異世界転生した攻略キャラから提案ですが姫様隠しキャラ落としませんか?

かぎのえみずる

文字の大きさ
52 / 83
第三章 アレクサンドル編

第五十話 ルルからの集めるべきアイテムヒント

しおりを挟む
 テスト範囲を寝ないで勉強してはみたものの、実際のところステータスで見るとパラメーターは疲労が溜まっていてあがりにくい状態になっている。
 このままだと倒れるかな、と思っていたあたりでイミテが休憩を申し出た。
「少し気分転換でもせんか、お前様はここのところ自分に纏わるストレスを発散できる場所がない」
「ストレスって……」
「誰も好んで自ら楽しんで当て馬をやりたがるやつなど、おらぬよ。少なくともお前様はそんな雄ではない」
 イミテの強気な瞳に微苦笑し、頭を撫でてやるとイミテは機嫌良さそうに目を瞑って、もっと撫でろと態度で要求した。
 気分転換か、さて何をしようかな。久しぶりにただ楽しいと思う行為だけをしようか。
 何か美味しいモンでも探しに行きたいところだが、俺一応未成年だからなあ、ここだと。
 うっかり酒が飲めないつらさ……というわけで、食事はだめ。
 となると散歩か。適当に城下町をうろつくか、敷地内で散歩するなりしよう。
 あまり人に会いたくないから、敷地内の教会にいくか。試験近くで人は少ないだろう。
 俺は決めるなり、イミテと一緒に教会へ向かおうとしたが、教会前でイミテは具合を悪くし、外で待つことに。教会は空から見れば多分、モートルダム神を象徴した紋章になるように見える建物となっている。二重の半円形に十字架を重ねたやつだ。
 中へ入ればステンドグラスの色艶やかな灯りが、床に落ちている。
 真ん中辺りまでいけば、そこから書庫や祈る場所や、懺悔室などに道が分かれてる。
 わくわくした俺は、書庫へ行ってみようと思った。
 書庫には、モートルダム神の資料や、この国の歴史を連ねた本でいっぱいだった。
「へぇ、モートルダム神に対の神なんているのか」
『その破滅の神も、オレの一部だよ』
「急に話しかけるなよ、驚くから。裏の顔ってやつか」
『どうなんだろうな、別の個体で存在するのか、それともオレ自身が気付かぬ間になっているのかは判らん。ただ明確に判るのは、それもオレである、ということくらいだ』
 鈴から聞こえる声に、ふぅんと相づちをうちながら、書庫で丸まっている何かに気付いたので近づく。
 隠れているようだ、何かから。どうしたんだろうと、歩み寄れば……。

「ち、近づくなッ!!」
「あれ、お前は……――ルル?」

 がさごそと物陰に隠れようとして、大きさ故に失敗したシルビアの契約獣がいる。
 この間は大きさに驚いたものの今はそこまででかくない。
 白い蛇はうねうねしながら、隠れようとしてはいるが、一回見つけたら存在感はでかいので即見つけることが出来てしまっていた。

「シルビアに捨てられたのか」
「違う! 崇高な任務を与えられただけだッ!」
「その割にはぼろぼろだけど」
「任務を遂行するためだ、さっさと出て行け、疫病神!」

 そう言われるとなぁ、出て行きたくなくなるなぁ。
 俺は嫌がるルルを抱えて、イミテのもとにいく。イミテは驚いた顔をしていたが、すぐに察して、ポーションを取り出してくれた。

「お前様は使いなさるなよ、今のお前様は倒れる直前だ」
 イミテの警告に頷くと、俺はイミテにポーションを任せ、ルルに使って貰う。
 ルルは体力や精神力が回復することに驚くと戸惑いを見せ、しゅるしゅると舌を見せた。

「何で……敵だぞ?」
「本当にシルビアの命令通りに何かあるにしてもなしにしても、そのままだとお前倒れそうだったから。今の俺が言えたことじゃあないんだけどな」
「お人好しが過ぎるんじゃないか?? まあ助かったよ……実は、シルビア様とはぐれて、迷子になってさ。任務はあるにはあるが、今のシルビア様に従う気にはなれないんだ……」
「どうして従えられないんだ?」
「あの方は今、ぼろぼろだ。メビウスに関わらない方がいいって言ってもきかないんだ」
「シルビアはメビウスに何かされてるのか?」
「……ピュアクリスタルを複製できないか、色々実験をされている」
 よっぽど主人を思っているからか、悔しげなルルに俺は一気に共感し、同情した。
 ピュアクリスタルがどういう仕組みで出来ているか判らないが、確かあれは心に関与する物体だったはずだ。
 心を二個作るようなものである、出来るわけがない。

「ルル、暫く俺のとこにいなさい」
「でも……」
「俺に従えってぇ話じゃないよ、ただお前の環境はあまりによくない。シルビアのことは、俺やキャロライン達に任せておきな」
「……五生宝。リーチェ、出来る御礼として教えられるのはそれだけだ、絶対に、見つけろよ。気持ちだけ、貰う」
「あ、おい、待てよ!」

 ルルはするすると俺達の腕から抜け出して、何処かへ向かったようだった。
 機敏に動くもんだから追いつけず、そのまま見失う。
 イミテは考え込むようにして、黙り込んでから俺を見つめる。
「判らぬ。メビウスたちの狙いが」
「どうして……月華蜜いれたら、それで作れるんってこの前、ディスタードがくれた巻物の薬なんだよな」
「そもそもメビウスとは、何者なのか……そこから知る必要もありそうではあるな」

しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

【本編完結】美女と魔獣〜筋肉大好き令嬢がマッチョ騎士と婚約? ついでに国も救ってみます〜

松浦どれみ
恋愛
【読んで笑って! 詰め込みまくりのラブコメディ!】 (ああ、なんて素敵なのかしら! まさかリアム様があんなに逞しくなっているだなんて、反則だわ! そりゃ触るわよ。モロ好みなんだから!)『本編より抜粋』 ※カクヨムでも公開中ですが、若干お直しして移植しています! 【あらすじ】 架空の国、ジュエリトス王国。 人々は大なり小なり魔力を持つものが多く、魔法が身近な存在だった。 国内の辺境に領地を持つ伯爵家令嬢のオリビアはカフェの経営などで手腕を発揮していた。 そして、貴族の令息令嬢の大規模お見合い会場となっている「貴族学院」入学を二ヶ月後に控えていたある日、彼女の元に公爵家の次男リアムとの婚約話が舞い込む。 数年ぶりに再会したリアムは、王子様系イケメンとして令嬢たちに大人気だった頃とは別人で、オリビア好みの筋肉ムキムキのゴリマッチョになっていた! 仮の婚約者としてスタートしたオリビアとリアム。 さまざまなトラブルを乗り越えて、ふたりは正式な婚約を目指す! まさかの国にもトラブル発生!? だったらついでに救います! 恋愛偏差値底辺の変態令嬢と初恋拗らせマッチョ騎士のジョブ&ラブストーリー!(コメディありあり) 応援よろしくお願いします😊 2023.8.28 カテゴリー迷子になりファンタジーから恋愛に変更しました。 本作は恋愛をメインとした異世界ファンタジーです✨

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日19時に更新予定です。

【完結】公爵令嬢は勇者への恩返しを試みる〜サブヒロインとして頑張ります〜

マロン株式
恋愛
 公爵令嬢ユウフェには、ひとつだけ秘密がある。  ――この世界が“小説の中”だと知っていること。  ユウフェはただの“サブヒロイン”で、物語の結末では魔王のもとへ嫁ぐ運命にある……はずだった。 けれどーー  勇者の仲間、聖女、そして魔王が現れ、〝物語どおり〟には進まない恋の三角関係(いや、四角関係?)が動き出す。  サブヒロインの恩返しから始まる、ほのぼの甘くて、少し切ない恋愛ファンタジー。 ◇◇◇ ※注意事項※ ・序盤ほのぼのめ ・勇者 ✖ サブヒロイン ✖ 魔王 ✖ 巫女(?)の恋愛模様 ・基本はザマァなし ・過去作のため、気になる部分あればすみません ・他サイトと並行改稿中のため、内容に差異が出る可能性があります ・設定ゆるめ ・恋愛 × ファンタジー

転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。

琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。 ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!! スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。 ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!? 氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。 このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。

【完結】うっかり異世界召喚されましたが騎士様が過保護すぎます!

雨宮羽那
恋愛
 いきなり神子様と呼ばれるようになってしまった女子高生×過保護気味な騎士のラブストーリー。 ◇◇◇◇  私、立花葵(たちばなあおい)は普通の高校二年生。  元気よく始業式に向かっていたはずなのに、うっかり神様とぶつかってしまったらしく、異世界へ飛ばされてしまいました!  気がつくと神殿にいた私を『神子様』と呼んで出迎えてくれたのは、爽やかなイケメン騎士様!?  元の世界に戻れるまで騎士様が守ってくれることになったけど……。この騎士様、過保護すぎます!  だけどこの騎士様、何やら秘密があるようで――。 ◇◇◇◇ ※過去に同名タイトルで途中まで連載していましたが、連載再開にあたり設定に大幅変更があったため、加筆どころか書き直してます。 ※アルファポリス先行公開。 ※表紙はAIにより作成したものです。

ウッカリ死んだズボラ大魔導士は転生したので、遺した弟子に謝りたい

藤谷 要
恋愛
十六歳の庶民の女の子ミーナ。年頃にもかかわらず家事スキルが壊滅的で浮いた話が全くなかったが、突然大魔導士だった前世の記憶が突然よみがえった。  現世でも資質があったから、同じ道を目指すことにした。前世での弟子——マルクも探したかったから。師匠として最低だったから、彼に会って謝りたかった。死んでから三十年経っていたけど、同じ魔導士ならばきっと探しやすいだろうと考えていた。  魔導士になるために魔導学校の入学試験を受け、無事に合格できた。ところが、校長室に呼び出されて試験結果について問い質され、そこで弟子と再会したけど、彼はミーナが師匠だと信じてくれなかった。 「私のところに彼女の生まれ変わりが来たのは、君で二十五人目です」  なんですってー!?  魔導士最強だけどズボラで不器用なミーナと、彼女に対して恋愛的な期待感ゼロだけど絶対逃す気がないから外堀をひたすら埋めていく弟子マルクのラブコメです。 ※全12万字くらいの作品です。 ※誤字脱字報告ありがとうございます!

魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました

iru
恋愛
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。 両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。 両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。 しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。 魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。 自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。 一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。 初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。 恋人になりたいが、年上で雇い主。 もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。 そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。 そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。 レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか? 両片思いのすれ違いのお話です。

処理中です...