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36招待
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次にデイビッドに会った時、俺の屋敷に行きたいと改めて願われた。
店以外でじっくり二人で喋りたいと言われると悪い気はしないが、生憎俺は一人暮らしではない。
住み込みで働いてくれている者たちがいることを伝えると、是非会ってみたいと爽やかな笑顔で返されていよいよ断る口実がなくなって、本日の夕飯に招待することになった。
事前にジョフィルに友人を招くことを伝えると、珍しく困惑した表情だった。
俺に友人がいることがそんなに驚きだったのだろうか。
ジョフィルに会わせて一番怖いのは、デイビッドとの出会いを知られることだ。
ゲイバーである酒場の存在は決してジョフィルが受け入れられるものではないだろうし、そこに出入りしたことを知られればますます嫌悪されてしまうな。
話を厨房から聞いていた料理人のウォレントが顔を出して、腕によりをかけるとニカッと笑ってくれて安堵する。
ウォレントは渋いイケおじの元奴隷で、俺の同性愛も否定しない懐の深い好人物で好きにならざるを得ない。
ただ亡くなった奥さんを愛しているので俺の想いには答えられないときっぱりと告げられたので、残念ながらいつも通り終わった恋だ。
デイビッドとは待ち合わせをしている。
普段はこっそり転移魔法を使うことが多いのだが、今日は招待している立場の為あまり使用しない馬車で迎えにいくことにした。
一応馭者も元奴隷を雇っているが普段は殆ど馬の世話しかしていないので馬車を使いたいと声をかけると驚かれた。
「外出なんてめずらしいですね」と言われたのだが、もしかしたら俺ってほとんど出かけない引き籠りだと思われていたのだろうか。
待ち合わせ場所で合流したデイビッドは馬車の意匠や座席のマットレスが気に入ったようで興奮気味に褒めていた。
そして到着した門で、屋敷を見上げて固まってしまった。
「想像していたよりもずっとスケールの大きな家で驚いちゃたよ。ここ、領主よりも豪邸だよね。あれ? でもそれって…」
この街で領主より大きな屋敷を構えることが許されているのは領主より高い身分の人間だけだ。
構えるっていうかこの国にこしらえて貰ったところに住んでいるだけなのだが、領主である侯爵よりも高い地位の者が王都から離れたこの場所に住むなんて本来ならありえない。
とうとう告白しなければいけない時が来たようだ。
「じ、実は、お、俺、ゆ、勇者なんだ…だ、黙っていて、ご、ごめん」
「そうだったんだ。うん、なんとなく納得だよ」
勇気をだして告白したがデイビッドはあっさりと受け入れてくれた。
「マサキってどこか浮世離れしてるっていうかさ。僕はマサキみたいに凄い人間じゃないけど、これからも仲良くしてくれると嬉しいな」
「あ、あ、ありがとう! お、俺には、デ、デイビッドの方が、す、凄いヒトだと思うよ」
俺が勇者だと知るとみんな驚くのだが、デイビッドはすぐに納得してくれた。
それが嬉しくて締まりのない顔でヘラヘラしていると、入口にジョフィルがやってきた。
「おかえりなさいませマサキ様。そしてようこそいらっしゃいませ、お客様」
まるで針金でも通しているかのようにびっしりと直立したジョフィルがいつも以上に固い声色で迎えてくれる。
「ああ、どうも」
デイビッドはちらりとジョフィルを見ると、手に持っていたコートをジョフィルにポンと手渡した。
「それでこの屋敷は何部屋くらいあるんだい? あ、あの絵凄くいいね、誰か有名画家の作品?」
はしゃいだ様子でエントランスホールをキラキラした目で見渡す。
「え、あ、え、わ、わかんない」
「お夕食のご用意が出来ておりますので、こちらへどうぞ」
ジョフィルが無駄のない所作で優雅に案内をする姿に何か凄みを感じるのは気のせいだろうか。
店以外でじっくり二人で喋りたいと言われると悪い気はしないが、生憎俺は一人暮らしではない。
住み込みで働いてくれている者たちがいることを伝えると、是非会ってみたいと爽やかな笑顔で返されていよいよ断る口実がなくなって、本日の夕飯に招待することになった。
事前にジョフィルに友人を招くことを伝えると、珍しく困惑した表情だった。
俺に友人がいることがそんなに驚きだったのだろうか。
ジョフィルに会わせて一番怖いのは、デイビッドとの出会いを知られることだ。
ゲイバーである酒場の存在は決してジョフィルが受け入れられるものではないだろうし、そこに出入りしたことを知られればますます嫌悪されてしまうな。
話を厨房から聞いていた料理人のウォレントが顔を出して、腕によりをかけるとニカッと笑ってくれて安堵する。
ウォレントは渋いイケおじの元奴隷で、俺の同性愛も否定しない懐の深い好人物で好きにならざるを得ない。
ただ亡くなった奥さんを愛しているので俺の想いには答えられないときっぱりと告げられたので、残念ながらいつも通り終わった恋だ。
デイビッドとは待ち合わせをしている。
普段はこっそり転移魔法を使うことが多いのだが、今日は招待している立場の為あまり使用しない馬車で迎えにいくことにした。
一応馭者も元奴隷を雇っているが普段は殆ど馬の世話しかしていないので馬車を使いたいと声をかけると驚かれた。
「外出なんてめずらしいですね」と言われたのだが、もしかしたら俺ってほとんど出かけない引き籠りだと思われていたのだろうか。
待ち合わせ場所で合流したデイビッドは馬車の意匠や座席のマットレスが気に入ったようで興奮気味に褒めていた。
そして到着した門で、屋敷を見上げて固まってしまった。
「想像していたよりもずっとスケールの大きな家で驚いちゃたよ。ここ、領主よりも豪邸だよね。あれ? でもそれって…」
この街で領主より大きな屋敷を構えることが許されているのは領主より高い身分の人間だけだ。
構えるっていうかこの国にこしらえて貰ったところに住んでいるだけなのだが、領主である侯爵よりも高い地位の者が王都から離れたこの場所に住むなんて本来ならありえない。
とうとう告白しなければいけない時が来たようだ。
「じ、実は、お、俺、ゆ、勇者なんだ…だ、黙っていて、ご、ごめん」
「そうだったんだ。うん、なんとなく納得だよ」
勇気をだして告白したがデイビッドはあっさりと受け入れてくれた。
「マサキってどこか浮世離れしてるっていうかさ。僕はマサキみたいに凄い人間じゃないけど、これからも仲良くしてくれると嬉しいな」
「あ、あ、ありがとう! お、俺には、デ、デイビッドの方が、す、凄いヒトだと思うよ」
俺が勇者だと知るとみんな驚くのだが、デイビッドはすぐに納得してくれた。
それが嬉しくて締まりのない顔でヘラヘラしていると、入口にジョフィルがやってきた。
「おかえりなさいませマサキ様。そしてようこそいらっしゃいませ、お客様」
まるで針金でも通しているかのようにびっしりと直立したジョフィルがいつも以上に固い声色で迎えてくれる。
「ああ、どうも」
デイビッドはちらりとジョフィルを見ると、手に持っていたコートをジョフィルにポンと手渡した。
「それでこの屋敷は何部屋くらいあるんだい? あ、あの絵凄くいいね、誰か有名画家の作品?」
はしゃいだ様子でエントランスホールをキラキラした目で見渡す。
「え、あ、え、わ、わかんない」
「お夕食のご用意が出来ておりますので、こちらへどうぞ」
ジョフィルが無駄のない所作で優雅に案内をする姿に何か凄みを感じるのは気のせいだろうか。
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