は嫌がるルルを抱えて、イミテのもとにいく。イミテは驚いた顔をしていたが、すぐに察して、ポーションを取り出してくれた。
「お前様は使いなさるなよ、今のお前様は倒れる直前だ」
イミテの警告に頷くと、俺はイミテにポーションを任せ、ルルに使って貰う。
ルルは体力や精神力が回復することに驚くと戸惑いを見せ、しゅるしゅると舌を見せた。
「何で……敵だぞ?」
「本当にシルビアの命令通りに何かあるにしてもなしにしても、そのままだとお前倒れそうだったから。今の俺が言えたことじゃあないんだけどな」
「お人好しが過ぎるんじゃないか?? まあ助かったよ……実は、シルビア様とはぐれて、迷子になってさ。任務はあるにはあるが、今のシルビア様に従う気にはなれないんだ……」
「どうして従えられないんだ?」
「あの方は今、ぼろぼろだ。メビウスに関わらない方がいいって言ってもきかないんだ」
「シルビアはメビウスに何かされてるのか?」
「……ピュアクリスタルを複製できないか、色々実験をされている」
よっぽど主人を思っているからか、悔しげなルルに俺は一気に共感し、同情した。
ピュアクリスタルがどういう仕組みで出来ているか判らないが、確かあれは心に関与する物体だったはずだ。
心を二個作るようなものである、出来るわけがない。
「ルル、暫く俺のとこにいなさい」
「でも……」
「俺に従えってぇ話じゃないよ、ただお前の環境はあまりによくない。シルビアのことは、俺やキャロライン達に任せておきな」
「……五生宝。リーチェ、出来る御礼として教えられるのはそれだけだ、絶対に、見つけろよ。気持ちだけ、貰う」
「あ、おい、待てよ!」
ルルはするすると俺達の腕から抜け出して、何処かへ向かったようだった。
機敏に動くもんだから追いつけず、そのまま見失う。
イミテは考え込むようにして、黙り込んでから俺を見つめる。
「判らぬ。メビウスたちの狙いが」
「どうして……月華蜜いれたら、それで作れるんってこの前、ディスタードがくれた巻物の薬なんだよな」
「そもそもメビウスとは、何者なのか……そこから知る必要もありそうではあるな」
このままだと倒れるかな、と思っていたあたりでイミテが休憩を申し出た。
「少し気分転換でもせんか、お前様はここのところ自分に纏わるストレスを発散できる場所がない」
「ストレスって……」
「誰も好んで自ら楽しんで当て馬をやりたがるやつなど、おらぬよ。少なくともお前様はそんな雄ではない」
イミテの強気な瞳に微苦笑し、頭を撫でてやるとイミテは機嫌良さそうに目を瞑って、もっと撫でろと態度で要求した。
気分転換か、さて何をしようかな。久しぶりにただ楽しいと思う行為だけをしようか。
何か美味しいモンでも探しに行きたいところだが、俺一応未成年だからなあ、ここだと。
うっかり酒が飲めないつらさ……というわけで、食事はだめ。
となると散歩か。適当に城下町をうろつくか、敷地内で散歩するなりしよう。
あまり人に会いたくないから、敷地内の教会にいくか。試験近くで人は少ないだろう。
俺は決めるなり、イミテと一緒に教会へ向かおうとしたが、教会前でイミテは具合を悪くし、外で待つことに。教会は空から見れば多分、モートルダム神を象徴した紋章になるように見える建物となっている。二重の半円形に十字架を重ねたやつだ。
中へ入ればステンドグラスの色艶やかな灯りが、床に落ちている。
真ん中辺りまでいけば、そこから書庫や祈る場所や、懺悔室などに道が分かれてる。
わくわくした俺は、書庫へ行ってみようと思った。
書庫には、モートルダム神の資料や、この国の歴史を連ねた本でいっぱいだった。
「へぇ、モートルダム神に対の神なんているのか」
『その破滅の神も、オレの一部だよ』
「急に話しかけるなよ、驚くから。裏の顔ってやつか」
『どうなんだろうな、別の個体で存在するのか、それともオレ自身が気付かぬ間になっているのかは判らん。ただ明確に判るのは、それもオレである、ということくらいだ』
鈴から聞こえる声に、ふぅんと相づちをうちながら、書庫で丸まっている何かに気付いたので近づく。
隠れているようだ、何かから。どうしたんだろうと、歩み寄れば……。
「ち、近づくなッ!!」
「あれ、お前は……――ルル?」
がさごそと物陰に隠れようとして、大きさ故に失敗したシルビアの契約獣がいる。
この間は大きさに驚いたものの今はそこまででかくない。
白い蛇はうねうねしながら、隠れようとしてはいるが、一回見つけたら存在感はでかいので即見つけることが出来てしまっていた。
「シルビアに捨てられたのか」
「違う! 崇高な任務を与えられただけだッ!」
「その割にはぼろぼろだけど」
「任務を遂行するためだ、さっさと出て行け、疫病神!」
そう言われるとなぁ、出て行きたくなくなるなぁ。
俺は嫌がるルルを抱えて、イミテのもとにいく。イミテは驚いた顔をしていたが、すぐに察して、ポーションを取り出してくれた。
「お前様は使いなさるなよ、今のお前様は倒れる直前だ」
イミテの警告に頷くと、俺はイミテにポーションを任せ、ルルに使って貰う。
ルルは体力や精神力が回復することに驚くと戸惑いを見せ、しゅるしゅると舌を見せた。
「何で……敵だぞ?」
「本当にシルビアの命令通りに何かあるにしてもなしにしても、そのままだとお前倒れそうだったから。今の俺が言えたことじゃあないんだけどな」
「お人好しが過ぎるんじゃないか?? まあ助かったよ……実は、シルビア様とはぐれて、迷子になってさ。任務はあるにはあるが、今のシルビア様に従う気にはなれないんだ……」
「どうして従えられないんだ?」
「あの方は今、ぼろぼろだ。メビウスに関わらない方がいいって言ってもきかないんだ」
「シルビアはメビウスに何かされてるのか?」
「……ピュアクリスタルを複製できないか、色々実験をされている」
よっぽど主人を思っているからか、悔しげなルルに俺は一気に共感し、同情した。
ピュアクリスタルがどういう仕組みで出来ているか判らないが、確かあれは心に関与する物体だったはずだ。
心を二個作るようなものである、出来るわけがない。
「ルル、暫く俺のとこにいなさい」
「でも……」
「俺に従えってぇ話じゃないよ、ただお前の環境はあまりによくない。シルビアのことは、俺やキャロライン達に任せておきな」
「……五生宝。リーチェ、出来る御礼として教えられるのはそれだけだ、絶対に、見つけろよ。気持ちだけ、貰う」
「あ、おい、待てよ!」
ルルはするすると俺達の腕から抜け出して、何処かへ向かったようだった。
機敏に動くもんだから追いつけず、そのまま見失う。
イミテは考え込むようにして、黙り込んでから俺を見つめる。
「判らぬ。メビウスたちの狙いが」
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