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第一部 自覚と狂宴
第十三話 求め
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オーナーが腰を振る度、前がベッドで擦れるが縛られているため、せき止められている。イきたくてもイけない。
それでも背筋がぞわりぞわりと激しい悦が行き来し、もっともっとと快楽が欲しくなる。
嫌だ、堕ちたくない――!
このままだと柚は、オーナーの手腕により、快楽の奴隷になってしまいそうだった。
だがしかし、理性を僅かに繋げているのは気に掛かる枯葉のこと。
喘ぎ声が溢れて、せき止められず、ついにはきゅっと後ろが締まりびくびくと身体に電流が走る――!
「アッ、やだ、……ッあああ!!」
「ッ……ああ、中きもっちいいなァ、最高柚ちゃんの中!!」
オーナーは嬉々として白い迸りを中に注ぎ込む。柚の内壁は蠢き、もっともっととオーナーから精液を搾り取るような蠢きであった。
互いに息を乱し、まだ柚が達してる最中にオーナーは身体をひっくり返し、根元を弄る。
「やだ、そこ、駄目」
「柚ちゃんの駄目は、いい、ってことだろ。嘘吐くなよこの雌犬」
「駄目、だめ、だからあ」
首を震え甘ったるい声で拒絶されても、燃え上がるだけだと知らない柚はあほなのかとオーナーは酷薄な笑みを浮かべた。
その笑みを見た瞬間に、柚は気付いた――オーナーは、自分の身体をたった一度だけ抱くつもりではないのだと。
徹底的に、雌落ちさせたいのだと気付いた。
「あ、あ……」
「柚ちゃん、ああ、もうたまんないな、ここぷるぷるしてる」
オーナーは縛られてる自身をそっと撫でたので、ぶるりと思わず震えた。
「そろそろ外してあげる」
簡単に外れると、オーナーは柚に射精を促そうとした。
*
オーナーの自分をしごく手つきで熱が高まり、この場にいない名を切なげに求める柚。
只管に枯葉、枯葉、と呼び続ける姿は扇情的で、何かイケナイものにオーナーは目覚めそうであった。
「はぁ、ん……や、だ」
「艶っぽい声でてるのに?」
「たす、助けて、かれはあ」
「呼んでも無駄だ、柚ちゃん。あいつ仕事中だから」
「枯葉、枯葉ァ……!!」
どんどんどん!!
ノック音が響き、オーナーは舌打ちする。
中へ欲をたっぷり注ぎ込んでから、オーナーは扉を開ける。
柚はぐでりとし、ただただベッドから扉を見つめている――扉から見えたのは、魂の片割れ。枯葉だ。
体中にキスマークをつけ、噛み痕をつけ。
それでも息を荒げやってきた枯葉の姿は、一部で王子様扱いされる存在だという事実に納得するオーナーだった。
「何してるんですか」
「そっちこそ、仕事はおざなりか? え?」
既に枯葉の仕事は終えて、状況をとあるカップルの一人から聞けば、慌ててかけつけたのだった。
確かにオーナーが買ったのは聞いていたが、兄には部屋から出るなといったのに!
そんな空しい抵抗だけで柚を守れるなど、枯葉のあまりにもお粗末な浅知恵だった。
「枯葉?」
「兄さん、大丈夫、僕が来ました」
枯葉の登場に、柚はほっとするも枯葉を見るなり火照る身体に動揺を隠せない。
柚の足からつつ、と白い液体が伝い、枯葉は目を見開く。
それでも背筋がぞわりぞわりと激しい悦が行き来し、もっともっとと快楽が欲しくなる。
嫌だ、堕ちたくない――!
このままだと柚は、オーナーの手腕により、快楽の奴隷になってしまいそうだった。
だがしかし、理性を僅かに繋げているのは気に掛かる枯葉のこと。
喘ぎ声が溢れて、せき止められず、ついにはきゅっと後ろが締まりびくびくと身体に電流が走る――!
「アッ、やだ、……ッあああ!!」
「ッ……ああ、中きもっちいいなァ、最高柚ちゃんの中!!」
オーナーは嬉々として白い迸りを中に注ぎ込む。柚の内壁は蠢き、もっともっととオーナーから精液を搾り取るような蠢きであった。
互いに息を乱し、まだ柚が達してる最中にオーナーは身体をひっくり返し、根元を弄る。
「やだ、そこ、駄目」
「柚ちゃんの駄目は、いい、ってことだろ。嘘吐くなよこの雌犬」
「駄目、だめ、だからあ」
首を震え甘ったるい声で拒絶されても、燃え上がるだけだと知らない柚はあほなのかとオーナーは酷薄な笑みを浮かべた。
その笑みを見た瞬間に、柚は気付いた――オーナーは、自分の身体をたった一度だけ抱くつもりではないのだと。
徹底的に、雌落ちさせたいのだと気付いた。
「あ、あ……」
「柚ちゃん、ああ、もうたまんないな、ここぷるぷるしてる」
オーナーは縛られてる自身をそっと撫でたので、ぶるりと思わず震えた。
「そろそろ外してあげる」
簡単に外れると、オーナーは柚に射精を促そうとした。
*
オーナーの自分をしごく手つきで熱が高まり、この場にいない名を切なげに求める柚。
只管に枯葉、枯葉、と呼び続ける姿は扇情的で、何かイケナイものにオーナーは目覚めそうであった。
「はぁ、ん……や、だ」
「艶っぽい声でてるのに?」
「たす、助けて、かれはあ」
「呼んでも無駄だ、柚ちゃん。あいつ仕事中だから」
「枯葉、枯葉ァ……!!」
どんどんどん!!
ノック音が響き、オーナーは舌打ちする。
中へ欲をたっぷり注ぎ込んでから、オーナーは扉を開ける。
柚はぐでりとし、ただただベッドから扉を見つめている――扉から見えたのは、魂の片割れ。枯葉だ。
体中にキスマークをつけ、噛み痕をつけ。
それでも息を荒げやってきた枯葉の姿は、一部で王子様扱いされる存在だという事実に納得するオーナーだった。
「何してるんですか」
「そっちこそ、仕事はおざなりか? え?」
既に枯葉の仕事は終えて、状況をとあるカップルの一人から聞けば、慌ててかけつけたのだった。
確かにオーナーが買ったのは聞いていたが、兄には部屋から出るなといったのに!
そんな空しい抵抗だけで柚を守れるなど、枯葉のあまりにもお粗末な浅知恵だった。
「枯葉?」
「兄さん、大丈夫、僕が来ました」
枯葉の登場に、柚はほっとするも枯葉を見るなり火照る身体に動揺を隠せない。
柚の足からつつ、と白い液体が伝い、枯葉は目を見開く。
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