兄さん覗き見好きなんだね?

かぎのえみずる

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第二部 視線

第二十七話 淫売な奪い人

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 上唇を舐めゆっくりと客の性感を高める為に、指先でじゃれるように柚は身体の真下にある客自身を挑発し、身体をすり寄せてみる。
 好きに触っていい、と言われてるような錯覚を起こした客は、恐る恐る柚自身を撫でる。
 すると柚は身体を少し起こし、「もっと」と甘い吐息で強請った。

 客は――本当の童貞だったわけではないが、そういったシチュエーション。何より、柚の仕草。枯葉からの羨望と嫉妬が混ざる眼差し。他の競り落とせなかった客達の中には、自分自身を慰めているものもスクリーンに映っていた。

 可憐な花が目の前で咲き誇る感覚に、客はすっかり酔い痴れ、柚自身を扱くのに躊躇いはなかった。
 この淫売、擦れば擦るほど、身体がびくびくと派ね、視線をスクリーンに向けている。
 客は悟る、ああこの学生も、覗き好きなのだと。
 どんどん屹立していく柚自身は亀頭から涎をだらだらと塗らし、卑猥な音が響き渡る。

「お客様、解すのはお好きですか? それとも、兄さんの痴態を味わってからお召し上がりに?」
 枯葉は解すのが面倒であれば自分が解すという旨を、ムードを壊さないように伝えた。
 客は解すのは枯葉に任せ、柚を少しでも間近で見つめて愛でていたいようであった。

「では遠慮無く、兄さんこっちにお尻突きだして、お客様にしがみついて。重かったらすみませんね」
「構わないよ、嗚呼、嗚呼柚くんこっちへおいで、艶めかしい格好で素晴らしいよ」

 客の身体に絡みつき覆い被さるような態勢で、柚はベッドで膝立ちしている枯葉へ尻を突き出す。
 オーナーにも開発されている身体は、覗かれていると思えばそれだけでも柚は性感が高まるというのに、枯葉に違う男とするために解される背徳感にぞくりとした。
 いけない、この背徳感に酔ってはいけないと思いつつも、身体は正直である。
 性感を誤魔化すように、柚は客の身体にキスマークを残しながら、枯葉に解されていく。
 客は柚が積極的に愛撫すればするほど、期待し硬くなっていく。


 やがて、挿入の準備が整った。

 客は早く挿入したがるが、柚は、じ、と客を見つめ身体の線をなぞる。
 客がぞくぞくと身を震わせたところで、後孔に客の雄芯を宛がった。

 ゆっくり挿入しようとしたのに、枯葉が後ろからぐいっと強く押して深々と入れたので、柚は身を震わせ淡く達した。

 枯葉はにこりと客に笑いかける。

「うちの兄さん、男好きなのでね、大変はしたない姿になりますがすみませんね」

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