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16女の子
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「マサキ…どう?」
俺の選んだ靴を履いてはにかむセイレスの可愛い事と言ったら…。
どうかどうか、俺の娘になって欲しい。
「か、か、可愛い! よ、よく似合ってる! せ、世界一可愛い!」
「へへ…」
「マサキ様、私はどう…でしょうか?」
照れるセイレスに見とれていると、全身を着飾ったクローエさんも聞いてきた。
「う、うん。き、綺麗だと、お、思います」
本当は複雑なデザインのドレスに大ぶりなネックレスは派手過ぎないかなという感想が頭をよぎったが、似合ってはいるのでぶんぶんと頷く。
余計なことを言わないのがマナーというものだろう。
いや、もしかしたら“綺麗”もセクハラになってしまわないかな。
心配になった俺は早々にクローエさんとの話を切り上げ商人に向き直る。
「ぜ、全部頂きます」
「ありがとうございます。いやぁこのようにお美しい奥様をお迎えされるとは、さすがは勇者様ですな」
「まぁ奥様ですって…ふふ、照れますわ」
商人が俺に向かって発した世辞にクローエさんが頬を染める。
「おや、これは失礼。まだご婚約者様でしたかな」
美女の照れた様子に朗らかに笑う商人。
周囲を漂うほんわかした空気に驚いて何も言えなくなる。
(そっか。俺とクローエさんってそんな風に見えるのか)
今までセイレスの世話係で屋敷のみんなの憧れのマドンナという認識しかなかったが、客観的にみれば妙齢の女性にドレスやアクセサリーを贈るってことは世間一般でみれば恋人や夫婦の関係に見られるものだ。
女性であるクローエさんをそういう対象に少しも見ていなかった俺には商人の反応は青天の霹靂だった。
ふと、商人とクローエさんのやり取りを呆気に取られて見守っていた俺の手をぎゅっと握る小さな存在に気付く。
「マサキ…セイ眠くなった…」
「あ、もうお昼寝の時間か」
眠気で不機嫌なのか口をへの字に曲げて目をこするセイレス。
慌ててその手を止めて、小さな体を抱き上げる。
「それじゃあ俺はこれで。支払いはジョフィルに任せるよ。よろしくね」
「かしこまりました」
丁寧に頭を下げてくれるジョフィルに見送られてお昼寝用の寝室に運ぶ。
3階を女子専用にしているがこの部屋は2階の俺の部屋の隣で、内側で扉が繋がっている。
本来は対になった家主夫婦の寝室用に作られたものだが、独り身なので空いていたその部屋をセイレスが気に入ってこの部屋が良いとおねだりされて仕方なくお昼寝用に明け渡したのだ。
適度に日当たりも良く、万が一窃盗団にでも押し入られても俺が隣で待機しているので安全だ。
部屋のど真ん中に置かれた大きな天蓋付きベッドの上に慎重にセイレスを置く。
腕の中で何もしゃべらないのでてっきり移動中に眠ってしまったかと思ったが、頭をそっと撫でると大きな海色の目がぱっちりとこちらを捉えた。
「マサキ、一緒に寝よ」
「お、お、女の子とい、一緒のベッドには、は、入れないよ」
親しき中にも礼儀ありである。
首を振って拒否すると、セイレスはキョトンと不思議そうにそれを見上げる。
「セイ、女の子じゃないよ」
「ん?」
セイレスの言葉の意味が分からない。
セイレスは女の子ではない?
実は男の子だというのだろうか?
しかし入浴と着替えを任せているクローエさんから一言もそんなことを報告されたことはない。
「ど、ど、どういう意味? せ、セイレスは、お、男の子ってこと?」
いや、セイレスの性別が男女どちらでも俺は構わないのだが、ゲイの俺が男の子を引き取ったとなればジョフィルからショタコンの容疑で正義の鉄槌として暗殺される可能性が出てきてしまう。
「セイはセイだよ」
ちょっと頬を膨らませて不機嫌そうに返された予想外の言葉に面食らう。
「そ、そ、そっか。セ、セイレスはセイレスだな」
もしかすると女の子扱いされるのが嫌なお年頃なのかもしれない。
頷く俺にセイレスはニパッと花が咲いたように笑った。
「そうだよ。だから一緒に寝よ」
そう言って袖をぐいぐいと強引に引っ張られた俺は断る口実が思いつかずにそのままベッドに寝転ぶことになってしまった。
セイレスは猫のように懐にするりと潜り込むと、機嫌良さそうに胸元に顔をすりすりとこすりつけてくる。
仕方がないのでセイレスが寝てからこっそり抜け出そうと思っていたが、子供の温かい体温があまりに心地よくて気づけば一緒に爆睡。
夕方になってジョフィルに発見され、はしたない汚らわしいとしこたま怒られてしまった。
俺の選んだ靴を履いてはにかむセイレスの可愛い事と言ったら…。
どうかどうか、俺の娘になって欲しい。
「か、か、可愛い! よ、よく似合ってる! せ、世界一可愛い!」
「へへ…」
「マサキ様、私はどう…でしょうか?」
照れるセイレスに見とれていると、全身を着飾ったクローエさんも聞いてきた。
「う、うん。き、綺麗だと、お、思います」
本当は複雑なデザインのドレスに大ぶりなネックレスは派手過ぎないかなという感想が頭をよぎったが、似合ってはいるのでぶんぶんと頷く。
余計なことを言わないのがマナーというものだろう。
いや、もしかしたら“綺麗”もセクハラになってしまわないかな。
心配になった俺は早々にクローエさんとの話を切り上げ商人に向き直る。
「ぜ、全部頂きます」
「ありがとうございます。いやぁこのようにお美しい奥様をお迎えされるとは、さすがは勇者様ですな」
「まぁ奥様ですって…ふふ、照れますわ」
商人が俺に向かって発した世辞にクローエさんが頬を染める。
「おや、これは失礼。まだご婚約者様でしたかな」
美女の照れた様子に朗らかに笑う商人。
周囲を漂うほんわかした空気に驚いて何も言えなくなる。
(そっか。俺とクローエさんってそんな風に見えるのか)
今までセイレスの世話係で屋敷のみんなの憧れのマドンナという認識しかなかったが、客観的にみれば妙齢の女性にドレスやアクセサリーを贈るってことは世間一般でみれば恋人や夫婦の関係に見られるものだ。
女性であるクローエさんをそういう対象に少しも見ていなかった俺には商人の反応は青天の霹靂だった。
ふと、商人とクローエさんのやり取りを呆気に取られて見守っていた俺の手をぎゅっと握る小さな存在に気付く。
「マサキ…セイ眠くなった…」
「あ、もうお昼寝の時間か」
眠気で不機嫌なのか口をへの字に曲げて目をこするセイレス。
慌ててその手を止めて、小さな体を抱き上げる。
「それじゃあ俺はこれで。支払いはジョフィルに任せるよ。よろしくね」
「かしこまりました」
丁寧に頭を下げてくれるジョフィルに見送られてお昼寝用の寝室に運ぶ。
3階を女子専用にしているがこの部屋は2階の俺の部屋の隣で、内側で扉が繋がっている。
本来は対になった家主夫婦の寝室用に作られたものだが、独り身なので空いていたその部屋をセイレスが気に入ってこの部屋が良いとおねだりされて仕方なくお昼寝用に明け渡したのだ。
適度に日当たりも良く、万が一窃盗団にでも押し入られても俺が隣で待機しているので安全だ。
部屋のど真ん中に置かれた大きな天蓋付きベッドの上に慎重にセイレスを置く。
腕の中で何もしゃべらないのでてっきり移動中に眠ってしまったかと思ったが、頭をそっと撫でると大きな海色の目がぱっちりとこちらを捉えた。
「マサキ、一緒に寝よ」
「お、お、女の子とい、一緒のベッドには、は、入れないよ」
親しき中にも礼儀ありである。
首を振って拒否すると、セイレスはキョトンと不思議そうにそれを見上げる。
「セイ、女の子じゃないよ」
「ん?」
セイレスの言葉の意味が分からない。
セイレスは女の子ではない?
実は男の子だというのだろうか?
しかし入浴と着替えを任せているクローエさんから一言もそんなことを報告されたことはない。
「ど、ど、どういう意味? せ、セイレスは、お、男の子ってこと?」
いや、セイレスの性別が男女どちらでも俺は構わないのだが、ゲイの俺が男の子を引き取ったとなればジョフィルからショタコンの容疑で正義の鉄槌として暗殺される可能性が出てきてしまう。
「セイはセイだよ」
ちょっと頬を膨らませて不機嫌そうに返された予想外の言葉に面食らう。
「そ、そ、そっか。セ、セイレスはセイレスだな」
もしかすると女の子扱いされるのが嫌なお年頃なのかもしれない。
頷く俺にセイレスはニパッと花が咲いたように笑った。
「そうだよ。だから一緒に寝よ」
そう言って袖をぐいぐいと強引に引っ張られた俺は断る口実が思いつかずにそのままベッドに寝転ぶことになってしまった。
セイレスは猫のように懐にするりと潜り込むと、機嫌良さそうに胸元に顔をすりすりとこすりつけてくる。
仕方がないのでセイレスが寝てからこっそり抜け出そうと思っていたが、子供の温かい体温があまりに心地よくて気づけば一緒に爆睡。
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