エンド後勇者、奴隷たちに振られまくる総受け生活

極寒の日々

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15大切

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昼からは出入りの商人を呼び、セイレスとクローエさん用に女性物の商品を部屋中に所狭しと広げて貰う。
クローエさんは目を輝かせて商品を眺めているが、セイレスは気に入った洋服やアクセサリーがないのかあまり反応を示さない。
というより見知らぬ商人に警戒しているようで、ジッと商人たちから目を離そうとしない。
セイレスの人見知りは結構激しいようで、世話係のクローエさんにも自分からはあまり近づこうとはせず、二人に打ち解けた様子はまだない。
それでもクローエさんは任せられた仕事をこなそうとセイレスに懸命に話しかけてくれているが、セイレスはけんもほろろ。
風呂や着替え以外でクローエさんに近づくことはなく、今も女性二人で買い物を楽しめればと思って商人を呼んだがクローエさんは一人で商品を吟味している。
俺の側から離れようとしないセイレスに苦笑しつつ、警戒心をあらわにするセイレスの心をほぐそうと商品を手に取る。

「セ、セイレス。こ、こ、この靴は、ど、どうかな?」
「この前も靴買ってもらったよ?」
「で、でも、でも、こ、この前のは普段使い用で、きょ、今日のはお出かけ用だから! こ、これは、イ、インソールもしっかりしてて、あ、歩きやすそうだよ。デ、デザインもシ、シンプルながらも可愛くて、セ、セイレスによく似合うと思う」

遠慮しそうな空気を慌てて言葉でかき消す。
最近の俺の趣味はセイレスを飾り立てることだ。
可愛い物に囲まれているセイレスを見るのは眼福だし、何より贈り物を贈られた時のセイレスは遠慮がちながらも凄く嬉しそうに笑うのだ。
その笑顔を見るためならば俺はこの世界で築いた全財産を放り出したってかまわないと思い始めている。

今までずっと寄り添ってくれる恋人にこだわっていたが、セイレスを買ってから気づいた。
何も恋人だけが孤独を埋めてくれる存在ではないのだと。
家族だってそれは一緒なのだ。
出会ってまだ一か月だが俺はセイレスを娘のように思っている。
もしセイレスが受け入れてくれるのならば、俺は彼女を養子にしたい。
それを彼女に拒絶されたら…多分凄く悲しい。
今までも何度も振られてきた人生だったが、それとは比べ物にならないほどの絶望を感じると思う。
想像しただけでも胸が張り裂けそうで、おそらくずっと泣き続けるだろう。

それでも断られた時はセイレスのご両親を全力で探して彼らの元へ送り届けなければいけない。
養子になることを受け入れてくれた場合でも一度きちんとけじめとしてお会いしなければいけない。
場合によっては俺一人で行った方が良いのだろうか。
奴隷商に聞いたところ、セイレスが奴隷になった経緯は彼も知らないらしい。
美しいエルフの少女は希少価値が相当高く、市場に出るたびに儲かると踏んだ商人たちが落札を重ねて色々な街と商人の間を渡ってきたようだ。

とにかくセイレスのご両親探しと、それからセイレスに養子の打診。
これは最近の俺の最重要任務だ。
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