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17裏切り
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*ロキ視点
数年一緒に苦楽を共にしていた冒険者仲間たちに裏切られ奴隷落ちした。
生まれ育った孤児院から冒険者として独り立ちして、まだ右も左も分からない時にギルドで知り合ったルーキーたち。
同年代ということで自然と一緒に依頼をこなす頻度は増え、無口な俺を明るく受け入れてくれた気のいい連中だと思っていた。
未熟者の集まりは沢山ヘマや失敗もしたが、それでも助け合い笑い合い、良い関係を築けていると信じていた。
関係崩壊のきっかけは冒険者パーティの回復役である魔術師フルーラの告白を断ったことだ。
大きな目を潤ませバラ色に頬を染めて告げられた愛の言葉に心が揺れないと言えば嘘になる。
しかし彼女はリーダーの想い人だ。
幼馴染の二人の恋路を見守る雰囲気になっていたチーム内での今後を考えるとどうしてもフルーラの想いに応える気にはならない。
何より幼い頃に両親を亡くし孤児院育ちの俺は、冒険者として身を立てることに必死で刹那的な肉体関係ならばまだしも、恋や愛に現を抜かしている余裕なんてなかった。
告白を断ってすぐ、フルーラは俺に弄ばれたとリーダーとメンバーの女剣士に泣きついたらしい。
その話は一気にパーティ内に駆け巡り俺に対して他メンバーの態度が冷たくなった。
告白を断っただけで決してフルーラを弄んだつもりはないと弁明したが、わざと気を持たせるような発言をしてたぶらかしたのだろうと逆に詰め寄られる始末。
そのうちメンバーで話し合って決めていた報酬分配が一人だけ明らかに少なくなった。
当然抗議したが、リーダーは白けた目で「お前以外は納得している公平な分配だ」と吐き捨てた。
それどころか「やっぱり孤児は卑しくてがめついな」と他のメンバーに蔑みの言葉を呟かれ、歯を食いしばって俯くしかなかった。
そんなことが続き冒険者パーティを抜けることを本格的に考え始めた時だ。
裕福な商人の護衛の依頼がパーティに指名で入った。
沢山の宝飾品を積んだ馬車の警護だ。
細心の注意は必要だが、平均冒険者ランクA+であるパーティにとっては難しくない仕事のはずだった。
他の街へ移動する道中、森の中で野宿することになった深夜。
交代でしていた見張りの順番が終わり、仲間の近くに居るのは気まずいので馬車から着かず離れずの場所で一人仮眠を取っていた時だ。
「火事だ! 積み荷を守れ!」
森の静寂から突然の怒号が響いた。
その声に飛び起きた俺は瞬時に馬車を確認して帆に火がチリチリと燃え広がるのを目にする。
防炎処理のされた帆はすぐに業火になるということはないが、それでも火の勢いは決して弱くはない。
生憎パーティの中に水魔法を使える者はいない。
商人一行が焦って積み荷を外へ出そうとしているのを手伝おうと腰を上げようとした。
――グラッ
(あれ…?)
緊急事態だというのに視界が揺れて足に力が入らない。
そのまま地面に崩れ落ちてしまった。
酒に酔っていたわけでも体調が優れなかったわけでもない。
しかし不自然なほど力が入らない。
一体何が起こっているのか。
戸惑う間にみるみる全身の筋肉が麻痺したように痺れ始める。
目の前に生えた頑丈そうな雑草を震える手で掴む。
思い通りにならない筋肉を無理やり動かして上半身を起こし、事態を把握すべく周囲を見渡す。
「ぐぁぁぁぁ!!?」
火事の火に照らされた薄暗い空間に悲痛な声が響いた。
「なんだ!?」
「どうした、大丈夫か!? う、うわぁ!?」
また誰かの悲鳴が上がり、その声の主が崩れ落ちる気配がする。
辺りが騒然とする中、一人暗闇に多少耐性のある俺は何が起こっているのか見えていた。
必死で火の手から商品を守ろうとする商人たちを誰かが剣で斬りつけているのだ。
いや、誰かではない。
護衛であるはずのパーティのリーダーとその親友である副リーダーだ。
数年一緒に苦楽を共にしていた冒険者仲間たちに裏切られ奴隷落ちした。
生まれ育った孤児院から冒険者として独り立ちして、まだ右も左も分からない時にギルドで知り合ったルーキーたち。
同年代ということで自然と一緒に依頼をこなす頻度は増え、無口な俺を明るく受け入れてくれた気のいい連中だと思っていた。
未熟者の集まりは沢山ヘマや失敗もしたが、それでも助け合い笑い合い、良い関係を築けていると信じていた。
関係崩壊のきっかけは冒険者パーティの回復役である魔術師フルーラの告白を断ったことだ。
大きな目を潤ませバラ色に頬を染めて告げられた愛の言葉に心が揺れないと言えば嘘になる。
しかし彼女はリーダーの想い人だ。
幼馴染の二人の恋路を見守る雰囲気になっていたチーム内での今後を考えるとどうしてもフルーラの想いに応える気にはならない。
何より幼い頃に両親を亡くし孤児院育ちの俺は、冒険者として身を立てることに必死で刹那的な肉体関係ならばまだしも、恋や愛に現を抜かしている余裕なんてなかった。
告白を断ってすぐ、フルーラは俺に弄ばれたとリーダーとメンバーの女剣士に泣きついたらしい。
その話は一気にパーティ内に駆け巡り俺に対して他メンバーの態度が冷たくなった。
告白を断っただけで決してフルーラを弄んだつもりはないと弁明したが、わざと気を持たせるような発言をしてたぶらかしたのだろうと逆に詰め寄られる始末。
そのうちメンバーで話し合って決めていた報酬分配が一人だけ明らかに少なくなった。
当然抗議したが、リーダーは白けた目で「お前以外は納得している公平な分配だ」と吐き捨てた。
それどころか「やっぱり孤児は卑しくてがめついな」と他のメンバーに蔑みの言葉を呟かれ、歯を食いしばって俯くしかなかった。
そんなことが続き冒険者パーティを抜けることを本格的に考え始めた時だ。
裕福な商人の護衛の依頼がパーティに指名で入った。
沢山の宝飾品を積んだ馬車の警護だ。
細心の注意は必要だが、平均冒険者ランクA+であるパーティにとっては難しくない仕事のはずだった。
他の街へ移動する道中、森の中で野宿することになった深夜。
交代でしていた見張りの順番が終わり、仲間の近くに居るのは気まずいので馬車から着かず離れずの場所で一人仮眠を取っていた時だ。
「火事だ! 積み荷を守れ!」
森の静寂から突然の怒号が響いた。
その声に飛び起きた俺は瞬時に馬車を確認して帆に火がチリチリと燃え広がるのを目にする。
防炎処理のされた帆はすぐに業火になるということはないが、それでも火の勢いは決して弱くはない。
生憎パーティの中に水魔法を使える者はいない。
商人一行が焦って積み荷を外へ出そうとしているのを手伝おうと腰を上げようとした。
――グラッ
(あれ…?)
緊急事態だというのに視界が揺れて足に力が入らない。
そのまま地面に崩れ落ちてしまった。
酒に酔っていたわけでも体調が優れなかったわけでもない。
しかし不自然なほど力が入らない。
一体何が起こっているのか。
戸惑う間にみるみる全身の筋肉が麻痺したように痺れ始める。
目の前に生えた頑丈そうな雑草を震える手で掴む。
思い通りにならない筋肉を無理やり動かして上半身を起こし、事態を把握すべく周囲を見渡す。
「ぐぁぁぁぁ!!?」
火事の火に照らされた薄暗い空間に悲痛な声が響いた。
「なんだ!?」
「どうした、大丈夫か!? う、うわぁ!?」
また誰かの悲鳴が上がり、その声の主が崩れ落ちる気配がする。
辺りが騒然とする中、一人暗闇に多少耐性のある俺は何が起こっているのか見えていた。
必死で火の手から商品を守ろうとする商人たちを誰かが剣で斬りつけているのだ。
いや、誰かではない。
護衛であるはずのパーティのリーダーとその親友である副リーダーだ。
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